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ぼくの詩集

死んだやつ

作者: 桜井あんじ

死んだやつは

死んだやつ


もうなにも

言うべき言葉は ありません


死んだやつは

死んだやつ


もう どこにも いない

二度とあうことも ないでしょう


死んだやつは

死んだやつ


その歌声も

かすれて消えた


ぼくらの思い出もすぐに 

砂となり

さらさらと 風に吹かれて 散るでしょう


死んだやつは

死んだやつ


ぼくらをおいて

さっさと


死んだやつは

死んだやつ


いきているものたちは

いきていることに

いそがしい


R.I.P 口々にささやきあい

明日からまた

生きることに いそがしく くるくると 


死んだやつは

死んだやつ


すこしうらやましい気もします ぼくは

すくなくとも あなたの望みは かなったんでしょう


死ねば伝説

生きれば老害

昨今 いったいだれが

老衰で果てるまで生きたいと

100年 生きたいと

願っているでしょう


死んだやつは

死んだやつ

もう どんな叫びも とどきません


死んだやつは

死んだやつ

手をふって バイバイ


あなたはいまごろ

にこにこと 笑っているのでしょうか

いや

あなたは

死んだのでしたね

もう

無のなかにいるのでしたか


さようなら

死んだ あなた

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