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 スレイプニルが近くに居たおかげか、野犬や魔物が襲ってくる事も無く無事に朝を迎える事が出来た。

 ただ、交代で見張りも兼ねてスレイプニルの観察を行っていたのだが、あまりの変化の無さに、見張りを交代したホルンが寝静まってすぐザミラも寝落ちしてしまったようで、さすがにこれにはホルンも驚き、懇々と危機管理能力について力説したのだった。

 力説しているうちに、いつの間にかスレイプニルも目を覚まし、優雅に朝の毛繕いをしたり、普通の馬のように地面に転がり体を擦り付けたりし始めた。


「一晩スレイプニルに張り付いて食べてるのを見たのは一度、ククルの実だけ。草を食んでる所も見てないし……草食だけど相当燃費が良いか、特定の木の実しか食べないのかしら?」

「断言出来ませんが可能性はありますね。飼料用の高山麦かククルで事足りるなら良いのですが……」


 ごろごろと盛大に土を削りながら転がり続けるスレイプニルを眺めながら議論を交わす。

 そうこうしているうちにスレイプニルが立ち上がり歩き出したので、急ぎ荷物をまとめ後を追う。

 すると昨日スレイプニルと会った水場に戻ってきてしまった。

 ざぶざぶと小川の中に分け入り水を飲むスレイプニル。この光景は昨日も見ている。

 あまり活発に動くことも無ければ進展も無い。

 一先ず少し離れた所でザミラとホルンの二人も水筒に水を汲み、昨日の残りの餅で簡単に朝食を済ませることにした。

 すっかり冷えて固まってしまった餅を本来ならばもう一度温め直したいものだが、寝るだけの昨夜と違いいつどこに移動するか分からないのでそう言うわけにもいかない。


「んーぐぐぐっ……かたいぃぃ」


 小川沿いに昨日のように布膳を敷き、その外に鞄をまとめて置いて準備をする。

 荷物から水筒を二つ取り出したホルンが、服の裾が濡れるの気にせず小川の中腹まで水を汲みに行っている間、布膳に座っていたザミラは餅を両手で持ち半分にしようと手にありったけの力を込めうなり声を上げていた。


「一瞬その声マンドレイクかと思いましたよ。私がやりますから少し待ってく……」


 ホルンが不自然なところで言葉を切ったので、ザミラは振り返り小川に視線を向けると、さっきまで二・三十メートル程離れた所に居たはずのスレイプニルが、いつの間にかザミラの鞄に鼻先を突っ込んでいた。

 二人はスレイプニルが自分から近付いて来た事よりも、触れれる程間近で見たスレイプニルのそのあまりにも巨大な体に怯みどうして良いか分からないでいた。

 しかしスレイプニルはそんな事意にも介さない様で、ザミラの鞄からククルの実を探し当てると、さも当たり前のように食べ始めた。


「ホルンさん……どうしよう」

「私も今同じ事を言おうと思ってました」


 餅を両手で持ったまま腰をひねり振り返った体勢のザミラと、水を汲もうと小川の中腹で中腰の姿勢のまま顔だけ上げた状態のホルン。

 二人ともあまり長時間もつ体勢では無い。


「ザミラさん、ククルが無くなるまでそのままの姿勢を維持出来ますか?」

「がんばれま……あ、えっと、エリ芋も食べ始めちゃいました……」

「そうですか……エリ芋もですか……」


 もう乾いた笑いしか出ない。

 豪快にククルの実とエリ芋を租借する音だけが響く。

 スレイプニルの鼻息が掛かる程近くに居るザミラは生きた心地がしない。

 程なくすると全て食べてしまったのか、スレイプニルは顔を上げると振り向き小川の水を飲み始めた。

 スレイプニルが後ろを向いている今のうちにと、ザミラは膝の上に餅を置き、じりじりと少しずつ布膳の上を後退し距離をとる事に成功した。

 一方完全にスレイプニルと向き合う形のホルンは、何故か水を飲み終わったスレイプニルに見つめられていた。

 きっちりと前足を揃え真っ直ぐに見つめるスレイプニルからは特に敵意は感じないものの、だからと言ってどうしたものか。

 だが、しばらくホルンを見つめていたスレイプニルは、突如小川に顔を突っ込むと勢いそのままに布膳の上に何かを放り投げた。

 手より一回り大きい位か、小川から顔を上げたスレイプニルは一匹魚をザミラのいる布膳に投げたのだ。

 しかもスレイプニルは何を思ったのか、魚を見て硬直しているザミラをしばし眺めたあと、再び小川に顔を突っ込みもう一匹放り投げたのだった。


「ホルンさん、魚、貰っちゃった」

「本当に頂いた物なのかそれともご本人が食べる物なのか怪しいところではありますけど……えーと、一緒に食事をとりたいとか布膳に座りたいとか甘えたいとかとかとかでしょうか」

「ホルンさんが現実逃避するのレアですね」


 二人が布膳の上で跳ね回る魚を見つめながらスレイプニルの意図を考察していると、そんな事知ってか知らずかスレイプニルは布膳の脇に腰を降ろすと、今度はホルンの荷物を齧り始めた。

 

「うっそ……もしかして本当に?」


 ザミラは一度ホルンを確認し、再びスレイプニルに視線を戻すと恐る恐るスレイプニルの鼻先に手を伸ばし荷を解く。

 ホルンが二人分として持って来ていた食材は干し肉とパンと最低限の調味料、それとしっかりと焼き締めた堅いサブレと乾燥させ蜜で固めた果物が少量。

 布膳の上に荷物の中身をばらばらと広げ押し固まるザミラ。

 加工された物でも家畜やその辺の動物だったら気にせず与えるが、はたしてスレイプニルに与えて良いのだろうか。

 下手に反感をかって暴れられたらひとたまりも無い。ザミラは一つずつ丁寧に布膳の上に並べながらスレイプニルを横目で確認すると、スレイプニルもザミラを見ていた様で目が合った。

 小川の中で完全に座り込んだ状態でその様子を見ていたホルンだったが、スレイプニルはホルンに背を向けて座っていた為よく状況が飲み込めずにいた。

 ザミラを見つめていたスレイプニルは視線を布膳の上に落とすと、端から順に匂いを嗅ぎ確認をしている様。

 一通り確認し再び鞄の匂いを嗅ぐと、今度は振り返りホルンに視線を向ける。

 

「……お好きな物があれば是非どうぞ」

 

 スレイプニルと目があったホルンが反射的に布膳に手を差し伸べながら丁寧に薦める。

 するとスレイプニルは一度大きく尾を振ると一番近くにまとめて置いてあったサブレを一口で頬張り、ごりごりと盛大な音を立て租借し始めた。

 ゆっくりと迂回して小川から上がったホルンは、濡れてずっしりと重くなった服を引き摺りながらザミラの横、布膳の外に腰を降ろし、満足そうに租借しているスレイプニルを眺める。

 しばらくしサブレを飲み込むと今度は果物を口に含みねちねちと租借しながら、ザミラの膝の上に視線を落とす。

 

「……お餅、硬くなっちゃったけど食べる?」

 

 スレイプニルの視線の先には昨晩作った餅が一つ。それを差し出しながらザミラが小首を傾げ口を開く。

 するとスレイプニルは再び尾を大きく一度振ると、ザミラの手から直接餅を頬張り、満足そうに生暖かい鼻息を二人に吹きかける。

 そのまま残っていた果物を全て平らげたスレイプニルは魚と二人を残し、満足そうに森の奥に走って行ってしまった。

 呆然と走り去るスレイプニルを見送る二人が再起動したのは、それから四半刻程経ってからだった。

 

 *

 

 ホルンとザミラを見送ったイヴァンは、一人厩の二階で机に突っ伏しながらマンドレイクを眺め唸り声を上げていた。

 何度鉢植えに植え直しても何故か自力で這い出し動物の様に擦り寄ってくるマンドレイクを、今更ながらどうやって増やそうか心底悩んでたのだ。

 背後の棚からマンドレイクに関する書籍を取り出し、ぱらぱらと頁をめくって何かヒントになるような事が書かれてないか探してはみるものの、どれも似たり寄ったりな事しか書かれていない。

 と言うかそもそも目の前のマンドレイクは既に書籍に書かれている物とは全く別の物になっているような気がする。

 イヴァンは書籍と小さく呻き声を上げ自身の腕にしがみ付いたままのマンドレイクを交互に見ながら、一つずつ確認していく。

 まずは見た目。

 見た目は書籍も実物も一緒で、ただ植物の根の部分がふっくらと膨らみ何となく人の形っぽく枝分かれしているだけ。

 色も赤みがかった土色で何となく顔も一緒のような気がする。

 一つずつ指差し確認をした結果、書籍と目の前の現物の類似点は以上。

 次に現在認識している相違点を羊皮紙に書き出して行く。

 まず実物は動く。自力で土から這い出す程しっかりと自立し動く。

 どういう原理構造でそうなっているか分からないが、枝分かれした根の先を器用に足として使い歩く。手のような部分も動く事は確認済みだし、実際に今もイヴァンの腕をさすっている所だ。

 一般的に根の部分を薬とし使用する為か、葉の部分について書かれた物は見つからなかったが、それでも手のように羽根ペンを掴んだり腕にしがみ付いたりはしないだろうと断言は出来る。

 次に鳴き声。地面から抜く時以外も鳴く。むしろ鳴き声にも種類があり、一般的な耳を劈くような害のある鳴き声は上げない代わりに、子供か動物のようにその時々の感情に合わせ鳴いている。

 イヴァンはここまで書き綴り、この状況に慣れ過ぎていたのか、根本から失念していた事を思い出した。

 

「こいつ、そもそも感情があるんだっけ」


 動く動かない以前に、自分の意思があるかのように振舞うマンドレイク。いや、実際に自分の意思と思われる物を告げ、満足すれば喜ぶような仕草をする。

 そしてイヴァンとザミラが少し目を放した時は、何故か鳴きながら二人を探し彷徨い、最終的に見つからずホルンに鳴きついていた。

 イヴァン自身も書きながら徐々に意味が分からなくなって来た。

 ここまできたら【鳴き声】ではなく【泣き声】だろうか。早々に現実逃避気味の考えが頭に浮かび、読んでいた本を閉じる。

 すると腕に擦り寄っていただけのマンドレイクが顔を上げると、突っ伏しているイヴァンの顔目掛けて嬉しそうに小さく跳びはね始めた。

 

「なんだよ、今忙しいんだから遊んでやる暇なんて……ってー独り言ー俺って虚しいわー」


 普段の低く唸るような声とは違い、短くギャッギャッと犬が鳴くような声を上げ跳びはねるマンドレイクの腹を羽根ペンでくすぐっていたイヴァンは、たまらず仰け反り天を仰ぐ。

 被り物を外し頭をがしがしと無造作にかくと、マンドレイクはイヴァンのてから被り物をするりと抜き取り自分の葉に被せる。


「あっ。おっまえなー、何してんだよ。茎が一本折れちまったじゃねぇか。植え直したら治るのかそれ?」


 誇らしげにイヴァンの被り物を頭に載せたマンドレイクだったが、野菜のように細く枝分かれした葉と茎が見事に押し潰され、そのうちの一本がぽっきりと折れてしまった。

 被り物を退けたイヴァンがマンドレイクを持ち上げると、マンドレイクは怒られたと思ったのかしゅんと大人しくうな垂れてしまった。

 一先ず鉢植えの中に戻し放牧場からとって来た土を入れ植え直す。

 ついでに大人しいうちに実験・治療がてら茎に添え木をし、折れた箇所が外れてしまわないように布で縛り固定する。

 最後の仕上げに汲んでおいた水を少々ふりかけ様子を伺う。

 ただの植物だったら折れた茎の一本や二本気にせず剪定バサミで切ってしまうのだが、それが正解だとしても感情がある疑惑のマンドレイクに刃を入れる勇気をイヴァンはまだ持ち合わせていなかった。

 折れて添え木をされた箇所を手でさすりながら、大人しく鉢植えに収まるマンドレイク。増やすならもっと広い鉢が良いだろうが果たしてどうするか、そんな事を悩んでいると入り口の方から数度音がした。

 イヴァンが入り口の方に視線を向けるとそこにはドレス姿でマンドレイクの入ったカゴを抱える金髪の女性が立っていた。

 

「えと、一応ノックはしましたが扉が無かったので勝手にお邪魔しております」

 

 腰まである緩くウエーブした髪をなびかせ、真紅のドレスの裾を掴みながら小首を傾げる女性。

 絵に描いた様なお姫様の風貌をした女性がマンドレイクを持って微笑むと言う、なんとも言えない光景を目の当たりにしたイヴァンは、一度机に視線を落とし目頭を押さえると、何事も無かったかのように再び女性に向き直る。

 

「あぁ、こんななんとも言えない場所で良ければ好きにお邪魔してくれ」

 

 イヴァンは何事も無かったそう言いながら女性に近付くと、女性からカゴを受け取りマンドレイクを掴み上げる。

 女性の持って来たマンドレイクは三本。どれもイヴァンとザミラが育てたやつらしく丸々と太っている。

 イヴァンがカゴからマンドレイクを取り出すのを見た鉢植えのマンドレイクが、何かを訴える様に鳴き声を上げるのを二人揃って一瞥し、そのまま気にせずお互いに顔を見合わせる。

 

「お初にお目にかかります、イヴァン様。私、メルティーナと申します。ホルン兄様よりイヴァン様のお手伝いをする様言付かりまのでご挨拶にと。どうぞ私の事は気軽に【メル】とお呼び下さいませ」


 そう言うとメルは吸い込まれそうな瑠璃色の目を細め微笑むと、優雅にドレスの裾を掴み一礼した。

 

「そう言えばホルンさんが出掛けにそんな事言ってたな。そうか、ホルンさんの妹か。じゃあ俺の事とか事情は諸々知ってるって事だよな。俺の事も呼び捨てで良いよ、なんだよ『様』って」

 

 イヴァンは机の上にカゴとマンドレイクを置き軽い笑い声を上げながらそう言うと、手近な椅子を引きメルを呼ぶ。

 呼ばれて素直に駆け寄って来たメルに椅子を薦め、イヴァン自身は机に凭れ掛かるように腰掛け、未だに鳴き続ける鉢植えのマンドレイクを鉢ごと膝の上に抱える。

 

「兄様からお話は伺っておりましたけど……本当に愛らしい動きをするのですね」

 

 満足そうにイヴァンの腕に葉を絡ませ大人しくなったマンドレイクに視線を落とし、純粋に珍しい物を見るように目を丸くさせるメル。

 【愛らしい】に絶句するイヴァンとは対照的に、褒められたと認識したのか目をきらきらと輝かせてメルを見つめ返すマンドレイクは、自身を覗き込むメルの髪に葉を伸ばす。

 

「あっ、おい。むやみに何でも掴もうとするんじゃねぇよ」

「良いのですよっ! 痛い事と恥ずかしい事以外でしたら好きにして下さいな」


 メルはにっこりと微笑みかけると、自分の毛先を掴みマンドレイクに差し出すと、ゆっくりとメルの毛を掴んだマンドレイクが何故か誇らしげにイヴァンを見上げ気持ちの悪い鳴き声を上げる。

 努めて平常心で誇らしげな表情のマンドレイクと視線を合わせていたイヴァンだったが、苛立った溜息をつくとメルに鉢植えごとマンドレイクを渡し、カゴのマンドレイクを持って立ち上がると棚の下段の大きな鉢植えを取り出す。

 その鉢植えにマンドレイクを三本並べて入れ、部屋に予め準備されていた土を入れ水をかけると、三本とも小さな鳴き声を上げながら葉を揺らしている。

 

「この土と水はこの辺の普通の土なのか?」

 

 再び記録用の羊皮紙を取り出しメルに視線を投げかけるイヴァン。

 

「えぇ、マンドレイクの詳細な好みが不明でしたので、まずは王都で広く一般的に園芸で使用されている物をご用意致しました」

 

 マンドレイクの鉢を抱えたままメルは立ち上がりイヴァンの隣に並び視線を落とす。

 イヴァンはペンを走らせ今得た情報とマンドレイクに与えた水の量と時間と場所を細かく記し始め、ふとメルの手元の鉢植えに視線を向ける。

 本を棚に乗せると机に置きっぱなしだった被り物を掴み、鉢植えの底を包むように包み再びメルに手渡す。

 メルの手やドレスに土が付くのを避ける目的だったのだが、なぜかマンドレイクが目を輝かせているのでイヴァンは何も見なかった事にした。

 

「今日はこの場所でこの土と水で様子を見るか。これで明日変化があれば次の条件での実験かな」

「一株ごと別々の実験を行ったら一度に三つのデータが取れますわよ?」

「面倒臭い」

 

 むしろイヴァンにしてはよく今まで詳細なメモを取り考察しながら作業を進めていたと思う。

 そう言った情報もホルンから聞いているのか、メルは思い出すかのようにしばし沈黙すると、一言『そうですわね』と呟き腕の中のマンドレイクをつつき始めた。

 

 マンドレイクが騒ぎ出したら水をあげるを繰り返し早数刻。

 さすがに部屋中の書物は読んでしまいようようやる事が無くなった。

 

「この時間を使いお互い親睦を深める為色々質問したいと思いまーす」

「それは名案ですわね! まずはどちらから質問します?」


 さすが双子さすが兄妹。どこかで聞いた事のある台詞を発するイヴァンとメル。

 椅子にしっかりと座り直したメルが楽しそうにイヴァンを見上げると、窓枠に腰掛けていたイヴァンが唸り小首を傾げたまま口を開く。

 

「ホルンさんから聞いてるって事はメルは俺とザミラの事は大体知ってるんだよな?」


 笑顔で頷くメルを確認したイヴァンは、机の上のマンドレイクを羽根ペンでくすぐりながら再び考えを巡らせる。

 

「言っておいて何だがあんまり聞きたい事って無いなぁ。あ、次からは汚れても良い服で来いよ? こいつ何でも掴むし。後はー……暇だな。ザミラとホルンさんも暇して……なんか妹のメルはメルなのに兄貴のホルンさんだけ敬称つけて呼ぶのすっげぇ違和感」


 元々面倒臭がりであまり人に興味を示さないイヴァンが質問なんて思いつくはずもなく、ただでさえ気だるい口調のイヴァンに余計拍車がかかり、恐ろしく要領を得ない事になっている。


「では兄様の事も敬称を付けずお呼びになれば良いのですよ! きっと目を輝かせて喜びますわよ。あとはー……今みたいな口調! そう、幼馴染や懇意の間柄のように遠慮せず明け透け何でも言うと喜んで我が儘も聞いてくれますのよ」

「ひっでぇ妹だなー」

 

 のらりくらりと相槌を打つイヴァンと興奮気味にあれこれホルンの情報を話し続けるメル。

 そのまま朝まで流行のドレスやお茶の話し等を楽しそうに話すメルだったが、意外にもイヴァンは楽しそうに相槌を打って聞いていた。

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