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刺客街路〜剣豪異世界接続〜  作者: 杣
第二幕
18/20

剣鬼の予感


登校する時掛の気持ちは沈んでいると言わざるを得ない。


神崎慎吾と神崎慎……

奴らを倒さないことには何も始まらないのだ。


こんなときに部活などやっていられない。


勝つ。その気持ちしかなかった。







竹刀をもつ時掛の目の前には高田がいる。


異様な殺気だ。


先程雑魚の一年坊主を倒したが、それとは全く別……

競技というより人を殺すための、そう、殺人剣を感じるのだ。



「どうらっ!」


高田が動く。

平青眼から繰り出される突き……

ひどく鋭い動きだ。


時掛はそれを剣尖を払ってよけ、竹刀を高田の胴に当てた。


「ドウッ!」


叫んだ途端、頬に猛烈な痛みが走った。


「ガッ!」


目の前には鬼のような顔をした高田がいる。


目は赤く光り、腕には気持ち悪いほどの筋肉がある。


高田が声を出さずに口を動かす。


コ ロ ス


刹那、竹刀が眼前に落ちて来る。

咄嗟によけ、竹刀を持った右手を後ろにさげた。


「一角!」

捻り突きである。


それは高田の胴を捉えたかと思ったが、空を切ってしまった。


次は腹に痛みが走る。

捻り突きを真似された。


「ぐっ、」


そして、喉を突かれる………




















「ドウッ!」


「いててて」


目の前にいるのは高田。

尻餅をついている。


目は赤くないし、腕の筋肉もない。


「お前、なんで尻餅なんて……」


「は?お前が俺の剣尖払って胴入れたんだろ?完敗だよ」


違う。あの後お前が物凄い剣気を発して、俺を倒したんだ……



そうか。奴の剣気は俺に幻覚を見させたんだ。

あれほどの剣気、廬山からも感じたことがない。

奴といれば、強くなれるかもしれない!


そう思う時掛の気持ちが、高田の運命を狂わせてしまった。



「高田………」


「なに?」


「剣道部……入るよ、俺」


「え?まじ?うっしゃぁぁぁ」


高田は拳を突き上げ、吠えた。

獣の如く。


「だから、つよくなろう。」


「おう!」


高田は自分に潜む獣に気づいていない。


剣鬼が、生まれようとしていた。







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