9日目 アイテムボックス
9日目
朝食を終え、優雅に食後のティーブレイクを楽しんでいるとトオルが帰ってきた。
いつの間にか余裕をもって帰ってくるようになったようだ。
自慢げな顔にイラッとしたので、テキサスクローバーホールドを決めてやった。
よく見てみると、性体師(笑)とデリバリーヘル男(笑)が統合され、豚奏者(笑)に変わっている。
どんだけオークと濃い関係を送っているのか、想像するのもおぞましい。
ということで、今日も恒例のように新しい魔法のアイディアを聞いてみた。
「アイテムボックスは外せませんよ~」とあたかも当然のように話し始めたのがムカついたので、とりあえず、カツサンドを与えておいた。
ということで、開発してみた。
「天才過ぎるっ!!」と騒いでいるが、当然のことを騒ぐな!
結論から言うと、俺はまたもある意味最強の魔法を開発したかもしれない。
トオルに言わせると、アイテムボックスというのにアイテムを入れると、その中では物質は腐らず、多くの物品を入れられるというのが特徴とのことだった。
そこで、自身の魔力で広大な仮想空間を作ると共に、自身の魔力で現実空間の魔力と仮想空間を繋げることでアイテムを入れられるようにしてみた。
そして、腐らず、劣化しないように仮想空間内の時間を停止させた。
ここまでは成功した。当然だがな。
アイテムを入れる段階で気付いた。
仮想空間は時間が停止している。つまり、空間内の分子や原子が固定され、流動しないということだ。
その結果、どうなるか?
仮想空間が固定されちゃって、アイテムが入らない。テヘッ。
空中にアイテムが浮いている姿は中々の恐怖映像だな。
しかし、防御魔法として考えるとかなり優秀だな。
空間を固定しているから突破できないし、仮に固定した空間を突破できても仮想空間に攻撃がぶち込まれるだけだ。
そうだ。俺は失敗していない。
だが、スッとしないのも確かなので、空間を固定してトオルをオークの集落に捨ててみた。