ディユ王子の憂鬱と計画2
昨日更新しようとしたら寝落ちしてました……
「お?影からの報告書だ………」
俺は机の上にあった報告書を読んだ。そして思わず顔を顰めた。その様子を見ていたユリウスが……
「どうしたんだ?ディー?」
俺の横から報告書をのぞき込んで読み始めた。そして、同じく顔を顰めた。
報告書には俺を暗殺計画があると。そして、企んだのはフリッド公爵。日時はあの招待状に書かれた場所と時間だった。
「俺の暗殺計画とは………なめてるな………」
思わず紙をぐしゃっと握ると……
「ディー!落ち着け!殺気を抑えろ!」
ユリウスの声にはっとし力を抜いた。知らない内に殺気立っていたらしい。
「悪い……しかし、どうするもんかな……行かなきゃいいだけだろうがそれはそれで、気に食わない……」
そう。行かなければいいだけの話なのだが……逃げられたと思うのは癪に障るのだ。
「ディー。お前の悪い癖が出たな……変なところで負けず嫌いになる癖。」
「うるさい。」
ユリウスが横からいろいろ言ってくるがどうしてやろうかと俺は頭の中で考え始めた………
「そういや、ここに来る奴らのほとんどが暗殺者だと書いてあるよな?」
なんとなくいい案が浮かびそうで目に付いた項目について聞くと。
「あぁ、そう書いてあるな……」
ユリウスがそう答えたとき………
「暗殺者を暗殺すればいいんじゃないか?」
するっとそんな言葉が出てきた。
すると………
「んなこと!出来るわけないだろ!何百人いると思ってんだ!」
とユリウスに怒られた。
そう怒られ他にはないかと考えはじめたとき…………
「何百人も一気に殺せるような能力を持っているやつを知っています。」
「「うおわっ!?」」
天井から影の声がし上を向くとそこには天井の穴からぶら下がっている影がいた。さすがに、驚いた………心臓がギュンッてなった。
「影……びっくりするだろう!?」
俺がそういうと……
「申し訳ありません。」
と素直に謝ってきた。
ちなみに、ユリウスは驚きすぎて今も固まっている。
「で?おまえが言ってた奴はどんな奴なんだ?」
影が先ほど言っていた"何百人も一気に殺せるような能力を持っているやつを"について聞くと………
影が天井から降り…
「姿などは見たことはありませんが……護衛、暗殺などを主とするブラックブラッドっというギルドがあります。そこにハンドルネームが"死神"と言う奴がいて。」
そんなギルドがあるとは初めて聞いた。
驚きながらもそのまま黙って話を聞いていると。
「どんな力なのかは詳しくは知りませんがその"死神"がある能力を使い一気に殺すことができるという話を聞きました。」
ということらしい。本当かどうかはわからないが影が嘘を言うことはないので………
「ユリウス……ブラックブラッドのギルマスを連れてこい!無理ならどこかで会う約束を……!」
影が言う事を信じてみようと思いユリウスに命じた。
そして、しばらくしてユリウスはブラックブラッドのギルマス、ガイルを連れてきた。
「これは、これは。ディユ殿下……お目にかかれて光栄です。俺は、ブラックブラッドのギルマス。ガイルと申します。」
他にバレると厄介なので俺が信用した奴しか入れない部屋へでの話し合いとなった。
目の前に現れたのは無精髭が生えてはいるがそんな髭が似合う男だった。
「あぁ、早速だが相談したいことがあるのだ…」
「殿下のような方が俺らのようなギルドになんの相談ですかな?」
「これを、読んでくれ。」
俺はガイルにあの報告書を見せた。
すると……
「これは………あなたを暗殺する計画書のようですが?」
「そうだ。そこで、相談なのだがこの100人以上はいるであろう暗殺者を暗殺して欲しい。死神という名を持つ者に………」
「ほう……そのことをどこで?」
「俺の信頼するやつからだ。」
「そうですか……それは、あんたの影に隠れているやつですかな?」
「…!?」
普段影は俺の影に潜んだりしている。だが、それを見破るものなどいなかったのに………
「なぜ、わかった。」
「俺の能力は魔法を見破る能力だからな……すぐにわかった!」
とガイルは盛大に笑いながら言った。
そんな能力もあるのかと感心したのだが………
「殿下……俺が思うにあんたがこの場に行かなければいいと思うんだが?」
そう言われた。
「それは、俺も思ったのだが……逃げられたと思うわれるのは癪にさわるのでな……それに、制裁にもなるだろ?」
っと答えると……
「……ブッ……アッハハハハ!!」
とガイルは爆笑し始めた。
「アハハ!気に入りましたよ殿下!あんたの考え方俺は好きだ!わかりました……御依頼お受けいたしましょう!」
一通り笑ったあとそう答えた。
「経費はこちらが出す。買った物があれば領収書を俺に渡してくれ。」
「了解です。とりあえず、暗殺者のご指名では死神でよろしいですね?」
「あぁ。」
「それなら、俺はあんたの護衛につかせていただきますよ?」
「なぜだ?」
別に護衛は影もいるからいらないと思ったのだが………
「死神の力は強いんですよ……なので、その力を使わせるときは俺が許可する必要があるんですよ。それに、そんな力にあんたが巻き込まれたら大変ですからな…」
「わかった。よろしく頼む。」
ガイルの話に納得し了承し話し合いは終わった。
ガイルはそのあと、秘密の裏口から帰っていった。
次回はノアちゃんとの出会い編!