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2.小説家を書こう
ある晩、怪文書作成に使うネタを探すために、モウルがネットでニュースサイトを片っ端から閲覧していると、こんな記事を見つけました。
「人気ラノベ作家、脱税容疑で告発される」
モウルはそのケタ外れな脱税額を見て、驚くやらあきれるやらで、思わずため息が出ました。
「ラノベ作家って儲かるんだなあ。よし、自分もラノベを書いてみよう」
こうして、よこしまな動機から、モウルは異世界ファンタジーを一本書き上げました。タイトルは「脱税オークをつかまえろ!」です。
モウルは路地裏にその小説を持って行き、いつも怪文書を読んでくれる人たちに配りました。
モウルの小説を読んだ人たちは、ひとしきりゲラゲラ笑った後で、
「面白いけど、商業出版は無理だな。色々とヤバすぎる」
「下手すると、出版社のブラックリストに名前が載るぞ」
「本当はふざけたいだけで、儲けようなんてこれっぽっちも思ってないだろ、お前」
と感想を述べました。
モウルはがっかりです。




