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15.最後の活動報告

 その日、モウルは住人がいなくなった五十の住居を巡り、百の作品に目を通しましたが、結局好みに合った作品には一つも出会えませんでした。


「面白そうな作品がないわけじゃないんだけど、そういうのはなかなか評価が付かないことに作者がくじけてしまったのか、エタっていることが多いんだ」


 連載が途中で止まったままになってしまうことを、「エタる」と言います。これはナーロ街だけでなく、巨大都市ツーでも通じる言葉です。


「かと言って、今さら六年前の作品に評価点を入れても、再開は期待できないし」


 モウルはためしに、いくつかの連載が途絶えた古い作品に、最高評価点を付けてみたことがあるのですが、一度枯れた花が二度と咲かないように、一度エタった作品が、二度と連載再開されることはありませんでした。


 エタった作者の残した活動報告を見ると、最初は夢と希望に胸をふくらませているのですが、だんだん自分の作品が評価されないことへの苦悩が大きくなり、最後は、


「作品を書き続ける気力がなくなってしまいました」

「ここまで読んでくださった皆さん、本当にごめんなさい」

「いつか、必ず完結させたいと思ってます」


 などと書いてあるのはまだ良い方で、


「投稿しました」


 と、無感動に報告するものや、


「さようなら」


 と、ただ一言だけのものなど、読んでいる方が悲しくなって来ます。

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