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12.助け合いの暗黒面

 小さな広場に、ナーロ街の住人達が二十人程固まって、何やら楽しそうに話をしていました。


「仲が良さそうな人達だなあ。殺伐としたツーの住人達とは大違いだ」


 モウルは、その光景にほのぼのとしながら、住人達の話に耳を傾けてみました。


「今度新作を書くので、この日のこの時間帯に、みなさんで評価のほどよろしくお願いします」

「私も同じ時間帯で、この作品に評価をお願いします」

「私も」

「私も」


 その住人達は、お互いの作品に評価点を入れ合う相談をしていたのです。


「あれ? ナーロ街の規則では、評価を依頼するのは違反じゃなかったかな」


 良く見ると、その住人達がいる広場は、ナーロ街の境界線の外側に位置していました。


「なるほど、規則の適用範囲外か。一歩でもナーロ街を出れば、評価を依頼しても違反にはならないんだっけ。うまく考えたなあ」


 自分も仲間に入れてもらおうと、モウルがそちらへ足を踏み出そうとしたその時です、


「あんたなんか、相互評価をもらって日間に上がっても、すぐ落ちる底辺作家のくせに!」

「何よ、あんたが日間に残り続けているのは、相互の他に十個以上の不正アカウントを取得して、評価点を付け直してるからじゃない!」

 

 さっきまでの和気あいあいとした雰囲気はどこへやら、住人達は鬼のような形相になって、互いを罵り合い始め、果てはつかみあいの大乱闘にまで発展しました。


 モウルは無言で回れ右をして、誰にも気付かれないようにその場から離れます。


 馴れ合いは諸刃の剣なのでした。

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