鈍色は、欲しいものがある / 深緑の気掛かり
メインが短いからオマケをつけたらそっちの方が長くなってしまった……。
あ、今回のが短いから、前話と同時更新です。
ボクには、生まれた時から好きな相手がいる。
その相手は、絶対笑顔が似合う。そんな直感がある。
なのにいつも、笑顔じゃない。笑顔がない。
どうして…? ボクがいるのに、笑ってくれない。
ボクが弱いから、笑顔じゃないのかな。
そう思って、強くなった。
でも、相手が居ない。
いつもいた部屋に居ない。
いつもいた場所に居ない。
なんで…? ボクは強くなったのに、いなくなったの?
あぁ、そうだ。あの子は、いいところの末娘だ。
家に打診しよう。末娘と結婚したいって。
ボクも一応、偉いらしいから。
えへへ…あの子と結婚……えへぇ……。
***
【始まりの吸血鬼】
―――⸺世界シキ・リーナ最初の吸血鬼。
彼は山奥で生まれ、度々人を襲い、眷属を増やしている。彼を敬い、信仰をする者もいる。
彼を示す名前は未だなく、”始まりの吸血鬼”で通っている。
***
「そういえば何だが……ユー。気づいていて、セキネさんの誘いに乗った面もあるのか?」
ふと思い出した。
リアの後を追う、不気味な気配。何度か、遠くから見ている少年を追い出した覚えもある。
リアは気づいていなかったが、ユーは多分、気づいていた筈だ。
「あぁ、うん。セキネさんが来たあの日は、気配無かったけど……流石に、気味悪いからね。⸺そういや、お兄ってそれ知ってたっけ?」
……あー、どう…だ? 言った覚えはないから、知らないと思うが……ていうか、それ以前になぁ…。
「知らないと思うが……同族だとも思う」
「ヨツバ、度々言ってるけど、お兄ってそんなにアレなの…?」
「お前は知らんから言えるんだ……アレは割とマジに重いぞ…気遣いと猫かぶりが出来てるから、辛うじてマシなだけで」
「私的には、(自主規制音)を嗜んでる人より信用できるけど」
「⸺なあ、お前は一体いつまで俺を蹴ってるんだ!? もう死体どころか白骨レベルだぞ!?」
「えぇー……味がしなくなるまで、かな?」
「俺は白骨じゃなくて干物ってか? いや……ひでぇわ!!!」
何故俺は、半数以上の会話を叫んで終わらせなきゃならんのだ……。
更なるオマケ
【青緑+αの呼び方】
《メンバー:リア、アラン、ユミカ、ヨツバ、セキネ》
・リア、アランは互いをリィ、アルと呼んでいる。
・ユミカは皆からユーと呼ばれてる。
・赤音は大体セキネさん。
・しかしリアは”ししょー”と呼んでる。
・ヨツバは”ツバっさん”と呼ばれることもある。
・後は基本名前呼び。