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二代目頭領の正体

仲間と喧嘩別れしたカリナは一人で決着をつけようと奥へ進んでいきます。


 一方のカリナは《B(ブラッディ).B(ブラック)》討伐のため一人森林を進行していた。

 ユニークスキル〈セカンドサイト〉のおかげで仕掛けられた罠を回避し、待ち伏せするPKを先手で倒すこともできていた。


「なんだ!? どっから攻撃されて――ぎゃあああ!!」


「物陰に隠れろ! 近くにいる敵を探せ!」


「やってるよ! でもどこにいるか――」


 透視と遠視を併用できる〈セカンドサイト〉は正確に敵の姿を捉え、鍛え上げられた弓としての腕で隠れる敵を狙撃していく。まさに狩人(ハンター)の名に相応しい狩りだった。

 十人いた見張りの人間もカリナに射殺され、遺留品をその場に残すのみとなる。


「ハァハァ……! うぅ!」


 吐き気を催したカリナは必死に堪える。この仮想世界において嘔吐という動作は存在しない。しかし吐き気を感じれば現実の身体が嘔吐しかけているということになる。

このLPO幽閉事件の被害者達は例外なく病院のベッドに寝かされているはずである。その状態で嘔吐すれば気管に詰まって窒息死してしまう可能性があった。


「今更十人やったくらい何だ。どうせこの手は真っ赤に汚れてる」


 カリナは怯えて震える手を強く握り、自分の心を叱咤して前に進む。殺した人間は生き返らない。もう何十人と殺めてしまっている。ならばせめて人殺しとして少しでも多くの〝同胞〟を道ずれにして善良な攻略プレイヤーの行く道を切り開こう。そう覚悟を決めて同胞殺しを遂行していた。殆ど計画は上手くいっていた。誤算があったとすれば《B(ブラッディ).B(ブラック)》の規模がカリナが去った後予想以上に拡大していたことである。


 LPOでPKをしていたプレイヤーはこのゲームがデスゲームと化して以降、カリナと同じようにPKの道から足を洗ったはずだ。人が死ぬと分かっていてPKを続けるのは殺人と変わらない。まさか命がHPに変換されたこの世界で積極的にPKを強行する者がいるとは考えが及ばなかった。


「いや、アタシも連中と同じ人殺しには変わらないか」


 Mr.ヌードに言われた「ヒトデナシ」という言葉がカリナの胸に突き刺さる。

 本当はカリナも仲間達に殺人を強要したくはなかった。全てPKへのトドメは自分が請け負うつもりでいた。シルク達の訓練をしたのはあくまで身を守らせるための保険である。

 しかし想定より数が増えていた《B(ブラッディ).B(ブラック)》を相手にカリナだけでは対抗できなかった。シルク達の手を借りざるを得なかった。そうしなければ全滅していたからだ。

 カリナは元PKとして加害者側のやり口は理解していた。


「仕方なかったんだ……どうしようもなかった。悪かったと思ってるよッ!」


 誰かに言い訳するように独り言を呟くカリナはPKの罪悪感を振り払い、再びを歩を進める。せめてかつての同胞、『血濡れた(ブラッディ・キャット)』と『血濡れた(ブラッディ・ドッグ)』の二人は確実に自分の手で仕留めなければならない。それが元団長としての責務だとカリナは自分に言い聞かせていた。

 何とか刃で心を殺し、向かってくるPKを返り討ちにしていく。


そうしている間に《B(ブラッディ).B(ブラック)》の拠点らしき場所に辿り着いた。

建築士が作ったような精巧なつくりではないものの、木製の秘密基地のような構造でとにかく広い。無理やり増築し続けたような歪さがあった。


 周囲には人が入りこめるスペースが点在していたが、潜んでいるプレイヤーはいない。カリナが〈セカンドサイト〉で見通すと、最奥の広いスペースに多数の人間が見えた。《B(ブラッディ).B(ブラック)》の残メンバーだろう。『血濡れた猫(ブラッディ・キャット)』と『血濡れた犬(ブラッディ・ドッグ)』の姿も見える。


(全員で迎え撃つ作戦か? アタシのユニークスキルは知られてるからな。……ドッグとキャットを指揮している仮面野郎は誰だ?)


 仮面の男の存在が気掛かりだった。素顔を見通そうと目を凝らすが、何故か仮面の下を透視することができない。


「奴がアタシの後任なのか? 不気味な男だ」


 カリナはそこに留まることにした。このまま奥へ進んで多対一で戦うのは狩人(ハンター)という職業柄ナンセンスである。敢えて敵の待ち伏せに挑む必要性はない。ここはじっと耐えて焦れて単独行動したメンバーを確実に仕留めていこうと待ちの態勢に入ったのだ。退路を確保しつつ戦いやすい場所を選定して息を潜める。


 ――じっと待つこと約五分。

 案の定、焦れた団員の一人がカツカツと歩んでくる姿が透視できた。驚くことにやってきたのは偵察兵ではなく新リーダーと思しき仮面の男本人だった。腰に剣をぶら下げていることから職種は騎士(ナイト)だろう。男はカリナが綿密に仕掛けた罠のこと如くを看破し、それらを回避しながらゆっくり近づいてくる。十数と設置した罠の一つもかからない異質さと彼から醸し出される圧倒的な闘気がその辺の雑魚とは一線を画すことを示している。

 互いの距離が近づく度に自身の優位性が失われていることに気づいたカリナはこれ以上近づかれる前に先手を打つことに決めた。


 アイテム『煙玉』をそこら中に散布し敵の視界を封じる。

 そしてユニークスキル〈セカンドサイト〉で自身の視界を確保し、矢を放つ態勢に入る。


(この距離なら確実に当てられる!!)


 頭に当てればクリティカル判定となり、大ダメージが期待できる上に相手を怯ませることができる。一撃で脳天を撃ち、怯んだ隙に追撃すれば十分に勝機がある。

 カリナは仮面の蟀谷を狙って思いっきり弓を引いた。

 ――が、鏃が直撃する前に矢は切断され、その場に叩き落とされてしまう。


「まぐれか!? ならコレならどうだ!?」


 カリナは矢を放つと同時に狩人(ハンター)共通スキル〈シャドウアロウ〉を発動する。一矢目に隠すように追撃の二射目を放つ技である。一本目を見切ったとしても二矢目を見切ることは難しい。想定通り一矢目を躱した仮面男の顔面に二矢目が迫る。


「ふっ、他愛ない」


 彼は二矢目を抜刀術で斬り落とすと、駆け出してくる。カリナは続いて上級スキル〈リコシュショット〉を発動させる。壁や床に当てた矢を跳弾させて予測不能な方角から相手に当てる技だ。しかし、男はその全てを回避、ないし剣で防いで加速する。

 そして煙で視界が封じられているにもかかわらずカリナの居場所を突き止め、次の矢を手に取る前に彼女を組み伏せて見せた。


「どうしてアタシの罠や攻撃を回避で来た!?」


「オレのユニークスキルは〈ヴィシャス・ジャッジメント〉。俺に対する敵意を全て感知できる能力だ。罠を仕掛ける時、武器で俺を傷つけようとするとき、必ず人は敵意を持つ。故にその全てを察知し回避行動をとることができる。現にお前の自爆も見切っている」


 男はカリナが起動させようとしていた爆弾アイテムを鹵獲し無力化してしまう。完全に作戦を読みとられていた。


「うかつだった。まさかユニークスキル持ちが《B(ブラッディ).B(ブラック)》の新リーダーとは」


「別段驚くこともあるまい。俺はこのゲームの最古参だからな」


「なんだって……?」


 リリース当初から始めたカリナも十分古参といえるが、自分の矢を見切って組み伏せる程の実力者は見たことが無かった。少なくともPKを愉しんでいたプレイヤーの中にはいなかったはずである。


「お前は一体……?」


「ククク、お前は素晴らしい狩人(ハンター)だ。俺の知る狩人(ハンター)の中では二番目に強い(・・・・・・)。このまま殺すには惜しい。何よりアイツら(・・・・)をおびき寄せる餌として使えそうだ」


 男はカリナに即効性の睡眠薬を嗅がせて意識を奪おうとする。

 薄れ幾意識の中、カリナは自分を唯一負かせた騎士(ナイト)の存在を思い出した。彼が《B(ブラッディ).B(ブラック)》を率いているとは思わなかったため可能性の段階から排除していたのだ。


(マズい……シルク……みんな……逃げ、て)



 カリナが《B(ブラッディ).B(ブラック)》に捕縛されて小一時間が過ぎた頃、彼女を捜索していたシルク達はようやく森林の中でその手掛かりを見つけた。


「これは……?」


「カリナのスカーフよね」


「こっちには手袋もあるぞ! 奇怪な暗号が木々に記されておる」


 リンネはわざわざ難解な中二言語を使用しているが、奇怪な記号などではなく刻まれていたのは矢印だった。カリナの所持していたアイテムや衣装の一部と共必ず近くに矢印が刻まれている。


「誘ってやがるな。どうやらカリナは捕まっちまったらしい」


「生きておるのか!?」


「現時点では大丈夫です」


 シルクは回収した手袋等の品々を〈鑑定〉する。拾ったアイテムの価値を測るための一般的なスキルだ。すると、拾ったアイテムにはカリナの名称が刻印として浮かび上がった。


「まだこのアイテムには所持者の刻印が残っています。所持者が死亡していれば『所持者無し』扱いになり刻印は消えるはず……」


「つまりカリナはまだ生きているってことね。捕まったならピンチだけど」


「助けに行くしかあるまい。暗号の先に狩人が贄にされているはず」


 元々彼女を探していた上、PKの捕縛を目的としていたのだ。救出に向かうこと自体に反対意見はない。しかし誘ってくる以上は相応の罠を用意しているだろう。警戒しつつ前に進むしかない。何かあっても対応できるシルクとMr.ヌードが前を歩き、長年の経験から罠を探りながら慎重に歩を進めていく。開発に関わってきた二人ならLPOに存在する罠の種類もどこに仕掛けるのが効率的なのかも全て把握している。

 あらゆる可能性を考慮して進軍していたが、罠らしいものは見つけることができない。


「おかしい。何で罠一つ仕掛けねーんだ?」


「確かに妙ですね。人質をとっているからと慢心しているのでしょうか」


「だったら一秒でも早く助けるしかないでしょ」


「よく言った若き騎士よ。我が暗黒魔法があればいかなる策謀も無意味! ゆくぞ!」


 走る一同はとうとう《B(ブラッディ).B(ブラック)》のアジトまで辿り着く。

 近くの盾板に刻まれた矢印は奥へと誘導しているようだ。内部はかなり入り組んだ構造になっており、まるで一つのダンジョンのようだった。開発者だったシルクとMr.ヌードはその建築技術に舌を巻く。LPOには某クラフトゲームを真似たシステムも導入されており、簡易な住居や秘密基地を自作することは出来る。

 しかしフィールドの中にダンジョンさながらの大規模住居を作るというケースは二人共初見だった。デバッグ時でもデザイナーが大豪邸を建設したくらいである。


「余程システムに精通していなければこんなの作れませんよ」


「そうなの? 材料さえあれば簡単に作れそうだけど?」


「ガワだけならな。しかし内部構造からしてLPOのダンジョンそのものを模倣したような作りになってる」


「……ふむ。それだけ手が込んでおるのに罠一つないというのも解せんな」


 ――その時、シルク達の背後に鉄柵が降りてくる。

 今まで罠一つないことで油断を誘われていたようだ。いきなり退路を断たれてしまった。

 そして背後に気を取られた瞬間、前方から仮面の騎士が斬りこんでくる。

 暗闇と陽動を駆使した完璧な奇襲。それでも守護者(ディフェンダー)のシルクはいち早く反応し、その大きな盾で完璧にガードしてみせた。続いて拳闘士(ファイター)のMr.ヌードが自慢の拳を男の顔面に振るった。非常に硬い面のためダメージは殆ど吸収されてしまったようだが仮面本体に罅を入れることができた。


「ククク、流石だな。シルク、Mr.ヌード」


「え? シルクちゃん達を知ってるの!?」


「落ちつけ女騎士。二人共上位ランカーの有名プレイヤー。知っていてもおかしくはない」


 リンネの指摘通りLPOプレイヤーなら数々の難敵を退け、新しいエリアを解放してきたシルク達を知らない者はいないだろう。だが当のシルク達は仮面の騎士を見てかなり動揺していた。その体躯、そして剣技に見覚えがあったからである。


「貴方はまさか……!?」


「どうしてお前が!?」


 二人の心当たりが真実であることはすぐに明らかになる。砕けた仮面の下にあった素顔は二人がよく知るプレイヤーだった。圧倒的な強さ、他者を牽引する指導力、そして万民を安心させる笑顔。開発運営プレイヤー最後の一人、騎士(ナイト)ゼノンがそこにいた。


 ミチルとリンネも彼が開発者の一人とは知らずとも上位ランカーの攻略プレイヤーであることは認知していた。最近こそシルクやMr.ヌードの方が目立っていたが、LPO幽閉事件当初は他のプレイヤーをまとめ上げ数々の功績を立てた功労者だったのだ。

 だからこそそんな善人が《B(ブラッディ).B(ブラック)》なる下法なPK集団に組するなど想像だにしていなかった。


「どうして攻略組筆頭の男が《B(ブラッディ).B(ブラック)》の頭目になっておる!?」


「そうよ、今までLPO攻略に散々貢献してきたのに! 沢山の人を守ってきたのに! 意味が分からないわ!」


「俺も聞きてぇよ、ゼノン。お前程の男が何故道を外した!?」


「もしかして《B(ブラッディ).B(ブラック)》に操られてるとかですか!?」


「《B(ブラッディ).B(ブラック)》に属したのもPKをやったのも純然たる俺の意思だ。完璧な洗脳術などこの世界には存在しない。開発者であるお前なら分かってるはずだぞ?」


 ゼノンの発言にミチルとリンネは動揺を隠せなかった。LPOの開発者といえばこのデスゲームを仕組んだ諸悪の権化と認識されている。仲間がその極悪人だと名指しされ沈黙を守れるはずがない。


「シルクちゃんが開発者?」


「戯言を抜かすな! この白きメイドは数多くのプレイヤーを守り救ってきた功労者ぞ! 邪悪な創造主と嘯くでないわ!」


 ゼノンは首を横に振る。


「このデスゲームを仕組んだのは俺達開発者じゃない。全部濡れ衣だよ。メインサーバーを何者かに乗っ取られたんだ。――が、パニックになった群衆に説明しても聞き入れられるわけはない。だから俺達運営チームは素性を隠すことにしたのさ。そうだったよな、Mr.ヌード?」


「……ああ」


 シルクばかりではなく、Mr.ヌードまでゲーム運営側と知ったミチル達は空いた口が塞がらなかった。しかし二人が共に現実で知り合いなら妙に近い距離感も腑に落ちる。ゼノンの言葉全ては信用できないミチル達だったが、今まで共に戦ってきたシルクとMr.ヌードに悪意を感じなかったため運営側が無実であるということまでは何とか呑みこむことができた。


「驚いたぞ。二人共神の御使いだったとは」


「ずっと運営会社がやらかしたと思ってたけど……違ったのね?」


「はい。黙っていてすみませんでした。皆さんが感じていた通り一連の事件の犯人は運営側だと思われていましたので身分を明かせませんでした」


「隠し事があったことは許そう。魔女狩りが如き暗黒時代に身分を偽るのも分かる」


「みんな血走った眼で犯人探ししてたもんね」


 デスゲーム化して以降、ユーザーの憎悪は運営側に向けられ運営プレイヤー狩りが公然と行われていたのだ。少しでも怪しいと思われた者は捕縛糾弾され暴徒によってリンチに遭うこともしばしばあった。LPOプレイヤーなら運営を憎悪するのは当然だった。とてもじゃないが運営側の釈明など聞き入れてもらえる雰囲気ではなかったのである。

 ゼノンは当時の記憶を思い出し、拳を震わせる。


「あの愚民共は自分達だけが悲劇の主人公であると気取って運営社員とみなした者を迫害し始めた。そして罪なきプレイヤーを含め少なくない者が消された。若林君もそうだ!」


 運営社員の一人若林も狩人(ハンター)クラス『プレデターX』としてゲーム運営に関わっていた。しかしその正体が露見したことで他のプレイヤーからの私刑を受け死亡したのである。


「ゼノン、お前は若林と同期だったから思い入れもあるんだろうが、奴は秘密保持契約を破り仲間内に運営社員だと明かしていた。結果殺されたんなら自業自得の側面もある」


「ああ! あの時は一般ユーザーが錯乱するのも分かる状況だったからな。若林君の件は仕方ない。だから目を瞑ることにした。そして俺は運営側の責任として顧客をこのデスゲームから解放しようと命懸けで戦ってきた」


「そうです! 皆のために闘ってきたゼノンさんが何故道を踏み外すのですか!?」


「愚問だな。クロトアが死んだからだよ」


 悲しみに満ちた目。絶望を孕んだ瞳の奥に憎しみの炎が宿っていることが分かる。仕事仲間のクロトアが自殺してしまった哀しみ。彼女を救えなかった後悔。彼女を自殺に追い込んだのはこのデスゲームの現状である。そんな風に仲間を追いこんだこの世界をゼノンは心から憎悪していた。


B(ブラッディ).B(ブラック)》の二代目頭領はシルクたちと同じ運営社員のゼノンでした。

カリナに対し「俺の知る狩人(ハンター)の中では二番目に強い」と発言しましたが

勿論一番強いのは冒頭でリンチに遭い殺されたプレデターXこと若林君のことですね。


攻略プレイヤーとして人々を導いてきた彼がPKに落ちたのはクロトアさんの死が切っ掛けでした。

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