プロローグ
VRMMOのデスゲームものです。
タイトルの通り、ログイン中に巻き込まれた運営社員視点のお話です。
ゲームの世界は常に進化し続けている。
古くはドット絵で表現されていたものが、二十年の間に解像度を上げてリアルな描画となり、新感覚のアクションを愉しめるようになった。ゲームの進化は留まる所を知らない。
新興ゲーム会社《株式会社ブレインヴィジョン》が十年の開発期間を経て、ついにフルダイブ型MMORPGを完成させた。
従来までゲームを動かすツールはコントローラでしかなかった。だが、ヘルメット型のゲームマシン『BrainPass』を頭に装着することで直接仮想世界に入ることが実現された。体を動かす要領で意のままにアバターを操作することができるようになったのだ。
この情報が公開された時、世間は沸き立った。
「時代が俺に追いついた!」「早くプレイさせてくれ!」
ゲーマー達はついに仮想世界に入れるまで技術が進歩したのだと喜んだのだ。技術レベルもさることながらそのゲーム機を開発したのが新興企業というのも世間を驚かせた。
『BrainPass』は会員限定かつ個数制限販売だったにもかかわらず予約開始十分で完売してしまった。新作ゲームハード機故に『BrainPass』でプレイできるゲームは一種類しかなかった。それでも顧客は仮想世界で遊べるという体験を求めて購入したのである。
ハードとセットで売られていたのは『Legend・Partners・Online(通称:LPO)』はありふれたファンタジー風RPGであったが、自身の意思で体を動かし、仮想世界を歩くだけで多くのユーザー達に感動を与えた。
選ばれた一万人のプレイヤー達は理想のアバターを創作し、暇さえあればLPOにログインするのが日常となる。ある者はモンスター退治に熱中し、ある者はゲーム内の娯楽施設に入り浸り、またある者は他のプレイヤーと疑似恋愛を楽しんでいた。
だが平穏だったのはリリースから最初の一週間だけだった。
「今時間をもって『Legend・Partners・Online』プレイヤー達には命を懸けてもらう!!」
単行本換算一冊分のストーリーは仕上げてあるので、気まぐれにアップしていきます。
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