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33. 閑話5 シンシア


「どうして、ここには魔石の気配が無いの?」


「魔石の気配?」


 歩きながら、唐突にそんな事を言い出す少女。エリックは咄嗟(とっさ)の事に理解が追いつかず、何とも間抜けなオウム返しだ。

 そして、またかと思う。この娘は時折、素朴な疑問をいきなり口にするのだ。

この娘が変わっているのか、それとも世の中の女性は多かれ少なかれ、こんなものなのかと思うエリックだった。はてさて、今回は何を言い出すことやら。



 護衛隊に前後を守られながら、魔の森を歩くエリックの魔導師ファミリー。

魔導師界隈では師匠とその弟子達の一党を “ファミリー” と呼んでおり、第二階梯に上がれば、魔導師は自分のファミリーを開設する事が出来る。


 ただし、訳ありの第二階梯魔導師である彼の魔導師ファミリーは、たった2人の出来立てファミリーである。つい2ヶ月前、彼の下へ転がり込んで来た、もっか彼の隣を歩いている少女。このシンシアが加わった事で、晴れてエリックファミリー誕生となったわけなのだが・・・


「だって、森の魔物の内、人が討伐している魔物なんて本当に僅かでしょう?

ほとんどの魔物たちは、この森の中でその生涯を終えるはずだわ。野垂れ死にするにしろ、敵に食われちゃうにしろ、彼らの原魔石は一体どうなるのかしら?


 朽ち果てた死体の中なら、土に埋もれて土魔石になるんじゃなくて?

死体から転がり出たら風に吹かれて風魔石か、池や水溜まりに落ちて水魔石?

湖の底なんて、湖に住む魔物の魔石で、きっと水魔石だらけだと思うわ。

そして、もしこの森が火事にでもなれば、この辺一帯は火魔石だらけのはず。

そういうふうに属性石に変換された魔石が、魔の森には一杯あるはずでしょ?

 でも、もう随分長いこと森の中を歩いているのに、1つも魔石を感知出来ないなんて、おかしくないですか?」


 エリックは衝撃を受けた。これまで幾度となく魔の森に踏み込んで来たが、そんなふうに考えた事などこれまで一度も無かった。思わず目を見開き、足を止める。


 そんな馬鹿なとは思うが、シンシアの素朴な疑問に反論の言葉が出て来ない。

彼女の言う事を、無闇に否定出来ないと感じている自分がいる。彼は横目で少女をチラリと見ると俯き、沈黙した。

 周囲の者たちは、森の中で突如足を止めた彼を怪訝な表情で見守るのだった。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 その年、宮廷魔導師団の新入団員の一人が、ちょっとした騒ぎを引き起こした。ほとんどの者が、魔導師団の傘下にある魔法学院出身者なのは例年どおり。そして今年は学院外から入ってきた者が一人だけいたのだが、その一人が問題だった。


 平民だと言うものの、艶のある金色の長髪に染み一つ無い白い素肌、貴族だらけの宮廷魔導師団で同僚にも物怖じしないその態度。魔導師団の誰もが、彼女は高位貴族の庶子に違いないと考えていた。

 そしてその美貌は魔導師団のみならず、広く王宮関係者にまで知れ渡っており、それなりのドレスを纏って王都の社交界でデビューしていたなら、今年のNo.1は彼女で決まりだったと噂されていた。


そうなると、若い男性が多数を占める宮廷魔導師団である。たちまち、ほぼ全てのファミリーによる熱烈な勧誘合戦が繰り広げられたのも当然だった。


 魔導師は国家や貴族家にとって権力を維持する重要な柱の一つである。

そんな魔導師を文字どおり産み出す魔力持ちの女性。一族にそんな女性がいれば、彼女たちを一方的に外へ出す事などあり得ない。相互交換か、はたまた彼女に見合うだけの莫大な対価が必要となるのだ。


 その様な事情の当然の帰結として、魔力持ちの女性は成人前には婚約しており、成人後には早々と嫁いでいるのが常識なのだ。宮廷魔導師団に入団して来る女性は少ないし、その数少ない女性も婚約済みの魔法オタクと相場は決まっていた。


 もちろん宮廷魔導師の男性はモテる。華やかな王都住まいの高給取り。若い女性からすれば憧れの対象であろう。まあ、現実には貴族家出身者がほとんどなので、独身であっても既に婚約者がいるのが当たり前なのだが。

 それでも、多くの男性宮廷魔導師にとって、共に魔法修行に励んだり遠征に同行したりするのなら、美女とご一緒したいというのが人情というものである。


 そして、そこにシンシアである。聞けば、未だ婚約者もいないという。

魔力持ちの美女を妾にする絶好の機会。狼の群れに迷い込んだ子羊。是非とも同じファミリーにと、誰もが望んだわけだ。


 ところが、である。


 シンシアが選んだのは、どの有力ファミリーでもなかった。

いや、ファミリーですらなかった。師もおらず、宮廷魔導師で唯一人、辺境の魔物討伐に勤しんでいるエリックと組み、新たにファミリーを結成すると言うのだ。


 宮廷魔導師団内でのエリックと言えば「魔物猟師」とか「辺境マニア」と蔑まれ誰にも相手にされない存在だ。師もおらず、論文もほとんど提出した事が無い。

 魔導師としての実技面でも、昨年第二階梯に上がってはいたが、平凡そのもの。階梯認定試験では、杖を左手に持ち、掲げた右手の先から辛うじてチョロチョロと水を出して見せただけという、何ともショボい合格判定となったのは有名だ。

 第二階梯となった事で規定によりファミリー開設の資格は得たものの、総合的に見れば、第二階梯魔導師の下から片手で数えられるポジションと見られていた。


 一方、魔導師という要素以外の、人として見た場合だが、15歳の成人となったばかりの少女が選んだエリックはこの年27歳。平民出身ながら見た目は悪くない。

体格も人並み以上のハンサムな青年だ。しかし、町娘にはモテるだろうという程度のもの。何せ貴族家出身者ばかりの宮廷魔導師団。彼以上の美形など、それこそ掃いて捨てるほどいるのだ。外見で選ばれたなどとは、当の本人も含め誰一人思ってはいなかった。


 宮廷魔導師の誰もが首を捻った。シンシアに激しく翻意を迫る者も多かった。

とりわけ、代々宮廷魔導師団長を輩出している名門魔導貴族のファブレル家出身で彼女と同期入団の少年は、彼女に異常なまでの執着を見せ、しつこくつき纏った。しかし、彼女は頑として受けつけず、エリックとのファミリー結成を切望した。


 結局、この騒ぎは宮廷魔導師団長の一喝で収束し、最終的にエリックファミリー誕生となったわけである。


 (もっと)も、一番困惑していたのがエリックだったりする。

シンシアの様な誰もが見蕩(みと)れる美少女が、何故自分の様な落ちこぼれ魔導師に興味を示すのか全く理解出来なかった。その上、貴族至上主義の権化とも目されている宮廷魔導師団長が、一見すれば貴族達を抑え、平民出身の自分やシンシアを守った様に見える絵面なのも不可解であった。


 実は、シンシアの実父である某侯爵が、娘の希望に沿って宮廷魔導師団への入団を画策。入団が決まった直後に魔導師団長へ多額の “寄付金” を渡しながら、娘の意に沿わぬ行為が行われぬよう、強く申し入れていた事は誰も知らなかった。


 高位貴族の庶子で美少女、しかも魔力持ち。政略の駒として考えれば最強だ。

しかし、彼女の父親である侯爵は何とも貴族らしからぬ事に、シンシアに対して純粋に家族としての愛情を抱いていたらしい。



 かくして、初めて二人きりとなった際に、“ボッチ” 魔導師のエリックが


「何故自分なのか?」


と問いかけたのは当然の事であった。そして、それに対する彼女の答えは、


「あなたから、あの火魔法を学びたい」


というものであった。エリックは、ギョッとした。



 とうの昔に宮廷魔導師団内での立身出世に興味を失っていたエリックは、自身の知見と実力を向上させる事にのみ心血を注ぐ毎日であった。魔導師団内での面倒事は極力避ける様にしており、既に第三階梯に達している事はひた隠しにして、第二階梯すら昨年ようやく到達した事にしている “訳あり” 魔導師なのである。


 日頃、魔導師団内でどれだけ馬鹿にされようと、自分の着想に基づいて世の魔導師の常識を覆す結果を得たという事実は、彼に絶対的自信を与えていた。

何を言われようと心が折れる事は無かったし、どんなに挑発されても相手にする気は起きなかった。


 むしろ短気を起こして己の本当の実力を知られてしまい、結果として、いけ好かない貴族連中のために自分の秘匿技術を公開するよう強制されてしまう方が、絶対に避けるべき事だと考えていた。

いつかは弟子を取るかもしれないという漠然とした気持ちはあったが、少なくともそれは、自分を軽蔑している連中ではなかった。


 そういうわけで、彼はその極限まで洗練された独自の火魔法、すなわちその火球を他の魔導師に見られぬよう、遠征時以外は完全に封印していたのだ。


 ところが、である。


「私も、あんな火球を撃ってみたいのです! あの青白い美しい火球を!」


 そう瞳を潤ませながら、必死に訴えかけてくるシンシアを前に、エリックは頭を抱えたのである。結局、この娘も魔法オタクだったらしい。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 魔導師は魔力が増え、階梯も上がれば、魔法も当然の事ながら変化する。

同じ火魔法でも、第一階梯と第二階梯では違うのだ。最大の違いは、その火球の大きさとされていた。これは、上位の魔導師が自らの力を誇示するための最もわかりやすい方法として、魔力の違いを火球の大きさで見せつけていたからである。


 しかし、エリックは違った。

魔物相手に文字どおり命懸けの日々を過ごす彼にとって、本当に必要とする火球は王都で安穏にして優雅な生活を送る同僚たちとは、根本的に異なるものであった。


 まず、第一に即射性。魔の森で、突如目の前に現れる魔物相手に悠長に詠唱など唱えている暇は無かった。さらには連射性。図体のデカい魔物を一撃で葬り去れるとは限らないし、相手が群れでやって来る場合も少なくなかった。

 撃ち出した火球が狙ったところへ飛んで行く精度や、魔物が容易に避けられない飛翔速度も当然重要であり、そこはひたすら練習するのみであった。


 そして、最後に火球のサイズである。森の中で火球が無駄に大きければ、火球の射線周りや魔物に命中した後、どうしても森林火災という要らぬ二次災害を心配しなければならない。火球は可能な限り小さい方が良かった。


 もちろん、森の中で使うなら火災の懸念の無い水魔法や風魔法が良い事は分かっている。しかし、水魔法が使える様になる第二階梯に上がったのは18歳の時。実戦で通用する様になるまでには3年を要した。細剣の刺突の様な鋭い水魔法の一撃。それを瞬時に放てる様にはなったが、巨大な魔物相手には急所を正確に打ち抜く必要があり、一発の威力はどうしても火魔法には及ばないのだ。

 風魔法も24歳で使える様にはなったが、こちらも実戦では心許ない威力である。やはり火魔法の火力でなければ通用しない魔物は多かった。


 こうした必要性に駆られ、エリックは自分なりの火魔法、すなわち火球を長年に亘って鍛え上げて来た。そして、それが可能だったのは、ひとえに桁違いの濃厚な魔素に満ちた魔の森の恩恵があったればこそだった。

 魔の森での活動で、エリックは魔導師の階梯を飛躍的に駆け上がる事が出来た。しかし、魔の森の(もたら)した真の恩恵は、魔法の習熟にこそあったのだ。



 エリックが、真っ先に取りかかったのが魔法詠唱の簡略化・短縮化であった。

これは、魔法の即射性と連射性の両方に絡む最重要のテーマだった。

詠唱は魔法発動のための発起点であると同時に、どの様な魔法を実体化するのかというイメージを描くために必須のものとされていた。しかし、簡略化された詠唱でも強固なイメージを思い描く事が出来れば、魔法は発動する。

 過去の魔導師の中には、それを実現した魔導師もいた。ただし、皆、第三階梯の魔導師だ。明らかに、試行錯誤と経験の積み重ねの結果だと言える。


 しかしながら『試行錯誤』という言葉は、普通の魔導師の修行には無い。


 一晩で回復可能な魔力だけを一日の修行で使うという “縛り” がある限り、魔素の希薄な場所では、修行における魔法の “無駄撃ち” など絶対に許されない。

魔導師には『試行錯誤』をする余裕など無いのだ。

 そもそも、己の全ての魔力を振り絞って火魔法を発動し、第一階梯 “芋虫” 魔導師になったばかりの少年少女たちには、魔法を放つ余裕など無い。しばらくの間は単調極まりない魔力循環の修行が続くのだ。


 魔力の総量が増えて、ようやく修行の一部として魔法が撃てるようになっても、初期の修行は安定して魔法を放つ事が主眼となり、師匠の指導内容を忠実になぞるだけなのだ。


 第二階梯に達しても、“縛り” は相変わらず呪いの如く修行を制約する。

一日に撃てる魔法の数は、せいぜい2,3発ほどである。これで本当に何が出来るのかと言えば、それこそ火球を大きくする程度の試みが精一杯なのだ。



 魔の森という他の魔導師の修行環境とは桁違いに魔素の濃い中で、魔力が枯渇するまで一日何十発もの魔法発動が可能だったエリック。

 彼は魔法学院時代に学んだ基本詠唱を勝手にどんどんと省略してゆき、ついには無詠唱での魔法発動に成功していた。今や、詠唱は無意味な不要物と化していた。

 名門貴族家出身の魔導師の中には、己の魔法詠唱にエクスタシーを覚える者もいて、独特の節回しを仲間内で競っていたが、エリックにはそんな趣味は無かった。

 魔物を前にして自分の魔法詠唱に酔ってなどいたら、頭ガブリで終わりである。


 こうして無詠唱の魔法発動を実現出来たエリックは、火球の命中精度や飛翔速度のアップと並行して、火球を小さくする事に取り組み始めた。火球を小さくするために “圧縮” するイメージを持つ様にしたのである。


 ところが意外な事に、始めてみると同じ投入魔力量で火球を圧縮してゆくに連れ火球の色合いが変化して行ったのだ。赤からオレンジ、黄色を経て白色へと移り変わり、最終的には正視に耐えないほどに輝く、青白い火球に至っていた。

 しかも火球が小さくなるほど、その飛翔速度も速く出来るとわかり、これは想定外の嬉しい発見であった。


 彼なりの『試行錯誤』で火球の改良を続けた結果、第二階梯の時点でエリックが放つ青白い高速の小火球は、どんな魔物の外皮や鱗も貫通する様になっていた。

 まあ、流石にドラゴンは知らないが。


 この様に彼は、ドサ回りの日々の中でも地道に魔法研究を続けていたのである。

ちょっとした思いつきや変更でさえも、すぐに魔法を撃ち放って検証出来るのは、本当に途方もないアドバンテージであり、魔法の修行が面白くて仕方無かった。


 そうした毎日の中で、オマケながら “杖” の効用も見極めていた。

杖は魔導師が魔法発動の一助として愛用し、魔導師のシンボルそのものであった。短い物でも人の肩口辺り、長い物は人の身長ほどの長さがある。

 魔法発動の際の精神集中に役立つものと昔から考えられており、魔導師界隈では杖に関する非常に多くの論文が発表されていたのだが、エリックは詠唱同様これも省略可能な不要物と断じていた。

 凝ったデザインだけが取り柄の杖などに価値を見出せず、森の中では護身用の棒として、”殴る”、”突く” に使っていた。他の魔導師が見たら卒倒ものである。

 王都で宮廷魔導師たちが杖を掲げながら仰々しい詠唱を唱えている姿を見る(たび)、思わず吹き出しそうになり、最近では(こら)えるのが難しくなっていた。



 かくして第三階梯の今日、エリックが撃ち出す火球は絶大な威力を誇っていた。杖など持たず、片手を軽く対象に掲げて無詠唱で即座に撃ち出される火球。しかも無詠唱ならではの真骨頂で、息つく暇も無く次々と連射される火球 “群” 。


 親指の爪ほどの大きさにまで圧縮された青白い火球が、弩弓並みの猛スピードで狙った目標に正確無比に飛んで行く。それはあたかも、青い光の筋がエリックの掌から魔物に向かって放たれている様にも見えるのだった。

 そして、命中後は魔物の体内へと潜り込んで爆ぜる。

大抵の魔物が、これ一発で無力化されていた。しかも他の魔導師の火球とは違い、着弾した魔物の周辺を無駄に火事にする懸念も少なかった。



 遠征時のエリックは、魔力を使い果たす目的で、よく空に向かって火球を放っていた。とりわけ、第三階梯到達をひたすら目指していた3年前までは、魔力を枯渇させるために随分と無茶な事をしていた自覚がある。

 恐らく、その光景をシンシアに見られたに違いない。


 聞けば、彼女と母親は彼女がまだ幼い頃、王都の父親の館を出て、父親が治める地方領地に移り住んだという。彼女が成人まで過ごしたその領地の外縁には、魔物被害の酷い地域がいくつかあり、エリックも過去に何度か足を運んでいた。


 母親と一緒に馬車で田舎の街道を移動中、聞いた事の無い大きな音がして外を見れば、夕暮れの空に青白い筋が次々と上昇してゆき、爆ぜるのを見たと言う。

 魔導師の母親もこれには大いに驚き、火魔法には違いないが、その火球は非常に高速で小さなものだろうと私見を述べたそうだ。そして、この地に派遣されている魔導師について調べさせたと言う。


 まあ、志望動機としては悪くない。これが少年魔導師なら大歓迎だっただろう。しかし、エリックの日常はギャバンの魔物千体討伐そのものである。いくら何でも紅一点と称して討伐遠征に連れ回すわけにはいかない。


 そう説得したのだが・・・


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 半月後、シンシアは王国騎士団から護衛と称して4人の女性騎士を連れて来た。次の魔物討伐遠征の打ち合わせのため、騎士団の会議室でいつもの護衛隊の連中と一緒にいるところへ、いきなり現れたのである。


 どうやらパパにお強請(ねだ)りして紹介してもらい、説得して連れて来たらしい。

そして、これで問題も解決ですねとばかりに素敵な笑顔を向けて来たのである。

これにはエリックも唖然とするばかり。


 しかも、連れてきたその4人なのだが・・・


 一体どうやって集めたのかと問い(ただ)したくなるほど、いずれ劣らぬ美人揃いなのである。騎士団所属の女性騎士などではなく、王宮侍女の中から美しい順に連れて来ましたと言われた方が、よほど納得出来る顔ぶれなのだった。

 同席している護衛隊の野郎連中も明らかに落ち着きがない。


 何とも、謎の美女集団。


 もはや、紅一点では無くなった以上、遠征への同行も認めざるを得なくなった。もしここで拒否したら、後ろから刺されそうな予感がする。長きに(わた)ってエリックと苦楽をともにしてきた護衛隊の “むさ苦しい” 面々からの “圧” が半端無い。

仲間から滅多斬りにされる光景を幻視して、思わず身震いするエリックであった。


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