表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼炎のカチュア  作者: 黒桐 涼風
第七章 守るべきもの
91/348

7-3 ナギサイド

 カチュアの考えは分からない。カチュアがアイラに言ったことが本当なら、このご一行? に被害が被るのでは? カチュアはそれが分かっているのに同行させるなんて。


 でも、「本心ではない」とも言っていた。道中、カチュアに何度か聞いてみても、「だいじょぶよ~」しか、言わなかった。




 夜遅くなったので、道中、野宿することに。


「ん~。何ともない」


 マリンが、カチュアの手を、じーと見ながら、握っていた。


 そう、カチュアとアイラが手合わせ後に、握手をした時だ。アイラの手から、煙が出たんだ。それを調べるために、マリンがカチュアの手に触れていたが、何ともなかった。勿論、エドナとユミルが触れても、何ともなかった。


「何で、アイラだけ、カチュアに触れたら、火傷したんだ? 別にわざとでは、ないようだが」

「そう言えば、シグマさんに触れた時も、煙が出ていたんだよ」


 アイラと同じように、握手をしたらだっけ?


「火傷と煙と言えば、テメェーの蒼い炎か。あれは、魔術を打ち消したようだが」

「後、その蒼い炎が、出た途端に魔物の体を通したんだよ!」

「成程。でも、それが、なんで、シグマやアイラが触れた瞬間、火傷するんだ。しかも、蒼い炎を出さないで。まるで、二人を拒絶しているみたいだ」

「わたし、二人を拒絶なんて……」

「お主の体がだ! これはヴァルキュリア特有の魔術かなんかか?」

「でも、前にルナさんから、魔力が感じられないようなことを言っていましたわ」

「そう考えると、ヴァルキュリアの特性の一部か。考えば、考える程、謎だな」


 頭を抱える、マリン。しかし、肝心のカチュアは、のほほーんとした表情をしている。……に違いない。




 夕食を食べ終えた後、ユミルとマリンが眠ってしまう。


 まだ、起きている同士である、エドナがアイラに尋ねる。


 カチュアも起きているが、正直、目を開けて寝ることが出来るのでは? と思ってしまうほど、ボーとしていた。まあ、寝ていないだろうね。二人の会話が聞こえてしまっているし。


「そう言えば、アイラさんって、空の勇者と呼ばれているんですよね?」

「まあ、一応はな」

「やっぱり、空に国があるんですか? それで、そこから、落ちてきたんですか?」


 確か、アイラは、空の勇者と呼ばれている英雄の一人だっけ? これまで、空の勇者と聞くが、詳しくは分からない。


「確かに、落ちたけど。……これは何千回説明したが理解をしてくれなかったんだ」

「じゃあ、空から来たのは迷信なの?」

「夜空になると、星が見えるだろ? あの星のいずれかから、来たと思えばいい」

「あんな小さなところから? 降りてくる時に、大きくなったの?」

「ここから見える星は、遠くにあるんだ。だから、近づくとかなりの大きさだ。当然、人が住めるほどの」

「やっぱり、《《ソラ》》から来たんだね」


 空と宙の違いだが。


「間違えではないが……まあ、それで認識して貰えばいいさ」


 アイラの困った顔になっていた。


「空の勇者と言えば、四英雄も、空の勇者と呼ばれているんだよ。あの人達、もアイラさんと同じ星から来たのかな?」


 四英雄って、以前エドナが読んでいた、英雄譚だっけ?


「星はいっぱいあるんだ。同じ星からとは、限らない」

「そう言えば、アイラさんは悪帝の戦いでは、当時、八歳何ですよね? 何で八歳で戦うことに?」


 そこが一番の謎だったんだ。


「悪帝の戦いは解放戦争とも呼ばれている。その戦いは、多くの民をも巻き込んだ。僕は当時、とある村で、ユンヌと救急活動をしていた。当然、悪帝の軍は、そこへ攻めてきた。守るために戦う、例え、子供でも」


 参加というよりが、巻き込まれたようだ。八歳で戦うことになったのは納得だ。それにしても、戦争か、子供を巻き込むなんて。


「悪帝って、呼ばれているが、噂程度だが、昔は支配を企みような野心家ではなく、民を思いやる人との話だ」

「よく聞きます。蒼炎時代のメリオダスや現皇帝さんとか」

「八騎将のガロンもそうだ。以前は気弱な性格だったらしいのだ」


 え!? ガロンって、見たことあるが、あの脳の中まで筋肉でできていて、見たら逃げ出す様な強顔の人が? 想像できない。


「悪帝も、そうだったんですね」

「あくまでも噂だが」

「他には、そんな話とか、ないんですか? マリンさんのお父さんである、皇帝さんも、人が変わったって、言っていたんだよ」

「ん~。僕は色んな英雄譚を読んでいるんだ。蒼炎時代のシェリアを除けば、どの英雄は不自然に感じる程、突然姿を消すんだ」

「不自然?」

「例えば、四英雄だ。彼らは、元々最悪の時代と、呼ばれている厄災を倒した後、厄災によて、壊された街などの、再興に尽くしたが、その途中で、話が途切れているんだ。途中で死んだ話も、記されていない」

「そう言えば、シェリアは、死ぬまでの、出来事も記されているんだよ。だけど、それ以外は、再興の途中で、いなくなったて記されていたかも。でも、それがどうしたんですか?」

「以前は、人が良かった悪帝を倒して、皇帝になった現皇帝アスラは別人のように人が変わった。もしかしたら、消えた英雄と呼ばれる人達も、人が変わってしまった可能性がある」

「本当なんですか?」

「確証はない。可能性を示しただけだ」


 エドナとアイラが話していると。


 ぐ~~~!!!


 これの音って、腹のだよな。カチュアから聞こえる。


「お腹すいたわ~」


 喋らなかったカチュアの腹の虫だった。


 あんた、食べたばっかだろ!


 カチュアは立ち上がると。


「丁度、ご飯が来たから、狩ってくるわ~」


 あー。災難だな。命知らずだ。カチュアの栄養分になりに来たんだから。


「狩ですか? あたしもやります」


 カチュア《《達》》か。


「じゃあ~。行こうか~」


 エドナは弓を取り出す


「暗いから気をつけろよ!」


カチュアとエドナは、周りが暗いのに、狩り行ってしまった。まあ、狩りというよりかは、討伐? 


「ただ、嫌な予感がする。近いうちに、厄災と呼べる存在が現れてしまう。そして、僕達が、知らない厄災と呼べる存在が、現れる仕組みが、あるかもしれないと言うことを」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ