6ー11 ????サイド (場面変更)
「メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、『クソ』が付くほどメンドくさぁ~い。メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、『クソ』が付くほどメンドくさぁ~い」
暇つぶしに、あたしが作った、歌を歌う。
あたしは、とある理由で、ある領主の館の警備の仕事をしている。
その、とある理由がなければ、こんな仕事なんて、やる気がねぇ。
「何、やる気がなくなる歌を歌っいる! ぼくちんの耳がおかしくなるだろ」
歌うのをやめた。
そこには高飛車な男が立った。ムカつく喋り方をするがこの領地の領主だ。
名前は……何だっけ、一人称が「ぼくちん」でゴミクズ見たいな奴だから、「チンカス」でいいか。
今は、こんなバカの下で働いている。好きで働いているわけではない。というか、タダ働きだ。金すら貰っていない。
「やる気ねぇ~、やる気ねぇ~、『マジで』がつくほど、やる気なぁい。やる気ねぇ~、やる気ねぇ~、『マジで』がつくほど、やる気なぁい」
また、歌い出す。
「だから、歌うな! 猫娘が! ……たく! お前はホントに気性が荒い獣人族か?」
あたしは人間ではなく、獣人族だ。獣の耳と尻尾がある。
ただ、こいつはあたしを《《猫娘》》と言っていたが。
「そうよ。ただ、あたしは獣人族として生まれただけなので、性格に決まりはないので。後、あたしは猫ではなく、獅子なので」
そう、あたしは百獣の王と言われている獅子の獣人族だ。まあ、獅子は特に血の気が多いと言われているが、ここまで、やる気の欠片がない獅子なんてあたしぐらいだ。
「似たようなものだろ!」
「メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、バカの相手はメンドくさぁ~い。メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、バカの相手はメンドくさぁ~い」
また、歌い出す。
「だから、歌うな! 後、何気にボクちんをディスるな!」
「え? 『バカの相手は』しか、言っていないよ」
「それがボクちんのことだろう!?」
「……バレたか」
「少しは否定しろよ。後、やっぱり、ボクちんをディスっていたじゃないか! ……まあ、よい。もうすぐで、ボクちんの時代だ! お前も戦う準備を手伝え!」
「絶対に負ける戦いに~、引き込まれる、あたしは、かわいそう。絶対に負ける未来しか~、見えない~。だって、指導者は~、コイントスを、百回やっても~、全部裏の悪運の持ち主だから~、か・て・る~気がしないぃぃぃ!」
また、歌い出す。
「だから、歌うな! 後、ボクちんに勝算あるからな。ギャンブルは勝ったことらないが」
「戦いになるなら、その前にあいつに合わせてくれ」
「まあ、よい。ただし、五分だけだ。それ以上は認めない!」
「分かりました~。五分だけなんでドケチ過ぎる~。だから、女に嫌われてるから~」
「だから、歌いながら、ボクちんをディスるな! くそ! 戦力にならないなら、今頃、人質を殺していたところなのなに!」
遠くではあるが、チンカスの兵に見張られている状態で、牢屋の先にいる女性と対面する。
「どうしたんッスか? 珍しいッスね」
美人の割には珍しい喋り方する女性は亜種。ただ、あたしと違い獣人族ではないが、あたしの友人だ。
「ちょっと伝えたいことがあって。多分、戦争が始まる」
「私のことはいいッス。戦うのは……」
「あたしは自由気ままに生きたいが、他者を犠牲にしてまでは叶えたいことではない。まあ、あんたを助け出す方法をだらだらしながらも、見つけることにするよ~。機会を見つければ奴らを裏切るよ」
機会が有れば、あのチンカスを生まれてきたことを後悔させると、言わせる程、ボコしたい。
「無理はしないでッス」
あたしは彼女を置くしかないが、置いて、牢屋を後にする。
「メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、『クソ』が付くほどメンドくさぁ~い。メンドくせぇ~、メンドくせぇ~、『クソ』が付くほどメンドくさぁ~い」
第六章 皇帝の血族 完




