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蒼炎のカチュア  作者: 黒桐 涼風
第六章 皇帝の血筋
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6-7 ナギサイド

 なんか、怪しい人が落ちてきたんですが!。


「ちっ、気づかれたか。暗殺家業の私らが、見つかってしまうなんて」


 声的には女か。顔も見えるが、左半分仮面見たいな物で隠していて、右半分しか見えない。


 よく見たら仮面が、素顔との境界線に割れた様な感じがする。もしかして、元々あの仮面ら顔全体隠れるもので、カチュアのナイフが命中して、割れたのか?


「狙いはマリンちゃんでしょ? 殺す気満々な感じが取れたわ~」


 要するに、殺気か。


 相変わらず、カチュアの感知能力は凄いな。この女はカチュア達の方を向いているだけなのに、狙いがマリンということを、察しられるのか。


「やっかいな女だ。殺意を感じ取れるなんて。暗殺者の唯一の弱点か……」


 暗殺者らしき女はナイフを取り出しす。


 そして、カチュア達を囲む様に、仲間らしき暗殺者が現れた。その数は……二十人は超えている。


 あれ? 暗殺って、こんな大勢で行うものか?


「数が足りない……後はあの女にやられたか」


 数が足りないって、それよりもいるのか? いや、あの女の口ぶりだと、それよりも《《いた》》のか。恐らく、カチュアの投げたナイフが何人かの暗殺者の仲間に命中して、戦闘不能になったのか。それであの女は仮面を割るだけで済んだのか。少なくとも、この暗殺者達の中ではあの女が一番の曲者か。


 で、カチュアの投げたナイフに命中した人たちは、どうなったのかな? 投げた石ころで熊の体を貫通させたことのあるカチュアだ。腕とかに当たれば切断するのかな? 考えるだけでも、鳥肌が立ってくる。……私に体はないけど。


「まあいい。やることは変わらん。その女を殺すまでだ」


 暗殺者の一人がマリンに襲い掛かる。


「ぐおおお!!!」


 距離は有ったにも関わらず、カチュアはその暗殺者の背後に周り、地面目掛け殴り、叩きつけた。


 暗殺者は地面に練り込まれてしまった。


「何なんだ? このバカ力? 魔道具で筋力アップしても、ここまでの力を出したら……」


 敵側は、驚いているご様子。


「確かに、普通の身体能力強化で、あそこまで力を発揮したら、体が耐えきれねぇで、引きちぎる可能があるのに、その様子はねぇ」


 そういうものか、記憶がない私には分からないが。


 てか、マリンは命狙われているのに、何でそんなに冷静にいられるんだ?


「ごく普通の人間に特殊能力をもって生まれたかは知らないが、厄介だ。……あの女を先にやらないと任務は成功しない。私はが一人であの女をやる。残りのあんたらで、標的を始末しない」

「一人で大丈夫か?」

「どのみち、あの女を足止めをしなければ。時間は短い。迅速に」

「わかった。気をつけろ」


 あの女暗殺者を除く、暗殺者達はマリンの方へ向かっていく。あの女暗殺者が指示みたいなことをしていたから、この任務中の間はリーダー格になるのかな? 


 カチュアは暗殺者の一人を殴り地面に練り込ませた時点でエドナたちとの距離をとってしまった。


「エドナちゃん、ユミルちゃん。マリンちゃんをお願いするわ~」

「分かりました」


 カチュアは女暗殺者の方へ振り向く。


「行くぞ」


 消えた。


 カチュアは後ろを振り向いて。


 キィーーーン!!!


 鉄同時がぶつかる音が。目の前には暗殺者のリーダー格の女の姿が。カチュアは大きな剣で、リーダー格の女の武器である短めの剣を受け止めた。


「気づかれたか!」


 リーダー格の女は、後方へ下がった後、再び姿を消す。


 キィーーーン!!!


 リーダー格の女は再び、カチュアの背後を取って、短剣を振るうが、カチュアの大剣で受け止められた。


 カチュアは、剣で押してリーダー格の女を前方へ弾き飛ばす。さらに、弾き飛ばされた、リーダー格の女目掛けて横蹴りをかます。靴底から刃が付いていた。カチュアの履いている靴は特注品で蹴りを入れると靴底から刃が出てくる仕組みだ。


 リーダー格の女はぎりぎりかわし、また、姿を消した。


 姿を表すたび、カチュアは剣か、蹴りで、リーダー格の女の攻撃から退けたいった。それを何回か繰り返す。


「ちっ」


リーダー格の女は攻撃をやめ、自分の武器をしまい、別の武器を取り出す。


『カチュア! あの武器……』


 短剣なのは変わらないが。その武器の雰囲気に見覚えがあった。それはヴァルダンの王や将が使っていた武器だ。そう、あの生き物の死骸のような武器だ。


 この女はヴァルダンの関係者? もしかして、残党か?


「武器がどーしたの?」

『見覚えないの?』

「ん~、動物の骨見たいなナイフだけど、それ以外は何とも……、ただ」

『ただ?』

「禍々し、嫌な気を感じるわ~」


 私には感じないが、カチュアには分かるのね。あの武器の何か良からぬ気を。ヴァルダンの連中が使っていたことは忘れているようだけど。


「これでもくられー!!!」


 骨のような短剣をカチュア目掛けて振る。描いた軌跡が真っ黒な真空波のようにな物が、カチュアに襲いかかってくる。


 ユミルが使っていた、水の刃の黒い煙バージョンのようね。


 カチュアは避けらた。割と余裕だった。


 カチュアを当てなかった黒い真空波は地面にぶつかった。地面から縦に長い切れ目が入っていた。


 リーダー格の女は、攻撃を止めることなく、カチュアの逃げ道を塞ぐように広範囲で無数の黒い真空波を放った。


 絶対絶命。恐らく、あれに当たったら身体が、真っ二つに切断するだろう。


 しかし、カチュア自身、動じてはいない。いつものことだけど。


 カチュアは横に回し蹴りをしながら飛んだ。靴には刃が出ていた。カチュアに襲いかかってくる黒い真空波は、その刃に当たると、黒い真空波はリーダー格の女目掛けて跳ね返った。


 あの刃は魔術を跳ね返す金属が使われている。


 リーダー格の女は跳ね返った、黒い真空波を避けた。見る感じ、驚いていたな。


「くぅぅ、さすがに想定外だが、これで終わりだ」


 カチュアにいる足場から、黒い靄が出現し、カチュアを飲む混む。


「これなら、反射攻撃はできないな」


 当たりが真っ暗だ。闇の牢獄といったところね。閉じ込まれた。だけなら、いいんだけど。


「ふん、ようやく、この女を足止めができたな。さて、加勢に行くか」


 不味いわ。マリンの方へ向かったようだ。


『どうするのカチュア!?』


 問いかけると。カチュアは剣を振り下ろした。 


 カチュアの目の前から光が出てきた。その光はカチュアのいる闇の牢獄に切れ目が出てきて、そこから出てきていた。さっき、カチュアは、剣を振り下ろした時に斬っていたのか! そんなあっさりと出られたの!?


 よく見たら、切れ目から蒼い光? と言うよりかは、炎ね。ん? 炎って、確か……。


 カチュアは闇の牢獄から出られた。


 カチュアの体中には以前、ヴァルダンとの戦いに、現れたあの蒼い炎が纏ってた。


「なんとかなったわ~」

『あー……そうですか』


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