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The Diary  作者: 石榴矢昏
3/7

Day3

 

 〇月XX日


 久々に夢を見た。

 それも、誰のものでもない、僕の夢だとすぐわかった。

 何故なら僕は夢の中で、一度だけ肌を重ね合わせた人と抱き合っていたからだ。


 無音の空間の中で、あの時と全く同じ場所、同じ動きで僕らは交わっていた。

 弾む吐息も聞こえず、身体が熱を帯びる感覚もなく、まさしく場面を再生しただけの夢だ。


 僕の事情を理解し、受け入れると言いながら、無言で去ってしまったあの人は、今どこで何をしているのだろう?

 恐らく僕以外の人と恋を実らせ、関係も持っていることだろう。


 結局世間はこんなものだ。

 口先で”理解している”と言いながら、内面では僕を気味悪がって、避けていくばかりだ。

 あれ以来、僕は誰とも愛し合っていないし、思えば、自らの手でそれを満たすことすら一度も無い。


 僕はあの行為で、あらゆる物事への熱意や欲というものをすっかり手放してしまったのかもしれない。

 何かをしたい、こう在りたい。そんな意欲はとうに無い。


 ただ、抜け殻のような体で生き続け、そこに何を注がれるでもなく、僕は何にもなれないままに野垂れ死ぬのだろうか?



 幻覚:無し 夢:有り(自分)



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