超破壊兵器-1
「だぁぁぁぁ!かぁぁらぁぁ! 何でアタシが居ない時に! そうやって面白そうなネタを拾ってくるのよぉぉ!」
デンジ達がアジトに戻ってから、ミズキは溜まった鬱憤を晴らすかのように吠え続けていた。
「……仕方ねーじゃんか。お前が風邪なんか引くからだ」
デンジは背中向きのまま取り合おうとしない。
「もぉ! それ、絶対ナマで見たらテンション上がるヤツじゃんか! まったく……そうやってアタシを除け者にしてぇ! 次に行く時には絶対アタシも着いていくんだから!」
まだ熱が引かず、真っ赤な顔でフラフラになりながら、それでも悪態をついてミズキが頬を膨らませる。
「で……? 次は何時行くの? 『明日』ってのはヤメてよね。明日だとまだ熱が引いてないかもだし!」
と、その時だった。
《いえ、それは控えて頂けるようお願いします》
突如、『she』のスピーカーから制止が掛かった。全員が一斉にスピーカーの上に光る赤いLEDに注目する。
「へ? どうしてぇ?」
ミズキが素っ頓狂な声を上げる。
《国の『国家情報統制法』に基づく指定案件なので多くを語る事は出来ませんが、あまり長時間『あの場所』に滞在すると皆さんの身体に重大な健康被害が生じる恐れがあります。なお、この件について私から言える事は以上です》
それだけ言うと、プッ……とLEDは消えた。
「け……健康被害って……どう言う事でしょうか? 何かの恐ろしいウィルスに感染するとか……」
ベルが後ろでオロオロしている。
「いンや……それなら『長時間』ちゅう事はないわい。ウイルスなら短時間でも感染するでの」
フグアイが首を横に振った。
「多分……『放射線被爆』でしょうね。それなら『時間』は大きな要素です」
厳しい顔で、フォレスターが呟く。
「放射線だと? つまり、あの『ウロボロスもどき』は放射能に汚染されているってのか?」
デンジが驚いた表情を見せる。
「いやまぁ……少なくともワシが生きておる、この80年余りの間では『そんな事件』は記憶が無いからの。汚染が仮にあったとしても、高濃度な部分はとっくに雨で流されとるじゃろ。ただし、誰も精密な測定をしていないじゃろうから政府も『責任が取れない』っちゅうだけで」
ドクターが、タブレットの画像をしげしげと眺めていた。
「も、もしかしたら、その『ウロボロスもどき』を破壊した兵器が『放射能』なのかしら? だとすれば仮に手に入れたとしても怖くて使えないけど……」
ミズキの顔が雲る。
「もしくは、『ウロボロスもどき』そのものに放射性物質があったのかだ。……ま、それは『彼女』が何も言わない以上、手がかりは無いけどな」
いつもの壊れかけた古いソファーに、デンジが身体を投げ出す。
「けどよ」
デンジの声が低くなる。両手を顔の前で組み、目を細くして宙を睨む。
「その『ウロボロスもどきを破壊した超兵器』については『手かがり』があるぜ? 『何処にある、どういう兵器なのか』はともかく、『それについて詳しいヤツが誰なのか』はハッキリしているからよ」




