意外な遺物-2
ガサリ、ガサリ……。
生い茂った草木を掻き分け、二人は先程上空から見た『盛り上がり』の方へ進んでいた。
ふと、トレッキングシューズの足元に何か硬いものが当たる。
「何だこれ?」
足を止めて、デンジがその場でかがみ込む。
「……鉄の破片?」
拾い上げた『それ』は掌ほどの大きさだった。ズッシリとしており、かなり錆びが進行している。
……何かの外装パーツか?
デンジがそれをしげしげと見ていると。
「デンジさん、前を見てください。どうやらその『破片』の本体のようです」
フォレスターが眼前の草を掻き分けると、そこには朽ちた巨大な鉄の塊が鎮座していた。高さで言うなら、4メートルほどだろうか。それが奥の方まで延々と続いている。
「デカいな……というか、これ『自然に朽ちた』だけじゃなくって、『破壊された』跡だよな……」
デンジが、その溶けたような『傷口』に触れる。
それは、明らかに何者かの攻撃によって破壊された『傷跡』だった。それも『損傷』というレベルではない。間違いなく『致命傷』クラスの一撃があったといえるだろう。
「これ……何でしょうかね?」
内部は、複雑な機器類が派手に壊されて無残な姿を晒している。
「……古い感じだが、そんな何百年も経過してるってほどでも無ぇ。せいぜい、ここ数十年から、あっても100年って所だろう。とにかく、ここで昔に大きな戦闘があって……その結果、『こいつ』は負けたんだ。それも、EMP弾なんかによる撹乱程度なんかじゃなくって、盛大にな……」
デンジは腕の端末を使って画像を撮影しながら、辺りを見渡した。
「我々のテクノロジーっぽく無いですね。エターナル社のものでしょうか?」
フォレスターが崩れかけた破片を横にどかし、奥の方を覗き見ている。
「ああ、多分な。そして、この『形状』と『長さ』だ。空から見た時には『連なって見えた』だろう? そう……『蛇』みてぇによ」
「まさか……小型版の『ウロボロス』?」
フォレスターが手を止めて振り返った。
「……というか『プロトタイプ』なのかもな。アイツらが昔『これ』を使っていて……ここで盛大に迎撃されたと」
残骸の周辺はシンと静まり返っている。
見上げた頭上に『あった筈の天井』は溶け落ちており、覆いかぶさる木々の合間から陽の光が差し込んでいた。
「だとすると」
足元の破片に注意しながら、フォレスターがデンジの元までやって来た。
「かつて我々人類はエターナル社の侵攻に対して『何らかの強力な対抗手段を有していた』という事になりますよね?」
「そうだな。そういう事になる。少なくとも『何者か』が、エターナル社を排除したんだ。これだけの証拠がある以上、それは間違いあるまい」
それは大きな『謎』。
では何故、かつて存在したはずの『対抗手段』は現代に引き継がれていないのか。
だが、微かに見えた大きな『希望』に、デンジは胸の高鳴りを抑えられなかった。




