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洞窟編 9

「」どうにも、誰もいないと思うと、声を出す気力が薄れてしまう。やっぱり、一人でいるというのは、寂しいなぁ~、脳内、挨拶も最近忘れてしまう。あ、はよー、元気?じゃーねー。会話したい。誰かとおしゃべり、切実にしたい。こう、愚痴りたい。共感したい。共有したい。イイネ言いたい。はぁー、テンションが上がらない。


動けない、飛べない、火も吐けない。これって、ファンタジーですか?新ジャンル監禁系ファンタジー、自由?ここにはない!・・・辛い。

かれこれ数えて、洞窟生活はおそらく、100日を突破した。記録できないからね、参考記録だよ。初めは、できる限り数えていたけど、頭がおかしくなりそうだからやめたり、また暇で数えたりで、ごっちゃになっているけどね。通算すると、およそ百日。パーティしようか?したいなぁパーティ。

とにかく暇、寝て起きてなにか手はないか考えるけど、いい考えが思いつかない。まず全く動けないというのがキツイ。ほんと、指先が少し動くとかすれば、土を掻いて少しずつでも穴を開けられるのになぁ~、とりあえず、ほんとに何か出来ることはないかと、ここに入る前の自由でいた頃を思い出して、人間みたいに魔法を使うことはできないかと試行錯誤を繰り返している。え、火も出せないのだから魔法も無理だろう?まぁ、そうだよね、でも、折角のファンタジーだし、魔法の一つも覚えたいじゃない?

私、記憶にある限りファンタジーらしい要素って、ドラゴンである事と、飛べること、火を吐けることしか無いのだよ?それ以外のファンタジー要素は遠い昔に見た風景と襲われた時に受けた魔法による攻撃だけ!ありえなくない?今の私の記憶にあるこの世界の思い出の99%は暗闇と岩、あとはほんのり黒歴史。どこに、そんなファンタジーが存在するんだよ!とにかくこの有り余る暇を有効に使うために、魔法を練習しているんだよ。


とりあえず、空を飛ぶとか、火の玉、風の爪を出すのは出来るのは分かっているからそれ以外の、何だ、有名な魔法って?うーん、あ、暗いし明るくしよう。ライト!・・・、反応なしか。でも、火の玉が出せるのだから、明かりをつけるくらいできるはずだろうと、高をくくりすぐさま魔法に打ち込んだ。

はじめは何かららしたらいいのか、とにかく、記憶にある魔法というものを思い出そうとした。


魔法、魔法使い、彼らとの遭遇は、ここに来る前に一度だけのはずなのだが、それ以外にも、魔法使いと対峙というか見ている記憶も薄らぼんやりとあった。以前の人間の挨拶と一緒で、古い、とても古い記憶なのだが、魔法の練習をしようと気持ちを生んだのは、その記憶があったからだ。


とりあえず、魔法を使うには、えーっと、魔力を使って魔法を使う。ん?魔力とは?精霊を使う?体内にある魔力を使って、属性に合わせた魔法を使う?世界を漂うマナを用いて術式を発動させる?変身して魔法少女になって魔法を使う?MPを消費して魔法を使う?杖を持つ?学園に通う?呪文を唱える?唱えない?とにかくイメージする?

ん?なんだ。なんで、こんなに魔法の使い方がバラバラなのだ?

呪文を唱えるのに唱えないとか完全に矛盾しているじゃないか?落ち着け、魔法を使うための方法は、方法は、あれ、思い出した方法の他にもある。

魔法陣?生贄?座標?高次元からの干渉?

やばいもっとわからん。というか、同時に魔法なんて存在しない?ファンタジーだ?なんて記憶も思い出した。え、なんだ、これ、やっぱり、頭の中が混乱している。


まず、整理しよう。魔法は存在する。つい最近、百日以上前だが人間が杖を上げて火の玉生み出しそいつをぶつけてきたし、氷の玉や石も体験した。というよりも、魔法がファンタジーだから存在しないなら、同じくファンタジーのドラゴンが存在しない。しかし、ドラゴンこと私は元気に存在している。よってここはファンタジー!以上証明終了。なんか久しぶりにすっきりと話がまとまった。しかし、なんで魔法なんかない!という記憶があるのか。うーん、いや、魔法がないという記憶があるのに、魔法を使う方法がこんなにたくさん思い出せるのか。これも変だよな?


わからない、私は、生まれながらのドラゴンだ。誰よりも強く、誰からも恐れられる。そんな存在だ。なのに、人と言葉、挨拶を交わし、人の中で暮らした記憶がある。魔法を知っていて、魔法を存在しないと考えている記憶がある。ドラゴンがファンタジーの生き物で存在するはずがないという記憶がある。この記憶はなんだ?私は生まれてからホントにずっとドラゴンだったのか?うーん、うーんこれも答えが出ないような気がする。まぁ、いっか。いまは魔法が使えるために思い付いた方法の中で実行できそうなものから、やっていこう。


えっと、魔力とは何だろう?精霊さんは見たことがない。属性知らない。マナみえない。魔法少女やってみたい。MP意味が分からない。杖持てない。学園通うためにもここから出たい。呪文そもそも知らない。イメージか、イメージ・・、できそう。


私、ドラゴン想像する。


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