1.
前書き:
仕事の合間にほのぼの書くつもりなのでよろしく
仕事以外の生活も頑張ります
プロローグ:
トモヒロ:「・・・なんでこんなことに」
開口一番で出てきたのはそんな言葉だった。
俺の名前は瀬河朋裕。職業は理学療法士、病院で働いているどこにでもいるような27歳の青年である。学生時代は部活・勉強で忙しく、碌に遊ぶことがなかったためか年齢=彼女いない歴という悲惨な状況だ。最近、すごく寂しく感じる時が多い。
「・・・明日からまた仕事か~・・・」
そんなことをつぶやきつつ溜息をついた。昨今の高齢化の影響からからか、忙しすぎて碌に休みも取れない。取ろうとすれば上司や同僚から嫌味を言われる始末だ。
「給料は全然上がらないのに忙しさは3倍とか、ほんとにやめてほしいな・・・」
現在は習慣になった、日曜日最後の映画を見終わって自宅に戻る途中である。一人暮らしなので、帰っても誰もおらずにコンビニ弁当を食べて寝るくらいだ。
「最近、ゲームもバスケもしてないな~、・・・・なんか心が腐ってきてる気がする」
大学卒業後、地元に帰ってきたものの仲の良かった友達はほとんど県外に出ていき最近は全然会ってない。会えても年に1~2回程度だ。
「最近刺激が足りないな~」
とぼやきつつ家の前に到着した。ぼろいアパートを見てさらに気分が沈みがちになる。家賃は月5万ほどで、これに光熱費・インターネット代・水道代を合わせると6万程度の出費になる。薄給の自分には結構な痛手だ。
「愚痴ってても仕方ない。とっとと寝るかね」
鍵を開け、部屋に一歩踏み入れた瞬間だった。
「え?」
いきなりのブラックアウトとジェットコースターもかくやという浮遊感が全身を襲った
「ーーーーーーーーーーーーー!?」
突然床の感覚がなくなったかと思えば、フリーフォールよろしく真っ逆さまに落下している状況に頭の中はパニック状態である。
「なんなんだこれーーーーーーーーーーーーーーー!!」
絶叫するが状況が改善されることはなく、どこまでも落ちていく感覚に気が遠くなっていった。
「・・・ぅん?」
不意に肌寒さを感じて目を覚ますと夕暮れ時の赤みがかった空が目に入った。
「何か・・・変な夢・・見たようなっ!?」
徐々に頭のぼんやりとした感覚が薄れてくる。するとさっきまでで状況が唐突に思考を掠めすぐさま辺りを見渡した。辺り一面木々が覆い繁り見通しが全く利かず、夕方でまだ日も沈んでいないのに薄暗い。以前テレビで特集されていた樹海の奥深くを連想させるようなそんな場所に座り込んでいた。
「・・・何処だよここ?」
あまりに余りの展開に頭の中が真っ白になっていく。先ほどまでアパートの目の前に居た。こんな木が視界を遮るほど群生している場所ではなかったはずだ。
とりあえず現在地を確認しようとスマホを取り出して電源を着けるが電波が全く入っていない。何度か再起動するが一向に改善する気配がない。
「いったいどうなってんだ!?」
理解できない状況に憤りスマホを地面に叩きつけようとした時、ふと画面に写った自分の顔に違和感を覚えた。
「・・なんだよ、この髪?」
仕事やスポーツをよくしていた関係で元は黒のショートヘアーだったのだが、今は赤黒くなっていてまるで血の色のようだ。日の光のせいかとも思ったが今いる場所の薄暗さを思い出し、深くため息をつきながら強く頭を掻いた。
「はぁ~、どうするかなこの状況」
取り敢えず気持ちを落ち着かせる為に空を見上げる。仕事でイライラした時によくやる癖だった。効果としては肩回りの