安全地帯
私の部族は、隣の領域の部族と争っている。
これだけ書くと一触即発の事態・・に見えるかもしれないが、
互いに自分たちの領域に閉じこもってさえいればいい。
つまるところ、私は平和を謳歌しているのだ。
今日も夜空が綺麗だなあ。
相変わらず子供たちは遊んでいる。何をしているんだろう。
木の棒で土の上に線を引いている。
「ここはオラの領土だ!入ってきたら承知しないからな!」
他の子も次々に線を引き続け、自分たちの領土を確保。
・・おいおいそれじゃ、どこまでが誰の領土かわからないだろう。
その様子を見て、思わず苦笑をこぼす私の後頭部に銃が突きつけられた。
「お前、何勝手に人の領土に入っているんだ?」
この日、夜空は赤く染まった。