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6.変化
柵の向こうの草陰から現れた男の子の名は、ユウト。
青い髪に青い瞳。
見るからに元気いっぱいの男の子。
手を怪我していたから手当していると、キラキラと目を輝かせて私を見ていた。
そのあと出したレモンジュースも、とてもおいしそうに飲んでくれた。
誰かと会話をしたのは久しぶり。
とても癒されてしまった。
彼は私のことを知らない。
まだ子供だからしょうがない事だけど、親に話したりすると私の正体が分かり、もうここへは来てくれないだろう。
町の人々が王族と口を聞くなんて、ありえないことだから。
そう思うと、とてもさみしい。
だって、私のことを名前で呼んでくれたのは、アーデルとあなただけ。
また呼んで欲しい。
彼の声を聞きたい。
いつの間にか私は、彼のことが頭から離れなくなっていた。
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その夜私は、いつにもなく機嫌が良かったと聞く。
一切笑わなくなった私の口元が、ゆるんでいたという。
「また来てくれるかしら?」
私はその日、とても幸せな夢を見ていた。