1.リディア姫
始まりは15年前。
私が9歳の時。
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私は年百年と続く王国の姫として生まれた。
生まれたときは、他と変わりない普通の子だったと聞かされている。
けど、3歳を迎えたころ。
私はすでに読み書きができるようになっていて、幼いながらに大変美しかったといわれている。
幼いうちに賢くなったせいか、子供らしいといえない子になっていた。
「姫様、リディア姫様!国王様から、お絵かき用の絵の具をいただきましたよ。これで私共と遊びませんか?」
「・・・いいわ、遊ばない。わたしお部屋にもどるわ。」
「あっ、姫様・・・」
(だってつまらないじゃない。みんなわたしが″姫″だから褒めるんだもの。″リディア″を見てるんじゃないわ・・・)
ガチャ
パタン・・・
私はひねくれたことを考えながら、ベッドに倒れこんだ。
ゴロゴロと転がって、あきてしまったから窓際に座る。
外を見ると、同い年ぐらいの子供が遊んでるのが見えた。
手作りの水鉄砲を持って、キャーキャーと走り回っていた。
「あんなことして、何が楽しいのかしら・・・」
そんなことをいいつつ、じっと眺めていた。
今思えば、自覚していないだけで本当は遊びたかった。
あの輪に交じって、遊びたかった。
お勉強やメイド達と遊ぶのではなくて、同い年の本当の友達と――――。
コンコン・・・
「はぃ、どうぞ」
「入りますね、リディア」
「お母様・・・」
私はお母様を見た後、また窓の外へと視線を戻した。
お母様も窓の外を見た後、リディアにそっと近寄り抱き寄せた。
「あなたも遊びたいのですか?」
「そんなことないです。」
「そぅ・・・。最近、メイド達が庭に花を植えているそうです。リディアも植えてみてはどうですか?気分転換になりますよ。」
「・・・・・・」
「それじゃあ、失礼しますね。」
パタン・・・
「花・・・。」