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私、そこまで人肉好きじゃない

最近思うんだけど、何で皆人肉食ってんの?

目の前で起きている阿鼻叫喚。一瞬目を閉じる。顔に血がつくのが分かる。うげー。



「オガサワっ!!何ぼけっとしてんのっ?」

「ご飯食べにいこー」



顔に血や臓物をつけたまま笑顔で私を引っ張っていく友達。

ちょっとにゅるってした手を、不愉快に感じ、不意に振り払ってしまった。掴まれた腕を見ると血が付いている。眉をしかめながら友達を見ると、不思議そうに私を見ていた。


何なんだ。何故こうなった。いや、いつも通りの光景だけど。



「?どうしたの、ご飯、食べないと今度いつ食べれるか分かんないよ?」

「そうだよ?今日も久しぶりなのに、早くいこー」



私は少し考えるが、お腹がすいているのは事実だ。



「ちょっと待って、今行くから」



もう、今にでも人を襲いそうな位目がギラついている友達を、私は追いかけた。


人が死んでいく。流石に殺すのは忍びないので、もう殺して食べ終わっているであろう残りもの、骨についている肉を食べようと思い、近場の家に入る。


ああ、やっぱり。死体が散乱した状態で放置されている。食べ方汚いなー。もっと綺麗に食べたらいいのに。


骨についている肉をとって口に含む。うん、まずい。けどお腹が空いていたため、手は止まらない。口の周りが血まみれになろうと私は食べる。食べる食べる。

不意に、カタンと音が聞こえた。

私は音のした方を見てみる。床だった。不思議に思い音のしたであろう床を壊してみると、地下に続くであろう階段のようなものがあった。私は好奇心に負け、階段を一段一段降りていく。

辿りついた場所は真っ暗で何も見えない。まあ、人だった場合は、だけど。


私の種族は夜に活動するため、夜目がきく。だから別に部屋が暗かろうがどうだろうとなんの問題もない。むしろ、太陽や人口の光に弱い。光が強すぎるとかすれてでしか見えなくなる。



「・・・そこにいるの?」

『っ!!』



声を必死にひそめているのだろう。だが、私にははっきりと見えてしまった。部屋の端で、膝を抱えて丸く小さくなっている男の子。まだ10にも満たないであろう男の子が、小さな体を震わせている。



「安心して、別に私は貴方の事襲わないから」



私はゆっくり男の子に近づきながら言う。

きっとこの子の親がここに隠しておいたのだろう。その親の肉を食べてしまったのか。罪悪感が私を襲う。

なんとかしてこの子は助けないと、そう思いながら近づくが、一向に男の子の震えは収まらない。どうしよう。



「大丈夫。ね?安心して」

『あんたが、お父さんとお母さんを殺したのっ?!!』

「?・・・ごめんね、貴方が何を言ってるのか、・・・あ」



そうだ忘れていた。

私たち種族は、というか、人類と魔族って会話できないんだ。言葉が違うんだった。

ああ、どうしよう。だけど、一向に良い案が思いつかず、考える事を諦めて、私は男の子に近づき抱きしめた。



『っひ!!やだっ、やめっ!!』

「お願い!落ちついて、私は貴方を食べないから」



暴れる身体を一層抱きしめる。

必死に私から逃れようとする男の子。

私は落ちつかせるために、必死に抱きしめる。それがいけなかったのだろうか。



「あれ?オガサワこんな所で何して・・・あ!子供いんじゃんっ!!」

「あ、・・・」

『っひ!!』



いつの間にか私の後ろに立っていた友達。

私が遅かったから探していたんだろう。やばい。

私は男の子を抱きしめている手を一層強くした。

身体が震える。どうしようどうしよう、私のせいだ私が好奇心でここに来たから。もしかしたら、私があの音に気付かなかったらこんな事にはならなかったかもしれない。ああ、どうしよう。



「ねー、これオガサワが1人で食べるの?あたしにもちょーだい」



舌をぺろりとなめる友達。口周りが血でまみれている事がわかる。

怯える男の子を抱きしめ、私は友達に顔を向ける。



「だめ、私子供が1番大好きだから。お情けでもあげないから」

「えー、いいじゃん!!ちょっと位っ!!あたしも子供特有の味好きなんだもんっ!!」



私は怯えきっている男の子の背中を優しくなでようとした、そう、した。撫でようとしたら男の子は私の腕から抜け出し、走りだして行く。



「・・・ダメっ!!」



そっちには友達がっ!!



「あ・・・っ、」



男の子の頭と体が離れていく。ああ、死んでしまった。

涙が頬を伝う。私のせいで死んでしまった。ああ、どうしよう。



「もう!!ちゃんと捕まえておかないとっ!」

「あ、うん。そうだね・・・ごめん」



男の子にか、友達にか、どちらに謝ったかなんて分からない。



「ね、いいでしょ?ちょっとこの子食べていい?」

「・・・・だめ」



私は友達が文句を言うのを無視して、1人暗い部屋で男の子を食べた。

骨についた肉さえも惜しむように、丁寧に丁寧に、内臓も脳も、心臓も。まだ温かい心臓に涙が混ざってなにが何だかわからなかったけど。


ただ、ひとつ思った事。



この子のお墓を、作ってあげよう。



ファンタジー初めてなんで、優しい目で見て下さい。


本当に未熟で、書いた私でさえ、世界観が分かってません。


しいて言うなら、王道な感じです^^

皆様の素晴らしい想像力でカバーしてください☆


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