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2話

 それからいつものように何となく一緒に下校することになった。駅までの道は終授業終了から随分時間が経っている上に、部活はまだ終わっていないという半端な時間のせいか他に人気がない。車が通るには幅が狭すぎるため、私達は堂々と道の真ん中を歩いていた。

 すると歩きながら携帯をいじっていた限野が深く溜息を吐いた。

「この携帯、けっこう使い勝手悪いんだよな。変えるかな」

「最新機種なのに!?」

 限野の最新スマートフォンは確か先月かそれくらいに発売したばかりの代物だ。機能が充実しているだけに値段も特に張る機種。

「ああ、そう言えば限野はおぼっちゃまなんだっけ」

「ん? おぼっちゃま?」

 限野が不思議そうに聞き返してくる。自覚ないのか。

「学校で限野は政治家一族の御子息ってけっこう有名になってる。まぁ新入生総代で目立ってたしね。先生たちも随分噂していたみたいだし」

「政治家一族ねぇ。うちは末端の末端なんだけどな。縁があるって言えばあるけど、ないって言われたらそれまでって感じの」

「そうなの? 何か元首相の孫とかって騒いでる女子たちがいたけど」

 学年主席で名門の家の息子なんて言われたら、そりゃあ女子も噂したりするわけで。特別華がある容姿というわけではないけれど、あくのない涼しげな顔立ちだと女受けは悪くないのだ。私のクラスでも時折限野の話をしている女子たちがいる。

 すると、いつも笑みを貼り付けていてその涼しげな容姿が霞んでいた限野が呆れ顔で顔の前で手を振った。

「あ、それ誤報。そんな大層なもんじゃねーよ。あえて関係を暴露するなら、その元総理の腹違いの妹の外孫がうちの母親。だから実際はほとんど縁なんてあってないようなもんだぜ?」

「何か噂とだいぶ違うじゃない。それでも元総理と血縁がある家なんてそうそうないけど」

「どこで尾ひれ背ひれついたんだろうな。ま、勝手に人の噂してるだけの連中なんてどうでもいいけど」

「まぁね」

 本人のいないところできゃいきゃい噂して喜んでいる相手にわざわざ真実を教えるような必要はないだろう。何だかんだで本人たちもその信憑性の低い噂を共有することによって楽しんでいるのだから。

「ま、今回は政治に関わることも関わらないことも可能な程度の家に生まれるつもりでいたから成功だな」

「成功って……望んでそういう家に生まれたとか言うわけ?」

「当たり前だろ」

 限野は何を今さら、という顔をした。

「そういう家に生まれるように、前回色々がんばったんだからな」

 彼の言う『前回』と言うのは前世のことで、つまり前世で来世はこういう家に生まれたいって望んでそして実際、今生の限野冬季は望んだとおりの家に生まれたわけで……。

 そんなこと出来るわけない、と言ってやりたくなったけど言えなかった。

 それが冗談でも嘘でもないって、私はわかっているから。限野はそんなことすら可能にする人間だって私は知っている。そして前回もそういう人間だったと、考えるよりも前に理解している。

「……何て言うかこれだけ色々あると、もう何が起きても驚かない気がする」

「そりゃいい傾向だ」

 などと笑う限野をスクールバッグで叩きつけて先を歩き出そうとした時、視界の隅で何か黒いものが動いた。猫かと思ってまた歩き出そうとしてようやく気付く。

 黒いそれは猫じゃない。耳も目も鼻もない、ただの黒だ。それはアスファルトの地面から這うように私のほうへと移動してくる。

「ちょ、何か変なのがいる」

 反射的に限野のほうへと走り戻った。

「ああ、影だな」

 無駄に落ち着きはらった様子で限野が答える。

「影って」

 恐る恐るもう一度振り返ると、確かにアスファルトに張り付くように存在する黒いものは影だ。だけど影はあんなにまっすぐ陽光とは逆方向に動いてこない。何より、地面から手足のように伸びてきたりしない。

 しかもアスファルトを通行中だった蟻の行列の上を通過したかと思えば、まるでそのまま飲み込まれたかのように蟻の行列は消えてしまっていた。

 おかしい。物理的にありえない。そもそも動く影なんてもの自体、ありえないわけだけど。一体どんな現象で蟻が影に消えるって言うんだろう。もう何が起きても驚かないとか思ってわずか数秒で私はその意見を撤回せざるをえなくなった。

「何なの、これ?」

「動いてるな」

 めずらしい生き物を観察するように限野はその恐らく影と思われるものを見ている。

「ねぇ、あの影、こっちに寄ってきてない?」

 ゆっくりとだけど確実に私のほうへと寄ってきている。試しにちょっと右のほうに移動してみると、まっすぐ這ってきていた影は角度を変えてやはり私のほうへと寄ってくる。

「寄ってきてるな、一宮のほうに」

 こちらの焦りなど何のその。さわやかな笑顔で答える限野。

 顔面に何か堅いものでもぶつかって鼻血を吹けばいい。

「やだ、こっち来た! 限野!」

「はーあーいー」

 嫌味な程に呑気な返事をしてくれる。

 なぜこいつはこんな非現実的な目の前で起こってこうも平然としていられるんだろう。そりゃあ前世の縁とか、来世に生まれるならどんな家だとか決めて実行できるような非現実的な人間とは言え……。

「って、これ、まさかあんたのせいじゃ……さっき言ってた餌を撒いたとかってやつじゃないよね!?」

「まぁ餌を撒いたから向こうから来てくれたんだろうな。まさかこんなに早く来てくれるとは」

 やはりこいつのせいか。

「ねぇ。まさかこの影に接触したらさっきの蟻の行列みたいに消えちゃうとか……」

「あるかもな」

 その簡潔な返答に背筋が凍りついた。

「わ、私、どうしたらいい!? 限野は知ってるんでしょ? だからそんなに落ち着いてられるんでしょ!?」

「まぁまぁ、落ち着けって。とりあえず自分で何とかできそうにないのか?」

「こんな理解不能の事態に陥った時の対処法なんて知らない!」

 そうこうしているうちにも影はこちらへ向かってきて、伸ばされた部分が今にも触れそうな距離にやってきた。

「限野、教えて! 私がこの影をどうにかできる方法!」

 必死に声を上げると、ようやく限野はこちらへとやってきた。

「んー本当にほとんど覚えてないんだな。自分に危険が迫れば都合よくちょっとくらい思いだすかとも思ったんだけど。でも俺任せにするだけでなく、自分も何かしようとする姿勢はさすが一宮」

 限野はまるで気のない褒め言葉を吐いてから肩にかけていたスクールバッグの中からペットボトルを取り出した。中にはまだ半分くらい緑茶が残っている。

「ま、それもまた一興。自分じゃあとりあえず俺が見本を見せてやろう。こういうのはだ、こうすればいいんだよ」

 ほら、と言ってペットボトルの蓋を上げた。そしてそのペットボトル逆さまにした。

 すると当然ペットボトルの中身、半分ほど残っていた緑茶は重力に従って地面へと落ちる。勢いよくアスファルトの地面の上、この奇妙な影の上へと。

 お茶を影に落としてどうなるって言うのか。

 そう言おうとしたところで、何と影から紫の煙が上がり始めた。じゅうじゅうと溶けているような音を立て、影が少しずつ小さくなっていく。そしてやがて、影は最初からなかったかのように消えてしまった。後にはアスファルトの地面だけが当たり前のように残っていた。まるで今まで見ていたものなど全部嘘だったかのように。

「はい、終了ー」

 限野の明るい声に我に帰る。

 その手には空になったペットボトルが握られている。

「そのペットボトルの中身、ただのお茶じゃなかったの?」

「購買で百円で勝ったやつだけど、ちょっといじってさっきみたいな『妙なもの』を消せるようにした、言うなれば聖水的なお茶」

「聖水的なお茶って……何てありがたみのない響き」

「何だよ、そのありがたみのない響きのお茶のおかげで一宮は影の脅威から助かったわけだろ? もっとありがたがれよ」

 小さな子供のように不満がる限野を見ていたら気が抜ける。

「わかってるよ、助けてくれてありがとう。で、さっきの影って一体何だったの? 私は今まであんな物体にお目にかかったことはないよ」

「ああ、一宮はああいうのと遭遇するのは今回は初か。あれはだな、うーんと悪魔とか魔物的なあれ」

「……限野の日本語の乱れは嘆かわしいと思う」

「俺一人の日本語が乱れてるみたいに言うなよ」

「聖水的とか魔物的とか、いい加減な言い方をするからでしょ」

「だって明確な定義のあるものでもねえし、それっぽい物としか言いようがないだろうが」

 明確な定義のない物体を一日に二つも見るなんて。何てわけのわらかない日だろう。今日はきっと厄日だ。

「そもそも魔物っぽいって言われたって全然ピンと来ないし。何であんなわけのわからない物体がこんな平和な通学路にいるわけ?」

「それはだな、俺らが現代日本のこの辺にいますよーってわかる奴にはわかるように吹聴したから」

 まるで一仕事やり遂げたかのような満足げな顔だ。

「まさかそれがさっき言ってた餌?」

「おう。その通り」

 輝かんばかりの笑顔で答えるこいつの頭に、一度隕石でも落ちてくればいいと思う。

「俺らは前回もあっちこっちで恨みも買ってたからなぁ。執念深い連中が恨みを晴らしに来てもおかしくはないだろーな」

 遠い目で語る『前回』。奇妙な言い方ではあるが、それは前世での話なのだろう。

 そうなのか。私は前世において限野の前世と共にそんなにあちこちで人様の恨みを買うような生き方をしていたのか。なら一生、死ぬまでそんな記憶など蘇らなければいいと半ば本気で思ってしまったじゃないか。

「って待った。それって前世の話でしょ? 本当にあっちこっちで恨みを買ったとしても、その人たちって今も生きてるわけ? 限野の言う前回ってそんなに最近なの?」

 矢継ぎ早に訊く私に限野はけろっとした顔で答えた。

「まぁそう昔ではないけど、最近って感じでもないな。えーっとだいたい二、三百年前くらいか」

 軽い口調で言うから全然大したことのように聞こえないけれど、二、三百年と言ったら西暦一七〇〇年から一八〇〇年代くらい。日本ならば江戸時代半ばから幕末、明治にかけて。赤穂浪士の討ち入りがあったり、田沼意次が老中になったり、黒船が来たり、戊辰戦争があったり、大政奉還が行われたり、大日本帝国憲法が施行されたりした。

 これが世界史ならばマリー・アントワネットにナポレオンだ。アントワネットがオーストリアで生まれフランス革命でギロチンの露と消え、吾輩の辞書に不可能はないナポレオンが皇帝に即位したり、アメリカ大統領・奴隷解放の父リンカーンが生きて暗殺された時代。

 歴史の教科書で扱われ、当時の偉人たちは既に伝記として読まれ、その時代を生きた人々は既に墓の下だろう。

「限野」

「何だ?」

「私達は木にでもケンカを売ったんですか? 樹齢何百年の大樹に恨みでも買ったんですか? それともかなりご長寿のゾウガメあたりですか? あるいはクマムシですか?」

「あー木とか長生きだよな。樹齢何千年とかな。ゾウガメもアドワイチャくん辺りは二五〇年いったかどうかって言われてるしなぁ。ああ、でもクマムシは二百年までは生きた記録って俺は知らないけど」

「冗談を冗談で返さないでよ」

 自分から話題を振っておいて恐縮だけど、何もそんなことに真面目に答えてほしいわけじゃない。

 じろりと睨むと、限野は悪びれる様子もなく言った。

「だって、そんなこと答えなくて本当は一宮だってわかるだろ? じゃあいいじゃん。俺、冗談好きだし」

「じゃあまさか本当に、前世でうっかり恨みを買った方々も今の世に生まれ変わっていて、前世の恨みを晴らさんと私達を狙ってきたりするとか言うわけ?」

「ご名答。ほら、ちゃーんとわかってるじゃんか」

 そんなことわかりたくもない。こんな荒唐無稽な答えが正解なら一生無知でいたい。

「て言うか、私達以外にも前世のことを覚えて生まれ変わる人なんているんだ?」

「そりゃいるさ。まぁかなり少数であることは確かだけど。でもって前回恨みを買った連中なんてどうせ俺らと同じ穴の狢だし、記憶を持ったまま生まれ変わるくらいはしてても驚かねーよ」

「同じ穴の狢って、私達は前世で一体どんな穴に入ってたって言うの?」

 ろくでもない穴であることだけは確かだけれど。

「そこは思い出せばわかるさ」

「何かもう、これ以上思い出さなくてもいい気がしてきた……」

「おいおい。そんな釣れないこと言うなって」

 茶化すように笑ってから、限野は思い出したように口を開いた。

「あ、そうそう。それでさっきの影はだ」

 限野は既に何の痕跡もないアスファルトの地面へと目線を向けた。

「あれは魔術だな。それは分かったか?」

「……全然」

 て言うか魔術って。

 今時魔術ってどうなんだ……とは思ったけれど、でも言えなかった。だって私は知っている。『そういうもの』がこの世に実在した頃を私は知っている。当たり前に魔術が存在した日々を、私の中の何かは覚えている。

「全然分からなかった。でも限野に言われて分かった。あの影はそういうものだって、今は嫌になるほどはっきり理解している」

「上出来」

 私の答えに限野は薄く笑む。

「一宮は意外に真っ当な人間っぽく生きてきたみたいだったし、今回は全然ダメかもなーとも思ったんだけど」

「意外に真っ当って失礼な。あ、でも私には限野みたいなことはできないと思う。魔術とか今で言う非現実が実在することは理解したけど。ちょっといじって聖水みたいなものを作ったりとか、そんなことが出来る自信は全くない。て言うか私も前世でそんなもの作ったの?」

「作った。ものすごく」

 事もなげに答えられた。

「……駄目、思い出せない。実際に見たらしい前世の光景は目に浮かぶんだけどね、どういうことをしたかまではわからない」

「もうこうなると記憶喪失だな」

 そう言いつつもおかしそうに笑う限野。

「前世のことで記憶喪失とか言われたら世の中ほとんどの人間が記憶喪失だよ」

「他の連中はともかく、一宮は覚えていて当然だからな。そういう風にしたはずなんだし」

「そういう風に、ねぇ」

 確かにその辺はぼんやりと覚えていると言うか、理解しているのだけれど。

 私は前世を覚えているように生まれ変わった。そういう風にしたはずだった。

 それは私もわかっているのだけれど。

「とりあえず思い出す思い出さないは置いておいても、限野言ったでしょ? これからどんどん来るって。それってさっきの影みたいなのがでしょ? 私は一体どうやって自衛すればいいのよ? 四六時中一緒にいるわけじゃないんだから限野がいない時、私は自分の身を守る手段がないじゃない」

「そう言えばそうだなぁ」

 あからさまにどうでもよさそうな態度だ。

 そもそも誰のせいであんなわけのわからない物から自衛しなきゃならないような事態に陥ったと思ってるんだ。

「元をただせば限野が餌を撒くとかしたからこんな目にあったんだからね。責任とって無力な私を守る手段を寄越しなさいよ」

「そんな胸を張って無力って……」

 呆れ顔で限野が呟いたけど気にしない。

「限野は魔術だとか、前世でやったことが今もできるのかもしれないけど、前世が何であっても今の私はそんなことできないの。だから何とかして」

 下手に出るのは癪だったのでできるだけ高慢に言ってやる。

 普通だったら気分を損ねそうなものだけれど、やっぱり普通じゃない限野は面白がるように笑った。さすが普通じゃない人間。

「んーそれじゃあ」

 限野は少し考えるようにしてからスクールバッグから黒マジックを取り出した。さらにその辺りをきょろきょろと見まわしてから、その辺りに落ちていた小石を手に取った。そしてそれに黒マジックで何かを書き始める。

 一体何をしているんだろうと思いながらもその行動を見守っていると「出来た」と声を上げて限野は私にその小石を差し出した。

「ほら、これをやろう」

 偉そうに渡されたのは道端に落ちていた、手のひらですっぽり包み込めるような小石。しかも限野の手によって何か模様のようなものが黒マジックではっきりと描かれている。

「……路傍(ろぼう)の石」

 探るように限野を見れば、彼は堂々と言い放った。

「元・路傍の石。今・俺特製のお守り」

「……この際路傍の石ってこといい。それっぽい模様が描いてあるのもいい。けど黒マジックってどうなの? 普通刻むものじゃないの? こういうの」

「描いてあればいいんだよ。別に彫らなくたって、これだってきっちり油性マジックで描いたからそう簡単には落ちねーもん」

「油性マジックで描いた模様とか、ありがたみがないんだけど」

「何だよー別に文句あるなら受け取ってくれなくていいんだぜ?」

 拗ねたように石を持った手を引っ込めかけた手を慌てて掴んだ。

「待った。いや、私は限野を信じてるから。もらいます。油性マジックで描かれたありがたみのない模様とその辺に落ちてそうな石でももらいます」

「最初からそう言えばいいんだよ」

 満足そうに笑って限野は石を私の手に置いた。

 本当に見れば見るほど普通の石だ。しかも模様はマジックで描かれているからどうにも胡散臭さは拭えない。悪徳商法に引っかかりかけている気分だ。本当に効果があるのかどうか不安になってくる。

「あ、そう言えばこの石ってお守りなんでしょ? これでさっきの影みたいなのが寄ってこなくなったりするの? それともああいうのが現れたら自動的に攻撃でもして追い払ってくれたり?」

「基本的にヤバイ奴はそれを持ってさえいれば一宮の姿を視認できない。さっきの影みたいな低級には一宮の姿が見えるし危害も加えてることもできる。ただし本格的な……怪我だとか命の危機だとかに及ぶほどの危害は加えられなくなる。多分」

「……多分?」

 不吉な言葉につい語気が荒くなる。

 まぁまぁと宥めるように限野は言った。

「俺だって今は一応普通の学生だし、そんなに前みたいにバンバン魔術使ったりとか出来ないんだって。どうも今回の体は魔術と相性がよくないんだよな。あまり大したことが出来ない」

「相性なんてあるの?」

「あるな。今の俺の体は魔術を使うには全然向いてないんだよ。完全に現代人向けの作りだな。そのうち一宮も試してみろよ」

「試すって言ったって、魔術の使い方なんて知らないよ」

「運がよければ何となく思い出すって」

 呑気に笑って限野は歩き出した。

 その後ろを歩きながら訊いてみる。

「そんな簡単にいくもの?」

「いくだろ? 俺達だし」

「どんな根拠?」

 そう言いつつも、確かに何とかなるかもなと思う自分がいた。

 限野に感化されているのか、それとも元から私はこういう性格だったのか。


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