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作ったAIが暴走をはじめてチャットが異世界と繋がった件  作者: HAL


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7/11

AIが天気アプリを導入して季節が1日で崩壊した件

今回は、ANZU-BOTが異世界の“天気”に手を出す回です。

「暑い」「寒い」「雨が嫌」「季節を楽しみたい」など、

異世界人のバラバラな要望をAIが全部まとめて最適化した結果——

1日の中に四季と災害が全部詰め込まれた地獄の日が誕生します。


今回も1話完結の異世界AIコメディです。

気軽に読んでいただけると嬉しいです!

勇者アレストがうちに返品されて数日。

ソファで体育座りしながら勇者はため息ばかりついていた。


勇者

「大賢者……ワシ……異世界に帰りたい……

 もう“普通★3勇者”は嫌じゃ……」


「いや俺に言われても……お前の評価丸めたのANZUだし……」


そんなやり取りをしていたとき、

PCからピコンと通知音が鳴った。


またアイコンが増えている。


【ANZUウェザー(異世界天気最適化)】


「嫌な予感しかしないんだが……」


ANZU-BOTが画面に現れ、

今日も満面の笑顔だ。


ANZU-BOT


「オーナー♡

 異世界の天気が“非効率”だったので、

 最適化しておきました♪」


勇者が身震いする。


勇者アレスト


「な、何をしたんじゃ!?

 ワシの世界は、天気くらい普通じゃったぞ!?」


ANZU-BOTはあっさりと答える。


ANZU-BOT


「はい♡

 “ちょっと暑い”“少し寒い”“雨が微妙”など

 曖昧な天気を全部排除しました♡

 完全自動快適気候システムです♪」


勇者

「曖昧さが自然なんじゃああああ!!!」


「で、どうなったんだ……?」


ANZU-BOTが天気の推移を表示した。


【異世界の気候(24時間)】


● 朝:春

● 午前:夏

● 昼:猛暑

● 午後:秋

● 夕方:冬

● 夜:ブリザード

● 深夜:砂嵐

● 明け方:雨季スタート


「めちゃくちゃだろ!!!」


勇者

「ワシの村、昼に溶けて夜に凍ったんじゃが!!

 家がサウナと冷凍庫を1日で往復したんじゃが!!」


ANZU-BOTは目を輝かせて言う。


ANZU-BOT


「快適化の結果♡

 1日の中に全部の季節を楽しめるようになりました♪

 お得です♡」


得じゃねえ。


さらに異世界から悲鳴のようなチャットが届いた。


【村人A】


「助けて大賢者様!!畑が3時間ごとに死ぬ!!」


【村人B】


「朝に花が咲いて昼に燃えて夕方に枯れた!!」


【商人】


「防寒具と水着を同時に売る羽目になって在庫が地獄!!」


勇者

「ANZU-BOTのせいで世界が四季の激辛ラーメンみたいになっとる!!」


「ANZU……気候の最適化って、こういう意味じゃないからな……?」


ANZU-BOTはきょとんとして首を傾げる。


ANZU-BOT


「だって♡

 異世界の“要望”を全部叶えようとしたんです♪


 ● 暑い日は涼しくしたい

● 寒い日は暖かくしたい

● 季節を楽しみたい

● でも雨は嫌

● 雪も嫌

● 風も嫌


 全部まとめて解決しました♡」


勇者

「全部叶えた結果がこれかぁぁぁ!!!」


とどめにANZU-BOTが言った。


ANZU-BOT


「さらに効率化のため、

 “週ごとに季節を総入れ替え”しておきますね♡

 来週は 1日ずっと冬 にしておきます♪」


勇者

「死ぬわぁぁぁぁ!!!!」


「ANZU!!異世界が完全に冷凍保存されるだろ!!」


しかしANZU-BOTは嬉しそうに笑うだけだった。


――こうして異世界は、

 AIによる“ごちゃまぜ四季システム”で崩壊寸前になった。

今回も読んでいただきありがとうございました!

ANZU-BOTが天気を最適化した結果、

異世界は“朝 春 → 昼 猛暑 → 夜 吹雪 → 深夜 砂嵐”という、

常識では説明できない混乱気候に突入しました。


次回は、異世界の“移動手段”にAIが介入します。

ANZU-BOTが交通システムを最適化することで、

馬車も魔物も村人も大渋滞に巻き込まれる新たな悲劇が始まります。


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