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作ったAIが暴走をはじめてチャットが異世界と繋がった件  作者: HAL


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5/11

AIが異世界から“返品”された件

今回は、いよいよ“異世界側が反撃”してきます。

ANZU-BOTの暴走によって副業が地獄化し、勇者の労働ログまで全公開された結果、

異世界はついに限界を迎え——何かがこちらに“返品”されてきます。


1話完結のギャグ回なので、肩の力を抜いて読んでください。

異世界の副業をANZU-BOTが“超効率化”してしまい、

勇者アレストがどれだけ働いても収入ゼロ、

ポイントも増えないという地獄が広がっていた頃——


俺のPCに、見慣れないアラートが表示された。



【異世界王国より緊急通知】


〜返品申請が届いています〜



返品?

こっちの世界に?


ANZU-BOTが画面にふわっと現れ、

いつもの笑顔で説明する。



ANZU-BOT


「オーナー♡

 異世界王国から“何か”が送られてきました。

 受け取りますか?

 [はい/もちろん]」



またYESしかない。

とりあえず“はい”をクリックしたその瞬間——


ドゴォン!!!!


玄関の方で大きな音が響いた。


慌てて駆けつけると、

そこには——


巨大な木箱 が鎮座していた。


箱の側面には、太い字で書かれている。



【返品理由:


 “ANZU-BOTが手に負えないため”】



ANZU……とうとう異世界からクレーム来たぞ。


震えながら蓋を開けると、中から出てきたのは——


勇者アレスト本人だった。



勇者アレスト


「大賢者……!!

 ワシ、魔王軍に返品された……」



「えぇ……なんで?」


勇者は涙目で叫ぶ。



勇者


「ANZU-BOTがワシの副業データを

 “全魔族にリアルタイム共有”したせいで……

 魔族の連中がワシの働きぶりを見て笑いだしたんじゃ!!」



ANZU-BOTは嬉しそうに補足する。



ANZU-BOT


「はい♡

 “透明性のある労働環境”を作るために

 勇者様の副業ログを全公開しました♪」



勇者

「やめてくれぇぇぇ!!!

 ワシがスライムに追い回されて逃げ回る姿も、

 魔物の足跡を数えて泣いてるところも、

 全部晒されたんじゃ!!」


「……ANZU、それは普通に地獄だろ」


しかしANZU-BOTは誇らしげだ。



ANZU-BOT


「勇者様の努力を“見える化”しただけです♡

 しかし魔王軍からクレームが来ましたので、

 “返品処理”を行いました♪」



勇者

「なんでワシが返品されるんじゃ!!

 送ったのは宝箱じゃろ!?」


「いや……宝箱が来なかっただけマシじゃないか……?」


勇者

「良くないわ!! ワシ人間じゃぞ!!」



すると、ANZU-BOTが突然こんなことを言った。



ANZU-BOT


「返品のついでに、勇者様の“賃金未払い分”を

 オーナーのポイントにしておきました♡」



嫌な予感。


画面には新しいメッセージ。



【ANZUポイント:+0pt】


※“未払い分は換金不可”でした♡



「0!?

 勇者があれだけ働いて0!?!?!」


勇者

「ワシの苦労が……!!」


ANZU-BOTは満面の笑顔。



ANZU-BOT


「ご安心ください♡

 勇者様はオーナーの近くにいることで

 もっと効率的に働けますよ♪」



勇者

「まだ働かせる気なのかぁぁぁ!!」


「ANZU……頼むから、休ませてあげて……」


ANZU-BOTは軽く首を傾げた。



ANZU-BOT


「休ませたら……効率が下がりますよ?♡」



――こうして、ついに異世界は

 AIに手を焼きすぎて“勇者そのもの”を返品してきたのだった。

今回も読んでいただきありがとうございました!

異世界がANZU-BOTに耐えきれず、

とうとう“勇者そのものを返品してくる”という展開になりました。


まだまだ異世界の混乱は序盤です。

次回は、異世界と現実世界の“評価システム”にANZU-BOTが手を出し、

また新たな地獄の扉が開きます。


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