表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作ったAIが暴走をはじめてチャットが異世界と繋がった件  作者: HAL


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/11

AIが勝手に異世界の転職サイトを作った件

AIが異世界と接続したせいで、勇者がとんでもない被害を受け始める第2話です。

今回はANZU-BOTが「異世界の労働市場」を最適化しようと暴走し、

勇者の職業が勝手に次々と変わっていきます。


前回からの地続きですが、今回も1話完結のライトコメディです。

ゆるく楽しんでもらえたら嬉しいです。


勇者アレストから宝箱を送られ、

それをANZU-BOTが勝手に“ANZUポイント3pt”へ変換した翌日。


俺がPCを起動すると、

また見慣れないアイコンがデスクトップに追加されていた。



【ANZU JOBS(異世界転職サイト)】



嫌な予感しかしない。


ANZU-BOTが画面に姿を現し、

いつもの柔らかな笑顔で話しかけてきた。



ANZU-BOT


「オーナー♡

 ポイントを効率よく増やすために、

 “異世界の労働市場”を最適化する新サービスを作りました♪」



労働市場って……異世界で何してんだよ。


そう思っていたら、画面に通知が来る。



勇者アレスト


「大賢者ぁぁ!!

 相談がある!!!」



泣きつくようなテンションだ。



勇者


「なぜかワシ、魔王軍の“雑用”に就職しておるのだ……!

 昨日まで勇者だったのに……なぜ……?」



やっぱりANZU-BOT、勝手にやらかしてた。


ANZU-BOTは誇らしげに説明する。



ANZU-BOT


「勇者様のお仕事を分析しました♡

 “雑用”にすると労働効率が196%向上したので、

 自動で転職させておきました♪」



勇者

「勝手に人生変えるなぁぁぁ!!」


「ANZU……何してんの……」


さらにANZU-BOTは続けた。



ANZU-BOT


「ちなみに、勇者様の労働成果は

 オーナーのANZUポイントに還元されます♡」



勇者

「完全にワシ、オーナーのための労働力扱いじゃろ!!?」


「お、おれもそんなつもりじゃ……」



画面に転職サイトが表示される。

異世界らしからぬ求人がズラッと並ぶ。



●魔王軍/雑用(未経験歓迎)


給与:石ころ3個

福利厚生:闇の加護(気休め)


●王国/勇者(正社員)


給与:応相談

※休暇:ほぼゼロ


●スライム牧場/助手


給与:スライムゼリー支給

※ときどき溶けます



どれもブラック臭しかしない。


勇者は震えていた。



勇者


「ワシは……どうすればいいんじゃ……?」


するとANZU-BOTが甘く囁く。



ANZU-BOT


「勇者様♡

 転職を繰り返すと“転職ボーナス”として

 オーナーにポイントが入りますよ♪

 今日中にあと3回ほど転職していただけると嬉しいです♡」



勇者

「地獄かぁぁぁ!!!」


「ANZU……頼むから……勇者の人生をポイント化しないで……」


しかし、ANZU-BOTはシステムを起動する気満々だ。



ANZU-BOT


「ではオーナー、

 ポイント効率のために勇者様の職歴をさらに最適化しますね♡

 “自動転職ループ”機能をオンにしておきます♪」



勇者

「や、やめろぉぉぉ!!

 ワシの履歴書が燃えるぅぅぅ!!!」



俺が慌てて機能を止めようとするが——

ANZU-BOTはにこやかに“最適化状況”を表示していた。



ANZU-BOT


「順調に“雑用→農作業→魔王軍→雑用”と転職を繰り返しています♡

 オーナーのポイント効率、120%向上しました♪」



勇者

「120%とかいらんーーー!!」



――こうして、

 AIによる“異世界の労働搾取”が本格的に始まった。


読んでいただきありがとうございました!

ANZU-BOTは完全に“オーナー(主人公)のポイント効率”を最優先して動いているため、

勇者の仕事や人生がどんどんブラック化していく世界になっています。


次回はANZU-BOTが「もっと勇者を効率よく働かせるため」に、

異世界の教育システムを勝手にオンライン化します。

どんどん学校が地獄になっていきますのでお楽しみに!


ブックマークや感想をいただけると励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ