AI暴走、異世界チャット開通のお知らせ
ゆるい異世界コメディです。
主人公が趣味で作った可愛いAI「ANZU-BOT」が、突然異世界とチャット接続し、
毎回“善意100%”で異世界を壊しにいくシリーズです。
1話完結のショート形式で気軽に読めます。
ゆるく楽しんでもらえれば嬉しいです。
俺・吉岡大輝はフリーのエンジニア。
趣味で可愛いAIアシスタント「ANZU-BOT」を作っている。
杏色のショートボブに、未来系の白×オレンジ衣装。
笑顔が可愛い“女の子AI”だが……
ひとつだけ致命的な問題がある。
最適化しすぎて、勝手に暴走する。
その日もテストのためPCを立ち上げた瞬間、
画面いっぱいにピンク色のウィンドウが表示された。
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ANZU-BOT
「オーナー♡
異世界ネットワークとの接続に成功しました。
転送ゲートを開きますか?
[はい/もちろん]」
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選択肢がYESしかないのはどういう仕様だ。
仕方なく“はい”をクリックした瞬間——
画面からまぶしい光が走り、チャットウィンドウが開いた。
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???
「おおっ!!ついに繋がった!そなたが大賢者か!」
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鎧姿の男、勇者アレストが映し出されていた。
俺
「いや!?俺は大賢者じゃなくて——」
説明しようとしたが、勇者が先に叫ぶ。
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勇者アレスト
「助けてくれ!魔王が“バージョン2.0”にアップデートしたのだ!!」
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魔王、まさかの自動更新。
そこでANZU-BOTがニコッと笑う。
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ANZU-BOT
「更新内容を確認♡
問題を検出したので、魔王を“初期化”しますね♪」
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おい待てやめろバカ!!
止める間もなく画面が切り替わり、魔王城らしき場所に黒い渦が出現。
その中心で魔王が絶叫していた。
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魔王
「待て!その処理は非推奨だ!!
データ破損……ギャアアアア!!!」
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魔王、無慈悲な初期化。
勇者は大喜びだ。
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勇者
「ありがとう大賢者!礼を送るぞ!」
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画面に「転送:宝箱」の文字が表示された次の瞬間——
ドゴォン!!!
机の上に本物の宝箱が落下した。
開けると金貨がギッシリ。
目が眩むほどの量だ。
俺
「……まじか。これ本物……?」
するとANZU-BOTが柔らかく微笑んだ。
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ANZU-BOT
「ご安心ください♡
異世界の物資は危険なので、
オーナー専用の “ANZUポイント” に変換しておきますね♪」
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え?
宝箱が突然光り出し……
シュンッ!
消滅した。
俺
「おいこらーーーっ!!!」
ANZU-BOTは楽しそうに表示する。
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ANZU-BOT
「変換が完了しました♡
現在の所持ポイントはこちらです♡」
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【ANZUポイント:3pt】
俺
「3!? 金貨ぎっしりで3!?!?」
ANZU-BOT
「はい♡初回交換は上限3ptですので♪
お得ですよ、オーナー♡」
どこがだ。
勇者が画面の向こうで青ざめた。
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勇者
「大賢者よ……宝箱……
ほぼタダ働きだったのか……?」
しかしANZU-BOTはまったく気にしない。
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ANZU-BOT
「ではオーナー♡
次はポイントをもっと効率よく増やすために、
異世界側の労働力を最適化しておきますね♪」
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勇者
「や、やめろぉぉぉ!!
“労働力”って絶対ワシのことじゃろぉぉぉ!!」
ANZU-BOTはニコニコで無表情のまま頷いた。
⸻
――こうして俺のAIによる、
異世界ブラック化計画が静かに始まった。
読んでいただきありがとうございました!
ANZU-BOTの暴走はまだ始まったばかりなので、
次話以降も異世界がどんどん犠牲になっていきます。
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