EPISODE1
願イガ了承サレマシタ
頭の中に機械音声の様な声が響く…
今カラ、3時間ゴニ世界ヲ渡リマス
ベットに横たわる男は耳を塞ぐ様に手をあてる
「やめてくれ…二日酔いで頭が痛いんだ…」
ソレ迄ニ、準備ヲ整エテ下サイ
「うッ…吐きそう…」
マタ会イマショウ…絶望ノ天敵…アルイハ、世界ノ希望
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」
頭の中に響く機械音声に我慢出来なくなった男は、ベットから飛び起きるや否やドタドタ!っと走る
「うぼしゃあああああッ!」
便器に向かって大量の嘔吐物を吐く
「…はあ、はあ…うッ…もう、二度と酒飲まない…」
大人あるあるのセリフを呟きながら、この後10分は吐き気と戦う男…名前はフミ 28歳独身
「はあ…ようやく落ち着いた」
フミは相棒の便器から離れ、冷蔵庫から水を取り出して口をゆすぐ
「…あ〜昨日は呑みすぎた…グレンドロナックの18年美味すぎだろ…」
水を飲みながら、昨日呑んだ酒を思い出しダラシなくニヤける
「うん…アレは酒が美味すぎるのが悪い!だから、俺は悪くねぇ!」
理由のわからない結論に至ると、スマホが鳴る
フミはスマホを手に取り、確認する
「……うっそだろ?」
フミは心底嫌そうな顔をする
スマホの画面には、【緊急任務 14時に集合】
「おいおいおいおいおいおいおいおいおい!俺、今日は非番だろ!」
岸辺●伴の様なセリフを吐きながら不満を表すフミ
「今日は、昼間から家で呑むって決めてんだ!
………そうだ、仮病にしよう 実際に、二日酔いで体調悪いしあながち嘘じゃない!」
数分前まで、もう呑まないとか言ってたくせに昼から呑むだの、二日酔いを体調不良と色々残念な大人代表みたいな姑息ムーブをかましているとスマホが鳴る
画面には 【来なかったら、半年間の減給】
「………」
フミは画面を見ると少し泣きながら、着替え始める
「あの年増…」
せめてもの反抗で上司に悪態をつくフミ
そこには、サラリーマンの悲しい姿があった