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冬はつとめて

作者: charero

幸せに生きるとはどういうことなのだろう。

どうやったら幸せになれるのだろう。


二日酔いの頭痛と不快さを抱えながら、起き上がらない体に問いかけている。

頭の中に死という単語が浮かぶ前にスマホを開いた。

不安をかき消すように動画投稿サイトを開き、面白そうで、バカになれる動画を探す。

今朝も自分をバカにする作業を怠らない。

頭が働きすぎないように、脳に麻酔をかけるのだった。


麻酔をかけ終わると、ゆっくりと体を起こす。

頭を起こさないように、ゆったりとした足取りで風呂場へと向かう。

凍えるほど冷たい空間に入ると、頭についた皮脂を入念に洗い流す。

同じように頭にべったりとこびりついている漠然とした恐怖も一緒に洗い流したい。


冬の月曜日がやって来た。

他の季節とは比べものにならないほどの寂しさが体の周りにオーラのようにまとわりついた。

秋から冬にかけて塗り重ねてきた寂しさはずいぶんな厚さになってきたようで、肩が重い。

この孤独はいつまで続くのだろうか。

暖房で少しずつ暖かくなり始めていた部屋から逃げるように今日も家を出る。


外はまだ暗い。

冬の太陽は自己評価が低く、自分を必要としている人がいることに気づきもしていない様子だ。

四季の中で唯一、朝が無くなるのが冬だった。

日の昇らない冷え切った空間に、今日も生気を吸われ続けている。

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