第6話: 「新たな冒険!お弁当スキルの進化と仲間の出会い」
「さて、次はどうするかな…」
ゴブリン討伐や新たなモンスターの撃破を成功させ、自信を深めたユウは、再びギルドの掲示板に目を向けた。次の依頼はどれにするかと考えていたが、やはり「もっと強くなるためには、もっと良い素材を手に入れなきゃな」という考えが頭から離れなかった。
「このままだとお弁当作りも限界がある。新しいレシピを見つけないと…」
そう独り言を呟きながら、掲示板を眺めていると、ユウの隣に一人の冒険者が近づいてきた。
「お前も冒険者か?何か良い依頼を探してるのか?」
振り向くと、そこには筋肉隆々の男が立っていた。彼はユウの方を見下ろし、興味深そうに笑っている。
「え、あ、まぁそうだね。良い依頼があれば受けようと思ってるんだけど…」
「なら、一緒に行かないか?俺は【ガルド】っていうんだ。お前みたいな新人でも、うまくやれば稼げる依頼があるぜ」
ガルドはギルド内でも名の知れた冒険者で、彼と組むなら安心だろうとユウは思った。何より、この機会に仲間を増やすことができれば、より強力な冒険に挑めるはずだ。
「じゃあ、お言葉に甘えて一緒に行くよ。俺は天城ユウ、よろしく!」
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ユウとガルドが受けたのは、「食材調達」と「森の魔獣討伐」の二つの依頼だった。食材を確保しつつ、強力な魔獣を討伐するという、一石二鳥の計画だ。
「ここの森には珍しい『マジックハーブ』っていう食材がある。それを手に入れれば、さらに強力なレシピを作れるかもしれないんだ」
ガルドはユウの説明に驚きつつも頷いた。
「なるほど、お前のスキルは『お弁当作り』ってやつか。戦闘で役に立つスキルとは思わなかったけど、聞いた限りじゃすごそうだな」
「まぁね。お弁当を食べると能力が上がるし、モンスターを手なづけることもできる。でも、さすがに材料がなければ使えないんだよね…」
ガルドは笑いながら「なるほどな」と頷き、二人は森の奥へと進んだ。
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森の奥に進むにつれて、周囲の雰囲気はさらに重くなっていく。空気が冷たくなり、木々の間には不穏な気配が漂っていた。
「気をつけろ。この辺りには強力な魔獣が出没するって話だ」
ガルドが警戒を呼びかけると、ユウは頷きながらも、すぐにルクを呼び出した。
「ルク、頼むぞ。いつでも戦えるように準備しておけ!」
ルクは尻尾を振り、緊張感を持ちながら周囲を見渡している。
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しばらく進むと、目的の食材「マジックハーブ」を発見した。
「これだ!このハーブがあれば、きっと強力なお弁当が作れる!」
ユウは喜び勇んでハーブを手に取ろうとしたが、その瞬間、背後から大きな咆哮が響いた。
「来たか…!」
茂みの中から現れたのは、巨大な狼のような魔獣だった。その目は鋭く光り、体格はルクの数倍もある。
「まずいな…あれは普通の魔獣じゃない!」
ユウはすぐにルクに指示を出し、戦闘態勢に入った。ガルドも剣を抜き、共に戦う準備を整えた。
「お前、俺が前衛で引きつけるから、その間に準備しろ!」
「了解!」
ユウはガルドの援護に感謝しながら、すぐに「お弁当作りLv2」を発動。さっき手に入れたマジックハーブと他の食材を使って、お弁当を作り始めた。
「今度は特製の『マジックハーブサンド』だ!これを食べれば、さらに強力なステータスアップが見込める!」
短時間で作り上げたサンドイッチをユウは一口食べると、再び体の中から力がみなぎる感覚を感じた。
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効果: 「マジックハーブサンド」
HP** +40
魔力** +30
素早さ** +20
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「すごい…これなら魔獣相手でも戦える!」
ユウは強化された身体で素早く動きながら、ルクに指示を出し、ガルドとも連携しながら魔獣を攻撃する。
「行け、ルク!その隙をついて!」
ルクはユウの指示通りに魔獣の隙をつき、鋭い牙で喉元に噛みついた。ガルドも剣を振り下ろし、魔獣に致命的な一撃を加える。
「これで終わりだ!」
ユウたちは見事に魔獣を討伐し、無事に戦いを終えることができた。
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「ふぅ…何とか勝てたな。お前のサンドイッチのおかげだ!」
ガルドは息を切らしながら笑い、ユウの肩を叩いた。ユウもほっとした表情で笑い返す。
「これでまた一歩強くなれた気がする。もっと強力なお弁当を作って、もっと大きな冒険に挑戦したいな」
こうして、ユウはガルドという新たな仲間と共に、さらに強くなるための新たな冒険に挑むことを決意した。
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