第3話: 「冒険者ギルドと初依頼!?食材調達への道!」
「よし、これで少しは異世界生活に慣れてきた…かな?」
ユウは手なずけた小さな狼のモンスターを「ルク」と名付け、共に森を抜け、ようやく小さな村へとたどり着いていた。異世界に来てから数日が経ち、ユウも少しずつこの世界に馴染んできているように思うが、問題はまだまだ山積みだ。
「食材をどうにかしないと、このお弁当スキルがまるで役に立たないっていうね…」
ユウは頭を抱えた。森の中で手に入れた野生のベリーや、簡単に狩れた獣の肉はもう使い切ってしまった。異世界でのお弁当作りスキルは驚くほど強力だったが、材料がなければ何もできない。
「このままじゃ、ただの無力な人間だよな……。とりあえず食材を確保しないと」
そこでユウは村の冒険者ギルドに向かうことに決めた。ギルドなら依頼をこなして報酬をもらえるし、何より食材調達の情報も得られるはずだ。
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村の冒険者ギルドに到着すると、そこは小さな酒場のような雰囲気だった。いかにも「冒険者!」というごつい男たちが酒を飲みながら騒いでいる。
「おお、これがギルドか…ファンタジーっぽいな」
ユウは少し緊張しながらも、受付カウンターに向かい、ギルドの受付嬢に声をかけた。
「えーっと、冒険者登録をしたいんですけど」
「冒険者登録ですね。こちらにお名前と基本情報を記入してください」
受付嬢は慣れた手つきで書類を渡してくる。ユウは名前を書き込み、冒険者としての第一歩を踏み出す準備を整えた。
「これで登録完了です。冒険者として依頼をこなすことで、報酬やギルドポイントを貯められますよ」
「よし、じゃあ最初の依頼はどうしようかな…」
ユウは掲示板に貼られた依頼書を眺めていた。討伐依頼や採取依頼が並んでいるが、初心者向けの簡単な依頼も多い。
「お、これだ!」
ユウが目を止めたのは、簡単な「食材調達依頼」だった。村の近くで野菜や果物を採取して持ち帰るというものだ。まさにユウが今必要としている食材を手に入れられるチャンスだ。
「これなら俺でもできそうだし、材料も集まるし一石二鳥!」
早速、依頼書を持って受付嬢に確認を取った。
「食材調達依頼ですね。近くの野菜畑での収穫になりますが、モンスターも出ることがありますのでお気をつけて」
「了解です!モンスターは俺の相棒がいれば大丈夫!」
ユウは隣にいるルクを指差して自信満々に笑った。受付嬢は驚いた顔をしてルクを見つめる。
「そのモンスター、手なずけたんですか?すごいですね…」
「まぁ、何かの縁で懐いてくれたって感じかな。こいつが頼りになるんですよ!」
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こうしてユウはルクを連れて村の近くの野菜畑に向かった。畑にはたくさんの野菜が実っており、依頼どおり収穫を始めることができた。
「これでお弁当の材料もバッチリだな。キャベツ、ニンジン、トマト……」
ユウは畑で収穫を進めながら、頭の中で次のお弁当のレシピを思い描いていた。スキルの「お弁当作り」を発動するには、食材が揃っている必要があるが、ここで集めたものでいくつか作れそうだ。
「これで次の戦闘も安心だな。お弁当を食べてステータスアップして、ルクと一緒に戦えばなんとかなる!」
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しかし、そう思っていた矢先だった。突然、茂みから何かが飛び出してきた。
「またかよ!今度は何だ!?」
出てきたのは、一匹の大きなヘビのようなモンスターだった。体長はユウよりも大きく、目をギラギラと光らせている。
「うわっ、こいつヤバそう!」
ユウはすぐさまルクに指示を出した。
「ルク!頼む、行け!」
ルクはすぐに反応し、飛びかかってヘビに襲いかかった。俊敏な動きでヘビの動きを封じ、何度も噛みつき攻撃を繰り出す。
「よし、いいぞ!その調子だ!」
ユウはルクの動きを見守りつつ、いざというときのためにお弁当を取り出して食べる準備をしていた。
「俺も準備しなきゃな…お弁当作りLv1、発動!」
ユウはさっき畑で集めた食材を使い、即席のお弁当を作った。できあがったのは、キャベツとニンジン、少しの果物を使ったサラダ弁当。シンプルな料理だが、これを食べれば一時的に能力が向上するはずだ。
「いただきます!」
ユウは急いでお弁当を平らげた。すると、体の中から力が湧き上がるような感覚が広がっていく。
「よし、これで少しは戦えるかもしれない!」
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その間もルクはヘビと激しい戦闘を続けていた。ユウが強化された状態で戦いに加わると、二人の連携でヘビを圧倒し、ついに勝利を収めることができた。
「やった!俺たち、やればできるじゃん!」
ユウはルクに向かって笑いかけ、モンスターを倒せた達成感を味わっていた。
「お弁当のおかげでステータスも上がったし、これなら次もいける!」
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こうしてユウは、冒険者ギルドで初めての依頼を成功させ、無事に食材を手に入れた。少しずつではあるが、異世界での生活と冒険に慣れてきている。
「次はもっと強い依頼に挑戦してみようかな…でも、その前に、まずは食材をしっかり確保して、もっと美味しいお弁当を作れるようにしないとな!」
次なる冒険に備え、ユウは新たな食材探しに意欲を燃やしていた。