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時の欠片  作者: MEGko
プロローグ
1/331

ルーアンという人間の最期

〝交渉成立だ〟

 その言葉をきっかけにルーアンは我に返る。

 しかしそこは変わらない牢獄の中だった。


「そうだ……俺は捕まったんだっけ」

 何故か組織はルーアンを取り押さえ『裏切者』というレッテルの下、投獄した。

 ルーアンには身に覚えがないが、無実の罪で処刑された仲間をたくさん見てきたので「ああ、今度は自分の番か」程度だった。

 ある意味、この場から解放される嬉しさの方が勝っていたかもしれない。


 ルーアンはゲリラ兵として生まれた時から『教育』を受けていた戦闘員だった。

 今年二十歳になるが、今までやってきたことを『悪い事』だと思ったことは一度もない。

 ありとあらゆる命令……何でも命じられるまま応じてきたが、それが当たり前の『日常』だったからである。


 命じられれば赤子から年寄りまで、誰でも手にかけた。

 自分と生活を共にしてきた友までも命じられれば殺してきた。


 もう何も感情が湧いてこなかったのは、それが『普通』だと思っていたからである。


「今日……確か処刑だったな」

 ルーアンは自分の死についてドライだった。


 死ねと言われたら躊躇いなく自分の頭を打ち抜ける。

 ルーアンにとって『自分の死』もまた日常だった。だから処刑の朝でも特に取り乱すことなくこうして座りぼーっとしていた。


 何気にさっきの言葉を思い出す。


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