10話 また噂…
レーラー先生「皆さん着席してください、・・・・・では出席を取ります・・・・・・
・・・はい、では今日はクラス委員長やその他の委員会のクラス代表を決めます、それと選択授業をそれぞれ決めてもらいます」
レーラー先生は入って来てすぐに出席をとり今日の予定を話し始めた。
?「すいません、レーラー先生、発言よろしいでしょうか?」
すると1人の女子生徒が立ち話を中断させた。
レーラー先生「はい構いませんよ、アーミラさん」
女子生徒アーミラ「はい、お聞きしたいのですが昨日おられたアナトリ王国の姫君が今日は来ていらっしゃらないのですが…ご病気か何かですか?」
アーミラさんはチラッとこちらを見たがそれ以上何も言わず先生の言葉を待った。
レーラー先生「…え、えぇ、“プリンキピサさん“はお家のご都合により今日の朝 急遽ご帰国なさいました、なので悲しい事ですがいつまた登校なさるかは不明です」
先生も少しこちらを見たけどアナトリ王国の王女サマの“プリンキピサ“の現状を話した。
(てか、あの王女サマって“プリンキピサ“って名前だったんだね~)
ヒソヒソ、ヒソヒソ
「え、お家の事情って・・・、絶対違うでしょう?」
「昨日の事で呼び戻させたんだわ」
「原因は明白なのにね」
「あれだけ脅せば誰だって怖くなって来れなくなるって、まぁできるかどうかは別だけど」
「原因である当の本人は涼しい顔で登校してるんだから、本当怖いよな」
「それに神の加護を持っているからって偉そうだよな」
「しかもデューキス家のご兄弟の中で1人だけ首席取れなかったらしいよ、スキルの数が今までにない数だったって聞いたけど本当なのか?」
「もしかするとこのクラスに入るのも公爵家の力ではいったんじゃ…」
「聖獣様もなんであんな方の元に居なければならないんでしょう、お可哀想」
「お顔は良いけどその他が駄目って話は本当だったのかしら、いくら神のご加護と聖獣様がいらしても本人が駄目なら意味がないと思うわ…」
などと、ヒソヒソと悪口を言いまくられた、皆さんは僕に聞こえない様に言ってるんだろうけど、ここ最近の訓練の賜物か身体能力が向上した僕の耳には全て筒抜けだった。
(おぉ~、メチャクチャ、ヘイトが集まってるね~、また変な噂が流れているねぇ、かなり検討はずれな事も言われてる~、まぁ、その殆どが他国の留学生だね)
変な噂を囁いてるのは自分の目で僕の洗礼と祝福を見ていない他国の留学生達が大半だった、要は実際に見た事がないから僕の能力を疑っているのだろう、だからと言って僕は彼らに関しては自ら自分の祝福の内容や能力を説明するのはなんか違うと思うから、この噂については放置の方向で決めた。
女子生徒アーミラ「っ、そうなのですね、分かりました・・・」
そう言って女子生徒は席に着いた、僕を若干睨んで・・・
(いやはや僕を睨んでもねぇ、完全にあちらのお家騒動だし、どちらかと言えば僕は巻き込まれた方なんだけど~)
ジュール『アトリー、ヒソヒソ言ってる子達に注意しなくていいの?』
(うん?あぁ、それは放っといて良いよ、一々相手をするのも面倒くさいから)
ジュール『それで良いななら良いけど・・・、私、あの子達好きじゃないアトリーの事なにも知らないくせに好き勝手言ってるから』
(良いの良いの、面と向かって言えない様な人の事なんて構ってるだけ時間の無駄だから)
ジュール『う~ん、分かったぁ~知らんぷりしとく』
(気になるかもしれないけど そうしといて、それより今は委員会かぁ~、何かの役職につくのは面倒だな、冒険者活動するのに邪魔になるし、・・・・・うん、僕は何もしないでおこう!)
ジュールは『りょうかーい』と言って視線を周りの生徒達に向けながら用意されたクッションに頭を置いた。
天華『それで良いのですか?』
(うん?委員会の事?そうだね、放課後は好きなことして過ごしたい、好きな時に本読んだり皆んなとのんびりお茶したりしたいからね)
天華『ふふっアトリーはのんびりが優先でしたね』
(そういう事♪)
?「おい!人の話聞いているのか⁉︎従者の影に隠れて反論もしないとは、飛んだ腑抜けか、やはり史上初のスキル発現数の神童などと言うのはデマだったか…」
僕がジュールや天華達と念話している間に誰かが話しかけていたみたいだ。
ソル「!、貴方、先程から僕の主人に対して失礼が過ぎますよ」
?「ふん!何が失礼だ、こちらが話しかけているのにも関わらず、返事も返さない方が失礼ではないか!」
ソル「その事も先程 説明したではありませんか、今 アトリー様は聖獣様方とお話をされているのでお応えできませんと、要件がありましたら僕がお聞きしますと、それを無視してアトリー様を罵るとはどちらが失礼か分かったものじゃありませんよ」
(おぉっ、いつの間にかソルが知らない男子生徒と険悪になってる!なんでこうなってんの?ちょ、ちょい記憶どこ~?)
僕は慌てて表向きの思考の記憶から数分前の2人のやりとりを掘り起こした。
数分前・・・
僕が並列思考を使い内向きの思考でジュール達と念話し始めた直後・・・
レーラー先生「では、他に質問がなければ先に「先程の噂は事実か?」はい?どうしました?レーグルス君」
男子生徒レーグルス「あぁ、先生ではありません、私はこちらの彼に聞いていたんです」
と、僕を見ながら言った。
レーラー先生「え、あ、あぁ、そう ですか…」
先生はそう言って引き下がった、どうやら男子生徒の言葉の圧に屈したようだ、まぁ権力に逆らえなかった様にも見える。
(おいおい、先生そこは注意して先に進めようよ!)
男子生徒レーグルス「で、どうなんだい?デューキス子息、先程の噂通り君は顔だけの無能なのか?」
色の暗い金髪ストレートの肩までの髪にエメラルドの様な緑色の瞳のいかにも絵本の中の王子様な雰囲気で僕より少し装飾が多いが嫌味のない制服の着こなしをしている少年が話しかけてきた。
だが僕は何も答えずにいるとソルが僕が今 何しているのか気づいて僕に話しかけてきた男子生徒に対応した。
ソル「申し訳ございません、ただ今アトリー様は聖獣様方とお話しの最中ですのでお応えが出来ません、宜しければ僕がご用件をお伺いいたします」
男子生徒レーグルス「ん?、君は誰だい?」
ソル「僕はこちらのアメトリン・ノブル・デューキス様の従者をしております、ソルドア・ノブル・ソンブラと申します、主人に代わってご用件をお聞きします」
男子生徒レーグルス「ソルドア・ノブル・ソンブラ・・・あぁ、入学試験の主席だったね、そんな君がそこのボーッとしている彼の従者? 何かの間違えだろう?君、彼より優れているなら彼に仕えなくて良いだろう?・・・・・そうだ、ねぇ、デューキス子息、彼を僕に譲ってくれないかい?」
ソル「ですから、アトリー様は今お応えできないと・「おい!人の話聞いているのか⁉︎従者の影に隠れて反論もしないとは、飛んだ腑抜けか、やはり史上初のスキル発現数の神童などと言うのはデマだったか…」
あまりにも僕が応じないのでイライラしながらソルの言葉を遮った、ここでようやく僕がこの状況に気づいたのだった。
ソル「!、貴方、先程から僕の主人に対して失礼が過ぎますよ」
現在・・・
男子生徒レーグルス「なっ!、なんだと⁉︎君は私を馬鹿にしているのか⁉︎」
ソル「礼を失しているのはどちらかと思っただけですよ、それにアトリー様は無能ではございません、僕に勉学を教えてくださったのはアトリー様なのですから、それ以上にアトリー様の魔法技術は素晴らしいのです、貴方の発言は的外れで聞くに堪えません」
男子生徒レーグルス「⁉︎、ふ、ふんっ、そんな言い訳までしてその者を庇うのか大した忠誠心だな、それに昨日見た魔法の腕前程度で自慢されても全く説得力が無いぞ、アナトリ王国の者は信じたみたいだがな」
ソル「はぁ、あのやり取りを見ていながらどうしてアトリー様を侮るのか理解できません」
男子生徒レーグルス「それがどうした、もう良い、君とは相容れないようだ、君を雇うのは白紙にさせてもらうよ・・・、だからそこを退いてくれ元々用があるのはデューキス子息だからな」
ソルの横を通り僕に近づこうとした男子生徒レーグルスに、
ソル「先日もあの王女サマに言いましたが安易にアトリー様に近づかないで下さい、それに貴方に雇って貰うなど承知した覚えもありません」
ガシッ 「ぐっ!」
と、今までより低い声で言い男子生徒の肩を掴んで止めた。
(・・・ん?なんだ?)
男子生徒レーグルス「っ!離せ!私はライヒスル帝国の皇子だぞ!無礼にも程があるぞ!」
バシッ!
ソルの手を払い除けた男子生徒。
男子生徒レーグルス「はっ、無能な主人の使用人ごときが私に軽々しく触るな」
ソル「・・・・・」
男子生徒レーグルス「ふんっ、そこで大人しくしてるんだな、それにしてもまだ私を無視するとは・・・やはり無能か?」
この一言で先程まで淡々と対応していた、ソルが本気でキレそうになっていた、体のから高濃度の魔力が徐々に滲み出し相手を威圧しようとした・・・その直前。
「ソル、そこまでだよ、その魔力の濃度で威圧しちゃ彼が大変な事になっちゃうよ」
僕が待ったをかけるとソルは魔力を引っ込めた。
ソル「アトリー様、聖獣様とのお話中に騒がしくしてしまい 申し訳ございません」
「良いよ、気にしないで、僕の方こそ気付くのが遅れてごめんね、少し話し込んじゃった」
ソル「いえ、僕がキチンと対応できませんでしたのでお手間をとらせて すみません」
「ふふっ手間なんて思ってないよ僕も悪いところがあったから仕方ないし、“人の話を聞かない人“もいたからソルだけが悪いわけじゃ無いから、ね?」
ソル「ですが、僕の役割はアトリー様のお手を煩わさない事ですので…」
僕の役に立ちたいと日頃から頑張っているソルが少ししょんぼりしていた、今ならソルの頭にペタンと下がった犬耳が心の目に見える!
(しょんぼりしたソル可愛い♪)
「うふふっ、相変わらず真面目だね、ソル」
男子生徒レーグルス「おいっ!私を無視するなっ!」
「あ、・・・ごめんね、で、僕に何か用かな?」
男子生徒レーグルス「ふ、ふんっ、やっと私の話を聞く気になったか、それでは聞くが「あ、そうそう、質問は本人を目の前に無能かどうか聞くなんてアホな質問以外でお願いするよ」っ‼︎な、何だと⁉︎き、君は私がアホだと言いたいのか!それとも馬鹿にしているのか⁉︎」
「え、馬鹿にはしてないよ、アホな質問してるな、とは思ってるよ「何だと!」だって、考えてみなよ、頭悪いかもって思う人に“お前は無能か?“なんて聞くのって失礼だし、意味のない質問だと思わない?質問された人が正直に“はい、自分は無能です“なんて答えると思ってるの?
それに噂が出鱈目で質問された人が真面目な頭の良い人だったら その人を怒らせるような質問をするのはどうかと思うよ?」
周りの生徒の何人かが軽く頷いていた。
「あ、・・・でも僕は頭が良いかは置いといて真面目じゃないから君のアホっぽい質問に答えるのが面倒だから先に質問の内容を制限しただけだよ、分かってくれたかな?」
ニッコリ笑顔で答えてあげると男子生徒は顔を真っ赤にして怒っていた。
(おぉ、昨日の王女サマより顔真っ赤だ!血管切れんじゃないかな?それにしても…先生はこの状況を止める気がないのかな?)
色々大丈夫か?と心配していると、
男子生徒レーグルス「君は、私に喧嘩を売っているのか⁉︎」
プルプルと震えて怒りを一生懸命抑え込みながら聞いてきた。
「いや、むしろ君が僕に喧嘩を売ってるのかと思っているよ」
男子生徒レーグルス「っ、人を馬鹿にするのも良い加減にしろ!私が話しかけているのにも関わらず訳のわからない言い訳で無視し続けた挙句に私を馬鹿にするとはっ!もう、我慢の限界だ!アメトリン・ノブル・デューキス!君に決闘を申し込む!」
「・・・、え、お断りします。」
男子生徒レーグルス「・・・・・はぁ⁉︎何だと!決闘を申し込まれて断るなど貴族の風上にもおけぬ所業!逃げる気か!」
「逃げるも何も僕は君と決闘しても僕は何も得をしないのになんで決闘を受けなきゃいけないの?」
男子生徒レーグルス「得だと?君は自分の噂を払拭したくないのか⁉︎」
「・・・噂の払拭ね、そうだね、別に気にしていないよ、真実かどうかも分からない噂を信じたいなら好きにしたら良いと僕は思うし、一々訂正するのも面倒臭い、そんな事する暇があったら自分の好きな事をして過ごしたいからね、だから君からの決闘の申し込みにも興味はないね」
男子生徒レーグルス「っ!君はどこまで人をイライラさせるんだっ‼︎」
興奮した男子生徒が僕の胸ぐらを掴もうと手を出し近づいてきた、するとソルが素早く動き男子生徒の伸ばした腕を掴み手早く後ろに捻り上げた。
男子生徒レーグルス「うぐっ」
ソル「何度も警告致しましたが安易にアトリー様に近づかないで下さい」
男子生徒の腕を後ろから捻り上げながら苛立ちを滲ませた低い声で言った。
男子生徒レーグルス「ぐっ!は、離せ!無礼者!」
腕の拘束を外そうと暴れる男子生徒だがソルがガッチリ締め上げているため振り解くことができないでいる。
ソル「アトリー様もあまり わざと煽らないで下さい」
「あぁ、ごめんね、でもこれで学園に入り込んだネズミさんを特定できたから許してよ」
ソル「ネズミを特定できたのは良いですが毎度こうやって激高する相手を止めるのは大変なんですよ?」
「ソル、本当にごめんって、・・・さて今の騒動に動きを見せてくれた各国のネズミさん達、今から5分以内にこの学園から立ち去りなさい、これは警告です、警告通り立ち去らない場合はその場で捕縛します、捕縛されたネズミさんは名前と所属を公にして他国の機関にも情報共有させますよ?それでも良いのならそのままでいいです、大体 貴方達の学園内の滞在許可は昨日までのはずでしょう?警告通り立ち去ったとしてもサフィアス叔父様、…この国の国王陛下に報告させて頂きます、契約違反なので異論反論は受け付けません、悪しからず」
僕は“魔力感知“と“気配感知“、“精霊視“などの色んなスキルを使って探し出した各国のネズミ、所謂 情報部隊や影控えの護衛達のいる場所を“情報開示“を使いながら見回した。
“情報開示“で見られたネズミ達は当然それなりの魔力を保有しているので自分の場所がバレてなおかつ自身の身元を正確に“鑑定“で見られたと気づいた様でネズミ達の気配が一瞬動揺で揺らいだのが分かった、それからすぐに各国のネズミ達はこの教室の屋根裏や壁から急いで離れていくのを感知した。
夜月『全て学園から退去したようだ』「がぅ」
今日は僕の隣の席のクッションの上で寛いでいた夜月が完全に学園内のネズミ達の気配が消えた事を教えてくれたので撫でながらお礼を言った。
「うん、分かった、有り難う、夜月」
ソル「アトリー様、この方はどうなさいますか?」
「あぁ、ソル、もう良いよ離して差し上げて」
ソル「畏まりました」
ソルが力を緩め手を離すと。
バッ!
男子生徒レーグルス「くっ、いきなりどう言う事だ!先程のことはどう言う意味だ!」
「どうもこうも、このクラスの留学生の方々の国から来られた諜報部の方々にこの学園からの退去をお願いしたんですよ、彼らがこの学園に入る事ができるのは昨日までの約束で国同士での取り決めでしたからね」
男子生徒レーグルス「何故、君はそんな事を知っている⁉︎」
「それは貴方にお教えできる事では無いので回答は致しません、さぁ、“それより“レーラー先生、貴方は仕事をする気はありますか?」
(“情報開示“で見たからとは言えないね、それに今さっきシベラス叔父様と連絡を取って確認したとも言えないし)
ここ3年間で色んな魔法を習得改編してきたので魔法でできる事の幅が広がった、それで“時空魔法“の応用で聖獣皆んなが使っている“念話“を自分なりに開発してみたりしてできたのが“音魔法“だ、自分の口と耳の周りの空間を会話したい相手の口と耳の周りに繋げ音の空気の振動だけを相手に届ける方法で会話が可能にした“テレフォン“(まんまだけどね)と言う名前の“音魔法“を開発した、
それを付与した少し大きめの“イヤーフック型ワイヤレスイヤホン“の形をした魔道具を作り“音魔法“が出来ない人でも魔力登録をした人同士なら会話・通信ができるようにした(まぁ僕は見知っている人なら魔道具無しでも通信可能なのだけどね)
これは身内だけしか知らない機密事項だ、他にも今の世に出せない魔法や魔道具がてんこ盛りなのだが僕が許可した人には色々教えているのでその内 日の目を見ることができると良いなぁとは思っている。
それで魔道具の試作品をシベラス叔父様に渡してあるのでソルが男子生徒の肩を掴んだ時、ほんの一瞬だけ殺意がソルに向かったのに気づいた僕は魔力感知や気配感知、精霊視を使ってネズミの存在をしり現状を確認した後にシベラス叔父様に連絡を取って詳細を話し契約の内容も教えて貰って、追い払う許可まで貰ったのだった。
レーラー先生「・・・え?あ、あ、ありますよ!」
いきなり話を振られて慌てた様子の先生。
(ん~、やる気はあるんだ?、僕達の喧嘩?は止めないのに?)
僕が先生の事を訝しんでいると、
男子生徒レーグルス「“それより“、とはど言う事だ!それにまだ私との決闘の話は終わってないぞ!」
「いや、終わってますよ、僕が断ったんですから、この学園内では相手の合意なしに決闘は行われない、そうですよね先生?」
また先生に話を振ると今度はしっかり対応した。
レーラー先生「はい、そうですね、学園内の学則ではそうなっていますのでデューキス君が断った時点で決闘の申し込みは成立しません」
男子生徒レーグルス「うっ、だ、だが!君が私を馬鹿にしたのは本当なのだから謝罪を要求する!」
この言葉を聞いた僕は、いや僕だけでは無い 今までこの騒動を見ていたクラスの生徒全員が唖然とした表情をした。
(いや、いや、いや、いや、いや、それをあんたが言うかな⁉︎)
男子生徒のレーグルスの方から一方的に絡んできたにも関わらず、その上 先に僕を馬鹿にしてきたのにその事を棚に上げて自分を馬鹿にした事を謝罪しろなんて虫が良すぎる要求にクラスの皆んなが呆れた顔をしているのは気のせいでは無いはずだ。
?「いい加減にしなさい、レーグルス、貴方、今 自分が言っている事を理解していますの?」
男子生徒レーグルス「なっ、何だと⁉︎レーギーナ!お前には関係ないっ‼︎」
急に窓際に座っていた女子生徒がいちゃもんを付けてきた男子生徒を呼び捨てで嗜めた。
(おやおや?知り合いかな?)
ソル「アトリー様、彼女は彼の腹違いの兄弟でライヒスル帝国の第4皇女のレーギーナ・カイザラ・ライヒスルです」
「へぇ、じゃあ彼はライヒスル帝国の皇子様だったんだね、名前知らないけど…」
ソル「彼はレーグルス・カイザラ・ライヒスル第3皇子です」
「ふーん、そうなんだ、しかし、2人は仲悪そうだね?」
ソル「まぁ、第4皇女の彼女は正妃の娘です側妃の息子の第3皇子からしてみれば継承権の順番的に彼女の方が権力の力関係が上なので彼は毛嫌いしているんでしょう」
「へぇ~、色々大変だねぇ~」
(権力争い面倒いねぇ~、うちは兄弟仲は良いからそんな事ならないけどねぇ~母親は一緒だし)
こうしてソルと話している間にも2人は言い争いをしている、どうやら言い争いを聞いている感じでは第4皇女の方がまだ常識的な思考を持っている様だ。
女子生徒レーギーナ「貴方ね、言っている事がバラバラなのよ、それに仲良くしなさいって言われていた相手に喧嘩を売るような事を言って、その挙句に正論を言われたからって謝罪を要求するなんて!恥知らずにも程がありますわ!我が帝国の名を辱めるのも大概にしてちょうだい!貴方の馬鹿な行動に私と祖国を巻き込まないでほしいですわ!」
男子生徒レーグルス「ぐっ!な、何だとぉ!お前まで私を馬鹿にするのかっ!」
怒り狂った第3皇子から一気に魔力の高まりを感じた。
「「「「キャァ!」」」」「お、おい!やめろ!」「うわぁ!逃げろ!」
(おっと、それは頂けないな)
クラスの生徒達の大半が魔力の高まりを感じ危険を察知して彼から離れ逃げようとした、僕も危険な感じを読み取り彼以外の生徒の保護のため結果を展開した、教室の中はパニック映画さながらの惨状になるかと思われたが、
「そこまでです!“ダークバインド“!」
暴走しそうになった第3皇子を拘束したのは今まで僕の揉め事には介入して来なかったレーラー先生だった。




