1話 入学式
どうも!こんにちは!僕です!
今、何故こんなにハイテンションかと言うと!本日なんと!“オヌールユウェル王立学園“の入学式に参加しております!ドンドンッ!パフー!(*^◯^*)
・・・え?、何?、色々飛ばし過ぎだって?、そんなん知らんがな‼︎
確かにコレまで色々あったよ?3年前のあの日、王都から帰って来てこれから先 色々やるぞーって息巻いてたけど、その年の冬にイネオス達の住んでいる領地に遊びに急に行く事になって大興奮したり、母方の祖母に会いに行って今世初の海辺を堪能したりとこの3年間でマジ色々行って楽しかった!
その間も魔法訓練や勉強も頑張ったよ!魔法を色々開発実験したり、新しい魔道具を作ってみたり、新しいスキルを獲得してみたり、色々やってみた!
ここ最近は学園の入学に向けて色々準備もして忙しい日々を送ってた先日は入学試験で久しぶりにイネオス達と会って互いに「試験受かるといいね!」って気合い入れて見事みんな試験合格して合格発表も一緒に見に行って僕がソルに詰め寄られたりもしたけど中々楽しい日々だった…
あ、そうそう僕ね身長が140センチまで伸びたよ!凄いでしょう?3年間で20センチも伸びたの‼︎
それと“聖獣“、“神獣“の皆んなもそれなりに大きくなってジュールや夜月は大型犬のラブラドールレトリバーぐらい大きいんだよ!天華は成長が早いのか僕と身長が変わらないくらい、でもまだ僕の方が少し高いかなってぐらいで皆んなスクスク成長中。
ん?それなら今は一緒に寝てないのかって?ううん、今でも皆んなで一緒に寝てるよ、前回王都から帰って来て数日たった後、父様が神殿に連れて行ってくれてお祈りした時にまたティーナちゃんや天照ちゃん、月詠様に会って皆んなの成長の事を聞こうとしたらティーナちゃん達はもう その事は知っていて色々教えてくれたんだ、予想通り“神獣“の皆んなはそれなりに大きくなるみたい、で、その事を聞いた天華の落ち込み具合が凄かった、でもそれもティーナちゃん達は解決策を用意していてくれて、なんと!新しい“スキル“を作ってくれていたみたい、その名も“特殊変化“このスキルの効果は今の身体の大きさを小さくしたり大きくしたり出来るらしいスキルレベルが高くなると出来る事が増えるみたい何が出来るかは“今後のお楽しみ“らしい、かなり焦らされた上に答えはお預けされてしまった。(ちくしょう!ティーナちゃんめ!)
まぁ、そんな訳でそのスキル“特殊変化“のスキルを使い天華達は身体の大きさを調節して今でも仲良く一緒に寝ているんだよ、でもたまにジュール達のもふもふ毛並みやツヤツヤの鱗の質感が堪能したい時は元の大きさのまま一緒に寝たりもしている、特に冬場の夜月のサラサラ長めの毛が暖かくてお腹周りに埋まりながら寝るととても暖かくて気持ちよかったり、ジュールのモフモフの毛に抱きつくのも最高だった、天華は夏場の暑い日に大きい姿のまま添い寝してくれるとヒンヤリとした鱗が程よく涼しくてとても助かった。
はぁ~モフモフ、ツヤツヤでその上 可愛いなんて‼︎最高だろーがよっ!!!!!(全力)
はぁはぁ、・・・・っ、興奮し過ぎた・・・
そんな中でソルもスクスク大きくなって僕より8センチも身長が高い、くっ、ドンドン差が開いている気がするっ!悔しいっ!でも性格はそのまま素直で真面目な可愛い性格しているのでイジって遊ぶのは欠かせない、イネオス達もそのまま大きくなって 特にびっくりしたのはベイサンが僕達の中で1番身長が高くなってもう152センチまで大きくなっていた。(前世での僕の身長に迫ってるんだけど⁉︎)
他にもイネオスがソルと僕の中間ぐらいでへティが僕とトントンぐらい、まぁ女の子の方が成長が早いからもう少しすると先に身長抜かされるかな?っと楽しみではある、僕はどうやら後伸びするタイプみたいだ・・・多分・・・
でもそんな中でまだ行けてない場所が1つある それは“冒険者ギルド“だ、それは何故かって?父様達に冒険者ギルドで仮登録したいって言ったら猛反対されてしまった「せめて学園に入学してから本登録しなさい」って、まぁ?父様達の言いたい事は大体分かるよ?ちゃんと学園に入学できるまで勉学に専念しなさいって事だと思うけど1度で良いから見て見たかったなぁ“冒険者ギルド“…
でも、もう学園の入学試験は合格して、今は入学式真っ最中なので明日には王都の冒険者ギルドに行っても良いよね⁉︎
夜月『こらっ、アトリー、ちゃんと入学式の話を聞かないか』
これまでにあった事を色々振り返って思い出していて上の空だった僕を現実に引き戻したのは、僕の座っている椅子の横で中型犬の柴犬サイズでお座りしている夜月だ、今日は聖獣皆んなは僕の制服姿に合わせて白い制服風の付け襟を首にお揃いで着けている。
(え~、お偉いさんの話は長くて退屈なんだもん)
天華『アトリー、そんな事を言ってる内にそろそろソル君の新入生代表の挨拶が始まりますよ』
(あ、本当だ!しっかり応援しないとね!)
入学式が始まって暫くは(どの世界でも似たような事するんだねぇ~)と前世での思い出を振り返りながら静かに入学式を楽しんでいたのだが、どうやら今年の新入生には様々な国からの留学生が来ており、留学生の母国から国を代表してお偉いさん達が挨拶を次々し出した時点で僕はこれまでの思い出を脳内でリプレイし出したのであった。
「新入生代表挨拶、ソルドア・ノブル・ソンブラ、前へ」
ソル「はい!」
そして今から僕の幼馴染で親友のソルドアが新入生代表で入学の挨拶をする番だ、ビシッと着込んだ白を基調とした学園の制服がとても凛々しく似合っておりキリッとした表情で講演台の前に立っている。
(おぉ~、ソルがんばれ~!)
天華『はぁ~、アトリー、本来なら貴方があそこに立ってるはずだったでしょう?』
(えぇ~、やだよ、そんな目立つことしたくないよ、今でも十分 目立っていて視線がうるさいんだからさぁ~)
そう、今現在進行形で周りの生徒や生徒の親族、さっきまで挨拶していた貴賓席にいる各国のお偉いさん達、はたまた学園の先生達までもこちらをチラチラと伺いながら入学式を進めている状態なのに(こっち見ないで前みろ前を!こっちを見ていいのは家の家族だけだよ!)ここで新入生代表で壇上で入学の挨拶をした日には会場内の視線で僕の胃に穴が開きそう、だから僕はわざと入学試験の筆記試験で答えを1、2個書かずに首席の座をソルになすり付けたのだった、合格発表当日に張り出された合格者の試験番号が書かれている紙の上に今年の入試首席の名前が張り出されており、そこに自分の名前が書いてある事に驚きと同時に何故自分が首席になったのかを察したソルに僕が詰め寄られると言うハプニングが起きた。
(いや~、あの時は珍しく ソルが本気で怒っていたねぇ~、まぁ、理由を言ったら納得してくれたから良かったけどね)
天華『注目を集めたくないのは理解できますがソル君に少し同情しますよ』
(う~、僕も悪いとは思うけど今年の入学者の中にいる留学生達は絶対 僕や天華達聖獣の皆んなをどうにかできないか、なんて考えている人達なのは分かりきってるんだからさぁなるべく目立たないようにしたほうが良いでしょう?)
天華『それは分かってますがアトリー様がこの事で他の者達に侮られるのは我慢できません』
(天華、名前)
天華『あ、アトリーが馬鹿にされるのだけは許せませんからねっ』
(ふふっ、僕は気にしてないから良いんだよ、でも僕の為に怒ってくれて有り難う天華)
ここ最近、「いつまでも僕の名前に様付けは悲しい」と話した僕の言葉にようやく様付けをやめた天華、まだたまに様付けが出たりするけど話し方もだいぶ崩れてきて少し照れたりするのがまた可愛い。
ソル「・・・・・以上をもちまして、新入生代表の挨拶とさせていただきます。」ペコリ
パチパチパチッ
(おっと、もう終わったのか早いな)
僕の膝の上で成猫サイズでくつろいでいる天華と話していたら いつの間にか新入生代表の挨拶が終わっていた、拍手をしながらソルが壇上から降りてくるのを眺めていると次はこの学園の理事長である国王陛下のお祝いの言葉らしく壇上を降りたソルと入れ替わりで壇上に上がった国王陛下と目があってニカッと笑いかけられてしまった。
(相変わらずフランクな国王陛下だなぁ、サフィアス叔父様は・・・)
「学園理事長の挨拶、サフィアス・レイ・ウェルセメンテ様、前へお願い致します。」
流石にこの国の国王陛下 直々の挨拶には皆んな真面目に前を向いて挨拶を聞くみたいだ
サフィアス叔父様「今 紹介されたサフィアス・レイ・ウェルセメンテだ、この国の国王もしているが本日は“オヌールユウェル王立学園“の理事長として祝いの挨拶をさせて貰う、まず新入生の諸君、入学おめでとう、今年もこの季節が来た事を嬉しく思う、
この度この学園の生徒になった君達の中には他国からの留学生が多数入学しているこれは学園始まって以来の人数だ、そんな人達は初めて訪れた この国で慣れない事もあるかもしれない、だが学園生活に至っては他の新入生も同様だろう、困ったことがあれば周りにいる上級生や教員の先生方に相談し助け合いながら楽しい学園生活を送ってほしい、
そして今年は異例ではあるが恐れ多くも神の御使いである“聖獣様方“が特定の生徒と一緒に当学園に通学なさる事となっているのでくれぐれも節度ある態度で接するように、万が一 粗相をした場合は我が学園は責任を持てないので全ては自己責任とする…、
それでは君達の益々の研鑽と健勝の祈りを私からの祝いの言葉とさせて貰う、最後に入学おめでとう!」
パチパチパチッ、とまばらな拍手がなり 叔父様は壇上を降りた。
(おいおいっサフィアス叔父様、最後の方は学生に丸投げだったじゃん!いや、言いたい事はわかるけど!確かに自己責任なのは事実だし?だからって今言う事では無いと思うんだ⁉︎)
天華『まぁ、忠告しないのもダメだと判断した結果あの挨拶だったんでしょう、それにしても他に言いようも無かったんでしょうが、オブラートに包む気ゼロでしたね』
(だよねぇ~、ほらぁ~また視線がグサグサ刺さってきてるぅ~~!前に座ってるお前ら!前向け前を!)
サフィアス叔父様の挨拶が終わると同時に広い講堂内の各方面から一斉に視線が集中し始めた、前の席に座る生徒達なんて完全に後ろを振り返ってまでこちらを見ている。
夜月「グルルルッ」『煩わしい』
夜月が軽く唸ると視線を向けていた人達が「バッ」と一斉に講演台に目線を戻した。
(ありがと~夜月~ハァ~癒される!)
隣にお座りしている夜月を感謝を込めて撫で回した。
ジュール『あ、ずるい!私も撫でてアトリー!』
反対側で夜月と同じくらいの大きさで退屈さで伏せをして寝ていたジュールが自分もしてほしいと僕の膝の上に頭を置いてきたので(可愛すぎかよ!)と思いつつ こちらも一緒に撫で回しておく。
(ジュール、起きてたの?)
ジュール『ううん、今起きたのさっき一斉にいっぱい視線が集まった気がしたからね!』
(あぁ、それは流石に気になって起きちゃうか、まぁ丁度いいじゃない?入学式もそろそろ終わるし、そのまま起きてなよ 式が終わったら教室に移動しなきゃ行けないからね)
ジュール『うん、そうする~』
そう会話している内に入学式は終了していてソルが前の席から僕の方へ移動してきていた。
ソル「アトリー様、これから教室の方に移動となりますので一緒に行きましょう、ご家族は先にお帰りになるみたいですし」
「あぁ、そうみたいだね、そうだソル、新入生代表の挨拶お疲れ様、凄く良かったよ」
ソルに椅子から立つのを促されたので膝の上にいた天華を抱き上げながら立った、僕は保護者席の方を見るとすでに出口方面に移動している両親達を確認して振り返りソルの新入生代表の挨拶を労った。
ソル「お褒め頂き有り難う御座います、ですがちゃんと聞いていましたか?」
(おっと、ちゃんと聞いてないのがバレてる~!)
「ぎくっ・・・、最初と最後の方は聞いていたよ」
素直にほとんど聴いてない事を白状した僕・・・
ソル「最初と最後の方ですか・・・、アトリー様、視線の煩わしさに加え退屈だからと人の話を真面目に聞かないのは駄目ですからね」
と、真面目にダメ出しされてしまった。
(真面目だなぁ~、ちゃんと聞いてない僕が悪いんだけど、でもまぁ、またそこが可愛いんだけどね)
「うっ・・・、分かったよ、今度からはちゃんと聞くよ、でも挨拶しているソルはカッコ可愛いかったよ?」
ソル「ん゛、なんですかその“カッコ可愛い“って、それにまだ僕の事を可愛いって言うのはアトリー様と母上ぐらいですよ?」
「ん?よくない?カッコいいのに可愛いが共存しているって」
ソル「よくないです、僕はもう可愛いとは言えないですよ?と言うか可愛いはもう要りません」
「むー、ソルを表現するのにぴったりだと思うのに」
「ふふっ、相変わらず仲が良いですね、お二人とも」
「ん?あぁ、やぁ合格発表ぶりだね3人とも」
周りの視線を無視しながらソルや聖獣達と人の流れに乗り自分のクラスの教室に向かって廊下を歩いていると後ろからイネオス達3人が声を掛けてきた。
イネオス「そうですね、合格発表以降はお互い入学準備で忙しかったですからね、ソルは新入生代表の挨拶お疲れ様でした」
ベイサン「ソルの挨拶は凄く身が引き締まる感じがして僕も色々頑張らないとと思ったよ」
へティ「そうね、私も学園の1生徒として恥ない行動をするように心かけるわ」
ソル「有り難う皆んな、そう思ってくれたのなら挨拶して良かったと思うよ」
「皆んな偉いね、ちゃんと聞いていたんだ僕は視線に耐えきれずに現実逃避してたら ソルの挨拶をほとんど聞き逃しちゃってたよ、まぁ聞き逃してたのはソルのだけじゃないけどねぇ~あははっ」
イネオス「それは、結構 重要な事を言ってる時もありましたが大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だよ、聞いてないようで聞いてるから一言一句覚えているよ、後で思い出そうとすればちゃんと思い出せるからね」
イネオス「・・・相変わらず、アトリー様の能力には驚かされますね・・・」
ベイサン&へティ「「そうだね(ですね)」」
ソル「・・・いつもの事ですから気にしない方がいいですよ」
「うん?」コテンッ
(何よ~、スキルをフル活用してるだけなんだけど?役に立つよ?“並列思考スキル“と“瞬間記憶スキル“)
そう僕はこの3年間で“並列思考スキル“を身につけ表向きの思考と内向きの思考つくり2つの思考を使い分け高度な現実逃避を可能としたのだった、そこに加えて元から持っていた“瞬間記憶スキル“で表向きの思考で見聞きした事を全て覚える事を可能としたので内向きの思考で現実逃避をしていても重要なことは聞き逃さないようにしている、勿論他の事にも使っている魔法の複数発動とか色んな考え事とかにも重宝しているのだ。
合流した3人と一緒に一年生の教室にのある棟まで来るとそれぞれのクラスの教室に分かれて入る事になった、この学園のクラス分けはA~Fクラスの6クラスあり成績の順位の高い人からA、B、C、と割り振られる形でクラス分けされている、1クラス30人前後でへティとベイサンがCクラス、イネオスがBクラス、僕とソルがAクラスに分かれて入った、当初 学力が怪しかったベイサンは今まで教わっていた家庭教師が代わって新しい家庭教師になった後この3年間で学力をメキメキつけてきて後一歩でBクラス入りだったがへティと同じCクラスに入れただけでも嬉しいと大喜びしていた、
「じゃあ皆んな、また後でね」
イネオス「はい、後で学校案内時にお会いしましょう」
へティ「一緒に見て回れると良いですね」
クラス単位での自己紹介や連絡事項などが終わった後は新入生全員で学校の施設を回る学校案内があるのでその時まで一旦ここでお別れだ。
そして皆んなと別れてAクラスの教室に入った僕達、その時 先に来ていた生徒達が一斉にこちらを見てきたがその視線をガン無視して階段状になっている教室内の中央の1番後ろの席についた、ここは事前に僕達専用の席として定められていて他には僕の席の横、扇状に広がっている机を共有して一緒に座れる生徒はソルだけだ、後3人ほど座れるがその全ては聖獣達の指定場所となっている、その席に今はソルが屋敷から持ってきた聖獣皆んなのそれぞれお気に入りの籠やクッションを“収納“から出して設置している。
「ソル有り難う、はい、天華 ここで良い?」
天華『有り難う、アトリー』
僕の左隣に置かれた直径40センチほどの取っ手がついた丸籠の中に天華を置くとベストポジションを探して籠の中をぐるぐる回っている(このぐるぐる回ってる姿がまた可愛い!)、
夜月やジュールも置いてもらったクッションの上に体のサイズを調節してから乗り座り心地を確かめていた、
ここ最近の夜月とジュールは自分の足で歩くのがお気に入りのようで常に僕の周りを囲むように歩いてついてくる姿がめちゃんこ可愛いのだ、以前は小さいジュールを抱っこしていることが多かったが成長して歩くようになったので代わりに天華が小さいサイズのまま僕に抱かれる事が増え、天華の世話を僕がする事が多くなった。
天華達はベストポジションを見つけたのか落ち着いて座ったのを確認したソルも僕の右隣の席に座り全ての生徒と担任の先生が揃うのをソルとこの後の学校案内の事を話しながら待った。
待っている間もずっと他の生徒の視線は感じていたが話しかけてくる事も無かったので気にしない方向でソルとの会話を楽しんだ。
(話し掛けてくれば会話をしない訳ではないんだけどね、まぁ、僕から話しかけるのは面倒ごとが増えるから絶対しないけどね!)