62話 帰宅
アダマンタイトの使い道を決めた後、暫くすると僕達は次の視察場所に到着していた。
父様「ここがこの街の駐留騎士の本部だよ」
父様が教えてくれたのは家の派遣している騎士達の宿舎 兼 仕事場になる建物だった、領境いの関所の大門近くにある割と大き目の3階建て建築物でこの中で関所の警備をしてる騎士達総勢50名程が寝泊まりをしているそうだ。
彼等の役目は実にシンプルかつ重要だ、関所を通る人達の審査を行なっている 入ってくる人は勿論 出て行く人も入念な荷物検査と犯罪歴などの身元確認をするのが主なお仕事だ。
そんな重要なお仕事をする彼等の日々の仕事ぶりと生活する上での困り事などを実際に見て確認する為の視察だ。
まぁ、派遣していると言ってもこの街出身の人達もいるので実際ここで寝泊まりしているのは他の街や領地から公爵家の騎士団に入って領都から赴任してきた独身の人達だけらしい、構造的には1階は駐留騎士の本部として騎士達の主な事務仕事や待機場それに食堂などがありこの町の所属騎士なら誰でも使用可能なのだとか、建物の裏手には広めの訓練場も完備されている。
2階は独身騎士達の部屋があり2人部屋もしくは4人部屋などがあり、3階はここの駐留騎士団本部の責任者や役職付きの騎士達の個室があるらしい、
食事は1階の食堂で取るのが基本、街に出て食べても良いがそこは自腹なので大体の人は食堂を選ぶ。
まぁ、色々と説明はしたが基本 騎士達はこの建物での共同生活をしながら任務に従事している。
僕達は軽く挨拶を交わした後、中の設備などに不備や不足品が無いか聞きながら施設内を見回り、暮らしている騎士達にも不満がないか聞き取りもして特に問題がなければ次は実際に勤務についている関所の大門まで歩いて移動した。
「わぁ~、反対側から見ても凄いですね…」
歩いていると徐々に大きく見えてくる大門を見上げながら感嘆の声を出した僕。
(あの模様、微かに魔力を感じる魔力回路かな?線が凄くいっぱいあるでもコレどこに繋がってるんだろう?)
大門に施されている模様の行き先を目で追いながら歩くと大門内にある騎士達の休憩所の天井に行き着いた。
「あ、あそこに有るのがこの大門に付与された仕組みの設定用魔法陣かな?」
(意外と小さいな)
父様「もう見つけてしまったんだねアトリー」
「あ、父様 駄目でしたか?」
父様「いいや 駄目ではないけどコレがここに有るのは内緒だよ?」
父様が真剣な顔をして言うので機密扱いになるのかと思い僕は気を引き締めた。
「はい!、誰にも喋りません!」
父様「ふふっ、良い子だねアトリー」
キリッとした顔で返事をした僕の頭をポンポン撫でて父様はにっこり笑った。
(うん?揶揄われた?まぁ、この魔法陣が機密なのは間違いないと思うけどね、他にも線や模様が沢山あるからどれが本当に機能している魔法陣か気づかせない様にしてあるみたいだし、ダミーと本物はどれも遜色無い出来栄えだからねぇ、秘密にしないといけないか…ん?でもこれ魔力が通ってないダミーも本物と全く同じだ!線の先に魔力の供給源があればちゃんと発動する代物をあえてそのまま模様としてしてるなんて…もしかして‼︎)
僕はすぐにダミーの魔法陣の魔力回路の先を目で追った。
(やっぱり!魔力の通ってない魔法陣は予備なんだ!)
数本のダミーの魔力回路の行き先が稼働している魔法陣と同じ場所に行き着いていることに気づいた僕、今 稼働している魔法陣の魔力の供給源と思われる場所はうまく建物の影などを利用して魔力供給源の部屋を分かりづらくしてあってちゃんと確認する事が出来ない、その様な場所が他にも見える範囲で4箇所確認出来た。
(うーん、これは中々複雑な構造だ、魔力の供給源の切り替え方はどうなってるんだろう気になる!)
興味津々で辺りを見渡す僕を横目で見ながら父様は騎士達に最近の領の人の出入りの様子はどうかと聞いたりしている、おおむね問題はないようで通常より少しこの街を通り抜ける人が多いぐらいらしい。
父様「ふむ、それは少し困ったな…」
父様が顎に手を置き呟いた。
カイルさん「そうですね、少し入領制限をかけますか?」
と、提案した。
アトリー&ソル「「?」」
なぜ領地に入る人の制限をわざわざするのか分からなかった僕達は顔を見合わせて首を傾げた。
父様「それでは、関係無い者まで締め出す事になりかねないよ」
父様はその提案には乗り気でない様子。
駐留騎士団団長「でしたら、日頃出入りしている商会や冒険者だけは通常通り入領させ、新規の入領者には人数制限をかけてはいかがですか?」
父様「そうだね、見分けがつくならその方がいいんだが、出来るかい?」
駐留騎士団団長「はい、なじみの者達かそうでないかは大体把握しておりますので難しくはないと思います」
父様「それは凄いな、だが他のバリエルでも同じ事ができるか…、それ次第では少しやり方を変えるかもしれないので今は一応 入領者に行き先と目的を聞き取りしておいてくれかい?」
駐留騎士団団長「はい、了解いたしました、制限方法が決まり次第すぐに対応できるように団員達には通達しておきます」
父様「宜しく頼むよ、こちらも方針が決まり次第すぐに連絡を入れるから」
どうやら入領制限の実施は今回は見送ったようだ。
(なんで人の出入りを制限するのかな?人が領内に集まると経済効果も上がるのに・・・、まぁ犯罪件数も増えるかもだけどね・・・)
人が増えるのも良し悪しだなっと思っていると大人達が僕達をジッと見ていることに気づきソルと二人して首を傾げる。
「どうしましたか、父様?」
父様「…いや、気にしないで、さて そろそろ宿に戻ろうか荷物も届いている事だろうし」
「?、はい、父様、今日は連れて来て頂き有り難う御座いました♪」
父様「ふふっ楽しかったのなら良かったよ、さぁ行こうか」
案内してくれていた団長さんやお仕事中の騎士達に挨拶をして宿に戻ると母様達は既に戻って来ていたようで今日あった事を色々話すと驚いていたけど商業ギルドであった事で心配され鉱山であった所で「凄いわね」っと褒めて貰いご機嫌になった僕その後はみんなで夕食を食べていつも通りの夜のルーティーンこなし眠りについた。
(うーん、結局なんで入領制限するのかわからないままだねぇ)
この時、領内には今年の“洗礼と祝福“で起きた事を知ったさまざまな人達が集まってきていた、ある者は強力な加護を得たアトリーの恩恵にあやかろうとする者や聖獣を一目見ようと態々他国から訪れる者、または高い能力を持ったソルを引き込もうとする者、理由は人ぞれぞれではあるがこのデューキス領にこれからも増えるであろう面倒ごとの予感を聖獣達は感じ顔を見合わせて頷き合い警戒度を一段上げた。
又、大人達や聖獣達はアトリーやソル、聖獣達目当ての者達がいる事を今日の大門前のでのやり取りの中で互いに視線だけで会話しアトリー達には気づかせないようにする方向で方針を固めた、その後、屋敷への無粋な訪問者はことごとく周りの大人達に接触を阻まれ徒労に終わらせていた、外出していてもアトリー達は聖獣達と常にいるので強引に接触されそうになっても聖獣達がうまくフォローしていくのでそう簡単には行かなかった。
翌日、爽やかな夏晴れの中 領都の屋敷へ向けて街を出発した公爵家一行その後の旅路は順調で貴族の役目でもある経済への貢献をしつつ街や村を回りながら帰路へとついた。
今回の王都への旅行は滞在日数を含め約1ヶ月ほどの長旅だったが今はようやく領都の外壁門が見える位置まで帰って来ていた、
ゆっくりと進む馬車の外に広がる景色を堪能しつつやっと我が家に帰って来たと安堵感を覚え、今世始めての旅行は色々あったが概ね楽しい旅だった。
(おぉ~!王都の外壁門に比べると少し小さいけど他の関所の大門より随分大きいなぁ、色々この門にも仕掛けがあるんだろうか…)
行きには見る事は叶わなかった領都の外壁門を眺めながら感慨に浸っていると。
母様「ふふっ、アトリー、どう?外側から見た領都の感想は」
「母様、これまで見てきた他の領地の領都より凄く大きくて立派です!」
母様「そうでしょう?この領都はこの国で2番目に大きな都市なのよ、今日は無理だけど今度 一緒に領都の街にお出かけしましょうね」
「いいんですか⁉︎」
父様「その時は私も一緒に行くから大丈夫だよ、それに領都にあるリトス教の神殿に用があるんだろう?」
「あ!、そうです!天華達が神々にお聞きしたい事があるそうでその為に神殿に行きたかったんです!覚えていただいて有り難う御座います父様♪」
父様「ふふっ、どういたしまして、帰ってすぐにはいけないけど数日中にお出かけできるように予定を立てよう」
「はい、お願いします!」
(やったね皆んな!近いうちに神殿に行けるみたいだよ!)
天華『思ったより早くいけそうで嬉しいです♪』
夜月『うむ、神々に聞く要件を纏めておこう、そうしておけば忙しい神々のお手を煩わせずに済むだろう』
ジュール『うーん、体の大きさ以外に聞くことあったっけ?』
(ふふっ、まぁ簡単に言うと体の大きさに関する事だけど内容は色々あるからね、それに僕もティーナちゃんに聞きたい事があるから最小限の質問を作っておけば、余った時間で体の大きさに関する解決策を考えてくれるかもよ?お話しできる時間は限られてると思うしね)
ジュール『それは1番重要だね!』
神殿に行く事が確定した僕達は嬉しくてご機嫌なまま領都の城壁門をくぐった。
城門をくぐった後馬車の窓から見える街並みを堪能していると外を歩いている人達がコチラを見て口を開けたままフリーズする人が続出、不思議に思い首を傾げるとフリーズした人が「ビクッ」っと反応していた。
(なんかまた僕の顔を見てフリーズされるんだがこれはもうデフォルトなんだろうか?それに僕は母様似なんだから領民の人達は見慣れてるはずでしょう?)
「父様、街の人達が僕を見て又固まっているんですが母様似の僕の顔はそんなに珍しいですか?」
父様「う~ん、そうだねぇ、アトリーの顔はとても美しいシリーに似ているのは確かだけれどシリーとはまた違った美しさがあるんだよ、子供特有の可愛らしさもあるから皆んなアトリーの顔に見惚れてしまうんだよ」
(そうか~、そんなに顔がいいか?てか前にも似たようなやりとりをした覚えがあるんだが…)
「そうですか?・・・あ、他に原因としては僕の瞳の色は珍しいんでした、左右で色が違いますしね…」
父様「そうだね、それもあるけどアトリーの瞳の色はとても透き通っていて色が濃ゆいから一目見ただけで魔力の質と量が常人とは比べ物にならないくらい良い事が分かるからその魔力に惹かれてるのもあるんだと思うよ」
苦笑い気味に教えてくれた。
「魔力…あぁ、そうでした、その事がありましたね、魔力を抑えていてもまだ他の人に影響が出るんですね・・・」
(そう言えばそうだった、僕が領地の屋敷から出ることが出来なかった大きな原因が僕の魔力の魅了効果のせいだったな、忘れてた)
前世では魔力と言う概念が無かったため今だに見た目だけで注目を集めていると思っていた僕はどうやら大きな勘違いをしていたようだ。
天華『一般の方にはアトリー様の魔力は心地良いのでしょうね、まぁ他の方が固まってしまうのはその美しい容姿と珍しい瞳、それに加えて心地良い魔力その全てが揃った結果ですね』
(あー、相乗効果半端ねえー!第二弾‼︎WWW・・・・・・はぁ、この相乗効果は要らなかったなぁ~)
夜月『まぁ、個人の資質は人それぞれだからな』
(あ!じゃあ、この間言ってた他に自覚しなきゃいけない事ってこの事?)
夜月『うーん、まぁその中の一つだな』
(えーまだ自覚してないことが僕にあるっての?)
天華『その他は追々分かってきますよ、アトリー様』
(むー、また繰り越したー!)
まだまだ自覚できていない事があるらしいがまたはぐらかされたので思わず頬っぺたを膨らませた、その僕の顔を見た母様が頭を撫でながら慰めてくれた。
母様「アトリーの魔力はとても制御されているわよ、でも完全に体内に閉じ込める事はできないのは仕方ないのよ、それをしてしまうと体に良くないから無理やり閉じ込めては駄目ですよアトリー」
「はい 母様、でも体から漏れ出る魔力を必要最小限にできるようにします!」
母様「そうね、それが出来るようになれば良いかもしれないわね、でも無理はしちゃ駄目よ?」
「はい!」
母様が心配しつつも賛成してくれたので僕は体に影響が出ないギリギリを見極めて魔力を抑え込む訓練をする事を決意した。
(さてと、まず、どれぐらい押さえ込んだら周りに影響が出ないか手探りで検証しつつ訓練しますか!)フンスッ
やる気十分の僕に夜月が、
夜月『アトリー、あまり魔力を抑え込みすぎると体の成長にも影響が出るから今は程々にしておいた方がいいぞ、それに魔力を抑え込むより周りがアトリーの魔力に慣れてくれば少なくともいちいち相手が固まったりはしなくなるさ』
(うっ、身長は欲しい・・・くっ、仕方ない!第二次成長期が終わるまでは我慢する!)
夜月『あぁ、そうした方がいい、その頃には周りの者達もアトリーの魔力に慣れているだろうさ』
(う~、そうだといいなぁ)
夜月に注意されて仕方なしに身体の成長が止まるまでは魔力を抑え込む訓練は身体の成長に影響が出ない程度にやり過ぎない程度に変更されてしまった・・・
そんな話をしていると、馬車は領都の屋敷近くまで来ていた、屋敷が見える所まで来ると屋敷の門前には沢山の人達が門を警備している兵に詰め寄っていた。
父様「どうしたんだ?あの騒ぎは、カイル先触れは出したはずだね?」
窓の外を見た父様が馭者台にいるカイルさんに小窓を開けて聞いた。
カイルさん「はい、旦那様、先触れは領都に着く少し前に間違い無く出しましたので出迎えの準備はできているはずです、なので本日の面会予定は受け付け無いように伝達しているはずですが…、旦那様、私が先に様子を見て参ります」
父様「あぁ、頼んだ」
カイルさんはすぐに馭者台から降り近くの騎士が乗っていた馬を借りると数人の騎士を連れて先に屋敷の門へと状況を確認に行った、確認が取れるまで僕達の馬車は屋敷から数十メートル離れた地点で停車した馬車の周りを残りの騎士達が取り囲み警戒体制をとった。
そして数十分後・・・、
カイルさん「お待たせ致しました、旦那様」
父様「あぁ、それで?あの者達は何が目的で屋敷前にいたんだい?まぁ、大体の予想はつくけどね」
カイルさん「はい、そうですね、旦那様の予想は外れては無いと思われます、彼等の大半の目的は面会の申し込みでしたので」
父様「やはりそうか…で?どう対処してきたんだい?」
カイルさん「はい、まず書面で面会の申し込みをして頂けたら追って連絡を致しますと、それで納得して頂きました、無下に断りますと後々 角が立ちますので、それとも全てお断りした方が宜しかったでしょうか?」
父様「いや、それでいいよ、書面の内容次第で会うかは決めよう、ご苦労様カイル、では屋敷に戻ろうか」
カイルさん「承知しました、では再度前進して下さい」
カイルさんの声掛けで再び動き出した馬車、先程の集団はどうやら面会の申し込みの人達だったみたいだ、その人達は今はそれぞれが乗って来たであろう馬車の前や邪魔にならないように道の端で大人しく僕達の馬車の列を見ていた。
(わぁ~めっちゃこっち見てくるやん!、何の用で公爵家の屋敷の門前で騒いでたんだろうね?普通、面会だけなら先にお手紙なんかでこっちの予定とか聞いてから予約制みたいな感じで会ったりするじゃ無いのかね?)
そう疑問に思いながら門の周りにいた人達を窓から眺めている僕、相手も僕達の馬車は騎士達に囲まれて移動しているので近寄っては来ないけど物凄くコチラを凝視してくる、一部の人に至っては馬車が前を通ると跪いて祈り出している始末・・・
(あぁ~、この人たちの要件分かった気がする~、多分 天華達に会いに来たんだ、まぁ仕方ないのかな?こんな近くで聖獣に会えることなんてないからねぇ~)
天華『それだけでは無いと思いますけど…』ボソッ
(うん?どうしたの天華?)
天華が何か言ったような気がしたので後ろを振り向いた僕に天華がなんでもないと言い、近づいてきて頬ずりして来たのでお返しに僕は天華の頭を撫で回した、それを見たジュールも自分も撫でてと参戦してきたので結局 聖獣皆んなをいつも通り撫で回した僕そうやって遊んでいるうちに屋敷の玄関先に到着していて玄関先には屋敷の使用人が全員並んでいるのでは無いかと思うぐらいの人数が出迎えて待っていた、
その後は使用人達の盛大な出迎えを受け屋敷に入りやっと帰り着いたと一息つく事ができ自室に入ると言い知れぬ安心感が込み上げてきた。
「ハァ~、やっぱり自分の部屋が1番落ち着くなぁ~」(まぁ、王都の屋敷の部屋も僕の部屋ではあったんだけどね…)
一人部屋のソファーに腰掛けていつも通り抱えていた聖獣達を下ろした。(ソルは自分の部屋で荷解き中、オーリーも以下同文)
ジュール『ほぉ~ぉ、ここがアトリーちゃんの小さい時からいつも過ごしてたお部屋か~』
天華『こちらのお部屋の方が多少広いですね』
夜月『ふむ、あれが以前言っていた立体パズルか?』
「ふふっ、そうだよ、皆んな、物を壊さなければ好きに過ごしていいよ」
初めて来た僕の部屋を興味津々で見回したり匂いを嗅いだりとそれぞれ落ち着かない様子の聖獣逹、許可を出すと早速お部屋探検に繰り出したジュールに天華、夜月は追々で良いと言って僕の隣でくつろぎ始めた。
「う~~ん、これから又しばらく領都生活だけど今度からは色々お出かけ出来るみたいだし、皆んなで楽しめるといいねぇ」
ジュール『うん!楽しみ!』キャンッ!
天華『そうですね、私も楽しみです』キュルル~ッ!
夜月『そうだな色々と見てみたい』なぁ~う!
そう話しかけると皆んな嬉しそうに鳴いて返事を返した。
その日の夕食は聖獣達の歓迎と僕の“洗礼と祝福“のお祝いとなり豪華な夕食を食べ、僕達は屋敷の使用人達に盛大に祝って貰った・・・
夜はお腹一杯になったのと旅の疲れも相まって眠気が限界となり、ソルとの魔力鍛錬を取りやめ早々に寝支度をして家族にお休みの挨拶をするとすぐにベットの中に入り眠気に逆らいつつ頭の中でこれからの大まかな予定を立てた。
(う~ん、今度王都に行くのは約3年後、それまでに色々と試してみたい事が盛りだくさん、色んな魔法が使えるようにしたいし、その魔法で試したいこともある、それに買って貰った脇差も使いこなしたい、神殿にも行かなきゃだし、冒険者ギルドにも行ってみたい、色々作ってみたい物もあるし、何よりイネオス達にも学園入学までに何回か会いたいなぁ~、こう思うと意外とやりたい事が沢山あって3年なんてあっと言う間に過ぎちゃいそうだねぇ~まぁまずは神殿に行くのが1番最初になりそうだねぇ~)ふぅわぁ~っ
夜月『アトリー、予定を考えるのは明日でも出来る、今日はもう休め、今は寝て疲れを取るのが1番だぞ』
大きなあくびが出たら夜月にこう言われたので思考を素直に止めて眠気に意識をゆだねた。
(う~、そうだねまた明日考えよう、お休み、皆んな・・・Zzzzz)
皆んなの優しい声で『お休み』と言われた気がしたが眠気に押されて意識は夢の中へ旅立った・・・
次は新章に入ります、今後もお楽しみ下さい♪