51話 領地に帰宅中3 できるイケメンはテンプレです!
コンテ伯爵の話題で盛り上がっているとリカルド団長が衛兵隊の隊長を連れて戻ってきた。
リカルド団長「ご歓談中失礼します、衛兵隊の隊長をお連れしました」
父様「あ、あぁ、有り難う、リカルド団長」
父様が少し動揺したのは無理からなぬ事だと思った、何故ならリカルド団長が連れてきた衛兵隊の隊長は身長180センチほどのひょろっとした体格のインテリメガネ風の若い男性だったからだ、予想と正反対の人が来て僕もびっくりしている。
父様「初めまして、私はアイオラト・ノブル・デューキス、公爵当主をしている、態々来て貰ってすまないね、隊長」
隊長「いえ、到着が遅れてしまい申し訳ございません公爵様、私はハイルング・ノブル・コンテと申します、気軽に名前でお呼びください、それと父がいつもお世話になっております」
(え!、コンテ伯爵のお子さん⁉︎この線の細いインテリメガネのお兄さんが⁉︎)
父様「おぉ、ハイルング殿はコンテ伯のご子息だったか、長男殿には会ったことがあるが他のご兄弟には初めて会った」
ハイルング隊長「そうですね、私は三男になりますので公爵様にお会いする機会が御座いませんでしたから、ですが私は公爵様のご長女のカシミール嬢とは同級生になりますのでカシミール嬢とは何回かお話しさせて頂きました」
(へー、カミィ姉様と同い年なんだ、しかし身長高いなぁ、ここはコンテ伯爵譲りなんかね?)
父様「ほう、カシミールと同級生だったかではまだ17歳か…その歳でもう隊長とは凄いなハイルング殿は」
ハイルング隊長「いえ、自分の“剣の腕“では下の隊員には勝つことは出来ません、自分はこの町の管理も任せれているので必然的に衛兵隊と関所の駐留騎士の隊長をしているに過ぎません」
(この人も貴族だから剣だけではなく魔法も使えるんだろうから本当の戦闘の実力は未知数だろうけどね)
父様「あぁ、そう言えば前にコンテ伯が“剣の腕“だけで隊長を決めていたら事務仕事がダメな者ばかりになっていたので管理が杜撰になって大変な事になったとぼやいていたな、それでハイルング殿がここに抜擢されたのかな?」
ハイルング隊長「はははっ、概ねその通りです、父には悪いですが“剣の腕“が良くても組織の管理が出来ない者が街を守っていては住民の迷惑になりますので今後は事務管理が出来る者を見つけ次第 隊長職を譲るつもりです」
(あははっ、要は“脳筋“は役に立たんって言ってるね、この人!まぁ、実際 “脳筋“に住人に対して細かな配慮が出来るかは疑問だよねぇ)
天華『ですね、腕っ節が良くても住民への気遣いや事務仕事が出来なければ意味がないですからね』
(だよねぇ~)
父様「はははっ、君も大変そうだね、コンテ伯はちょっと“剣の腕“に頼りすぎる所があるからね、でもコンテ夫人が舵取りしていてくれるからコンテ領は上手く回っているんだろう、あと1番の理想は“剣の腕“と事務管理の腕、両方ができる人材がいれば1番良いんだけどね、まぁそんな人材はそう簡単に見つからないから大変だとは思うけど、君の御眼鏡に敵う良い人材が見つかると良いね」
ハイルング隊長「はい、頑張って後任を探したいと思っております、それで公爵様、あちらの拘束されている貴族?の方々が何かなさったのか説明をお願いしても宜しいでょうか?」
今まで和やかに世間話をしていたハイルング隊長が表情を仕事モードに切り替え本題に入った。
父様「あぁ、その事なんだがね・・・・・・」
と、父様が大体の出来事を説明して状況を理解したハイルング隊長は。
ハイルング隊長「・・・・・そうでしたか、ではこの者達を窃盗に強要罪、誘拐未遂、後は殺人教唆の現行犯で拘置して刑を確定させましょう」
父様「うーん、それは冒険者達の方の対処としてはそれで良いのだが、どうやらあの膨よかな貴族達はどうやら帝国貴族らしくてねあの者達の対応は“陛下“に頼んだ方が良いと思うよ、だから今から王城に連絡しよう」
ハイルング隊長「帝国貴族…、そうですね、此方で処理するには荷が重い、公爵様が仰った通り王城に対処をお願いしましょう、王城への連絡は此方で致しますのでご安心下さい」
父様「頼めるかい?一応 此方でも陛下の補佐官をしている弟のシベラスに連絡を入れておくよ、そうしておけば話も通り易いと思うしね」
ハイルング隊長「何から何迄、お気遣い有り難う御座います、ではあちらの者達は一時的に此方の留置場で勾留しておきます」
父様「宜しく頼む、後、彼等は他の場所でも同じような事をしている可能性があるから この町の住人だけではなく領内の村や町全部に聞いた方がいいよ、どうやらあの貴族と裏で繋がっている王国の貴族がいるみたいだしね」
「っ!」
それを聞いたハイルング隊長が息を呑んだ。
(まぁ、自分からこの国の貴族に協力者がいるって豪語していたもんね)
ハイルング隊長「解りました、留置場の警備も倍にして警戒を怠らないようにします、他の村や町に関しては領都から直接 人をやって聞き取りをするように伝えますのでご安心下さい、この事を早急に連絡を取らねばならないので今日はこの辺で失礼いたします、公爵様 ご助言 有り難う御座いました」
凄い早口で対策をのべ、お礼までしっかり言った。
父様「うん、大変だと思うけど君の判断は正しい、此方を気にせずしっかりやりなさい」
ハイルング隊長「はい、有り難う御座います、では失礼致します」
と、頭を下げ貴族の礼をし足速に部下の元に行った。
父様「ふむ、彼は優秀な文官になるね、頭の回転も早い…、コンテ伯も良い息子を持ったね」
母様「ふふっ、そうですね、コンテ夫人もいつも自慢してらっしゃった息子さんは彼のようね」
父様「そうなのかい?コンテ夫人が自慢するなんて珍しいね、彼女はいつも物静かな方だからね」
と、彼の後ろ姿を見ながら話している内に捕まっている人達を衛兵隊員がハイルング隊長の指示の元、テキパキと護送用の馬車に詰め込んでいた、詰め込みが終わるとハイルング隊長は此方を振り向きまた頭を下げると乗ってきたであろう馬に跨り颯爽と走り去って行った。
父様「さて、私達もそろそろ宿に戻ろうか、“紅の牙“の方々も今日は息子達の相手をして頂き有り難う、報酬は先日言った通り冒険者ギルドの方で受け取ってく下さい」
パルガンさん「いえ、此方こそ大したことはして無いです、こんな事で報酬を頂いて良いんですかね?まぁご子息がそれで満足してくれたのなら良いんですけど」
父様「ふふっ、良いんですよ息子達はここ数日それはもう、ご機嫌であなた方から教えて貰った事を私達にも話すぐらいには満足しているのですから、私はそんな息子の姿を見せてくれた あなた方に報酬を出さないなんて選択肢はありませんからね」
(わぁ~!僕そんなに浮かれてた⁉︎は、恥ずかし!)
僕は顔を真っ赤にして母様の後ろに隠れたソルも少し顔を赤くして僕の後ろに着いてきた僕みたいに完全には隠れてないけど・・・
母様「ふふっ、アトリー、そんなに恥ずかしがらなくても良いのにソル君も」
「ん、ん~」
ソル「え、あ、はい…」
(多分ソル的には従者として僕の後ろに着いて来ただけだと思う)
母様の後ろ出てパルガンさん達に向き直り、
「あ、あの、色々教えて頂き 有り難う御座います、僕はとても楽しかったのでちゃんと報酬を貰って下さい!」
顔を真っ赤にし少し瞳も潤ませながら羞恥心に負けない様にちゃんとお礼を言って、また母様の後ろに行き今度は母様に抱きつきながら顔を隠した、抱きついた瞬間に聖獣の皆んなはそれぞれ飛び降りて避難していた。
ギューッ
母様「あらあら、アトリーったら」
(くっ!なんだこの羞恥心は!自分がかなり浮かれてたのにも気づかなかった事もだけど!それを家族に微笑ましい顔で見守られていた事も気づかなかったとはどんだけ浮かれてたんだよ僕!もう、恥ずか死ぬ!)
そんな、羞恥心であっぷあっぷしているアトリーを見てその場の全員が同時に(((((可愛い‼︎)))))と心の中で叫んでいたことは誰も知らない
アトリーの行動を見て胸を押さえている者までいる始末だ。
パルガンさん「こりゃぁ…、破壊力が半端無いですね、それにそこまで言われると、報酬を頂かないなんて言えませんや」
父様「ふふっ、そうだろう?家の子達はいつもは大人びていてね、こんな行動もここ最近じゃ珍しい方なんだよ?」
ロッサさん「そうなんですね、確かに会話をしている時は大人顔負けの言葉使いをなさる時もありましたし、でもこんなに可愛い行動をなさってる時は年相応に見えます」
ルーフスさん「こう見ると、今回の様な事件は一回では済まないでしょう、いくら聖獣様方が居られても心配事がつきませんね」
父様「そうなんだよね、でもこの子には興味を持った物には好きなだけさせる事にしているんだよ、それが私達 親ができる最低限の事だからね」
アフマルさん「そうですなぁ、子育ては大変ですから好きな事をさせて貰えるのは良い事もありますが今日 絡んできた子供を見るとそれはそれで考え物ですがね、その点、坊ちゃん達は大変大人びていて常識のあるお子様ですからね そんな心配も無さそうですね」
父様「あぁ、その点は私も心配してないよ家の子達はとても良い子だからね、あんな愚かな事はしないよ」
コキノさん「それはご両親の注いで来られた愛情のおかげでは?アメトリン様はとてもご両親がお好きな様ですし」
父様「そう言って貰えると嬉しいね」
そんな会話をしている大人達に気づかず母親の後ろで必死に羞恥心と戦っているアトリー。
(ん?、なんか視線が注がれている気がする)
視線に気づいた僕は顔を母様から離して顔だけ母様の後ろから出した。
ひょこっ
「どうかしましたか?」
コテンッ
「「「「「っ!可愛い!」」」」」
瞳が一層潤み まだ少し赤みが残る顔を不思議そうに傾げ可愛さを増大させたアトリーに瞬殺された大人が数名 鼻血出して手で抑えていた、この光景を聖獣達はさもありなんと言った表情で見ていた。
「ど、どうしました⁉︎は、鼻から血が!」
(な、なんでロッサさんとルーフスさんが鼻血出してんの⁉︎それに護衛騎士も2人鼻を抑えているし!)
ワタワタしている僕に、
天華『落ち着いて下さい、アトリー様、大丈夫ですよ、一時的な物ですからすぐ治りますよ、ほら』
そう言い尻尾でルーフスさんを指した、するとルーフスさんが回復魔法の“ヒール“を唱えて鼻血を治していた。
「ほっ、良かった」
母様「ほら、アトリー、“紅の牙“の方々とご一緒出来るのは今日までなのだから そろそろちゃんと出てきてお別れのご挨拶しましょう?」
(そうだった、パルガンさん達は今日で護衛依頼が終わったからまた明日の朝から別の依頼で街を離れるって言ってたっけ)
「はい、母様」
と、母様に言われ、それもそうだと思い母様の後ろから出てシャキッと姿勢を整えお礼とお別れの挨拶をした。
「“紅の牙“の皆様、無知な子供の僕の質問にも嫌な顔をせず色々とご教授いただき誠に有り難う御座います、そして本日まで大変お世話になりました、皆様の今後のご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます」
ペコリッと、頭を下げるとソルとオーリーも一緒に頭を下げた。
パルガンさん「おぉう、そんなに畏まらないで下せい」
急な展開に敬語が崩れたパルガンさんに笑いかけながら。
「僕は尊敬出来る方には最大の敬意を払うと決めているので♪皆さんといつかどこかでまたお会い出来るのを楽しみに待っています♪ね、ソル」
ソル「はい、僕も色々と為になるお話が聞けて嬉しかったです、またお会い出来るのを楽しみしています、数日でしたがお世話になりました お体にはお気をつけて下さい」
と、挨拶し締めくくったソルと僕を見ながら“紅の牙“のメンバーがポカンとした後 苦笑いしていた。
父様「ふふっ、相変わらず大人顔負けの挨拶をしてるね…、さて、本当にお世話になったね有り難う、いつか家の領地に立ちよる事があればいつでも遊びに来てくれ、歓迎するよ」
パルガンさん「お気遣い有り難う御座います、その時はご迷惑でなければお伺い致します」
と、メンバー全員が頭を下げて挨拶を締めくくった、その後はそれぞれ解散し宿に戻った。
宿に戻るとカミィ姉様とソル親子にも心配されて僕は夕食の時間までカミィ姉様に捕まりカミィ姉様の膝の上で抱っこされる事に、
(ぬぅ、心配させたのは悪かったと思っているけど最近ずっとこんな感じで誰かの膝の上に座らせられている気がする)
天華『まぁ、今回は危険な事はしていませんが姉君としては目の届かない所で起こった事が1番心配だったのでしょう』
(まぁ、確かに?カミィ姉様は学園に入る時僕の成長が見れなくなるのが1番嫌だって泣いてたくらいだから、そんな事もあるか…)
天華『姉君にも愛されてますねぇ』
(僕が1番下だからじゃ無いかな?それに顔が母様似だからね家の兄弟みんな母様大好きだし)
天華『まぁ、それも一つの要因でしょうが1番の理由はアトリー様自身が可愛くて仕方何のでは?』
(そうかな?そうだといいな♪)
と、今カミィ姉様の膝の上でお菓子を食べながら天華と念話をしている、カミィ姉様はずっと僕の頭の撫でご機嫌だ。
父様「しかし、今回の不届き者達には神罰は降りなかったのかな?」
「んくっ、えーっと今回は彼等が僕の結界に触る前にパルガンさんが止めてくれたので多分 神罰は降りてないと思います」
食べていたお菓子を急いで飲み込み、推測を話す。
夜月:『あぁ、それに関しては私達の目を通して見た神々が適切な神罰が今頃 降っていると思うぞ、それに私達の強い嫌悪感も神々に届いていると思うからそれなりの罰があると思っていい』
いつも通り僕の膝の上で寛ぐ夜月が新情報をぶっ込んで来た。
「「「「「えっ!」」」」」
(・・・そんな事も出来るんだね、じゃあ僕がもし操られたりしても夜月達が悪い人を見極めてくれるんだね?)
夜月『そう言う事だ、だが、アトリーに張ってある結界は精神攻撃にも対応しているから、そう簡単に操られたりはしないさ』
(へー、そうなんだ、でも、夜月達は?大丈夫なの?)
天華『私達は神獣ですから、人間の精神攻撃などは無効できますので、心配入りませんよ』
(そうだったね、なら安心だね♪)
天華『えぇ、大丈夫ですよ』(もしもの時は我らをお創りになった神々がどうにかして下さいますからね)
その後 夕食の時間になり夕食を食べ終わった頃にハイルング隊長から帝国貴族達に神罰が降ったと連絡が来ているのをカイルさんが報告しているのを聞いた。
父様「あの帝国貴族の名はヴァルケン伯爵と言うらしい最近陞爵されて伯爵位を貰ったばかりのようだ、その陞爵のきっかけになったのが何処かの宝石商との大規模な取引を成功させた事の功績とし皇帝から直々に陞爵を賜ったらしい、が、その宝石商とは何処の宝石商か私も知らない、陞爵される程の大きな取引となると私が知っておかなければおかしいからね、それにあのヴァルケンと言う貴族の名は聞いた事も無いしね、これはちょっと面倒な事になりそうだよ」
と、父様が珍しくぼやいていた。
(確かにこの国の宝石の輸出を一手に引き受けているのが我が公爵家の仕事だ、それなのに大きな契約を交わしたのが何処の商会か知らないなんてあり得ない事、帝国側は王国側もその契約に頷いたと思ってるはず、だが国としてそんな交渉はした覚えがないと言っても帝国側は納得しないだろうどんな賠償を要求されるか分かったもんじゃないって所かな?場合によっては戦争になりかねないよねぇ)
(はぁ~嫌だ嫌だ)と心の中で愚痴っていると父様達に呼ばれ今日はもう休む事に、いつも通りソルと魔力操作と魔力循環の鍛錬をし、お風呂に入って皆んなにお休みの挨拶をすると聖獣皆んなにもお休みのハグをして寝室にいる両親の元に行く。
母様「さぁ、アトリーいらっしゃい」
と、ベッドに座って自分の膝をポンポン叩く母様、王都を出てから宿に泊まる時は両親と寝る事がいつの間にか必須になっていたそして寝る前は必ず母様の膝の上で髪をブラシですく事も決まっていた。
(うー、髪をすいてくれるのは嬉しいんだけど母様の膝の上ってのがまだ慣れないなぁ)
おずおずと母様に近寄るとすぐに抱き抱えられてお膝の上に、中々の早業なのだ、まぁこれと言った抵抗はしないのですぐに捕まるのだが、いまだに恥ずかしがる僕の髪をニコニコしながら用意されていたブラシで優しいくすいてくれる母様
(うー、母様に優しく髪をすかれて頭を撫でられると一気に眠気がぁ~、な、なんかこれが常習化したらどうしよう、母様の頭なで なで は 最強 せつ・・・・・Zzzz)
結局そのまま寝落ちした僕を母様がベットに寝かせてくれる感覚がしたが眠気に逆らえず意識は夢の中へ・・・・・
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父:アイオラト 視点
(はぁ、どう報告したものか)
今、私は今日あった事件の主犯が口にした契約の件で頭を悩ませていた
(私の記憶の中であの様な帝国貴族と交流を持った事など一度もない と言うのに、しかも私の知らない宝石商と大口の輸出取引をしたなどと、冗談にしては質が悪過ぎる、こちらに契約した覚えなど無いと言っても帝国は信じないだろうし、なんなら帝国を騙したと言ってこれ幸と攻め込んで来るに違いない…、はぁ、報告はするにしても対策を考えねば今後の我が国の未来がどの様になるか分かったもんじゃない)
はぁ、と、ため息をつきつつ手紙の続きを書いていると。
コンコンッ
宿の部屋に備わっていた執務室の扉を誰かが叩いた、カイルでは無いカイルは今は例の帝国貴族のヴァルケン伯爵から詳しい証言を聞き出す為にこの町の衛兵隊の留置所へ赴いているからだ、扉を叩いても名乗らない相手に少し警戒して。
「どうぞ」
と、声を掛けると器用に扉の取っ手を捻って開けて入って来たのは聖獣様達だった。
テンカ様:『お邪魔しますね』
ヤヅキ様:『失礼する』
ジュール様:『お邪魔しまーす』
と、入室の挨拶までして。
「どうなさいましたか、聖獣様方」
私は急いで近づき聖獣様達に備え付けのソファーをすすめる、聖獣様達はの各々ソファーに飛び乗り座ったのを見て私も対面に座った。
ヤヅキ様:『何、アトリーの父君である其方に用事があったので来たまでだ』
「用事ですか?」
テンカ様:『はい、今日の事柄に関しての神々からの提案がありまして、それをお父君にお伝えする様にと言いつかってます』