間話 主神リトスティーナの見解
『『『それじゃあ良い人生を‼︎』』』
と神様達に明るく送り出された私は意識が薄れていった。
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天照 視点
咲子ちゃんを送り出した後。
『先程のあれはどう言う事だ?ティーナ』
月詠がティーナちゃんに詰め寄る。
『ティーナちゃん咲子ちゃんに何かあったのですか?』
『えぇ、あの時スキルの定着具合を確認したら咲子ちゃんの魂の器の余剰部分に違和感を感じて魂の器を詳しく確認したら最初の時より大きくなってたの、
しかもあの時もどんどん大きくなり出してたのよ、異常なスピードで』
『『っ‼︎・・・・・』』
絶句してしまいました、そんな事が有り得るのでしょうか人の魂の器が死後大きくなるなんて…
『私の見解だけど、まず知っていると思うけど人の魂の器は生きてる間に色んな経験をして成し遂げた事での自身の心の満足感で徐々に大きくなるもの、
でも咲子ちゃんの生前の記憶を見る限り色んな経験をしていても咲子ちゃんが何かを成し遂げたと思うほどの経験をしてないのよね、
なぜか成果を横取りされたり、急に人間関係のトラブルで仕事を辞めたり、何かを成し遂げようとしたらその寸前でいつも邪魔が入っているのよ』
『・・・・・・・・・・私も確認しましたが本当ですね、異常すぎます、やはり何かの外的要因でこんな嫌がらせを受けていた可能性がありますね、
それに先ほどの咲子ちゃんの様子、なぜあそこまで他人との接し方に歪みが生じたのでしょう、ご家族とは普通に仲が良かった見たいですし』
『それと魂の器と関係があるのか?』
月詠が聞く、そうですね何か関係あるのでしょうか?ティーナちゃんに視線を戻す。
『それはね、これだけ邪魔をされて“抑圧“された魂が死後この“神界“の一部に連れてこられたら“抑圧“されていた心が“解放“された状態になって、
なおかつ私達“神“と直接触れ合ったのよ?
“何らかの要因“で魂の器が“抑圧の解放“をきっかけに“神界“に満ちる“神気“を取り込みながらどんどん大きくなって拡張していってたのよ』
最後に『まぁ、私の見解だけど』と小さく付け足す。
『それは、そんな事が・・・いや有り得るのか、ではあの時、咲子を急いで転生させたのは魂の器の拡張を止めるためか?』
『えぇ、あの時はそうするしかなかったの、私の予想ではあのまま拡張していってたら もう少しで“下級の神“ぐらいの魂の器になってしまってたわ、
“下級神“と同等の魂の器になった瞬間、咲子ちゃんの魂がどうなるか分からなかったから』
『・・・それは確かに前例がないですし“下級神“でも神は神どうなるか分かりませんからね、では今 咲子ちゃんは無事、転生出来たのですね?』
『あ、それは大丈夫、ちゃんと転生出来てるわ、ほら』
ティーナちゃんが空中に映像を出す。
映像は1人の小さな生まれたばかりの男の赤ちゃんを映し出す・・・・・?
『『『⁉︎』』』
『ティーナちゃん、私、目がおかしくなったんでしょうか?』
『ティーナ、“写す場所“を間違えてないか?』
『・・・・・・・間違えてない“写す場所“は……』
『性別、男性でしたよね、私の見間違えですかね?』
『私の目にもちゃんと男だったよ、天照』
『・・・・・性別を間違えちゃった・・・・て、てへ♪」
『『⁉︎、てへ♪、じゃない‼︎』』
『どうするんですかコレ⁉︎』
どうしましょう!咲子ちゃんが男性に!本人はまだ気づいてないみたいですが、どうしましょう……
『どうしようもできないわ、もう現世に生まれちゃったし咲子ちゃんには申し訳ないけど今世は男の子として生きてもらうしかないわ』
ティーナちゃんは申し訳なさそうに生まれ変わった咲子ちゃんを見ている。
『確かに何も出来んな、だが家族が心根の良い者達のようだ大切にされるように願おう』
月詠が咲子ちゃんを安心したようすで愛おしそうに見ている。
もしかして“何らかの要因“とは・・・・いえ、この予想は無粋ですね。
『あ、でも、何も出来ないことはないわ!』
ティーナちゃんが「ぱん!」と両手を打ち鳴らして嬉しそうに言いました。
『どうするんだ?』
『ほら、私の世界で子供が生まれたら7歳の時に教会の神殿に来て“洗礼と祝福“するじゃない?
その時、お詫びに何かあげれたら良いじゃない?』
『そうだな、その時一緒にちゃんと説明もしてやれるといいな』
『それは良いかもしれませんね、では何をあげるんですか?まだ持ってないスキルですか?』
『うーん、流石にあのスキルの量を見るとスキルは無しかな?
スキル入れた後、確認のために咲子ちゃんのステータスを見たら上位の昇華スキルが他に2個出来てたんだよね…』
それはまた規格外ですね、咲子ちゃん……
『そうですか、ではスキル以外で言うと、何かあるのですか?』
何が有りますかね?加護は最上級の物を付けましたし…
『『『うーん』』』悩みますね。
『あ、咲子ちゃん動物好きって言ってたよね!聖獣なんてどうかしら?』
『おぉ、良いかもな、護衛にもなるかもしれないしな』
『そうですね、でも目立ちませんか?』
『そうね~、あー!、忘れてた!神殿での“洗礼と祝福“の時、ステータスを大々的に表示されるんだった‼︎』
ティーナちゃんは『あちゃ~』と手を額に当てて上を向いてしまった。
『と、言うことは何をしても目立つと言うことだな?』
『はぁ』と月詠がため息を吐き悩み出した。
『そうですよね、あのスキルの多さですもんね…』
『あー、確か、細かいスキルの内容は表示されずにスキルの数だけがわかるようにしてた、はず、
あとは、魔法属性の表示と加護の内容だったかな?称号はどうだったっけ表示されたかな多分…』
『多分って、表示されないようにできないんですか?』
『できないのよ、教会ができた時、最初の決まり事として、
教会が私達が治めるこの世界の人達の役に立つ働きをする限り目安としてステータスの公開を許すって、
でもスキルの数は表示しても内容は教えないようにしたのよね個人の才能で優劣を付けないようにするために…、
まぁ、あまり意味はなかったけど……、でも、偽装はできたはず!』
『それはいいが、加護や聖獣の事で良からぬ者達に目をつけられて咲子を害されたりしないか?』
『『⁉︎、それは絶対に駄目‼︎』』
そんな事になったら咲子ちゃんに何かしたら私…その人を焼き殺しちゃうかもしれません・・・
同じようにティーナちゃんや月詠も思っているようで3人で頷きあった。
『そんな事にならないように警告を表示されるようにしましょう!』
『表示できるなら警告文を考えましょう、咲子ちゃんの自由意志を奪われないようにしないといけません!』
『それなら警告文は私が考えよう、ティーナ、警告文に反いた者には罰は下せるのか?』
『お任せします』『あぁ任せろ』月詠なら適切な警告文を考えてくれるでしょう。
『えぇ~と、罰ならスキルの剥奪とかどうかしら?範囲はそうね関係者の親族または一族全員とか、
後はそうね生活魔法以外の魔法系スキルを全部剥奪とかどう?』
『ふむ、だが少し甘くないか?魔法系スキルだけ剥奪してもまだ戦闘系スキルを使って再度、襲って来るかもしれない』
『それもそうね、戦闘系スキルも一緒に剥奪しましょう!魔法系スキルは一度剥奪されると2度と戻らないから安心よ♪』
『戦闘系スキルは無理なのか?』
『スキルは魂に根付くものだけど戦闘系スキルは身体にも染み付くからねスキルがなくてもある程度戦えちゃうから意味ないのよ
まぁ再度、習得するには途方もない年月がかかるようにしときましょ♪』
『あぁ、それがいいその方が罪に対するいい反省になるだろう、ではそれを折り込んだ警告文を考えよう』
『よろしくね♪』
次々罰の詳細が決まるのを横目に私は咲子ちゃんのステータスを見ながらの偽装のことを考えていた。
『ティーナちゃん、ステータスの偽装はどの範囲までできますか?』
『えーと、確かスキルの数と魔法属性は変えれなくて加護と称号の名称とかを偽装または隠蔽できたはず』
『なら、加護や称号の文字表記を変更できますか?」
『それはできるけど、どうするの?」
『まあ、加護の欄に私や月詠の加護の名称が異世界の、となってますよね、コレだと表記された時に咲子ちゃんが困ると思うですよ、
でもこの加護を隠蔽してないものとして扱うのはちょっとイヤなので、
日本語表記なら咲子ちゃんだけには伝わるのでそうしたらどうかと思いまして』
『ちょと~天照ちゃんが可愛い~ヤキモチなの?隠蔽したら私の加護だけ表記されるのが悔しいから?ヤキモチやいてるの~?かわいいぃ~!』
ティーナちゃんが私の頭を撫でてくる自分の方が身長が高いからって!
月詠はこちらをチラリと見た後はまた警告文の構想に戻った彼はこの事に反対ではなさそうですね。
『頭を撫でるのは辞めてください、私の方が歳上ですよ!それにティーナちゃんは咲子ちゃんに渡す聖獣の方は決めなくていいのですか?』
『はーい、お姉ちゃん、うふふ、大丈夫ちゃんと決めてるから後少し手を加えるだけだから♪』
『では、その続きをしたらどうです?』
『はいはーい続きしまーす』
やっと撫でるのを辞めてくれた でも先ほどの事は本心なので後悔はしていませんよ、
では私も加護や称号の偽装作業の続きをしましょう。
それに咲子ちゃんに嫌がらせしていた者も探し出さねければいけませんし…
*この時ティーナちゃんの聖獣創りの確認を怠ったことを後々、後悔する事になる……