45話 お祝い事とステータス
完成したばかりの“鑑定の魔道具“の試運転でライ兄様が使用した所 驚きの鑑定結果が表示された。
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+名前+ シーライ・ノブル・デューキス
+年齢+ 11歳
+性別+ 男性
+種族+ 人族
+加護+ ーーー
+称号+ 剣術の才
デューキス公爵家のやんちゃ坊主
火魔法の使い手
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父様「ライ…、いつの間に“火魔法の使い手“なんて称号を得たんだい?凄いじゃないか!」
父様が驚きつつライ兄様を褒めた一方ライ兄様は目が点になったまま表示されたステータスを見ていた。
(?、“火魔法の使い手“って称号はそんなに凄いの?)
天華『そうですね、“○魔法の使い手“とつく称号はスキルレベルが5以上でかなりの訓練を積んで精密な魔力操作と魔法発動速度が他者より優れていないとそう簡単に称号に出ることはありませんね』
(わぁ~、そうなんだ!じゃあライ兄様は火魔法に関しては他の人より凄いってこと?)
天華『そう言う事ですね』
夜月『しかし、アトリーは称号に案してはそんなに詳しく無いのか?』
(うん?、あぁ、僕は色々本を見て知識を蓄えるの好きだけど後々役にたつ物を優先して読んでたからね、称号に関しては7歳の“洗礼と祝福“の後で自分に何か称号がついた後で興味が出ればでいいかなって思ってたから、称号関連の本は後回しにしてスキルの解説専門書や錬金術の専門書とかばかり読んでいたんだ)
夜月『ふむ、アトリーは合理的な部分もあるのだな』
(ふふっ、そうかも、でも興味が出た物には手当たり次第に知識を求めちゃうから一概には合理的とは言い切れないんだよねぇ~)
天華『まぁ、何にせよ沢山の知識を求めるのは良い事ですよ、知らないことがあったのなら私達に聞いていただければ大体の事は分かると思いますし』
ジュール『私も色々教えてあげるよ!』
(うん、有り難う皆んな♪)
よしよしと近くによって来ていたジュールを撫でた。
ライ兄様「・・・俺もいつ獲得したのか分かりません」
やっと喋ったライ兄様も称号が付いていたのを気づいて無かったらしい。
(あー、通りで1番長くフリーズしてると思った、現実なのか何度も表示を確認してたんだね、ライ兄様)
父様「そうなのか、じゃあ今初めて気づいたんだね、おめでとう ライ!」
父様の祝福を皮切りにその場にいた全員に褒められたり祝って貰ったりされて少し照れているライ兄様。
「ライ兄様凄いです!おめでとうございます♪」
(ライ兄様は夏期休暇中でも鍛錬をお休みしたりせずに毎日魔法の練習してたから称号がついたんだね)
天華『そうでしょうね、真面目に練習なさっていた結果です』
ライ兄様「あぁ、有り難うアトリー」
クシャクシャッと、少し荒めに頭を撫でて笑った。
お祖父様「そうだ!、のんびりしる場合ではなかった祝いの準備をせねば!ジョルジュ!」
お祖父様が急に立ってジョルジュさんを伴いリビングを出ていった。
お祖母様「あらあら、あの人ったらせっかちなんだから…、じゃあ私も少し手伝ってきますね」
と、お祖母様も部屋を出ていった、残った人達は一つため息をついて、いつもの事だと気にするのをやめた。
(うん、いつも通りだね、今日の晩御飯は豪勢になるね)
ジュール『いつもこんな感じなの?』
(そう、いつも僕達兄弟達の中で何か祝い事があるとお祖父様とお祖母様が屋敷内で軽いパーティーを準備して祝ってくれるの)
ジュール『へぇ、楽しそうだね!』
(うん、楽しいよ、皆んなのご飯も豪勢になると思うよ)
『わーい楽しみー』と喜んでジャンプしているジュール。
「ふふっ、魔道具も正常に起動できたし今日の晩御飯が楽しみです、そうだカイルさん新しく書いた魔法陣の紙はこのまま商業ギルドに提出しますか?それとも描き直した方がいいですか?」
父様の斜め後ろに立っているカイルさんに振り向きながら聞くと。
カイルさん「そうですね…、そのまま記入された紙をお預かりしていいですか?」
「?、いいですけど、少し雑に書いてしまってますし、説明は別の紙に書いた方がいいかもしれませんね」
カイルさん「大丈夫ですよ、これはソル君の従者としての勉強の一環としてソル君に清書して貰いましょう、それと説明もアトリー様が仰られていた事を正しく理解し他者にも分かりやすい文章に仕上げる事を課題にしたいと思いますので」
「え、あ、僕が書かなくていいの?」
カイル「はい、これも本来 従者としての仕事の一部ですので今から慣れていけば将来アトリー様とソル君が困らない為の勉強と思って下さい」
「う、うん、ソル、頼めるかな?」
ソル「はい、承知しました」
(だ、大丈夫かな?結構細かく書いたから大変だと思うんだけど、コレも将来の為って言われたら見守るしか無いよね…)
少し心配だけどソルの落ち着き様を見て口出ししない事にした、“洗礼と祝福“が終わった次の日からソルは正式な僕の従者 兼 執事として決まったので少しずつカイルさんから仕事を教わり出しているのだ、執事としての仕事は普段からしているけど従者としての書類仕事は今後 重点的に鍛えるらしい。
僕も自分で出来る事は何でもしてきたけどそれじゃ立派な従者には なれないからあまり手出ししないようにって父様に言われたので大人しく見守る事にしている。
カイルさん「では、頑張って下さいねソル君」
ソル「はい!」
キリッとした表情で返事をしたソルを家族であるセルドスさんやセラスさんは誇らしげに見ていた、手渡された魔法陣を書いた紙を大切そうに抱え込んだソル。
(頑張れソル!)
と、心の中で応援した。
カイルさん「では、こちらの“鑑定の魔道具“は梱包しておきますね」
父様「あぁ、頼んだ」
ライ兄様「え!ヘリーも⁉︎」
父様がカイルさんに“鑑定の魔道具“の梱包を頼んでいると兄弟達がいるテーブルセットに戻っていたライ兄様が驚きの声を上げた。
父様「ライ、どうしたんだい、ヘリーに何かあったのかな?」
父様が聞くと。
ライ兄様「父上、ヘリーにも新たな称号が付いているそうです…」
「「「「!」」」」
父様「それは凄いね!どんな称号なのかな?ヘリー」
ヘリー姉様「は、はい、それが“水魔法の使い手“と出ています」
(おぉ~、それは凄い!あ、でもなんで“水魔法の使い手“って付いたのか何となく理由って言うか原因が分かったかも)
ジュール『何で?』
(えっとね、ライ兄様が火魔法の訓練で的に向かって魔法を放つんだけど、その時その的が燃えて炭になる前にヘリー姉様がすぐに水魔法で消火してるんだよ)
ジュール『あー、それで同じ ぐらいヘリーお姉さんの水魔法の熟練度が高くなって称号に出たんだね!』
(まぁ、多分間違いないと思う)
ジュールと話している間に父様がヘリー姉様に“鑑定の魔道具“でステータスを見せて貰っていた。
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+名前+ ヘリオラ・ノービレ・デューキス
+年齢+ 11歳
+性別+ 女性
+種族+ 人族
+加護+ ーーー
+称号+ 魔法の才
デューキス公爵家の勉強家
水魔法の使い手
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(あ、ヘリー姉様には“魔法の才“が付いてるしかも“デューキス公爵家の勉強家“だって、ライ兄様とは正反対の対にってる、双子だからかな?何にせよダブルでめでたいね!)
「ヘリー姉様も凄いですね!おめでとうございます!」
ヘリー姉様「ふふっ、有り難うアトリー」
ヘリー姉様も笑顔で僕の頭を優しく撫でてくれた、その時の笑い顔はライ兄様に似ていたさすが双子だと思いつつ笑い返した。
カイルさん「旦那様、この事を大旦那様にもお知らせして参りますね」
(お祖父様達が物凄く張り切るだろうな)
父様「あぁ、そうしてくれ」
カイルさん「承知しました、では、こちらの魔道具はまだお使いなられますか?」
父様「そうだね、もう梱包していいかな、皆んなもいいかな?まだ試したい人はいる?」
その場にいた皆んなに確認して使わないと判断して魔道具をカイルさんに渡した、カイルさんは魔道具を持ってリビングを出て行き、リビングに残った人達はお昼ご飯まで各々自由に過ごす事になった僕とソルは僕の部屋に行き、ソルの書類制作を見守る事にした。
(まぁ僕はなるべく口を出さないけど分からない事があれば助言はしたいからね)なので強制的に僕の部屋に連れてきた
部屋に戻ってきてすぐソルは僕の勉強机で書類制作を開始、その間に僕は寝室から手頃な大きさの黒うさぎのぬいぐるみを持ってきて、ぬいぐるみを抱えたままソファーで寛ぎつつステータスを開きスキルの確認を天華達とする事にした。
・・・・・・数時間後、
(ふぅ、スキルの量が多いと確認するにも一苦労だね)
ステータスの確認途中に昼食を軽く取り終わってまた自室に戻ってソルは書類制作の続きをして、僕もステータスの確認を続けていたが今しがたやっとスキルの内容を聖獣皆んなに聞き終えた所だ。
夜月『そうだな、情報量がかなりあったと思うが大丈夫だったか?アトリー』
(うん、大丈夫、本で見た情報と大きく食い違う情報は殆ど無かったし“瞬間記憶スキル“のおかげかそんなに苦労せずに覚えられたから大丈夫だよ)
夜月『そうか、ではもう他に聞きたいことはないか?』
(うーん、スキルでは聞きたいのは もう無いんだけど…、この性別と種族の欄はどう言うことだろう?性別の所はまぁ理由が分かっているんだけど 種族は何で人族の後に点が続いて“?マーク“がついてるのかな?天華知ってる?)
天華『それは…、私達にも答えは分かりません』
(そうかー、まぁ、なとなくそんな気はしたんだけどねー)
原因究明は諦めて もう一度自分のステータスを隅々まで確認する。
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+ 名前 + アメトリン・ノブル・デューキス
+ 年齢 + 7歳
+ 性別 + 男性 〔魂性別 女性〕
+ 種族 + 人族・・・?
+スキル+《属性魔法》
火魔法1 水魔法1
土魔法1 風魔法1
氷魔法1 雷魔法1
木魔法1 光魔法1
闇魔法1 聖魔法1
暗魔法1 無魔法1
回復魔法1 時空魔法1
生活魔法1
《魔法スキル》
無詠唱1 付与魔法1
《戦闘スキル》
総合武術
《支援スキル》
探索2 追跡2
罠2 先読3
無心3 気配感知2
気配遮断3 身体強化1
魔力完全制御2
《耐性スキル》
精神攻撃耐性4 物理攻撃耐性2
《技術スキル》
釣り2 描画2
歌唱4 礼儀作法5
計算4 組立2
調薬1 分析1
抽出2 採取2
採掘2 伐採3
速読3 筆写2
乗馬2 宝飾細工3
木工細工2 紙細工5
開拓農耕2 家事生活6
服飾縫製4
《特殊スキル》
魔力視2 特殊隠蔽10
無限収納1 瞬間記憶3
超回復2 全言語理解10
情報開示4 魔法創造1
+ 加護 + *異世界の神“月詠“の愛し子
*異世界の神“天照“の愛し子
主神リトスティーナの加護(偽装中 正しくは“主神リトスティーナの愛し子“)*この( )の中身は本人にしか見えません。
精霊王の愛し子
+ 称号 + *転生者
神々の寵児(偽装中 正しくは“神々の友人“)
聖獣を授かりし者(偽装中 正しくは“神獣の主人“)
公爵家の天使
誤魔化し上手
精霊達に愛されし者
魔法を紡ぎし物
※ 上記の*マークは日本語表記です。
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(やー、何度見てもスキル多すぎじゃない?あ、称号に“公爵家の天使“って何で天使?それに私のだけ“デューキス公爵家“になってないの?)
夜月『あぁ、それはアトリーが一般市民にもそう思われているって事だ』
(え、一般市民?)
天華『えぇ、アトリー様の兄上の場合は貴族社会での認知度が高いので家名が詳しく表示されているのでしょう、一般市民の方にして見れば どの公爵家も同じ様なものですからね』
(あぁ~、そう言うこと、・・・え、僕、一般市民に広く天使だって思われたって事?)
夜月『そう言うことだ』
(ぐふっ、な、なぜに、確かに見た目は天使かもしれないがそんなに人目に触れたのは昨日のお出かけの時ぐらいなのに~!)
夜月にズバッと肯定されてしまった僕はダメージを受けた、そして追撃で。
ジュール『でも、その称号 お披露目のお茶会の時にはもう付いてたよね?て事はお出かけの時に囁かれてた“聖獣を連れた見目麗しい公爵家の聖人様“とかもその内 称号になっちゃうんじゃないの?』
(ごっふっ、そ、それは、さ、さすがに無いよね、無いって言って!)
天華『・・・、それは何とも言い切れません、可能性は十分にありますから・・・』
(おっふ、そんな称号が付くなんて恥ずか死ぬ!羞恥心レベルマックスになるんだけど!)
夜月『まぁ、あれだ、名称に“聖人様“と付いているから今代の“聖人もしくは聖女“より知名度が上がらなかったら称号が付く事はないと思うぞ』
(え!本当⁉︎、てか、“聖人や聖女“って実在するんだね、知らなかった、まぁ興味もそんなに無かったけど)
夜月『ふむ、宗教にあまり関心がない日本人らしい解答だな、そうだな、この世界には7柱いる神々に“聖人もしくは聖女“として認められた者が1柱ごとに1人ないし2人ほどいる、多い時には総勢14名になるな今は何人いるか分からんが、それに各教会ごとに勝手に“聖人・聖女“認定されている者もいるからな、それを含めるとかなりの数になるんじゃないか?』
(へー、神々が決める“聖人・聖女“と教会が決める“聖人・聖女“は別々にいるんだね、でもそれって神様達は怒らないのかな?)
ジュール『うーん、場合によるかな?、神様達が認めた“聖人・聖女“に害があった場合は教会側に苦情を入れることもあったみたい』
(ふーん、それ以外は好きにさせてるんだね、でも“聖人・聖女“って何の意味があって神様達は認定してるの?)
天華『それはですね、神々に認められた“聖人・聖女“の役割は神々の言葉を聞き 教会側との意思疎通の橋渡しをしているのです、その為 神々は厳しい条件の中で“聖人・聖女“を決めて人々に声を届ける“聖人・聖女“を選んでいるようです』
(そうなんだ、厳しい条件があるんだね、条件ってあれかな?嘘つかないとか波長が合うとかそんな感じかな?そうなると確かに条件が厳しのも分かるな、神様達も大変だね)
天華『概ね、そんな感じです、それと、教会側が決めた“聖人・聖女“は対外的な役割で公の場での教会の象徴みたいな事をしていますね、信徒の傷を癒したり巡礼をして人の心を教会に向けさせたりと色々しているようです』
(ほへー、じゃあ神様達が認めた“聖人・聖女“は“公報役や巫女さん“みたいな感じで教会が決めた“聖人・聖女“は“イメージキャラクターやアイドル“みたいな感じなのかな?)
天華『簡単に言えばそう言うことになりますね、地域によっては神々が認めた“聖人・聖女“を“神子“と呼ぶ所もありますしね』
(うん、理解した!それなら僕はアイドル的な“聖人・聖女“より知名度が低いなら あの名称の称号はつかないと判断したら良いんだね!)
夜月『多分な、確約はできない…』
(そこはしといてよー!)
抱えた黒うさぎのぬいぐるみと一緒に夜月を抱き上げ横に振った、そんな事をしているとは横から見ていた専属達がハラハラしているのに気がついた。
「う?、あ・あぁ、気にしないで遊んでいるだけだから」
夜月をちゃんと抱き直して撫で回す、ぬいぐるみと夜月は両方黒いから一見どちらを撫でているか分からないみたい、専属達は夜月の機嫌を損ねて無いかとハラハラしてるようだ。
(雑に扱ってる訳じゃないんだけどねぇ~、あ、夜月の毛並みの方がツヤツヤで気持ちいい~)
夜月『うむ、それぐらいでは怒らんぞ、後もっと強めに撫でてくれアトリー』
(はいなー、ふふっ顔を毛並みに埋めたい…でも我慢…)
夜月『む、夜の風呂前ならいいぞ』
ご希望通り強めに撫でながら夜月の艶やかな毛並みに顔を埋めたい願望に駆られていると夜月がお風呂前にしていいと許可が出た。
(本当?やった!じゃあ約束ね♪)
夜月『あぁ、約束だ』
夜月は毛並みが乱れるのか嫌いだからいつも我慢していたけど夜月自身から許可が出て嬉しくて鼻歌を歌いながら夜月を撫で続けた。
そうこうしているとソルも書類を纏め終えて夕食の時間となった。
夕食は予想通り豪勢になっており王都の屋敷の皆んなも集まりライ兄様とヘリー姉様の称号獲得を盛大に祝った、いつも通りのお祝いムードの中に初めて入った聖獣達も楽しそうにお祝いように出されたご飯を食べていた。
父様「アトリーも魔道具の製作ご苦労様」
と、父様が言ってくれて皆んなも次々に僕を労ってくれた。
「ふふっ、有り難う御座います♪」
皆んなで楽しく夕食を取り僕が目を擦り出した所でお開きとなった家族皆んなにお休みの挨拶とハグをして自室に戻った、部屋に入ってすぐに約束通り夜月に顔を埋め毛並みを堪能して、その後 聖獣皆んなと一緒にお風呂に入り着替え終わったらソルと魔力操作と魔力循環の訓練を行いベットに入った。
ソル「ではお休みなさいアトリー」
と、ソルが部屋の入り口で言ってくれたので僕も、
「お休みソル、明日は早いからソルも早く寝てね」
ソル「はい、では失礼します」
そう言って部屋の明かりを消して部屋を出ていった。
「ふぁ~、明日は王都を離れるから早く起きて筋トレ した後に荷造りしなきゃね、ぬいぐるみ達も片付けて領地の屋敷にまた飾ろう、後 皆んなの生活用品も領地に戻ったら一緒に見に行けるといいねタオルとかブラシ色々買い揃えなきゃ、ふぁ~」
夜月『もう、寝ろアトリー、先の事はまたその時考えれば良い』
「うん、そうだね、ふぅ~、お休み皆んな」
皆んなにお休みと告げてぬいぐるみの中で埋もれるように僕は眠った。
(明日の朝は忙しくなりそうだな・・・・Zzzz~)