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36話 初めての動物サーカス


 どうも!私です!今は楽しい王都観光 真っ只中です!


 昼食を食べ終わり次の場所への移動中 皆んなと楽しく会話している内に馬車は次の場所に着いたみたいだ、外を見ると王都の中とは思えないほど かなり広い面積の芝生が生えた広場に一軒家が入りそうなくらい大きなテントが立っていた。


 どうやら次の目的地はあの大きなテントで公開されている動物が出演する大道芸一座のショーを観る事だった、そう 前世で言うとことの動物のサーカスショーだ!

 そこで父様にどんな動物が出てくるのか聞くと、


父様「ふふっそれは始まるまでのお楽しみだよ」


と、言われてしまい、


「じゃあ早く中に入って始まるのを待ちましょう父様♪」


父様の手を取り引っ張って会場内へ急かした。


父様「ふふっそう急かさなくっても演目は逃げないよアトリー」


 父様に笑われながら中に入るとテントの中央に大きな円形の地面が剥き出しになった場所を柵で囲ってありその周りを入り口から左右に階段状の観客席が広がっていた、前世でも良く見る〇〇大サーカスのテントと同じような構造だが自分の知っているテントの何倍も大きな空間に驚いて呆気に取られていると父様が今回は貸切にして貰ったから好きな場所で見ていいと言われ さらに驚いた。


父様「さあ、どこで観たい?」


 と、聞かれたので皆んなで話し合った結果、


お子様組「「「「「最前列で‼︎」」」」」


と、元気いっぱいに答えた私達に大人達は微笑ましげに視線を向けていた。


(いやー、貸切なんてどこのセレブ?って思ったけど私達立派な貴族でセレブだったね)


ジュール『ねぇアトリーちゃん、アトリーちゃん、楽しみだね!』


(ふふぅそうだね♪、前世でも一回だけ友達と観に行ったことがあったけどあの時は結構後ろの方で観たから全体が良く見えて楽しかったけど まじかに観て観たいとも思ってたから今回まじかで観れるからすごく楽しみ!)


ジュール『どんな仔達が出てくるんだろうね私達以外の動物に会うの初めてだよ♪』


天華『そう言えばそうでしたね、私達は神獣としてついこの間 生まれて来たばかりですので出会った動物といえば馬車をひく馬ぐらいですかねそれも面と向かって会った訳でも御座いませんし、今から観るサーカスショーに出てくる動物達がどんな反応をするか興味はありますね』


 ジュール達は今から出てくる動物達に興味津々のようだ、

お子様組でもどんなショーが見れるのかとワクワクしながら最前列に座ってショーが始まるのを待っていた、すると不意に会場内を照らしていた照明の魔道具が消え真っ暗になったと思ったら 中央ステージの真ん中がスポットライトに照らされたそこにはタキシードにシルクハット姿のちょび髭の生えた中肉中背のおじさんが立っていた。


シルクハットおじさん「ようこそいらっしゃいました 紳士淑女の皆様方、本日は我がハヤワーン雑技団の舞台にお越しいただき誠に有り難う御座います、私は団長を務めていますスィールクと申します気軽に“団長“とお呼びください、今回は皆様方だけの特別な演目も用意しておりますの楽しんで頂けましたら幸いです、では早速始めましょう!まず最初にコーシカと可愛い猫達の回転跳びです!」


 スィールク団長はシルクハットを脱ぎ恭しくお辞儀をして口上を述べた後 手で出演者達の入場入り口を指した、

そこから出て来たのは可愛い模様違いの猫達を5匹つれた元気っ子系お姉さんのコーシカお姉さんの両肩に1匹づつと頭の上にもう1匹乗せて残り2匹はお姉さんの掌の上でバランスを取りながら立っていた。


お子様組「「「「「わぁ~!可愛い~!」」」」」


 絶妙なバランス感覚を取った可愛い猫の登場で思わず皆んなで声を上げてしまった、すると猫達が急にビクッと震えたと思ったらお姉さんから飛び降りて私達の前まで走り寄り柵越しにお行儀よくお座りしたかと思うと頭が地面に着くぐらいまで下げた。


「「「「「⁉︎」」」」」


 急な猫達の行動を見てコレはショーの一部なのかなっと思っていると、どうやら違うみたいだ猫達の調教師 兼 世話係であろうコーシカお姉さんが慌てて猫達を追ってきたその表情はとても困惑している。


お姉さん「ど、どうしたの?み、皆んな?」


 オロオロとしながらも猫達に話しかけるお姉さんを無視して今だに頭を下げたまま動かない猫達。


団長「ど、どうした⁉︎」


 スィークル団長も異変に気づき近寄ってきた こちら側の大人達や猫達の目の前にいるお子様組もこれが予定されている演技ではないと気づき始めていると。


(これはアレかな?王都に来るまでに何回か合った動物達のご挨拶からの撫でて下さい事件の延長線かな?)


天華『そんな事があったんですか?』


(う、うん、何故か街道沿いでの休憩中とか泊まった宿で飼われている動物達がやたら懐いてきて必ず初めにお辞儀をして声をかけると伏せたりお腹見せたりして撫でるまでそこを動かないんだよ、可愛いから遠慮なく撫でて来たけど今はショーの最中だからどうしたら良いのかなこれ?)


天華『そ、そうですね…』


 天華が考えていると、


夜月「なぁーお」『アトリーを困らすな、お前達は自分の仕事を全うしろ』


と、猫達に言うと猫達はバッと顔をあげコーシカお姉さんの所まで急いで戻り困惑するお姉さんを無視しながら元の場所まで戻ろうとしている。


(おぉ、有り難う夜月、しかしなんでこんなに動物達が懐き始めたんだろ?・・・・うん?いや、そう言えば領地の屋敷内で会った馬や猫とかも似たような事していたような・・・)


天華『えーっと、多分ですよ、多分、それは“称号“のせいでは無いかと』


(“称号“?)


 天華が自信なさげに原因予想した。


天華『はい、“称号“の“聖獣達を授かりし者“が関係しているかと』


(あぁ、あるねでもそれって神殿で“祝福“受けた時についたんじゃないの?)


 今だにステージの上でわちゃわちゃしている猫達を眺めながら念話している。


天華『いえ、それはステータスを見る事が出来るようになるのが“祝福“を受けた後なだけで“加護や称号“は元々ついているものなんですよ、なのでアトリー様は生まれた時から“聖獣を授かりし者“の“称号“を持っていたんです』


(そうなんだ…でもなんでその“称号“が動物達の行動と関係あるの?)


天華『それは私達が動物達の頂点と言っても過言ではない“神獣“でアトリー様がその“神獣の主人“だからでは無いかと…』


(あ、あぁ~、そうだった皆んな本当は“神獣“だったね…、あまりにも自然に皆んなが聖獣呼びしても否定しないから忘れ掛けていたよ、そう考えると隠蔽されていた“称号“は凄い効力を発揮しているよね、でもなんで“主人“なの?“友人“じゃダメなの“?私には恐れ多いいと言うか勿体無いと言うか…それにこの“称号“ないと動物達と仲良くできないのかなぁ)


天華『アトリー様、私達は貴方が人生を謳歌できるようにと神々が願ってお創りになられたのです、私達の役割はアトリー様の加護に群がってくる者達から守る事と困った時のサポートをする事です、その他に色々することがありますがその中でも優先される事柄はアトリー様の“主従“として“友人“として寄り添う事が何よりも優先します、それに他の動物達は知りませんがこれは私達の意志で決めた事、神々から言われたからしている訳では無いですからね!』


夜月『そうだぞアトリー、アトリーだからこそ側にいるんだ』


ジュール『私もアトリーちゃんのこと大好きだからね!』


 天華の言葉に他の2人も同意の声を届けてくる。


(天華…皆んな…ふふっ有り難う、今日はイネオス達と天華達の両方の気持ちが聞けてとても嬉しい♪)


 嬉しくてつい皆んなを撫で回していると。


ソル「どうしました?アトリー様?」


「ふふっなんでもないよ、あ、猫達がやっと元の位置に着いたみたいだね」


ソル「?、そうですね続きが見れるんでしょうか?」


 その後はなんのトラブルも無くショーは続き猫達のダイナミックなジャンプに驚き、犬達の統率の取れた行進芸やラインダンス、猿と“道化ピエロ“のツッコミ漫才や熊のフラダンスもどきで笑い、団員の空中ブランコや組体操、魔法による幻想的なイルミネーションなどに目を奪われたりと さまざまな演目を楽しんでとうとう最後の演目はライオン達による魔法の火の輪くぐりだ、色んな形の火の輪っかを大きなライオン達が飛んでくぐる様子はなんとも迫力満点でライオン達が火の輪に飛び込むたびに歓声が上がった、お子様組は大興奮で拍手して演技していたライオン達にエールを送っていた。


へティ「ライオンさん達凄かったですね!熱くなかったんでしょうか?」


ベイサン「凄いギリギリでも飛び込んでたのは凄かったですね!」


イネオス「ライオン達は全然怖かってたりしませんでしたね、団員さん達との信頼関係の賜物なんですかね?」


ソル「そうかも知れませんね、けど待機中のライオン達がずっとこちらを見てましたがなんだったんでしょうか?」


「あはは、もしかしたら ネコ科の聖獣の夜月が気になってたのかもね」


 と、誤魔化しておいたが原因は確実に私であろう、よく見ていると他の動物達もこちらをちょいちょい気にしていた。


(ふーっ動物達皆んな気にしながらも気合が入った演技だったね、良いところ見せようって頑張ったのかな?)


 私達はサーカスを大いに楽しみ帰り際にお見上げコーナーで出演していた動物達の可愛いグッズやぬいぐるみを買った。

*この時に専属4人と約束したプレゼントを一緒に選びそれぞれ気に入った動物のピンバッチを一緒に買って貰って専属4人に渡した、本当は自分のお金で買いたかったけど今回は父様が専属皆んなに父親からのお礼として買うからと言われ渋々引き下がった。


 最後は出演していたホワイトライオンのカッコイイ ピンバッチをスィークル団長から貰って揃ってお礼を言い見送りに出て来ていた団員さん達と猫や犬達に別れを告げ馬車に戻った。


 馬車に乗り込んだ後も私達お子様組の興奮は冷めやらず 買って貰ったグッズを出してこの動物が可愛かったとかライオンの吠えた場面が迫力があったとかサーカスの感想を言い合いながら外の景色が動き出すのを待った。


 馬車が動き出しても話は尽きず話している間に興奮して疲れたのか最初にへティがうつらうつらと船を漕ぎ出した。


「へティ、大丈夫?眠いの?」


 と、聞いても もう既に半分以上夢の国に旅立っていたそれを皮切りにベイサン、イネオスの順に寝てしまって ソルと私にもとうとう眠気が伝わって来てウトウトし始めたら馬車が一時停車したタイミングで父親勢がそれぞれの子供達を抱き上げたまま自分の席に戻って行ったソルも祖父のセルドスさんに抱かれて母親のセラスさんの元に届けられていた、私も父様に抱き上げられた所までは覚えているがその後の記憶は無い。


 なので いつの間にか王都の屋敷の自分の部屋のベッドで 今 目を覚ました私は周りを確認する。


(おや?もうだいぶ日が傾いているな、かなり長く寝てたみたいだ)


ジュール『あ、おはよーアトリーちゃん』


天華『おはよう御座います アトリー様、お目覚めになられましたか?』


(あ、おはよー皆んな!目は覚めたよ、しかし結構長く寝てたみたいだね、他の皆んな はまだ寝ているのかな?)


夜月『アトリーは3番目に起きたみたいだぞ、ソルが1番に起きて来て隣の部屋でアトリーの荷物の整理をしている』


(え!、それは申し訳ない…、整理手伝わなきゃ それにちょっと やりたい事もあるしね)


 そう言いながらベットから降りて用意されていた服に着替えて隣の部屋に移動した、扉を開けて部屋を覗くとソルがマジックバックから今日買ったぬいぐるみを出している所だった。


ソル「おはよう御座います、アトリー」


「おはよう ソル、ソルもよく寝た?」


ソル「はい、僕もついさっきまで寝てまして、いつの間にかお屋敷の部屋にいて驚きました」


「ふふっ、そうだね僕もこんな時間まで寝てるとは思わなかったよ」


ソル「ですね、こんなに長く昼寝をしたのは久しぶりですね、そう言えばイネオスが起きてて後ベイサンとへティが起きていませんね、彼らが起きたら夕食になるそうです」


「そう、皆んな色々あって疲れてたんだろうね…、あ!そうだやってみたい事があったんだった!」


ソル「やってみたい事?」


「うん!これ」


 “無限収納“から出して来たのは《ファッブロ武具店》で一緒に買って貰った装飾の綺麗な短剣と質素な作りの投げナイフ4本だ。


ソル「これをどうするんですか?」


「ふっふっふっこれをね・・・・」


 と、ソルに見せながら作業しているといつの間にか夕食の時間になっていてオーリーが呼びに来るまで夢中になっていた、大広間に着くと全員が揃っており遅れたことを謝罪して席座った。

 そして父様が食事の始まりの合図をすると料理が運ばれてきて食事が始まった、暫くするとソルが小声で聞いてきた。


ソル「アトリー様、“例のアレ“いつ渡すんですか?」


「うーん、食事が終わってから渡そうかな?」


 と、返し、最後のデザートになって皆んなに後で部屋に来て欲しいと言い、食事が終わると食後のお茶も早めに飲み終わり皆んなで私の部屋に移動した、部屋に入ると皆んなに好きな所に座って貰い寛いだ所で話を振った。


「今日は色々あったけど皆んな楽しめた?」


ソル「僕は初めての事ばかりで楽しかったです」


イネオス「僕は武具店で装備一式をいただいてとても嬉しかったです、それとライオンの火の輪くぐりの迫力が凄くて楽しかったです」


ベイサン「僕も装備一式は嬉しかったです、それと魔法の演目が凄くて楽しかったです!」


へティ「私は人形専門店で動物のぬいぐるみを沢山見た後で本物の可愛い動物達が観れてとても楽しかったです♪」


「ふふっそうだね僕もとても楽しかったよ、それでね皆んなとの思い出にコレを貰ってくれないかなって」


 そう言いながら“無限収納“から先程も出した短剣や投げナイフだ。


イネオス「短剣ですか?」


「そう、こっちの装飾のある短剣はへティに後の短剣は僕達のこれは元々投げナイフだけど僕達からしたら短剣ぐらいの大きさになるけどね」


へティ「コレを思い出に?ですか?」


「思い出の品としてもだけど護身用としても持っていて欲しいな」


ベイサン「護身用ですか?でもこの大きさの投げナイフでは僕達は投げれないですし、へティは剣術はした事ないですよ?」


「うん、それは分かっているよ、でもこれは闘うために使うのではなく守る為の物、これに魔力を込めると込めた分だけ大きく強固な結界を作り出す事のできる魔道具にしてみたんだ、それとこの結界は皆んなに悪意や害意を持った人は入れないように設定してあって この短剣自体も持ち主以外が触れる事ができないようにしてあるからね、でも同じ短剣を持っている皆んなは触れるようにしておいたよ」


イネオス達「「「へ⁉︎」」」


専属4人「「「「っ⁉︎」」」」


 話を聞いていたソル以外の全員が信じられない物を見る顔でこちらを見て固まった、皆んなのその顔を苦笑いしながら頬をかいているソル。


(あははは・・・、やっぱりやり過ぎたか?…)




 あの時お昼寝から起きた私は・・・・・・











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