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33話 初めての武器屋


 父様に連れられて入った《ファッブロ武具店》の中は予想より広く 子供含む人が17名入ってもまだ余裕があった、その店内の壁や商品棚には様々な武器や防具が所狭しと並べられていた。


お子様組「「「「わぁ、凄い‼︎」」」」


 私含めたお子様男子達は目をキッラキラさせて周りに並べてある武器に目を輝かせた。


(おぉ~!凄い色んな種類の武器がいっぱいある!あ、あれはハルバードだ!こっちはハンマー系の武器もある!あ!あれは!)


 と、脳内でお祭り騒ぎをしていると。


父様「アトリー、ソルこっちにおいで」


アトリー&ソル「「!、はい」」


 父様にソルと2人で呼ばれたので向かうと先程の親方さんがまた腕組みをして 奥のカウンターの前にいる父様の隣で仁王立ちしていた。


父様「2人とも紹介しておこう君達の紋章入りの剣と防具を製作してくれた、この工房の店主で職人の“ハントヴェルカ・ファッブロ氏“、通称“ファッブロ親方“だ、我が家とは古くからの付き合いで私を含めデューキス家の子供達の最初の剣と防具の製作をして貰っているんだよ、今日も快く工房を貸切にしてお邪魔させていただいているんだ、2人からも挨拶と自己紹介をしなさい」


 と、言われたので親方の方に行き真正面から目を見ていつも通りの挨拶と自己紹介をする。


「初めてお会い致します、僕はデューキス公爵家当主が 三男 アメトリン•ノブル・デューキスと申します、本日は急なお願いにも関わらず快く工房を見学させて頂き有り難う御座います、そしてこちらは先日の“洗礼と祝福“の際に神々から授けて頂いた聖獣のジュール「キャン!」に夜月「なぁう」最後に天華「キュー」と申します以後お見知り置きを、後こちらは僕の従者 兼 執事のソルドアです」


ソル「初めまして 僕はただ今 ご紹介に預かりました アメトリン様の従者 兼 執事をしております ソンブラ子爵当主が孫ソルドア・ノブル・ソンブラと申します、以前公爵様から頂いた剣と防具は今も鍛錬の時に使用させて頂いております、子供の自分にも大変 使い勝手のいい立派な剣と防具を製作して頂き有り難う御座います」


 と、いつも通り挨拶と自己紹介をしたら まぁ最近は慣れて来たけどいつも通り相手は固まっていた。


(うーんこの流れはいつも通りなのだけど これが今後も続くのかな?)


父様「んっんっ!親方!」


親方「…は!、おい!なんだこの子は!本当にお前の子か⁉︎それに隣の坊主も!お前やお前の子供達の誰よりもちゃんとした挨拶と自己紹介をしたぞ!それに聖獣だって⁉︎どう言うことだ⁉︎」


夜月『っ、声のうるさい男だな』


 と、矢継ぎ早に父様に大きな声で質問している、これには店内にいた皆んなもビックリしてこちらを見ている、夜月も声の大きさにビックリした様だ私は苦笑いしつつ様子を見ていると。


父様「親方、落ち着いて下さい、ちゃんと昨日手紙に書いたでしょう?ちゃんと最後まで読みましたか?」


親方「うん?・・・見た・・いや・・最後までは見ていないな!ちょっと待て!」


バタバタッ ガチャッ バンッ パタンッ ドスドスッ ガタッ ゴトンッ ガタンッバサッ・・・・・・バタンッ ドスドスッ バンッ 


天華『どこに行ったんでしょうね?』


(だね)


 親方さんは急にカウンターの後ろにあった扉を勢いよく開けて中に入って行ってしまった、その時扉は反動で閉まり入って行った扉の向こうから物を探すような物音が聞こえたと思ったら少しの間静かになり何かが倒れる音の後にこちらに向かってくる、足音がカウンターの奥の扉前まで来てまた勢いよく扉が開き 親方さんは数枚の紙を手に握りしめて戻ってきた。


親方「ほ、本物か・・・、す~ぅっ、はぁ、よし!」


「初めまして俺はここの工房主の“ハントヴェルカ・ファッブロ“、通称“ファッブロ親方“と呼ばれてる他にも“ハント親方“や“親方“など色々呼ばれているがそこは好きに呼んでくれ、坊主達の剣の製作はその時の体格と年齢を聞いて製作したもの、見ればかなり大きくなってる様だから今日は今の体格にあった物を後で見繕ってやるから安心してくれ、そして聖獣様方には先程は取り乱してしまい申し訳ございませんした!宜しければ工房内を好きに見ていって下せい!」


 と、一気に言われ一瞬間があきニッコリ笑いこう告げた。


「有り難う御座います“ハント親方“皆んなも気にしてないそうなんで親方さんも気になさらないで下さい」


 ハント親方の言葉にジュールが『私は面白かったから気にしてないよ!』と答えていたので気にしないように言ったが、


ハント親方「ッ‼︎、・・・・・お、おう、わ、分かっ…りました」


ハント親方は言葉を詰まらせつつ返事を返してくれた、でも少しまだ緊張しているようで最後の方で無理やり敬語にしていた。


「ふふっ、そんなにかしこまらなくて良いですよ、あ、そうだハント親方さっき僕達の体格に合う剣と防具を選んでいただけるとの事でしたがよければ僕の友人達にも体格に合うものを選んで頂けませんか?」


 と、頼んでみると目を丸くした後ニカッといい笑顔で。


ハント親方「おう!いいぞ!任せろ!」


 と、鍛治で鍛えたであろう太くて逞しい腕を胸の前に突き出しガッツポーズしながら快く答えてくれた。


「よろしくお願いします♪」


(おぉ、頼もしい限りだね!これでイネオス達の剣や防具も今の体格に合う良い物を買う事ができるようになるね!あ、でもここのお値段は書いてないけど高いかな?うーん、剣の相場が分からないから値段見ても高いかどうかも分かんないや…あ、そうだ!“情報開示“のスキルを使って“見て“見たらわかるかな?

…よし“見て“いいか父様に聞いてみよう)


 早速、ハント親方は私とソルの身長や腕の長さ後スリーサイズをメジャーのようなメモリのついた長い紐で測ってくれた、

(私が体のサイズを測っている時 聖獣の皆んなは邪魔にならないように下に降りて並んでハント親方の手の動きを一緒に目で追っている姿に思わず可愛すぎて胸がキュンキュンしてまったのは内緒だ)

 私達を測り終わってメモした後イネオス達2人を呼び、同じように身体を採寸しメモした後「少し待て」と言い何やら片手剣のコーナーでメモを見ながらアレでもないコレでもないと選び出した。

 それを見た私は時間が掛かりそうだと思い父様に先程考えていたことを伝えたら。


父様「ふむ、“鑑定“で剣の価値を“見て“見たいんだね…、うん、“鑑定“しても良いよでも人を“鑑定“しては駄目だよ?いいね?」


「はい!父様!」


 父様と会話している間にイナオス達は身体を測り終わった後、しばらくの間 嬉しそうにハント親方が剣を選んだりしている様子を見ていたが時間が掛かりそうなのに気づき邪魔にならない様に他の武器や防具を見始めていた、私もそこに加わり商品を“鑑定“しつつソルやイネオス達と武器について話しいると、


ハント親方「おし‼︎コレで合うだろう!おーい!選び終わったぞ!剣と防具を着けて試してくれ!」


ハント親方に呼ばれ大喜びで親方の元へ集まるお子様組大人達も興味深そうに近づいてきて少し遠巻きに見ている。


ハント親方「よし全員来たな!まずソル坊!お前は坊主達の中で1番大きいからこの先の成長を考えて少し長めの物にしておいたぞ、後 防具は調整が効くのにしていたからな」


 ソルは皆んなの中で1番身長が高い約125センチぐらいなので使用する剣は身長の約3分の1の長さが理想だとされるので40センチより長めに45センチほどの剣と ベルトで調整可能な金属の胸当てや小手、肩当てなどの防具一式が用意されていた、用意されたそれらを試着するように言われ一緒に来ていたカインに手伝ってもらい早速着けて見ている。


 その間にイネオスとベイサンの剣と防具も渡されて彼らも試着するのにそれぞれの親や使用人に手伝って貰いながら着け出した最後に私の番になって、


ハント親方「おし!最後はアメトリンだな!お前さんが欲しがっていた奴は今のお前さんには少しデカいからな少し前に試しで作ってみた“脇差“を用意してみたぞ、コレなら今のお前さんでも使えるはずだ、それは大体 予備の武器として使われるのが主だが今の体格ではこれが限界取ろうな、後それ用にってわけじゃぁねえがお前さんの戦闘方法を鑑みて防具も軽めの革製で用意しておいたぞ」


「わぁ!有り難う御座います‼︎」


 採寸している間に戦闘スタイルや希望武器の種類など様々聞かれてこの店に入った時見かけた“刀“が欲しいと頼んだのだ、この世界にもと言うかこの国にも“刀“を作れる人がいる事に感動しつつ、前世でも家に何故か置いてあった金属製模擬刀をずっと眺めていたり、ゲームでも主軸武器に“刀“を装備して遊ぶくらい好きな武器を実際に使用できるとあって興奮していた。


(“刀“を擬人化させた 某 刀男子達のゲームも元になった“刀“の展示会にも行きたいくらい好きだったなぁ当時は開催されていた場所が遠すぎて行けなかったけど…)


 差し出された“刀“は“脇差“だけどそれでも立派な斬れる“刀“だ、鞘から頭身を抜き眺める長さは約40センチやや反り返った刀身に規則正しく美しく波打つ刃文に目を奪われ ため息が出る。


「ほぅ…、綺麗…」


(これはかなり良い出来だし高いんだろうな…、“情報開示“っと)


====================


   +試作品の脇差+


詳細:低品質の玉鋼を使用し 最高の鍛治師の手によって鍛えられた上質な“脇差“


付与:刀身に硬化の付与がされている


効果:“刀“としての柔軟性を損なわない程度の硬化作用がある


   通常の“脇差“より折れにくい


価値:15万リトス


備考:試作品と称しているが製作者の腕もあり試作品としてはかなり上質な出来上がりの一品


====================


(おお、やっぱり!そして値段はコレで良いのか気になるぐらい安いな、他の武器は20万越えなんてざらなのに)


夜月『それは使っている材料の問題なのではないか?」


(うん?あ、確かに試しに作ったって言っていたし低品質の材料で作って見たのかな?)


 ジッと“脇差“を見惚れていた私に、


ハント親方「がっははっ!気にったか!」


「はい!とても素晴らしい“刀“です!」


ハント親方「そうか!素晴らしいか!がっはははっ!よし!その“脇差“お前さんにタダでやる‼︎持ってけ!」


「え⁉︎そ、それは良いんですか⁉︎流石に…」


急に“脇差“を無料でくれると言い出した親方にあたふたしていると。


「良いんだよ!俺がお前さんを気に入ったんだ!それにその“脇差“は試作品だからな!次に来る時にはもっと良い“刀“を用意してやるから、今はその“脇差“で我慢しろ!そん時はちゃんと金はもらうからな!」


 また「がっははっ」と笑いながら言われてしまってはあまり食い下がるのも失礼かと思いチラッと父様の顔を伺えば無言で苦笑いしながら頷くのでありがたく頂く事に、それから防具も試着してみると左肩にだけ肩当てが付いているタイプの上から被って両脇腹の方にある紐を引き締める事でサイズを調整できるようになっている革製胸当てと、金属板が貼られている小手に脛当て、腰には“脇差“を下げる為の頑丈そうな革で編み込んである革紐付きの太めのベルトに小さいポーチが付いた物に“脇差“を着けて出来上がりだ。


「どう?皆んな おかしくない?」


 と、先に試着していたソル達に見せて見ると。


ソル「とても良いと思いますよアトリー様」


イネオス「そうですね、アトリー様の剣は珍しい形をしてますね」


ベイサン「でも、腰回りの防具がないですが良いのですか?」


「あぁ、それは良いんだ僕の体術の主な攻撃方法が蹴り技だからね、腰回りに鎧があると邪魔だし僕の剣は斬る事に特化した武器だからね あまり武器と武器で撃ち合う事はない様に素早さ重視で動くから重い鎧は着ないようにして見たんだ」


ベイサン&イネオス「「へー、凄いですね!」」


 そう説明していると何やら外が騒がしい、店の前で何やら揉めているようだ。


?「だから!私はここに用があるんだそこをどけ!」


騎士「何度も言いますが!ここは今日は貸切で通常の営業はしていないと言っているでしょう!御用があれば明日以降に来られて下さい!」


 このようなやり取りがループして聞こえてくる。


「?、なんだろうね?」


イネオス「同じことを何度も言ってる様ですね」


ベイサン「断られたんだからすぐに引けば良いのにね しつこいと嫌われるのに」


ソル「そうですね、変な方ですね」


「本当だね、変な人だね」


 と、会話していると、外の様子を見てきた護衛騎士が父様に何か耳打ちをしている、父様は聞き終わると少し考えた後に耳打ちしてきた護衛騎士に小声で指示を出し 私達にそろそろ時間だから装備を脱いでお会計をして隣にご婦人方を迎えに行こうと言ってきたので すぐに防具や剣を外し出した、私は軽装だったのですぐに終わったので父様にお願いして追加で装飾の綺麗な短剣と質素な作りの投げナイフ4本を買って貰うことにした。


 そしてお会計の時に父親勢で何か揉めていたどうやら父様がここの支払いを全てしてしまったようだ、そのことでソルやイネオス達の保護者達が自分で払うと言いそれを父様が皆んなの“洗礼と祝福“のお祝いにプレゼントさせてくれと言って譲らないようだ、父様が譲る気がないと感じた保護者達が折れてプレゼントとして受け取る事になったようだ。


(父様も意外と頑固だからなぁ)

*自分も父様に追加した剣とナイフの代金は後で商業ギルドの自分の口座から引いてくれと頼んだがこれぐらい払うからと了承してくれなかった。(解せぬ)


 お会計を済ませてそれぞれの使用人達に持たせてあるマジックバックに装備一式をしまっている時。


「父様、僕の物は自分で“収納“して良いですか?」


 と、聞くと「良いよ」と言われたので自分の分の装備一式を受け取り“収納“の使い方を天華に聞きながら“収納“してみた。


(装備一式を意識して“収納“っと)


シュンッ


 手に持っていた装備一式がなくなってその代わりに視界の端で、


『装備一式を無限収納に収納しました』


と、テロップが流れた。


(おぅ、ゲームっぽい!)


天華『それで分かりやすいようにしてあるそうです、そのテロップがいらない時はアナウンスと同じ方法でON/OFFして下さい、そして“無限収納“の中の物を取り出したいときは“無限収納のスキル“を意識して目録画面を出して見ながら取り出すか、もしくは取り出す物と取り出す場所を指定しながら意識して取り出す事ができます』


(おぉ、便利だね!うーんテロップは一応そのままにしておこうかな?そう言えばこの“収納“できる範囲はどれくらい?触らなきゃだめ?)


天華『そうですね、まず触らなくても“収納“できます、それと確か“収納スキル“はスキルレベルが上がることで収納できる量が増えますが“収納“できる範囲は1m~5mまでしか増えませんが“無限収納スキル“は収納量は制限がないので“収納と取り出し“の範囲がスキルレベルで大きく変わっていきます、最初が5mで最後は条件次第では無限だったはずです』


(・・・え?マジですか?)


天華『マジです』


(うーわぁ、すごいなぁ)


 思わず現実逃避した。


(そっか、触らなくても良いんだねバッチイ物も入れる時 触らなくて良いのは有り難いね)


天華『そうですね、私も汚いのはあまり触りたくないですね』


(だよね~)


 天華と頭の中で会話していると父様がハント親方に挨拶して出ようと言ったので、お子様組皆んなで並んでお礼を言うとハント親方が照れたように「ちゃんと手入れもするんだぞ!」といったので皆んな元気よく。


お子様組「「「「はい!ハント親方、有り難う御座いました!」」」」


 と、再度お礼を言った。


ハント親方「おう!また来い!」



 その後は父親勢もお礼を言い店の入り口に向かい護衛騎士達が警戒する中 外に出た、外に出て隣の店のシュムック宝飾品工房に父様と中に入っていくその時他の人達は店内が狭いという事で外で待つことに。

 中に入ると色々なアクセサリーがケースに入って並んでいた店内は清潔で華やかな雰囲気を醸し出していた。


(おぉ、綺麗!キラキラ光ってるこの石はなんだろう?)


 入り口近くにあるキラキラ青く発光しているブローチを見ていると、


父様「アトリーどうしたんだい?その青い魔石のブローチが気に入ったのかな?」


「いいえ、ただキラキラ光って綺麗だなってと思って見てました」


父様「キラキラ光って?」


「?、どしました?」


夜月『アトリーその光は多分 精霊が光っているのだと思うぞ』


「精霊?」


夜月『そうだ、そもそも私達やアトリーは精霊を見ることができる目を持っているからな、父親は魔石と言ったがそれは精霊の宿った精霊石だ、魔石 同様 魔力を保有しているので間違えやすいがその石の中の魔力は精霊が保有している魔力を勘違いした人が魔石だと思い持って来たんだろう、人族には精霊自身が姿を見せなければ精霊を見る事はできないからな』


「精霊石、じゃあこれは、この石は精霊そのもの?」


夜月『それは違う、精霊がその中で寝ているんだ、石や岩の土の属性を持つ低級の精霊がそこら辺の石の中に入り本来なら自然の中にあることで周りの自然のエネルギーである“マナ“を吸収し進化するための休眠状態の石が精霊石だ』


「え!、それじゃあこれここにあったら中の精霊はいつまで経っても進化できないんじゃ…」


夜月『そうなるな、まぁ進化自体もかなりの時間がかかるからな精霊自身もそんなに気にしてないと思うぞ』


「そうなの?でも…」


 周りを見渡すと数カ所でキラキラ光る宝石があるのを見て本当にいいのかな?と思っていると、


父様「アトリー、その石は精霊石なのかい?」


「あ、父様」


どうやら口に出して話していたらしい。


「えっと、はい、どうやらこの中に進化のために眠っている精霊が入っているそうです、でもここは自然が無いから進化する事ができなくて、ずっと眠ったままになるかも知れないって」


父様「そう…か、よし、アトリー他にもキラキラ光っている宝石はあるかな?」


「え、あ、はい、いくつか有ります」


父様「じゃあそれを教えてくれるかい?」


 と、意味ありげに笑って聞いてきた。


(ワォ父様太っ腹!)


「はい!」


 そこから店内を見ながらたまに光の弱い石も“情報開示“のスキルも使い精霊石か確認しつつ探し出した精霊石は9個にもなった、その間に“情報開示“スキルが4になったとアナウンスが流れた。


父様「結構あったね5個ぐらいだと思ったが…」


「ですね、僕もそのぐらいだと思ってました」


 そう話していると、


母様「2人ともどうしたんです?何か欲しいものがあったのですか?」


「あ、母様」


父様「シリーすまないね事情は後で話すから、それより君達のお眼鏡に叶った物はあったかい?」


母様「え、えぇ、それなりに有りましたが、貴方ちゃんと後で教えて下さいね」


父様「あぁ、大丈夫ちゃんと詳しく話すから今ここでは無理だから屋敷に戻ってからにしよう」


父様はちゃんと話すことを母様に約束して母様達の選んだ宝石の支払いをしにカウンターに向かった。

 そこには複数のアクセサリーが置いてあり ほとんどが我が家の女性陣の選んだ物らしい、置いてあるアクセサリーの中にも一際キラキラ光るピンクの石が嵌まったブレスレットが1つあり私は父様の洋服の裾を引っ張りそれを指差して伝えた。


父様「!、これは誰が選んだものかな?」


 と、女性陣に聞くと皆んなの視線がへティに向いたどうやらあのブレスレットはへティが選んだ物らしい。


(あちゃ~、これはまずいかな?うーんどうしよう父様は精霊石を全部買ってくれるつもりだったみたいだし、流石に7歳の女の子にアクセサリーを譲ってくれなんて言えないよねぇ~どうしようへティに詳しく説明したいけど私が精霊を見える事もバラさなきゃいけなくなるしなぁう~ん)


 と、脳内で悩んでいると 隣にいる父様もどうするか悩んでいるようだ。


ジュール『あれ、でもあの精霊石ちょっと変だよ?光が他のより強くない?』


(そう言えばそうかも?)


天華『もしかして進化がもうすぐ終わる所だったんじゃ…』


(え、進化完了まじかでここまで来ちゃったの⁉︎ど、どうしよう?かなり可哀想なんだけど!)


夜月『ふむ、アトリー、へティ嬢は外で遊ぶ事が多いか?』


(え?、そ、そうだね、イネオス達と家が近くてよく外で一緒に遊ぶと言っていたよ、へティ自身も庭でよく花を見たりしているって・・・あぁ、そう言う事!)


夜月『そう言う事だ、早く父親に伝えてやれかなり悩んでいるぞ』


(あ!、そうだね有り難う夜月!)


 夜月にお礼を言い父様の服の裾をまた引っ張りこちらを向かせて耳を貸して欲しいと伝えた、父様は屈んで私に顔を寄せて来た。


「父様あのブレスレットの精霊石はもうすぐ進化が終わりそうな精霊が入っているみたいなんですけど、へティがそれを付けて外で遊んでいればその内 進化が終わって石から勝手に出て行くみたいですから、ブレスレットはそのままへティに渡しましょう」


 と、小声で伝えた。


父様「!、そうか分かった そう言う事ならへティちゃんを悲しませなくていいね」


 話を聞いてホッとした父様は立ち上がりへティあのブレスレットをプレゼントすると言った。


へティ母「え、そ、そんな、よ、よろしいのですか?」


父様「えぇ、良いんですよ、武具店の方で男の子達には“洗礼と祝福“のお祝いにプレゼントを上げてしてしまったのにへティちゃんには無いなんて不公平ですからね」


 と、上手く丸め込んだ父様、元々へティの分は払うき満々だっただろうけど、それを聞いたへティは嬉しそうに笑っていた。


「へティ、よかったね」


へティ「はい!嬉しいです♪」


「そのブレスレットとってもへティに似合うよ」


へティ「本当ですか?私もとても気に入ってすぐコレに決めたんです!」


「そうなんだ、ブレスレットもなんだかへティとずっと一緒にあったみたいに馴染んでいるね」


へティ「ふふっこれからずっと付けます♪」


「良い物見つけれてよかったねへティ」


へティ「はい♪」


天華『上手く誘導 出来ましたねアトリー』


(ふぅ、これでブレスレットの精霊石の精霊はそのうち進化できるよね?)


夜月『あぁ、心配しなくてもその内 進化を終え石から出ていくさ』


(うん、そうだと良いな)


 そう会話していると父様は我が家の女性陣のアクセサリーと精霊石の入ったアクセサリー(へティのも含む)を購入し外で待っているイネオス達の父親達と交代して外で待つことに、イネオス達の母親達の選んだアクセサリーの会計がそれぞれ終わった家族達から外に出てきた。


 全員揃った所で馬車に移動していると、歩いている道の脇にある細い路地から急に人が飛び出てきて、丁度その路地の前を通り掛かっていた私に向かって何か喚きながら突進してきた、男のその手にはナイフを持っていた。


?「お前のせいで‼︎お前のせいだ‼︎死ねーーーーーっ‼︎」


「⁉︎」


「「「「「「「「「アトリー(様)!!!」」」」」」」」」「「「「キャァーー!」」」」


 周りの人の叫び声が通りに響き渡った。










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