表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
482/483

21話 “学園祭“・・・始まり・・・


 はい!どうも!僕です!ついに開催されました!“学園祭“!今日は開催初日ですが、マジ、ヤバァイぐらいの人が押し寄せています!!


「・・・人、多過ぎじゃないかな?」


ソル「ですね・・・、入場できるのは学園の在学生から招待された方だけですが・・・それも、事前に招待申請が無ければ入れない筈です・・・」


ヘリー姉様「そうなのだけど、今年は開校以来、最多の来場申し込み人数だったと、学園長が驚いてらしたわ。それに、これでも1家庭に招待できる人数を制限しているのよ?・・・まぁ、学園生全員が人数制限一杯に、人を招待するとこうなるって事ね・・・それに、来年卒業予定のあなた達の招待人数制限は他の学年より多く枠が設けられているし、王族や高位貴族家ともなれば護衛や使用人の枠まであるから、どうしても大人数になってしまうわね・・・」


「それにしても、ですよ!?どうして、ここはこんな事になってるんです!?もう、悠長に料理の提供とかできない人の多さですよ!!?」


ヘリー姉様「えぇ、そうね・・・これは予想以上だったわ・・・」


 そう言って僕達の視線の先には、出店の会場となっている食堂の食事スペースに、来場した招待客達がぎゅうぎゅうに詰めかけていて、カウンターでの注文受け付けや商品の受け渡しすらできないほど混雑していた。

 詰めかけて来た招待客達は我先にと、互いに押し合い怒鳴り合いながら、自分が1番最初に注文しようとカウンターに乗り上げる勢いで、その勢いに注文受け付け担当のクラスメイトはどうして良いか分からず目を回していた。その様子を飲食制作担当の僕達と担任のヘリー姉様はドン引きしながら見ている・・・(ちなみに、この状況に身の危険を感じて、カウンターを含めた厨房全体を教員とクラスメイト以外を通さない結界をすぐさま張ったよ(*´Д`*)・・・だって、1番最初に来たお客さんが目をかっぴらいた状態で駆け込んできたからね(・Д・)・・・真面目にあれは怖かった・・・)


「・・・はぁ、これは食堂自体に入場制限するしかないですね」


ヘリー姉様「そうね。仕方ないわ、そうしましょう。ふむ、まずは話を聞いて貰う為に静かにさせる事からかしら?」


「そうですね・・・さて、どうやって静かにさせるか・・・」


ヘリー姉様「ふふっ、こう言う時は担任の私に任せなさい、・・・・・すぅーーっ、“皆さん、お静かに願います!“」


「「「「「ひゃっ!?」」」」」 「「「「「わっ!?」」」」」 びくっ!!??


 ちょっとやそっとの大声じゃ、誰の耳にも届かないほどの喧騒に、どう対応すべきかと悩んだ末、僕が入場制限を設けるべきだと提案すると、ヘリー姉様はあっさりとそれを認め、すぐに実行する事にしたようだ。

 それにはまず、すでに食堂内に入ってしまっている招待客達に、入場制限の説明知る事が重要だと判断したヘリー姉様は、今、順番争いにヒートアップしてこちらの声が届かない状態の招待客達を、宥めて静かにさせる事が最優先と決定したので、僕はどうやって招待客達を静かにさせるかと考え始めた、そしたらヘリー姉様がここは自分の出番だと言って、胸を張り注文カウンターの所まで歩き、注文受け付けの担当の女子生徒の肩をそっと叩いて耳元で何か囁くと、女子生徒は静かに頷いてその場を姉様に譲り下がっていった。そして、そこに姉様が立つと、息を多く吸って、“軽い魔力威圧“と共に、声を張り上げた。

 すると、その“魔力威圧“の乗った声に食堂内の招待客達が一斉に驚き、耳を抑えて押し黙った。


(おぉ、“魔力威圧“の使い方が上手いな、ヘリー姉様(*´Д`*)・・・)


ヘリー姉様「ご来場の皆様、本日は6ーAクラスの出店に足をお運び頂き感謝申し上げます。ですが、現在、このように大変混み合ってしまっている為、料理のご提供ができない状態になってしまいました。なので、料理の提供を円滑に行うために、食堂へのご入場を制限させて頂きます。まず、カウンターから室内の半分、“アイスウォール“」 バキバキバキッ!!


「「「「「うわっ!?」」」」」


 風魔法で声を室内全体に届けると同時に、声に魔力を乗せて軽い“魔力威圧“状態にしてから、招待客達を静かにさせて、今決まったばかりの入場制限の説明をし、一旦、室内の人数を減らす為に食堂のちょうど中間あたりに氷魔法で壁を作り出した。急にできた壁に招待客達は驚いていたがヘリー姉様は気にせず説明を続けた。


ヘリー姉様「今できた氷の壁、ここまでの方々が最初のお客様として残って頂きます。申し訳ありませんが、後の方々は入り口から順次退室してください。退室を始めた方から入店の順番を書いた木札を入り口の方でお渡ししますので、静かにゆっくりと退室をお願いします」


 そう言い終わるとヘリー姉様はニッコリ笑顔を作って、招待客が動き出すのを待った。そして、数秒後、ヘリー姉様の説明が理解できた人達から静かに移動を始め、説明通り、入り口の付近にいつの間にか立っていた注文受け付け担当の女子生徒から、番号が書かれている木札を順に受け取り、静かに食堂から出ていく・・・


(わぁー、あの笑顔の圧に押されて、皆んな静かに出て行ってるぅーーっ(゜∀゜)てか、順番待ち用の木札なんて、いつの間にそんな指示を!?・・・あ、さっきカウンターに立っていた注文受け付け担当の子か!!( ・∇・))


 徐々に人が少なくなっていき、後は数人を残すだけとなったのだが、その数名が一向に室外に出る気配がないので、番号が書いてある木札を配っていた女子生徒がその人達に声をかけた、そうすると、どうやらその人達は氷の壁の向こう側に自分の子供や親など、同行者がいて、たまたま、室内の中間部分で同行者達と固まっていた為、急にできた氷の壁によって分断されてしまった人達のようだと、話を聞いてきた女子生徒が報告しに来てくれた。


ヘリー姉様「あら、それは申し訳ない事をしてしまったわね・・・そうね、子供達もいるようだし、バラバラに食事させるのも可哀想だから、その人達も前半分のお客様に組み入れましょう」


 そう決めたヘリー姉様は作った氷の壁を崩し、分断されていた人達を合流させると、室内に残った招待客達に向けて、注文カウンターの受け付け担当達の前に一列に並ぶよう指示した。

 先程の魔力威圧の件の影響か、それを聞いた招待客達は静かに指示に従い、揉める事なく譲り合い、今度は同行者達とも離れず、カウンターに等間隔に3人並んだ受け付け担当の女子生徒達の前に、一列に並んで行った・・・


 少しして、全員が一列に並び終わったのを確認したヘリー姉様は、


ヘリー姉様「ふぅ、これでやっと始められるわね。・・・では、6ーAクラスのカフェ、開店いたします!」


 と言って、やっと、クラスの飲食店が開店し、僕達の“学園祭“が始まった・・・



 ・・・数分後・・・


「店内で軽食、白身フライ2と、チーズサンド1、盛り合わせ1、飲み物、果実水、ブドウ1、リンゴ1、紅茶1、コーヒー1、お願いします!」


「「「「はーい!」」」」 「白身フライすぐできるよー!」 「「「「はーい!」」」」


「お待たせしましたー!先に、たこ焼き2つとお飲み物になります、残りのご注文の品は出来次第、こちらの番号札でお呼びいたしますので、もうしばらくお待ちください」


「こっちも店内で軽食、貝焼き1、マリネ1、たこ焼き1、チーズサンド3、飲み物、紅茶3、果実ソーダ、レモン1です!」


「「「「はーい!!」」」」 「貝焼きは後1分待ってー!後、貝が一箱無くなりそうだから在庫持って来てー!!」 「はーい!今持って行きまーす!」


「7番様ー!残りのご注文のお品ができましたので、カウンターまでお越しくださーい!」


「はい、5番様、こちらが残りのお品の、貝類のバター醤油焼き1と白身のフライ1です。これでご注文の品は全て揃われましたか?・・・はい、では最後に、お食事が終わりになられましたら、あちらの方にお皿などを重ねてご返却ください。・・・ありがとうございます。どうぞごゆっくり・・・」


「マリネとフルーツ盛り合わせは常時10皿、盛って置いておいてください!!」 「「「「はーい!」」」」


「お持ち帰りでご注文された103番様ー!ご注文の品ができましたので、カウンターまで取りに来られてくださーい!」


 と、ほんの数分で、食堂内の裏方は戦場と化した様に大忙しとなったのだが、下拵えと、開店前から時間のかかるメニューは作り始めていたので、順次それが提供されて行っている状況なので、今の所、長い間招待客を待たせてはいないが、出ていくスピードが思った以上に速いので、調理担当の僕達はずっと料理を作っている所だ・・・


(わぁ~、これ、“フードコート方式“にしてなかったら、絶対お店回らなかっただろうなぁ、いちいちテーブルまで品出しして、皿とかの片付けしてたら、すぐに人手が足らなくなるところだったよ・・・(*´Д`*))


 注文を受けてから、店内で食べる場合は先に作り置きしていた軽食や注ぐだけの飲み物などを渡しつつ、すぐに出せない物は番号札で管理し、お客様に品物を取りに来てもらい、食べた後も食器は返却口に戻してもらう。持ち帰りの場合も同じようにして出すのだが、器だけが使い捨てのものを用意していて、それで提供する形になっている。

 まぁ、これは前世のショッピングモールなどでよく見た、“フードコート方式“なのだが、最初、クラスの話し合いで注文受付や提供担当をすることになったクラスメイト達は、こちらの世界では定番のレストラン方式にしようとしていたので、僕が慌ててそれを止めたのだ。そもそも、僕達は持ち帰りも想定していたので、“レストラン方式“だと、飲食店の店員などした事がない王族や貴族の子供が多いこのクラスでは、すぐにお客さんが捌ききれなくなると思い、この人との接触が少ない、“フードコート方式“を提案し、それが採用となった。(対応の仕方やセリフなども、僕が大体教えたから、さらにフードコート感が出てるんだよねぇ・・・(*´ー`*))


(・・・しかし、待たされる人は出てくるだろうなぁとは思っていたけど、最初からこんなに詰めかけてくるとは思わなかったよ。

 それに順番待ちの人に配ってた番号の振ってある木札、注文カウンターのと色が違うから、元々順番待ち用で作ってたのか・・・て、事は、ヘリー姉様は元々これを想定してたから、さっきの入場制限にすぐに賛成してくれたんだな( ̄▽ ̄)・・・)


 と、僕はタコ焼きを黙々と作りながら、自分の姉の抜かり無い準備具合に感心していると・・・


「ちょっ!勝手に入らないでください!困ります!!」


 と、何やら食堂の入り口の方から、大きな声で誰かに注意をする言葉が聞こえてきた・・・


(なんだ??(・・?))


 これが、“学園祭“最初の騒動の始まりだった・・・・

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ