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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
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13話 “可愛いは正義“


 はい、どうも、僕です。新メニューを決め終わって、マルキシオス領で海でのバカンスが済んだ僕です・・・


 今日は、何故か、ムーグラーフ辺境伯領にある、大樹の根元に来ています。


カミィ姉様「ごめんね、アトリー、折角の夏休暇中なのに・・・」


「いいえ、気にしないでくださいカミィ姉様、可愛い“リアン“や“モーラ“に関している事ならいつでも喜んで駆けつけますよ。・・・さて、一体何があったのかな?“リアン“、教えてくれる?」


リアン「うん!にーに、せいれい、き、ね、いたいっいたいって!にーに、いたいいたいのとんでけちてっ!」


「・・・ふむ、・・・精霊樹が何か痛がっている、と・・・それを僕に治して欲しいって事か・・・リアンには精霊樹の気持ちがわかるのか・・・それと同じように“モーラ“も何かに反応している??」


モーラ「あぶぅ~」


「ふふっ、可愛い♪モーラ、僕に抱っこして欲しいの?「あ~っ」ふふっ、良いよ、おいで♪」


リアン「ぼくもーっ!」


「はいはい、リアンもね♪」


(ぐ、ぐふっ!!か、可愛いの過剰摂取で死にそうだっ!!( ゜д゜))


カミィ姉様「まぁまぁ、2人とも、本当にアトリーが大好きねぇ、うふふっ」


 マルキシオス家でのバカンスが終わって、夏休みもそろそろ終わろうかとした頃、ムーグラーフ領で暮らしているカミィ姉様夫婦が珍しく、自ら屋敷同士を繋いでいた転移の魔法陣でデューキス領の屋敷に、三年前に産んだ長男“リアンタイガ“と去年産んだ第二子の女の子、“コスモラ“の2人を連れてやってきたのだ・・・


 “コスモラ“は“コスモオーラ“と言う、真珠のような光沢のある輝き方をする青紫色の鉱石の瞳に、明るい金色のふわふわした髪をしたカミィ姉様似の可愛い女の子。“リアン”と同じくとても魔力が多い子で、その魔力がコレまた精霊が好む魔力だったことから、生まれた時から2人して精霊に囲まれて過ごしている。そんな2人が数日前から領地に昔からある“大樹“、“精霊樹の枝葉“の方をずっと気にしていたらしく、カミィ姉様夫婦は“大樹“によく精霊が集まっているのを知っていたので、またそれが見えて気にしてるだけだろうと、最初は気にしていなかったのだが、それが今日の朝になって、急に泣きながら“大樹“の方に行きたいと言って暴れるほどだったとか・・・その子供2人の様子を見たカミィ姉様夫婦はすぐに“精霊樹の枝葉“に何かあったんだと察して、様子を見に行ったのだが、表面上の異変が何もなかったことから、自分達ではわからない部分で何か起きているのだろうと思って、“精霊樹“と深い繋がり持った事のある僕を頼って、急遽、僕のもとにやってきたのだ。


リアン「にーに、んっ!」ギュッ!!


モーラ「あーっ」ぺとっ


(ぐはっ!だ、だめだ!両側から可愛いが迫ってくる!!そんなにくっ付かれちゃうと、僕が天に召されてしまうっ!!_:(´ཀ`」 ∠):)


 両腕に抱き上げたリアンとモーラは、何故か競い合うように僕に抱きついたり、身を預けるようにくっ付いてくるので、僕の脳内での萌キュンフィーバーが止まらず。2人の可愛さに愛しさが止まらず萌え死にしそうになる・・・


カミィ姉様「あらあら、2人とも、そろそろ、アトリーにーにから離れましょうね。じゃないとにーにが倒れちゃいそうだわ、ふふっ」


 と言って、2人を引き離してくれなかったら確実に僕は萌え死に、または尊死していただろう。ありえないほどだらしない顔で・・・


「っ、・・・カミィ姉様、ありがとうございます。もう少しで2人を抱えたまま倒れる所でした・・・」


(ふぃ~っ、マジで危なかった、リリ嬢やロシュ君達の前で物凄いデレ顔を晒したままぶっ倒れる所だったぜ・・・)


雪花『・・・すでに遅いような・・・』 こそっ


春雷『コラッ!言っちゃだめ!!』 こそっ


 契約精霊達に何やら言われているが、今回はちょうど、リリ嬢とロシュ君を含めたいつものメンバーを、デューキス公爵領のお屋敷に招待していた時だったので、ついでに転移魔法で皆んなを連れて“ムーグラーフ領“に来ていたのだ。イネオス達は僕が甥っ子や姪っ子達、小さい子供に甘いのを知っているので、少し困った人を見る表情だが、ロシュ君やリリ嬢、特にリリ嬢は、普段の学園での僕の冷めた表情を長く見ていたからか、僕のこんな子供達に甘いだらしない顔をしているのは衝撃的だったようで、静かに固まっていた・・・


「ん“ん“っ!そ、それで、ハウイ義兄様、ハウイ義兄様の方に何か異変などの報告はなかったんですか?」


ハウイ義兄様「ん、あぁ、それが“大樹“に関しては何もないんだよね。・・・ただ、ここ数日で、“大樹“周辺でここら辺で観光目的とは思えない人間がうろついていた、と言う情報はあるが、特段何かをしているような行動は見ていないとのことだった・・・」


「ふむ、不審人物はいたが、何かしているような目撃証言はない、と、・・・でも、怪しいことは怪しいですね・・・、まぁ、それが“大樹“の異変に関係あるかどうかは別、と言う事ですか・・・」


 咳払いで気まずさを誤魔化し、カミィ姉様の隣で苦笑いしながら僕達を見ていた、ハウイ義兄様に、ここ最近、“大樹“周辺で変わった事がなかったか?と、子供達以外で異変に気づいた者が居ないか、と言う意味も持たせて、情報が入ってないかと聞いてみると、不審者は見かけたと言う情報はあったが、何か仕掛けた様子はなかったと言う、報告はあったらしい・・・

 何故そんなにハッキリ言えるかというと、そもそも、この“大樹“があるムーグラーフ領の領都“グナーデアルボル“は少々特殊な街で、“大樹“は街からほど近い場所の、見上げるほど高い岩山の山頂に生えていて、その岩山の麓には少量ではあるが、宝石が取れる坑道が掘られているので、その坑道の周辺は領主の厳しい管理下に置かれて、入坑の制限までされている。

 だが、この“大樹“自体が街の観光の目玉ともなっていたりするので、宝石坑道の坑道入口とは別に場所に、岩山の頂上にある“大樹“の根本まで行ける、観光客向けに整備された山道があり、その山道入口で入山料を取りつつ入山者の人数も記録、把握し、観光客の安全も考えて要所要所で警備もされているため、“大樹“の周辺は常に多くの人の目がある状態なのだ。


 そして、その不審者の情報をもう少し詳しく聞いてみると、どうやらその不審者、わざわざお金を払って“大樹“をみに来ているにも関わらず、“大樹“を最初、一度だけ見上げただけで、それ以降は、ただ、“大樹“の根本周囲をひたすら歩き回り、観光者向けの土産物店や休憩所の使用もせず、飲食の出店にも興味を持たなかったらしい・・・おおよそ、観光客がしがちな行動を全くしない人物が、数日続けて訪れているのを、“大樹“の根本周辺の警備をしていた衛兵隊員達が不審者と認識してよく覚えていたそうだ・・・

 ただ、それは日中だけの話で、夜間は最低限の警備しかしていないため、夜間に不法侵入されている可能性は高く、密かに何かしらの細工されても、夜は暗くて目撃されていないだけの可能性がある。


 なので、もしそのような何かしらの細工がされているとして、それが異変を起こしているなら、僕の“神力“を使った鑑定能力を使えば一発で異変の正体が分かるだろう、それをすぐに実行したいのだが、一つ、問題があった・・・


(うーん、“大樹“を調べるのは“神力“を使えば簡単なんだけど、今、このメンバーでするのは・・・どうしようか、周辺は今立ち入り禁止になっていて、ここにくるまでの山道や周りの森全体も含めたところまで、ここにいる人以外を排除する結界をはれば誰にも見られる事はないんだけど、リリ嬢がなぁ・・・リリ嬢以外は知ってるんだけどなぁ・・・教えて良いものか・・・うーん・・・(*´-`))


 自分の能力や“現人神“だと言う事をバラして良いものかと、悩んでいると・・・


夜月『そんなに信用できないか?』


 と、いつものように僕の隣にお座りしている夜月が、考え込んでいた僕の顔を覗き込みながらそう聞いてきた。*天華とジュールはリアン達の相手をしてくれているよ♪


(あ、いや、信用できないことはないんだけど、彼女の家族がねぇ・・・彼女自身は信用できると思っているけど、彼女の周りの人が彼女の弱みを握って、脅しで情報を引き出そうとしたら?と思うと、どうしてもね(*´ー`*)・・・彼女はまだ、イネオス達より弱いから・・・)


夜月『ふむ、あのご令嬢の身の安全も考えて、と言うことだな?』


(まぁ、そう言う事・・・)


 夜月の言う通り、世の中には知らなくて良いこともある、それが自分の身を危険に晒すような内容なら特に・・・そう考えて、一緒に冒険者活動し出して、親密度が高くなって来たとしても、彼女の家族や周辺の人達が、イネオス達の家族のように僕の事をよく知っていて、それを利用しようと思わないような良い人たちとは限らない、現に一度、彼女の両親は彼女に“「僕と親しくなって、なんでも良いから家の利益になるような話をもってこい」“、と命令した事があり、その言葉に彼女はその話自体を僕に直接報告して来てくれた事があった・・・だから、再び似たような事が起こる可能性を排除できないでいる内は、僕の秘密を打ち明けることはできないと思っている、もちろん、彼女の身の安全も考慮して・・・


夜月『うーむ、それなら、“神に誓い“を立てさせたらどうだ?“アトリーの秘密を絶対に喋らない“とあらかじめ誓わせて、それから話せば良い』


(あー、前にゴブリンの巣でガイアスさんにさせたのと同じ事をリリ嬢にさせるって事?(・・?))


夜月『そう言う事だ』


 と、“神に誓う“と言う結構重たい提案をしてきた。


(うーん、確かに、それなら、他言出来なくなるから、安心ではあるなぁ、このままずっと内緒にできるとも思えないし・・・問題は、リリ嬢とイネオスが納得するかだけど・・・それに、いま、ここまで来て、秘密がバレたくないって理由で彼女だけ追い返すのもなんか、いやだし・・・)


夜月『イネオスに先に話してみれば良いんじゃないか?』


(・・・そうするかぁ・・・(*´Д`*))


 そう言う感じで、“大樹“の事は一旦おいて、イネオスだけを離れた所に呼んで、僕の懸念と夜月の提案を話してみた・・・


イネオス「・・・そうですね・・・アトリー様のご懸念は良く理解できます。僕も、リリの周囲の環境がよくない間はアトリー様の秘密を話すべきではないと思い、アトリー様の願い通りに今まで秘密にして来ました。また、今の状況で彼女だけをデューキス家のお屋敷に返すのも可哀想と言う、アトリー様の心情も理解できます。同時に、今後のことを考えると、ずっとこのままと言うわけにはいかないことも理解できますので、“神への誓い“の事は僕からリリに話して、彼女が受け入れると言うなら、僕も一緒に“神に誓わせてください“、彼女ができないと言った場合も僕は彼女と一緒にデューキス家のお屋敷に戻ります」


 そう言って、僕の理由に理解を示して、提案を受け入れたイネオスは、リリ嬢を連れてみんなと離れた場所へ行き、話をし始めた。


カミィ姉様「アトリー、彼女に話すの?」


 僕達の行動の流れから、何をするか察してそう聞いてきたカミィ姉様、


「はい、今からする事は彼女にもすぐにバレますし、この先の冒険者活動時にも咄嗟に使う時が来るかもしれませんから、そうなると、もう隠しておけません、それなら、そうなる前にこちらからあらかじめ制約を設けて話した方がいいと思い、婚約者であるイネオスを通して説明して貰ってます」


カミィ姉様「そうね。その方がいいわ、仲間外れは良くないし、婚約者同士での秘密は少ない方が好ましいもの・・・」


「ですね・・・」


 と、そう会話しているうちに、イネオスとリリ嬢の話し合いは終わり、僕達の方に戻ってきた。


「・・・決まったかな?」


イネオス「はい、決まりました」


リリ嬢「私は“神に誓って“アトリー様の秘密を絶対に他言いたしません!なので、アトリー様の秘密をお教えていただきたく思います!」


イネオス「僕も今更ながらですが、“神に誓い“アトリー様の秘密は絶対に他言しません!」


 固い決意を持った瞳で、僕をまっすぐ見つめてくる2人に話の内容を察した、ヘティやベイサン、ロシュ君までも次々“神に誓い“を立てた。

 ソルは“「僕はアトリー様の従者になると決めた時にすでに誓ってますが、改めて“神にお誓い申し上げます“」“と、深々と頭を下げ、それに続くように先に誓いを立てた皆んなも頭を下げた・・・


「っ・・・皆んなありがとう」ふわぁ・・・『その誓い確かに受け取ったわ・・・』


「「「「「っ!!?」」」」」


 真剣な皆んなの誓いが僕は言葉が詰まるほど嬉しくて、心の底から感謝の言葉を言うと次の瞬間、馴染み深い気配が僕の身体に入り込み、この身体を通して“神力“を解放し、聞き覚えのある声で“神への誓い“を受領したことを告げた、それと同時に“大樹“の周囲一帯は強力な結界に包まれた・・・














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