表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
466/468

5話 使用の前に取り扱い説明書は良く読もう


へティ「・・・あ、私、その話、聞いた事があるかもしれませんわ・・・確か、その当時の“学園祭“の運営をしていた6学年生達の中で、大変人気があった男子学生を女子学生達が取り合いしてたとか、その取り合いが激化して、1人の女子学生がその男子学生を手に入れるために、その方に媚薬を盛って、迫ろうとしていたと・・・」


 今まで一度もそんな話を聞いた事がなかった僕は困惑し、同じように困惑しているイネオスやベイサン、ロシュ君、でも、最初は同じように驚いていたはずのへティだけはソルの話を聞いて、何やら思い出したように、その“飲食の出店禁止“の理由になった事件の詳細を話した。その事件の詳細を聞いた僕達は驚愕の表情で、仲良く同じ反応をした。


「「「「・・・えっ・・・怖っ・・・」」」」


 どうも、僕です。今、突き抜けた執念深い女性の怖さに、身震いがしています。他にも、15歳となっってそこそこ図体がデカくなった男子3人が自分の肩を擦り、へティの話に身を寄せ合いながら身震いしています。*参考までに、ベイサン185センチ、ソル182センチ、僕180センチ、イネオス179センチ、ロシュ君170センチ、へティ167センチ、と皆んなスクスク成長し、男前も女前も上がって、学園内でとても人気になってるよ♪( ・∇・)


「えっ、そ、それで、どうなったの?その迫られた人、“媚薬“飲んだの?大丈夫だった?」


 と、恐る恐る、膝の上にいる夜月を撫でながら事件の顛末を聞くと、


へティ「あ、それは、未然に防ぐ事ができたらしいです。どうやら、件のご令嬢が隠れて媚薬を盛るところを偶然近くを通った方が目撃して、止めたと聞きました」


「ほっ、・・・犠牲者が出なくてよかった・・・そうか、そう言う理由で飲食の提供が禁止になったのなら、やっぱり飲食を扱う催し物は許可が出ないんじゃないかな?」


ベイサン「そうですね。流石に無理そうです。今の学園は他国からの留学生が多すぎますもんね・・・」


(だよねぇ、他国の留学生に毒とか盛られた日には国際問題、待ったなしだもんねぇ、それに、そんな事があったんなら、そりゃ、飲食店の出店は禁止されるわけだ( ̄^ ̄)・・・)


 そう納得していると、


ソル「ゔっゔん、今話題になったので、言いますが、その話は概ねへティが言った通りです。そして、付け加えるなら、その件で“被害者“になりかけたのは、当時の最高学年のアトリー様、貴方のお兄様である“カイヤト様“です」


「「「「!?」」」」 「へっ!?カイ兄様が!!?」


 ソルがわざとらしい咳払いをしたと思ったら、驚きの情報を放り込んできた。


「ちょっ、ちょっと待って!?そんな話、カイ兄様から今まで聞いた事なかったんだけど!?てか、誰だ!?うちのカイ兄様にそんな事しようとした奴は!!」


 ソルの言葉で身内が危険な目に遭っていたと聞いて、驚きから怒りに感情が切り替わり、自分の兄を害そうとした犯人に罰を与えねば、と思ったその時、ソルが冷静に続きを話しだした。


ソル「アトリー様、落ち着いてください、このことはすでに終わったことですので、それにそんな大それた事をしようとしたご令嬢は現在、別の罪で犯罪奴隷落ちして、外界とは切り離された場所で労働刑務にふくしている最中ですから、会うことはないですよ。まぁ、アトリー様が覚えているか分かりませんが、以前、僕らの野外実習で、その実習先の軍施設を意図的にダンジョンにしようとしていた、帝国の元ダンシャンスー公爵家のご令嬢ですから・・・」


「「「「えっ!!?」」」」


「・・・えっ、・・・カイ兄様の結婚式でも酔ってやらかしていた、あの“泥酔令嬢“??」


 ソルが言った犯人の名は、珍しく、今も僕の記憶に残っているご令嬢だったことに、僕達は再度驚いた・・・


(そう言えば、結婚式の後にそんな説明聞いたな、結構前からカイ兄様に付き纏ってたって・・・ん?そうなると、もしかして、あの令嬢が媚薬盛ってる所を止めたのってウチの影か?・・・“うちの兄様の青春真っ盛りの学生時代がドロドロだった件“、どこかのラノベのタイトルになりそうだな( ・∇・)・・・)


ソル「はい、そのご令嬢です・・・」


「マジか・・・と、言うか、あの“泥酔令嬢“、学生時代にそんな事もやらかしてたんだ・・・」


(てか、罠に嵌めるためとは言え、よくそんな人を結婚式に呼んだなカイ兄様、僕だったら2度と顔を見たくないと思うんだけど・・・あれ?結婚式で学園での友人枠で招待されてたって言ってたけど、そんなやらかししたあの“泥酔令嬢“は学園を退学になってなかったのか?(・・?))


 と、ふと、その疑問が湧き、ソルに聞いてみると、どうやら、初犯で誰も被害に遭ってなかったことと、帝国の公爵家の娘ということと、卒業が後、数ヶ月だったことで、反省していたかどうかはともかく、その時は軽い謹慎処罰で済ませたらしく、それでも、その時の事件のせいで“学園祭“での飲食の提供は禁止になったらしい・・・

  *補足までに、その事件があった時にはすでにパティ義姉様との婚約話は密かに勧められており、この“泥酔令嬢“が卒業して帝国に帰り、年下のパティ義姉様が卒業後に婚約を大々的に発表したのが、僕の学園入学と同時期だった事を覚えている。

 その時に聞いた話で、2人の婚約を聞きつけた、あちらこちらの貴族家から横槍を入れられそうになって大変だったと、父様達が話していたのも覚えているので、多分その横槍というのが例の“泥酔令嬢“からもあったんだろうと僕は思った・・・そして、現在、カイ兄様とパティ義姉様との間に可愛い子供が生まれており、今、2歳の娘と領地の屋敷で楽しく過ごしています。あ、後、今、パティ義姉様は第二子を妊娠中で、今年の冬ごろに出産予定です♪


「・・・はぁ、驚いた・・・しかし、これじゃ、“学園祭“での催し物は1から考え直さなきゃいけないね・・・いいと思ったんだけどなぁ、この案なら僕が調理場でずっと料理を作ってるだけなら、面倒ごとに巻き込まれなくて済むと思ったのに・・・はぁ・・・」


天華『料理を作るのは面倒ではないんですか?』


(うん、そこは趣味の延長線上って感じでやれると思ったんだよ、それに“学園祭“みたいな場所で作る料理なんて、大概簡単で量産できるものに限られてくるから、そう難しくもない、食材も扱いが楽なものばかりだろうし、ものによっては作り置きすればさらに楽になる、何より、クラスの人以外との接触する事がほぼ無いってのが魅力的だったんだけどねぇ(*´Д`*)・・・)


夜月『確かにな、クラスメイトも調理をできない奴は排除して、販売の方に回せるだろうから、さらに人との接触はなくなるし、調理に没頭すれば外の騒ぎなんて気にならんだろうしな』


(まぁ、そう言う事、僕の希望にかなり近い環境で“学園祭“に参加できると思ったんだけど、流石に今の話を聞いたら禁止の理由も納得って感じだし( ̄▽ ̄))


 と、凄くガッカリしつつも、禁止の理由にも納得するしかなく、他の皆んなも仕方ないかという感じで、次のいい案を捻り出そうと頭を悩ませるのであった・・・


天華『(この案だったら、アトリーの手作りって名打つだけで売り上げが倍そうする事、間違いなしでしたでしょうにね・・・)』


夜月『(まぁな、だが、薬物混入の件は現実に起きた場合、アトリーは自分でどにかなるかも知れないが、他者にも影響が出ると、その事件の原因がアトリーにあったとなれば、アトリーが気にやみ、落ち込む可能性が高い、そうならない様に細心の注意を払って物事を決めねば・・・)』


天華『(確かに、そうですね。何かいい案が出ればいいのですが、最悪、アトリーには飾り付けなどの制作だけで“学園祭“に参加してもらわなければならないですね・・・)』


夜月『(学園最後の思い出作りがそうなって欲しくはないがな・・・)』


天華『(ですね・・・)』


*と、天華達がアトリーの学園での思い出作りの心配していた、この密かな会話の最中、ジュールはお腹いっぱいになって、いつもの木陰でお昼寝中だったとか・・・


 ・・・昼食をとりながら話し始めて数十分後・・・


ベイサン「うーん・・・どの案もしっくり来ないなぁ~・・・」


ロシュ君「そうですねぇ、どれも、アトリー様を完全な裏方にできるような催し物にできませんね、必ず何処かでお目見えして頂かないといけませんし・・・」


イネオス「そうなるとますます、先の飲食提供の案ができないのが悔やまれますねぇ~・・・」


へティ「そうですわねぇ、クラスの留学生である王族の方々の安全確保の懸念もありますが、何よりアトリー様に“媚薬“を盛る方が出てくる可能性があるのが問題ですわ・・・」


ソル「そうですね。アトリー様の“加護の結界“ではアトリー様の身体に害があるものは弾く事ができますが、“媚薬“は毒素など身体に害が無い物が大半ですから、密かに飲み物などに盛られてしまうと、物によりますが僕でも発見するのが難しいです・・・」


(僕の我儘に付き合ってもらって申し訳ねぇなぁ(*´Д`*)、でも、どうしても、表立った活動は何かしらのトラブルを招く未来しか見えないんだよねぇ( ̄^ ̄)しかし、飲食店の出店で、思わぬ障害があろうとは・・・それに、“媚薬“ねぇ・・・身体に害がある“毒“なら弾くのはわかってるから、身体に害のない“媚薬“には反応しない???・・・)


「・・・・ん?あれ?“加護の結界“って“薬物“関係と一緒で“媚薬“って弾けなかったっけ???」


皆んな「「「「「えっ???」」」」」


 ひとしきり皆んなで悩んだ結果、やはりさっきベイサンが出してくれた案以上にいい案が浮かばず、“媚薬“の件がなければ・・・と悔しそうに言うソルの言葉に、自分の我儘に付き合わせて申し訳ないと思っていた時、ふと、思い出したのは、自分の“加護の結界“の機能に毒以外にも、人工的な薬品を弾く機能ががあると聞いた事があった様な???と、これまで結界の使用のオン・オフ以外であまり扱ってこなかった“加護の結界“の機能を今一度、確認しなおした方がいいのでは?と思い始めた。


(昨日がてんこ盛りになり過ぎて、どこに何の機能の設定があるか分からなくなってたんだよねぇ、もういっその事、この結界を授けてくださった月詠様にちゃんと機能を直接確認した方がいいか・・・これぞ宝の持ち腐れってね・・・しかし、月詠様から加護を頂けたのは凄く嬉しかったけど、僕なんかには過ぎた高性能な結界だよ・・・(*´ー`*))


「・・・ちょっと待って、確認してみるから・・・夜月~っ、今の聞いてた?」


夜月『あぁ、聞いていたぞ、今、月詠様に確認をとっているから少し待ってくれ・・・』「がぅっ」


「了解、今、確認してくれてるらしいから、おやつでも食べて待ってようか」


 思い立ったが吉日と言った感じで、今の会話を聞いていたであろう膝上の夜月の身体をひと撫でして、月詠様とのコンタクトをお願いした。夜月もそれを快く請け負ってくれたので、返答が帰ってくるまで食後のお茶をして待つことにした・・・


・・・数分後・・・・


夜月『アトリー、月詠様から“加護の結界“の機能や設定の仕方の確認が取れた、まず、“媚薬“の件だが・・・』


 と、月詠様から確認が取れた昨日などの話を聞いていくと、まず、目的の“媚薬“の件での回答は特定の薬品類を弾く事ができる、と言う事だった、他にも、身体に害はないが睡眠薬や病を治すための薬など、身体にも良いとされる物でも指定すれば弾く事ができるそうで、あと、肝心のその機能の設定の仕方は、ステータス画面の別タブにある、認識阻害機能の特定人物指定設定と同じ場所にあったらしく、薬物の特定指定も同じ要領ですれば簡単に設定可能だそうです・・・


(ほえぇ~、そんな所にあったんかぁ、( ・∇・)そう言えば、僕が結界の設定に手を加えることってほとんどなかったから気づかなかったよ・・・( ̄^ ̄))


「・・・では、僕が設定をいじって、“媚薬“や“毒物“などの人体に害になりそうなものを弾くようにしておいて、その“加護の結界“を調理場全体に広げておけば、調理された料理は安全なものとして提供できるってことだね?」


夜月『まぁ、そうする事も出来るって事だな・・・』


「そうか、そうなると、飲食物の提供のもっともな懸念の“薬物混入“と言った点は問題がなくなるわけか・・・もしかしたら、この事を先生に説明したらクラスの催し物で飲食店が出店できるかも知れないな・・・」


 予想以上に細かく設定できる事を聞いて、これなら禁止の理由になっていた“薬物混入“の問題がなくなって、飲食物の提供ができるのでは?と微かな希望が出てきた。


ソル「・・・確かに、望みは薄いですが一旦、先生に話してみるのもいいかも知れませんね・・・」


ベイサン「いいですね!学園祭後の“学園祭“なんですから、楽しまないと損ですし!」


イネオス・へティ・ロシュ君「「「そうですね!!」」」


「皆んな・・・いいの?これは僕の我儘だから、皆んなのしたい事ではないんじゃない?クラスの皆んなに相談もしてないし・・・」


 僕の提案にソルや皆んなが賛成してくれたのはいいが、今思うと余りに自分本意で皆んなのしたい事など何も聞いてなかったことに気づき、今更ながら引け目を感じ始めた。


ロシュ君「僕はこれと言ったこだわりはないですし、それよりも皆んなで楽しめることの方が重要です!」


ソル「そうですね。僕はアトリー様が楽しいと思われる方が重要ですが・・・」


ベイサン「僕は皆んなが楽しい思い出になるなら何でもいいと思いますよ!むしろ、アトリー様の作る物が食べれると思っただけで楽しみだな!」


イネオス「僕もロシュ君やベイサンと同じ思いですよ。それにクラスの人達の方は気にしなくていいですよ。自分達で考えるのを放棄して、アトリー様に決定権を委ねたんですから、アトリー様の案に文句なんて言わせません!」


へティ「そうですわ。私はアトリー様やここにいる皆さんと楽しめる事が1番重要ですもの、それに、何もひとつに絞る事もないと思いますわ、それぞれ自分の得意な事をする事だってできるんじゃないでしょうか?まぁ、その場合、全て自分で用意できる事が前提ですけど・・・」


「皆んな・・・ありがとう・・・」ニコッ


皆んな「「「「「っ・・・」」」」」かぁっ・・・


 ソルの意見はアレだが、概ね、皆んなの意見は僕と楽しい思い出ができるならそれが1番だと言ってくれて、僕は皆んなの気持ちが本心だと分かり胸の奥がじんわり暖かくなって、ここ最近の心労がどこかに飛んで行ったのだった・・・


(皆んなの顔赤いけど、熱でもあるのかな??(・・?))


 *お昼ご飯後の解散の時、イネオス達の顔が赤い事を心配したアトリーが、不意に皆んなのおでこに手を当てて、体温を測ると言う追い討ちをかけようとしたのをソルがギリギリ阻止したとか、しなかったとか・・・・


 その後、少し遅めの昼休みが終わり、それぞれの午後の授業を終えた後にまた皆んなで集まって、担任の教員にさっきの提案を相談することになった。




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 薬物を個別に設定しないといけないのは危険な気がするけどどうなんだろう?一緒に飲んではいけないやつとか中毒や酩酊を引き起こすものもあるし興奮剤になるものもあるから一種の媚薬化するけど。よしアルコール入…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ