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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
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3話 将来を見据えて


 はい、どうも、“僕“です。先日、“俺“、または“自分“、または“私“と、一人称を変更しようとして、家族以下友人達にも全て却下された“僕“です。


 現在、15歳となった僕的には、大人の階段を登りたいお年頃な訳ですが(中身は50超えたおばちゃんだろう?と言う、ツッコミは受け付けておりません)、一人称だけではなく両親の名称も“母様“や“父様“ではなく、“母上“や“父上“などと変えて行こうと思って、早速実行したら母様達から悲しまれてしまいました・・・


 ボッ! ジャーーーッ!! ジュワッ!! ガタガタッ!カンカンッ!! シャッ! ジュッジュッ!


(兄様達も同じ年代、と言うよりもっと早めに名称や一人称が変わっていたのに、僕の時は大いに嘆かれるなんて・・・、僕もう、母様の身長も越して、体格も少し細身だけど大人の男性らしくなって、髪はアレだけど、もう、女の子に間違われることも無くなったのに・・・解せん(-᷅_-᷄๑)・・・)


天華『・・・末っ子だからじゃないですか?』


夜月『多分、他の子供達が全員成人したからだろうな』


ジュール『もっと甘えていて欲しいんじゃない?』


春雷『アトリー様がご両親にあまり甘えることがないからじゃないですか?』


雪花『その名称だと、他人行儀に聞こえるからじゃないですか?』


(ぬぅ・・・・理由を全て並べられたみたいだな・・・)


天華『あながちどれも間違ってはないと私は思いますけどね?・・・と言うか、ついこの間の女生徒の件の事もそうですけど、最近のアトリーはどうも対外性?世間体?を気にした事ばかりしてませんか?』


 昨日、家族に、名称や一人称の件で提案したときの不満を愚痴っていると、天華達から様々な理由を並べ立てられて、その理由のどれもに複雑な気持ちになっていると、天華から、ここ最近の僕の行動を不審がられてしまった・・・


 ジューッ ジューッ ジャッジャッ! 「っと、「ザッ!ジュッ!カンカンッ!」ん、“焼き飯“できた、コレ、大皿に盛るから、お皿だして」

 そう言って、今出来たばかりの“焼き飯“、前世で言う“チャーハン“が入った大きな中華鍋を、コンロの火から離し、後ろで別の作業をしていたソルを見ると、

 ソル「こちらに・・・」 と、言ってすでに用意していたお皿を差し出した。「あぁ、ありがとう、ソル」 そのお皿を受け取りながら、出来立てのチャーハンをお皿に盛り付け、盛り付け終わったらそのまますぐ近くのカウンターに置いた。すると、「「「あっ!!こっちを振り向いたわっ!!」」」「「「きゃーーっ!!デューキス様の手料理よぉーっ!!」」」「「「料理人姿も素敵ーーっ!!」」」、カウンターの向こう側で黄色い悲鳴が上がったが僕は無視をして作業を続ける。


 今、何をやっているのかと言うと、進級して、6学年になっても選択科目にあった“調理“の授業を受けています。今回その授業の一環で学食や炊き出しなど、“大人数向けの料理の調理を実践で学ぶ“、と言った、料理人を目指す人向けの実践方式の課題で(普通の貴族子息は受けない)、学園内にある一般市民向けの食堂、学食の厨房を借りて、その課題の“焼き飯・チャーハン“と、“野菜たっぷり卵スープ“を作っているのですが、この授業、あらかじめ学園内で告知がされており、作った料理は自分で食べることはできず。この授業のことを知ってここにやってくる生徒達に振る舞われることになっていた。

 それで、今、カウンターの向こう側から聞こえてくる声は、広いはずの食堂を埋め尽くすほどのたくさんの生徒達の声、主に僕のことを見に来た女生徒達だったりする・・・

 なので、その現状から現実逃避する為に、僕は念話で厨房外にいる天華達と会話しているのだった・・・


(む、それはしょうがないよ。だってもう、僕15歳になったんだから、多少は周囲の目を気にするよ?流石にこの年でたくさんの人達がいる場所で、“母様“とか呼ぶのはどうかなって?考えたりもするし、他人に不意に触れられて嫌な顔をするのもダメだって分かってるし、女性と普通に会話できないのもこれからの生活に支障が出ると思うし、お年頃だし( ̄O ̄)・・・、

 要は自立への第一歩としての一環なんだけど、今のところどれも上手く行ってない、あーあ、前世で接客業してた時は普通に対応できてたはずなのに・・・(*´ー`*)

 それにまぁ、最初は結構困ったなぁとは思っていたけど、ふと気づいたんだよね、以前は“神罰“を恐れて絶対僕の結界内には入ってこなかった女生徒達が、珍しく僕に気に入られようと猛烈なお誘い合戦し出して、ジュール達の事も気にしないで遠慮なく近づいてきてるなって、んで、この向こうから迫ってくるハーレム状態なら、人見知りの僕が自分から人に話しかけるってハードルがなくて、女性に気があるって勘違いさせる事もないから、

 この際、この状況を利用して苦手な人との接触と、同年代の女性との会話や接し方に馴れるいい機会だと思って訓練して見たのに(-᷅_-᷄๑)・・・)


天華『・・・はぁ、卒業後の生活のための訓練という事ですか?』


(そうだよ?だって僕、結婚する気ないから、冒険者として一人前になる為には、しっかりと自立した男性として見られたいって思うじゃん?( ・∇・)それに、ちゃんと自立できてるって証明できれば母様達を安心させられると思うし?ほら、大人の男性冒険者が自分の事を“僕“って言ったり、母親のことを“母様“とか呼ばないでしょ?女性に触れられても嫌な顔せずに楽しくおしゃべりしてるし、ね?)


皆んな『『『『『・・・・・』』』』』


 ここ数年、好き放題に暮らしてきた僕ではあるけど、流石に学園卒業があと一年もしないでくると実感したことで、将来の事を見据えて、自分の苦手意識を改善し、自立して家族を心配させないようにと行動したことが、いつも一緒にいる天華達には違和感があったようだ。(流石に卒業したとなればいつまでも学生気分ではいられないって思った結果の行動だけど、ジュール達にはそんな無理してまですることか?と思われてそう( ̄▽ ̄)・・・でも、まぁ、そう言う焦る時期なんだよなぁ、僕に声を掛けてくる女生徒達もある意味では焦ってるんだろうし・・・嫁ぎ先の確保とかね(*´ー`*)・・・)


 「ソル、スープの具は煮えたかな?」 ソル「はい、ちょうど良い茹で具合です。残りの切った具材を入れますか?」

 「そうだね。そろそろ入れでも良いかな?軽く沸いたら、次は溶き卵をゆっくり回すように入れて軽く混ぜたら出来上がりだね。他に入れるものはなかったよね?」 

 ソルに確認を取りながら、用意された卵を5つ、木製のボールに割って入れる。その間にカウンターの方で、激しい奪い合いをする音が聞こえるが聞こえないふり・・・ガタッ!!ドタドタッ!「わ、私が先よ!!」ガタガタッ!ドンッ!ガシャン!!「いえ!私が!!」ドダッ!ドサッ!!「きゃっ!順番に並びなさいよ!!」ドンッ!!「な、何するのよっ!!」「あなたが先にしてきたんでしょう!?」ドッタン!バッタン!!

 ソル「・・・えぇ、割り振られた食材は全て使い切りました。料理の配膳は個人でとる形式なので、僕とアトリー様の番はこれで終わりです。あと、イネオス達が聖獣様方がおられる厨房の裏口で待ってますので、そちらからそのまま出て、いつもの場所で昼食をとりましょう」コソコソッ

 ソルは、周囲を見渡し、食材の取り残しなどは無いかや、次の人の準備ができているかをしっかり確認してから、小声で僕に返事を返した。

 僕はその言葉に無言で頷き、別のコンロで火に掛かっている大鍋の中のスープの様子を見て、一煮立ちしたのを確認してから、少し火を落とし、ボールの中の卵を軽く菜箸で混ぜてから、大鍋の中で小さく沸いているスープにその溶き卵をゆっくり回し入れ、少し置いて菜箸で大鍋の中のスープを軽くかき回した。「「「ほぉ~・・・」」」「手際がいい!!」「美味しそう!!」「早いな!!」

 これまでの流れるような手捌きで、全ての工程をやり切った僕達に、同じ課題を受けるために見学していた生徒達が感嘆のため息を吐きながら褒めてくるが、僕達は軽く会釈するだけして、厨房の隅にいる今回の“調理“の選択教科の教員達の方に移動し、今回の課題の採点をしてもらう。


天華『・・・分かりました。その、アトリーの偏った自立した男性像の出どころは分かりましたが、・・・それは、一般市民のごく一部、冒険者家業をしている人限定の自立した男性像であって、世間一般的な貴族籍を持っている自立した男性像とは全く別物ですからね!?何故、よりによってそこを目指したんです!?目指す目標が大いに間違ってますよ!?』


(えー、でも、僕って成人したら、その一般市民のごく一部の自立した男性になるんだし、現在、冒険者ではあるし?目指す先は間違ってないと思うんだけど・・・(*´Д`*))


夜月『それはどうだろうな?アトリーの両親がアトリーを貴族籍から外すとは思えないし、この国の国王がそう簡単にアトリーを市井に放逐するとも思えない、むしろ、新しい爵位を作って、アトリーを自国の貴族当主として留め置くぐらいしそうだぞ・・・まぁ、貴族当主になるかどうかはアトリー次第だがな?』


 僕が天華達にどうしてこんな事をしたかと言う理由を話したら、少し考えたあと、努力の方向がどこか間違っていると言われてしまったが、自分ではちゃんと方向性は合っていると思っていると、言うと、夜月にサフィアスおじ様から冒険者以外の別の道を用意されるのでは?と懸念を指摘され、それでも、選択権は僕にあると言ってくれた。


 「では、先生、僕達は先に失礼します」 教員「あ、あぁ、お疲れ様でした・・・」 そう言って、教員の採点が終了したのを確認した僕達は、早々にその場を離れ、ソルの言っていた厨房裏に向けて歩き出した。そのカウンターの向こう側で争う声を気に止めることなく、役割を全うし、さっさと立ち去る僕達の素早さに、誰もがポカンとした表情で見送るしか無かったのであった・・・

  (あ、当然、採点は最高得点のS判定貰いましたよ?( ・∇・))


(・・・むぅ、それは、あり得そうではあるけど(ㆀ˘・з・˘)でも、僕は卒業後、冒険者になるって宣言してるからなぁ、あ、でも、ジルおじ様の例もあるから、爵位を持っていても冒険者はして良いはず、なら爵位をもらっても別に良いのか?(・・?)あー、そうなると領地がついてくるのか?それだと面倒な気がするな・・・)


ジュール『そこら辺はアトリーが好きにしたらいいよ。でも、アトリーのお母さん達は爵位をカイお兄さんに譲った後、できるなら領地で冒険者するアトリーとのんびり隠居生活したいって言ってたよ?』


(ぬぅ、それは知っているけど、冒険者しながら領地でのんびりスローライフ、それはそれで魅力的な提案ではあるが・・・( ̄^ ̄)・・・だが、各国を巡ってスリルある冒険もしたい・・・うーん・・・悩ましい・・・)


 夜月の懸念は実現する可能性はあるが、状況次第だなっと思っていると、その事に全く興味がなさげなジュールが、母様が以前から日常の会話の中で僕の卒業後の冒険者活動の事を心配しつつ、自分とずっと居ても良いんだよ?と、ちょいちょい提案してきた内容を思い出させる。確かにその母様達とのスローライフも魅力的で良い提案ではあるが、今、自分がしたいことはスリルのある冒険でもあるのは確かだ・・・この究極の二択に悩む僕・・・


(うーむ、前世の記憶を持つおばちゃんとしては母様とのスローライフを選びたいが、今世の肉体が刺激を求めて、スリルある冒険者の旅をしたいと言っている・・・く~~うっ、どちらかを選ぶのは難しいなぁ~・・・( ;´Д`))


夜月『まぁ、自分の今後を決めることだろうから、そう焦らず、もっとゆっくり考えたらどうだ?』


(だねぇ~、まだ卒業まで時間があるからなぁ~(*´Д`*)・・・)


 そう、念話している間に、実技用のエプロンとコック帽を脱ぎ、脱いでいた通常の制服の上着を着直して、コック帽の中で三つ編みをお団子にして纏めていた、膝裏までの長さを維持している長い髪を(髪の伸びる速さより、身長の伸びる速さが勝った結果、今は膝裏の長さに留まった。今は身長は180センチになってメチャクチャ嬉しいけど、この時の急な成長での成長痛はマジ死ぬかと思うほど痛かったよ(・Д・)なんなら今も身長は微妙に伸びていってる・・・)、歩きながらお団子を解き、ただの三つ編みに戻しているうちに、いつもの小屋に到着していた。


ソル「アトリー様、先程から何を悩んでおいでですか?調理中も聖獣様方とずっと何かお話なさっているようでしたが?・・・」


「ん?あぁ、ちょっとね・・・」


イネオス「あ、アレですか?もしかして今度の“学園祭“の出し物を何にするかお悩みなのですか?」


ベイサン「あぁ、それは悩むよなぁ、どう配慮していいか分からないから、アトリー様が出し物を決めてくれって言われちゃったもんなぁ・・・」


へティ「そうですねぇ、普段の学業の成果を披露しようとしても、座学関係の発表会は不人気ですし、逆に人気といえば魔法や武術の試合形式の発表会は、アトリー様や私達が出るのを禁止されてしまいますし、授業で何か制作した物の展示物をしようとしても、アトリー様の作品が盗難に遭いそうですし、だからと言って魔法や武術以外の形のないもので行くと、舞台を使用して演劇をしようものなら、アトリー様が主演でなければ不満が出るでしょうし・・・悩ましいですよね?・・・」


ロシュ君「アトリー様はなんでもこなしてしまうので、何をしようかと言う点でも悩んでしまいますね・・・」


「あ、うん、そうだね・・・」(全然関係ない別のことを考えていたって言いづれぇ~・・・(*´-`))


 と、ソルには上の空で授業を受けていたのがバレているのは気づいていたけど、ソルの言葉を聞いて、イネオス達は僕が“学園祭“の件で悩んでいると勘違いして、話を盛り上げてきた。確かにイネオス達の言う“学園祭“のクラスの出し物の件でも大いに悩んではいるのだが、さっきは全く別のことで悩んでいたとは今更言いづらい雰囲気になってしまった・・・




 ・・・この時、アトリー達が去っていった食堂内の一角で・・・


?「やっぱり、作戦の決行の狙い目は“学園祭“か・・・」


?「そうですね。今は警戒が強いですし、隙がありません。作戦を決行するならやはり“学園祭“の混乱に紛れ、同志達と状況に応じて接触の機会を伺うのが宜しいかと・・・」


 と、不穏な会話がなされていた・・・その会話を、密かに聞いていた誰かが・・・・


?「やっぱり、私が“彼の方“をお守りしなくては・・・」


 と、密かに決意していた・・・・




























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