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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
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13話 思春期の変化


 はい!どうも僕です!今、絶賛逃亡中です!٩( 'ω' )و✴︎


 逃亡中とは言い過ぎでしたが、あの望んでもない千客万来のホテルからすんなり脱出し、今からどこに行こうかと道端で相談しているところです♪


「ふぅ、脱出成功したのは良いけど、今からどこに行く?・・・そう言えば、イネオス達は何処か行くところだったんでしょう?それに僕達もついて行って良いかな?」


イネオス「あ、いえ、別に目的があって出かけたわけではないので、アトリー様が行きたい所があればそちらに行きましょう」


 僕がイネオス達のおでかけについていく形で話を進めてみたのだが、どうやらイネオス達も何か目的があって出かけたわけではなさそうだった。


「えっ、そうだったの?でも僕、帝都の有名なところなんて知らないんだよなぁ・・・あれ?へティ顔色悪いけど大丈夫?」


へティ「えっ?あ、大丈夫ですわ」


「本当?」


 今日会った時からへティが少々元気が無さそうだとは思ったけど、ホテルを脱出して少し走ったからなのか、顔色が悪く見えて心配になった僕はへティの顔を覗き込んでみた。いつもなら顔を赤くして後ずさるのに、今は少しボゥとした感じで無理して笑っている。


(どうしたんだろう?やっぱり体調が悪いんだろうか?(*´ー`*))


ジュール『ねぇ、アトリー、へティはケガしてるかも』


(えっ!?ケガ!?・・・そ、それなら流石に言うと思うんだけど・・・)


ジュール『えぇ、でも、血の匂いがするよ??』


天華『ジュール、それは・・・』


(血の匂い・・・・あ!!“女の子の日“!?それは顔色悪いわけだ!!)


 へティは大丈夫だと言うが、どうみても体調が悪い人のそれであることから、何処か無理をしているんじゃないかと、さらに心配になった僕に、ジュールがへティは怪我をしているんじゃないかと言ってきた。最初、驚いたのだが見た目的には何処も怪我をしている様子がないし、怪我をしているのなら普通に自己申告してくるだろうというと、ジュールはへティから血の匂いがすると言ってきた。その言葉を聞いて僕は少し考えてすぐにへティの体調不良の原因に気づいたのだ・・・


「へティ、無理しちゃダメだよ。僕達、男の子には女の子の君が言わないと分からないことの方が多いんだ、だから、君が自分で自分の体を大事にしなくちゃね?」


へティ「えっ??あ・・・、何故お分かりに?」


「僕には女性の兄弟がいるし、それに僕にはジュール達がいるから・・・」


へティ「そ、そうでしたか、ジュール様達には気づかれてしまいましたか・・・」


 僕が少し濁しながらも体調不良の原因である“女の子の日“であることに気づいた事を言うと、へティは物凄く驚いた顔をして、何故わかったのか聞いてきたのだが、流石に自分が元女性で、同じ経験をしたことがあるとは言えないので、女性の兄弟がいることとジュール達を言い訳に使ってしまった・・・


イネオス達「「「???」」」


「さ、何か食べれるお店で少し休もう、朝ごはんはちゃんと食べた?」


へティ「はい、一応食べました」


「その顔色からすると、少し足りなかったみたいだね?この期間はもっと食べた方がいいって聞くよ?」


へティ「そうですか?でも、食べ過ぎて太るのが・・・」


「それは大丈夫だよ、へティは日頃運動してるから、太る事はないさ、それに、この期間中はいつもより体力使うからいつも以上に食べないと、貧血で倒れちゃうよ?それとも食べるのも辛いぐらいきつい?」


へティ「いえ、それほどでもないですが、でも・・・」


「そっか、食べ過ぎるのが気になるなら、この期間が終わった後に無理しない程度に運動すれば問題ないよ。僕もそれに付き合うし、ね?」


へティ「!・・・ありがとうございます。アトリー様・・・」


「良いんだよ、気にしないで。それに今日は暑いから、僕達も水分を多めにとった方がいいし、あ、丁度よさそうなお店があるからそこに入ろう」


 僕達の会話を全く理解できてない他の男子達はそのまま置いてきぼりにし、僕は痛みがそれほどでもないと言うヘティの手をそっととって、近くにあったカフェにエスコートして入っていく。その後ろをソルやイネオス達は意味がわからないながらもしっかり付いて来て、一緒に店内の窓際の席についた。


 そして、へティの為にサンドイッチと温かい紅茶を注文し、自分達にも冷たい飲み物を注文して、それが全て揃って一息ついたところで、やっとイネオス達が話しかけてきた。


ベイサン「あ、あの、へティは何処か具合が悪かったのですか?」


「これはアレだよ・・・ん?あれ?ベイサン教えてもらってないの?」


 ベイサンはへティの様子を見ながらそう聞いてきたのだが、そのベイサンのその質問に違和感を覚えた。


ベイサン「何を?」


イネオス「何の事をですか??」


「イネオスも?もしかして、ソルも分からない?」


ソル「どれの事でしょう??」


「んーーー?・・・」


(あれ?入学前の貴族教育の中に人間の生理現象の授業ってなかったのか?(・・?)学園では聞いた事ないし・・・)


 僕の言葉にイネオスとソルまで不思議そうに頭を傾げていた。それを見て僕はイネオス達のと言うより、貴族の教育内容に保健体育的なものはあったか?と今更疑問に思った。


天華『どうなんでしょう?確かに学園ではそのような授業は今まではなかったですし、貴族家庭なら必須じゃないですか?家庭教師から教わるものだと思いましたが、ご家庭によって違うかもしれませんね?アトリーは今までに誰かに教えてもらいましたか?』


(ん?待てよ?僕はそもそも家庭教師がいなかったから、一般的な貴族家庭の授業というものがわからないな、(*´ー`*)それに僕は勉強は全て独学だったし、今世ではそういう事を誰にも教わってない・・・)


夜月『そもそもの話だったな・・・』


(だねぇ、どうしようか?教えてもいいもんか、そもそも、こう言ったデリケートな内容の授業ってどう言うふうに教えてるかも分かんないし、僕が前世の知識で教えていいもんかも分かんないなぁ(*´Д`*)・・・いっその事、へティに聞いてみるか・・・)


天華『そうした方がいいでしょうね・・・』


(うし、じゃあちょっと・・・“遮音結界“)ほぉん・・・


「「「「!!?」」」」


 天華達と会話して今更だが自分の状況が特殊だった事に気がついた、そこで少々困った事に通常の貴族家庭において、どう言った方法で人間の成長過程で起こる変化の授業をしているかも分からなかった為、すでに“女の子の日“を迎えているへティなら、そう言った事は教えて貰ってるのではないかと言う予想から、まずはへティにそこら辺の事情を確認することにした。あと、普通のカフェでこう言った話をすると聞かれた時、凄く恥ずかしい思いをするだろうと思って、遮音結界を無言で展開した。


「ちょっと待ってね、へティに少し確認してから話すから・・・」


 と、先程の質問で僕の返答を待っていたソル達に一言断って、すでにサンドイッチを食べ終わって少し顔色が良くなっているへティに向き直り、口元を隠しながら話しかけた。


「へティ、その、少し答え辛いもしれないけど、教えて欲しいことがあるんだ」


へティ「え、あ、はい、私がお教えできる範囲でしたらお答えしますわ」


 僕の突然の申し出にも快く答えてくれるへティ、そんな優しいへティに先程からの疑問を素直に聞いてみた。


「ありがとう、じゃあ、まずなんだけど、その、今回が初めてのことじゃないようだったから聞くんだけど、このような現象が起こった時、すでにそう言うことがあるよって、前もって誰かから教えてもらったことある?」


へティ「えっ!?・・・・あ、・・・その、小さい時に、姉がなった時にそう言ったことがある、と言った程度に教えて貰いまして、自分が初めてなった時にもっと詳しく、学園の女性保健医に教えて貰いました・・・その、普通ならそう言った時期が近くなったら、前もって自宅で女性の家庭教師を雇って教えてもらうそうなんですけど、私の場合は通常より早かったのでその時はまだその授業を受けてなくて、その、学園でなったしまったので、学園の保健医に初めて色々教わりました・・・」


「そう、言いにくい事を聞いてごめんね?そうか、普通はそうやって教わるのか・・・」


(あれ?でも、へティは今僕達と同じ13歳だよね?初めてなったのが12歳の終わりって考えても、それで早いってのはどう言うことだ?前世では10歳から14歳ごろに初めてなる人が多いと統計で出てたし、体格がいい人とか早い人ならもっと早かった気がするけど・・・だから小学校の高学年になると保健体育で習ったし・・・もしかして、この世界の人間の体の成長は“地球“の人間より遅いのか?でも、皆んなの身長とかは普通に伸びるのが早かったし・・・・チグハグだな?(・・?))


 へティが言うには自分のこう言った体の変化は平均より早かったと聞き、僕は自分が知っている“地球“での常識とは異なった部分があって、違和感が半端なかった。その後も一問一答スタイルで細かく聞いてみたが、どうやら前世での保健体育で教わった事と対して変わらない内容だった事が判明、ただ一つ違ったのは、この世界の人の“初めての女の子の日“が訪れるのが、13歳から17歳ごろが平均だと言うことだ。


(んぅ?そうなると、男の子の方のやつも通常より遅いってことか?まぁ、男の子の場合ははっきりしないことの方が多いらしいから気にする事はないか?(*´ー`*))


天華『まぁ、ここは“地球“と異なる世界ですから、多少異なる所はある、と主神様が仰ってるそうです』


(あ、また見てたのね?でもそっか、そうだよね。異種族や魔物、魔力や瘴気など、前世には無かったものがたくさんあるんだものね、そのどれかがどんな変化をもたらしてても不思議ではないか、それに僕は・・・・)


 僕の違和感は前世での“地球“での知識があるからであって、今世の世界とは異なっていても不思議ではないだろうと、天華の言葉で凄く納得が行った。そして、この知識はこの国の建国に関わった“勇者“からもたらされたものであるため、本当に正しいかどうかは未だ未解明なところがあると、それと、この世界はまだ成長過程にあるそうなので、これからまた別の変化があっても不思議じゃないと、ティーナちゃんが言ってたのを天照ちゃん経由で聞いたそうな。


(変化ね、進化とも取れるな・・・)


ジュール『アトリー?』


(ふふっ、この世界はまだまだ不思議でいっぱいだね?)


 そして、今世での自分の体の変化にも色々と思うこともあって、それ以上深く考えるのをやめたのだった・・・


 そうして、ほんの短い間の僕の沈黙に不安そうにしている皆んなに、笑顔で返しているとベイサンがへティを心配そうに見ている事に気づき、ひとまず、女の子が成長するにあたってこういった変化が起こると、説明しようとしたら・・・


ベイサン「あ、あの、アトリー様、その、へティはなんと?」


「あ、あぁ、大丈夫、僕の知りたいことを聞いただけだよ。へティ、今から先程のことをみんなに話していいかな?君が彼らと行動するにあたって知っておいた方がいいと思うんだ」


へティ「はい、構いません。それに、母からも冒険者活動の際に支障が出る可能性を指摘されていたので、この事はそのうち話そうと思ってましたから」


 ベイサンがへティを心配して、どう言う話をしたのか不安そうに聞いてきたので、僕は深刻な話ではないと言うことと、これからのことを考えてこの情報を皆んなで共有した方がいいだろうと思い、へティに話していいかと聞くとこれまた快く了承してくれた。


(毎回思うけど、ヘティのお母さん意外と厳しいよね、前にも僕達といる事で他の女子から虐められる覚悟しとけ、みたいな事も言ってたみたいだし、お母さんご本人は見た目ほんわかおっとりしてる感じの人なのに・・・、まぁ、いつもこう言う事も先回りして指摘してくれてるから、大事にならずに済んでるからありがたいけど(*´ー`*))


「さて、もったいぶった感じになっちゃったけど、今からちゃんと説明するから質問は後でお願いね」


 そう前置きして、今のへティの状態と、この変化の意味と大事さを説明し、今後こう言ったことが事が起こった時にどう対処すべきかを当事者を含めて相談した。

 最初、3人はあまり意味がわかっていなかったが、この変化は女性だけではなく、男性側にも似たような事があると教えると、今まで知っていたつもりの自分の体に、成長する過程で変化が起こることに興味が沸いたのか、それからは女性特有のこの症状には全て理由があり、どうしてこうなるのかといった人体の不思議についても軽く意見を交わしたのだった。

 まぁ、僕が人体の構造を詳しく説明できることに疑問を持たれたが、そこはいつもの“天華に教えてもらった。“という理由で誤魔化し、最低限の知識を教えることができた僕は最後にこう言って締め括った。


「今回は僕が気づいたから貧血で倒れなくて済んだけど、毎回僕がそばにいるとは限らない、だから、いつも一緒にいるイネオス達もそう言った知識を身につけていれば、次にへティが辛そうだったら、僕がいなくても3人の誰かが気遣ってあげれるでしょう?特にベイサン、君はへティの婚約者として1番にへティを守っておげないとね?」


「「「はい!」」」


 と、良い返事を返してきた3人、へティは少し照れくさそうに笑い、3人への信頼が滲み出た表情を向けていた・・・・


(皆んな、体も心も順調に成長しているねぇ(*´Д`*))


ジュール『アトリー、お婆ちゃんみたい・・・』


 しみじみ、皆んなの成長を実感していると、ジュールにそんなツッコミを入れられてしまった僕でした・・・・
















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