表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
426/468

11話 デジャブ


 はいっ!どうも!僕ですっ!今、僕は超ご機嫌ですっ!!ひゃっほぉー♪・:*+.\(( °ω° ))/.:+


(ほわぁーーーーっ!身体が軽いっ!コルセット無いし、ドレスのボリュームを出すためのパニエも無い、なんと言ってもスカートじゃない!!たったこれだけで開放感が半端ねぇーーっ!!)


 現在、デューキス公爵家領地のお屋敷でいつもの色合いに戻り、いつもの貴族子息としての服を着て、大きく伸びをして開放感に浸っている僕です。


「はぁ、やっぱりいつもの服装が1番落ち着くねぇ~・・・」


ジュール:『だねぇ~』


夜月:『うむ、これでやっと自由に動き回れるかと思ったら開放感が違うな』


天華:『まぁ、普段と違う色合いで過ごすのも新鮮ではありましたが、やはりいつもの色合いが落ち着きますね』


 と、ジュール達も変装を解いて、ソファーの上でのびのびとくつろいでいる。


「だよねぇ~、それに、これでやっと、あの王弟とも会う事は無くなるし、周囲にバレないように気を使う必要もなくなって、本当、良かった!!」


ソル「そうですね。あの王弟のせいで後半はゆっくりできませんでしたが、予定が早まったおかげで、帝都滞在中の日程に余裕ができましたから、別の変装をして帝都観光でもしますか?」


「それ良いね!!へティ達もすでに帝都入りしてるって聞いたし、皆んなを誘って帝都観光したいね♪」


 と、変装からの開放感でみんなではしゃいでいると、


 コンコンッ


「失礼します。ムーグラーフ辺境伯御一家がご到着なされました。皆様、団欒室でお待ちです」


「分かった、すぐ行くね」


 そう知らせが入り、急いで団欒室に向かう事になった。


「しかし、連絡したのはさっきなのにかなり早かったね?」


ソル「そうですね?僕達が転移して戻ってきたと同時に、向こうのお屋敷に転移魔法陣で知らせが行ったとしても、準備には時間がかかると思ってたんですが・・・それに、大旦那様方の方も準備がすでにできていたようですから、今日中に帝都に戻れそうですね・・・」


「だね。まぁ、その分早く帝都の観光ができると思えば良い事だと思うし、早速皆んなで帝都に戻ろう!」


ソル「はい!」


 今回の旅行の計画を立てた時、ムーグラーフの領地で過ごしているカミィ姉様家族も一緒に行くとなると、事前に姉様家族がムーグラーフ領からデューキス領に馬車で来るか、手っ取り早く帝都から戻ってきた僕が転移魔法でムーグラーフ領のお屋敷に迎えに行くかと言う話になったのだが、それは流石に僕をこき使っているようで心苦しいと言うことと、僕が甥っ子の“リアンタイガ“、あだ名が“リアン“に会いに行く時に到着の兆候がなく突然姿を現したり、現れる場所が定まってない事で使用人が驚くので、ちょっと困っていると遠慮がちに言われたのと(これは完全に僕が悪いんだが)、あと僕は何処でもいつでも行けるけど、母様達は僕がいないとどちらにも行けないのがもどかしいということで、使用人が驚かない方法で、互いに気軽に行き来できる手立てはないかと、カミィ姉様が言っていたのだ。

 なので、僕が以前、王都の屋敷と領地の屋敷を繋ごうとして作った転移魔法を組み込んだ、絨毯方の魔道具をサクサクッと設置したことで、デューキス領とムーグラーフ領のお屋敷を繋げ、簡単に行き来出来るようになったのだ。もちろん、使用者の制限を掛けてあるので、誰でも来れると言う事ではない。


 そして、団欒室に入ると、


「うきゃぁ~~~っ!!」 ボスッ


 と、子供が楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくると、足元に何かが軽くぶつかってくる衝撃が来た。


「わっ、・・・ふふっ、“リアン“今日も元気だね?」


リアン「だっ!」


「はいはい、抱っこだね?」ひょいっ


リアン「あぅ~!」


「リアン、このヤンチャ坊主はまた大きくなったかな?」


 僕の足元に襲撃してきたのは可愛いい甥っ子の“リアン“一歳、彼が生まれてから頻繁に僕は会いに行っているので、僕の事を本当の兄のように懐いてくれている。僕がくるのが何となく分かるのか、いつも1番に僕のところに来て、抱っこをせがんでくるのだ。そんなリアンが可愛くてしょうがなくて、僕はすぐに抱っこしてあげている。それが定番化しているので、カミィ姉様達も室内のソファーに座りながらいつものように微笑ましそうにみてくる。


「カミィ姉様達、お久しぶりです。それにしてもかなり早いお越しでしたね?」


カミィ姉様「ふふっ、えぇ、お父様がいつでも出れるように準備しておくようにと、事前に連絡いただいてたの、だからすぐにこちらに来れたのよ」


「父様が?」


ハウイお義兄様「ああ、旅行に出発なさる前に、予定が前後する可能性があるから、と、連絡が来ていたんだよ」


「そうなんですか、それなら良かったです♪これで余裕を持ってリアンとも帝都観光ができそうですね!」


カミィ姉様「ふふっ、そうね、今回は久しぶりに家族全員で観光できるわ、リアンも初めての旅行ですし、いい思い出が作れるといいわね」


「ふふっ、今からとても楽しみです♪」


 父様の事前の用意周到さには舌を巻く思いだが、そのおかげで家族との思い出作りがスムーズに行くと思えば、何とも頼もしい事だと思った。そんな会話を交わしている間にも、リアンは僕の腕の中で楽しそうに僕の髪を引っ張って遊んでいるのだが、僕は何をされても可愛いとしか思えないので、ニコニコ笑顔でそれを見つめているのだった・・・(ソルは僕の髪型が崩れないかヒヤヒヤしながら見てるけどね)


 そうしている内に、カイ兄様夫婦やお爺様夫婦達も、急な出発だったにもかかわらず当面のお仕事を早急に片付けて、出かける準備を済ませて団欒室に来たので、各々の荷物をそれぞれの専属使用人達に持たせて、転移魔法で行く用意をし、僕を中心に集まり一塊になったのを確認して、僕はリアンを抱っこしたまま、転移魔法の“テレポート“を発動させたのだった。


 そして、帝都、高級ホテル・・・・


「はい、到着っと・・・?」


(どう言う状況?これ・・・・)


 到着と同時に何故か知らないけど凄い数の人達が目の前にいた・・・


「・・・あ、母様」


母様「あぁ、アトリー、リアン君、お義父様方も・・・、せっかく急いで来られたのにごめんなさいね・・・」


 一応、“テレポート“の座標としていた母様の真横2メートルに出るようにしてあって、僕が一応、屋敷に帰る前に、カミィ姉様達の用意が済んでいなかった場合、すぐに戻れそうに無いかもしれないから、その時は一旦連絡を入れるために僕が一人で戻ってくると言っておいた。

 でも、すぐに戻れそうでも広い場所が必要になるから、どちらにせよ一旦僕一人で戻ってくるねと、母様に言ったのだが、母様はカミィ姉様達がすぐに来れることがわかっていたから、すぐに大人数が移動して来てもいい場所として、滞在先のホテルに大広間を借りる手配をし、ここで待っていると言ってたので、転移先の場所の変化には驚かなかったのだが、ホテルは貸切だったため、デューキス家以外の人達がいるはずはないと思っていたのに、大広間を埋め尽くすほどの人の群れが目に入り凄く驚いた。

 それでも、確かに母様の横に出たのはわかっていたのですぐに母様を見つけて、母様もすぐに僕達に気づき近づいて来て、この状況に戸惑っている様子で、誤ってきた。


お祖父様「シリー、これはどうしたんだね?」


母様「それが・・・私達が宿に着いて暫くしたら帝国の第3皇子殿下がこちらに来られて、アトリーを出迎えると仰られて、このような事に・・・」


 デューキス家以外の人達が突然現れた僕達に驚き固まってる間に、お祖父様が母様に現状の説明を求めると、母様は困惑しつつも簡単に説明をしてくれた。


「「「「「!?」」」」」


(どう言うことだ?予定より早いはずの僕の帝都入りにこれだけの人達を集めて出迎えにくるなんて、僕が今日ここにくる事は誰にも、いや、正確には皇帝とその周辺の重役達は知っているけど、なんでそれを第3皇子が知ってるんだ?皇太子以外の皇族にすら秘密だったはず。

 それに僕が家族の帝都入りと同時に、ホテルに直接“テレポート“で来る事も知ってないと可笑しい、と、言うことはやはり皇帝に近い人物達のどこからか情報が漏れてるな・・・

 もしかして、この第3皇子が今回の僕を標的にしたテロを仕組んだとか?(・・?)あ、いや、それなら今僕にわざわざ会いに来たりしないか?前情報では“大会“の会場のような他国の人達も集まる大観衆の前で何かするみたいだって言ってたし、これくらいの集団の前で何かしても僕に恥をかかすって言ったような事はしても意味ないだろうし、その前にうちの使用人達に阻止されるのが落ちだろうな。それにこの人達が今から何かする感じでもなさそうだし・・・

 てか!テロ対策のために僕の帝都入りは公表してなかったのに、これじゃあ、僕がわざわざ変装までして帝都入りした意味がないじゃないか( ゜д゜)!僕の努力を返せぇ~~~!!lll_(´ Д `」 ∠))


 母様の説明を聞いて、本来なら秘密裏に帝都入りするはずだった僕の表向きの予定、しかも今回は不測の事態で予定を早めたのにも関わらず、僕の予定を現在進行形で把握することの出来ないはずの立場にいる第3皇子が、何故か出迎えと称して、このホテルの大広間を埋めつくほどの王侯貴族や上流階級の人達をすぐに連れてこれたのか、どう考えても皇帝の近辺からの情報漏洩としか思えない状況に、事前に危惧されていたテロの件に第3皇子の関与を疑っては見たものの、今、このタイミングで堂々と僕に近づいてくると言うのは、あまりにも堅実的ではないことと、行動がどう見ても短略的だと思ったので、その可能性は薄そうだと僕は思ったが、大人達は僕の情報をどこから仕入れて来たかが分からない事に、険しい顔をしたが、僕はそれより今までの苦労が水の泡になったことに気づいて内心ガックリとするのだった・・・


(・・・しかし、第3皇子って・・・あ!!学園の1年生の時にいたあの皇子!?Σ('◉⌓◉’)えーっと確かぁ~~名前がぁ~~??(・・?))


天華『あの皇子ですか、確か“レーグルス“だったかと・・・』


(あ!、それだ!!(・Д・))


夜月『まだ、皇族に名を残していたのか、てっきり以前の件で皇子の位を剥奪されていると思ったんだが・・・』


ジュール『・・・!誰か来たよ!』


(!)


?「アメトリン・ノブル・デューキス、久しいな、友よ!よく来てくれた、歓迎する!」


 内心でやさぐれ気味になりかけていた僕は、ふと、第3皇子という存在に引っ掛かりを覚えて、少し考えてみると、意外とすぐにその第3皇子という人の存在を思い出したのだが、名前まで出て来ずに頭を捻っていると、先に天華が名前を思い出してくれた。だが、夜月はそんな事より、その皇子がまだ皇族であった事に意外そうにしていた。

 そうしていると、やっと起動した群衆の中から一人の恰幅のいい男性が出てきて、近づいてくるのに気づいたジュールが警戒をしながら教えてくれた。僕達もそれに気づいてすぐにその方向をみると、両手を広げながら僕の名を呼び、親しげに話しかけてくる男性に僕は・・・


「????誰????」


 と、首をかしげるしか出来なかった・・・


「「「「「はぁ!?」」」」」


母様「アトリー、知らない人ですか?」こそっ


「え、えぇ、本当に知らない人です。何処のどなたか分かりません、母様」ひそっ


母様「そう…以前は同じクラスだった方と聞いていたのだけど・・・私は遠目で一度しかお顔を拝見したことがないから、こちらにお越しになられた時、紋章でしか確認ができなかったの、それにアトリーと親しい仲と仰っているし、帝国の皇族の方だから無碍にできなくて、大広間にお通ししたのだけど、その際にたくさんのお連れの方々も一緒に入られて困っていたのよ。本当の第3皇子殿下ではないのなら、早急にホテルから出て行っていただかなくてはならないのだけど、本当に見覚えはない?」ひそひそっ


「え、そう言われると自信がないです。あ、でも、ソル、君わかる?知ってる人かな?」こそっ(ん?親しい仲って!??)


ソル「いえ、僕にも見覚えは・・・!?あ、もしかして・・・・アトリー様、多分、あの方、ちゃんと僕達の知っている第3皇子殿下ですよ。ただ、ちょっと身長が伸びて、ふくよかになられたからすぐに気づきませんでしたが・・・」ひそっ


 どうやら母様的には皇族としての身分証は見せられていたが、過去の記憶でも情報が少なかった相手が本物か判別できないうちに、大勢の見知らぬ人達を連れて乗り込んできたものだから、母様はさっきから困惑しっぱなしだったようだが、僕の言葉でこの第3皇子と名乗った相手が本物かどうか見極めようとしていることに気づいたので、自分より相手の情報を良く覚えているソルに確認をとってみた。

 最初はソルも誰だか変わっていない様子だったのだが、よく相手を観察して、以前クラスメイトだった第3皇子の面影があることに気づき、この3年間での彼の変化を教えてくれた。


「え、本当に!?」ひそっ


 ソルに教えて貰ったことを念頭に、目の前で口の端をひくつかせて笑顔で見てくる恰幅のいい男を良く観察してみると・・・・


「・・・・・髪色と目の色は記憶にあるものと同じだね、でも、こんな顔だったかな???」


ソル「アトリー様、以前のご令嬢の時とは違って、この方とは一度手合わせもしたこともありますよ?本当に分かりませんか?」


「・・・ごめん、本当に分からない・・・」


(ダメだ、本当に僕の記憶と合致しなさすぎて、本当に第3皇子って確証が得られない・・・だって、ふくよかって言うレベルじゃない太り方してて、原型が全く分からないんだもん!!でも、ソルがそう言うなら多分、本人だろうけど・・・(*´Д`*)うん!やっぱ僕には分かんないってことがわかった!!( ・∇・))


天華『開き直りましたね・・・』


(てか、ご令嬢って誰のことだろう?(・・?))


夜月『それも、また忘れ去ったのか・・・』


(えっ!?夜月は分かるの!?)


ジュール『確か、アトリーに“呪物のペンダント“投げてきた人だよね?』


夜月『あぁ、それだ・・・』


(“呪物のペンダント“??・・・あっ!!アレかっ!!( ゜д゜))


天華『・・・本当に自分に興味がない人だと、とことん覚えてませんねぇ・・・』


(あの時もこんな似たようなやりとりしたような・・・デジャブ???(・・?))


天華『・・・それより、ほら、相手は痺れを切らしたようですよ・・・』


(あ、・・・・)


 ソルや天華達の話で出てきた“ご令嬢“のこともやっと思い出したのはいいが、いま、目の前の、多分、第3皇子?のことをすっかり忘れていた僕、向こうは自分のことを忘れ去られていた上に、歓迎の挨拶も返されず放置された事に苛立ち、突き出たお腹がわなわなと震え出し、握ったふくふくとした拳にも力が入って、二重顎の顔の笑顔も崩れ始め表情が険しくなってきた。

 そして、限界が来たのか・・・


 第3皇子「貴様!いつもいつも!人をイライラさせて舐めるのも大概にしろよ!?わざわざこの僕が出迎えに来てやったのに!!僕を馬鹿にしているのか!?」


(あっ、この恩着せがましい言い回し!この人、本当にあの帝国の第3皇子殿下だ!( ゜д゜))


夜月『どこで判断してるんだ・・・』


 と、夜月にツッコミを入れられたが、本性がすぐに出てきたことでちゃんと第3皇子を認識できたのは確かだ、だが、向こうはもうすでに怒り心頭と言った様子で、この場が剣呑とした空気になり、向こうは今にも僕に掴みかかって来そうな雰囲気だ。


(てか、相変わらず気が短いなぁ、まぁ、挨拶を返さなかったのは悪いとは思うけど、僕今、リアン抱っこしてるからあんまり暴力的な事してほしくないなぁ・・・(*´ー`*)はぁ・・・)


 と、この状況でもずっとおとなしく僕の腕の中で、ニコニコ笑いながら与えられたおもちゃに夢中な可愛いリアンを見て、大物になるなとか思いつつも、目の前の怒り狂っている面倒な相手に溜め息が出るのであった・・・・












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ