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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第5章 少年期〜青年期 学園4学年編
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8話 一目惚れ?


 “KY男“「先程は名乗るのを忘れていたが、私は“ボルテ王国のヒポグリフ飛翔騎士団“の団長を務める、“アルバート・ケーニヒ・ボルテ“ともうす。一応、現国王の末弟にあたるが、近いうちに公爵位を賜る事になっているので、そう堅苦しく考えないでほしい」


「「「「「!」」」」」


(ま、マジかぁ、まさか王弟だったとは・・・)


 急な自己紹介で爆弾を放り込んできた“KY男“改め、“アルバート王弟殿下“に皆んながフリーズしたのは言うまでもない、そして、この後が問題だった・・・


父様「・・・そうですか、王弟殿下で有らせられたですね。我々の様な者にも丁寧にご挨拶いただき感謝申し上げます。私はウェルセメンテ王国の公爵位を賜り現当主をしております。“アイオラト・ノブル・デューキス“と申します。後ろにいる者達は私の妻と子供達です。今回は急いでおりますのでご紹介は省かせていただきます」


ボルテの王弟殿下「おぉ、やはり貴殿がデューキス公爵殿だったか、先程の事は本当に申し訳なかった。・・・しかし、今は“例のご子息“はご一緒におられないのかな?検問所の方でもお見かけできなかったからな」


(ギクッ!!( ̄O ̄;)ぼ、僕のことかな!?)


夜月『落ち着け、アトリー・・・』


父様「・・・“例の“とは?・・・」


ボルテの王弟殿下「あぁ、神々のご加護を得たと言う、末のご子息のことだ、今年の“大会“の参加資格がある年齢だと聞いたのでな、選手として出場すると噂がったのだが・・・ここには居られないようだ。どこか、店に入って行かれたのか?」


(やっぱり僕のことだったーーーっ!!( ゜д゜))


 父様はあえて恭しく挨拶をしながらも、自分以外の家族の自己紹介を省き有耶無耶にしたのだが、向こうはそんな事より僕がいない事に気になったらしい、周囲を見渡しながらそう言ってくるボルテの王弟殿下は、絶対に僕が一緒にいると思い込んでいるような言い方で聞いてくる。


天華『まぁ、でしょうね・・・』


(ど、どうしよう?やっぱり父様達の旅に僕がいないのは違和感があるのかな?この状況で僕の正体がバレたりしないよね??( ;´Д`))


春雷『大丈夫だと思いますよ』


(そ、そうかな?(*´Д`*))


父様「三男のアメトリンの事でしたら、あの子は私の両親と別の方法で後から来る事になってますので、コチラには同行しておりません」


ボルテの王弟殿下「・・・ふむ、デューキス家ご自慢の“天馬“で来るということか・・・そうか、お会いできると楽しみにしていたのだが、残念だ、まぁ、会う機会はこの“大会“中いくらでもあるか・・・」


父様「ご期待に添えず申し訳ございません。機会がございましたらその時に・・・」


 僕の居場所を言及して来ていた事で、内心ハラハラしていたが、父様が事前に用意していた僕がここにいない理由を話したのだが、来る方法については濁して話したけど、向こうが勝手に勘違いしたので特段訂正もせずにいると・・・


ボルテの王弟殿下「うむ、ではその時を楽しみにしよう。・・・・しかし、公爵殿のお子達は5名だったはず、ご長女とご長男は結婚したと聞いたが、貴殿の後ろにいる二人が、その下の双子の弟妹ということだろう?そして末のご子息はここにいないとなると、そちらの紺色の髪の美しい少女は、どこの家のご令嬢なのだ?」


「「「「「!!」」」」」 (げっ!!( ゜д゜))


 今度はデューキス家とは毛色が違う変装した僕のことが気になったのか、僕の素性を聞いてくる。その事に誰もが“やばい“と思っただろう、だが、


父様「・・・彼女は、私の友人の愛娘で、今回、彼女の両親が仕事で“大会“の観戦に来れなくなったので、代わりに私達が彼女を預かり、観光がてら一緒に同行しているのです」


 と、また、父様が表情を変えずに用意していた設定で説明する。


ボルテの王弟殿下「・・・ふむ、そうか、して、名前は何という?後、そ、その、“花“は好きか?特に“薔薇“なんかはどうだ?」


「「「「「!?」」」」」 (名前まで聞いて来た!?∑(゜Д゜)んで、何で花??それに薔薇って???何?口説いてんの??)


父様「!・・・どうして、名前をお聞きになるのです?」


ボルテの王弟殿下「あ、いや、その、・・・少々気になるのでな・・・」


「「「「「!」」」」」 「「「「「おぉ!!」」」」」


(おぅ・・・マジか・・・(*´Д`*))


 父様の説明を聞いたボルテの王弟殿下は何故か名前まで聞いてきて、周囲はざわめいた。何故なら王族が自ら名前を聞くという事は、その人に大いに興味があると言うことで、それが異性だと、恋愛的な意味で気があると言ってるようなものだった。それを分かっていて、父様はあえて、どうして名前を聞くのかと問うた、それに対してこの王弟はいい歳して照れた様子で気になると言うではないか、その反応はどう見ても女装した僕に懸想したと表明していて、デューキス家サイド人達は険しい表情になり、ボルテ王国サイドの人達は色めき立った・・・この時、何故、ボルテ王国の人達が色めき立ったのか、そして、父様と王弟の、このやり取りの意味を僕はよく理解してなかった・・・・


父様「王弟殿下、先に申し上げておきますが、ああ見えて彼女はまだ13歳の“未成年“です。それに、本日は彼女の両親は同行しておりませんのでご紹介は致しません」


ボルテの王弟殿下「!じゅ、13!?そ、それは・・・だが・・・」


父様「殿下、私は彼女の保護者として任されておりますが、そう言った申し込みは彼女のご両親に直接なさってください。それと、あちらで警備隊の方々が事情説明を待っておられますよ」


 父様は照れている王弟に僕が13歳の“未成年“だと言う事を強調して伝え、(多分、僕が13歳に見えなかったのは、女の子にしては身長が高ったからだと思う(*´ー`*)もしくはお化粧のせいで大人ぽかったか・・・)その上で、僕の紹介はしないと断言した。

 本来なら名前を聞かれたら自ら自己紹介して、挨拶をしなければならない、僕が未成年で両親がいない事を理由にそれを断った。これも、本当は両親がいないとしても、令嬢の僕の保護者としての父様が結婚相手として、いい出会いだと判断したら普通に紹介するもの、だが、それをしないと言う事は相手に貴方は僕に相応しくないと言っているようなものだと言うこと、これは王族相手にかなり不敬なことだが、要は“この子はお前に勿体無い、お呼びじゃねぇんだよ“って、王弟に言ったと言うことだ。

 王弟はそれより僕の年齢のことの驚きで気づいてないが、その驚きの最中の王弟に畳み掛けるように、父様は婚約もしくは交際の申し込みはこっちでは受け付けてないから、存在しない僕の両親に直接自力で取れよ、と言って、向こうの返答を待つ事なく、この騒ぎの収拾を付けるために駆けつけて来ていた警備隊の対応を笑顔で促した。

 

ボルテの王弟殿下「む、あ、いや、それはするが・・・せめて、名前だけでも・・・」


父様「アルバート王弟殿下、私達は先を急いでますので、これで失礼いたしますね。あぁ、後、警備隊の方々、私達は偶然この場に居合わせただけですので、説明するものがありません。なので事情の説明はコチラのお方がなさってくださいます。では失礼します」


ボルテの王弟殿下「あ、ま、待っ、っ!・・・」


 未練がましい王弟の言葉に父様は淡々と対応して、バッサリと会話を打ち切り、次に父様が警備隊の人達に向けて軽く事情を説明している間に、うちの護衛騎士達や使用人達はこの場を離れる準備をし、母様と双子兄弟は、父様の最後の言葉と同時に王弟に軽く会釈をすると、僕を隠すように僕の周囲を固め、目的の場所に向けて歩くように促し、僕もそれに従い王弟に会釈をして歩き出すと、王弟は僕達を引き留めようとしたが、途中で黙って見送った。


(あぁ、父様が軽く“威圧“したな・・・てか、僕達は警備隊の事情聴取的なのに対応しなくていいの?(・・?))


天華『あ、一応、使用人の一人が残ってますよ。彼が質問に答えるんじゃないですか?』


(あー、本当だ、何気にそつがない・・・まぁ、“ヒポグリフ“が勝手に街に降りたのが僕のせいなんて言えないから、詳しい事情説明も何もあったもんじゃないか(*´ー`*)・・・)


ジュール『だねぇ、てかさ、これからどこ行くの?』


 と、家族に促されるまま町の大通りを歩いている僕の行き先を聞いて来たジュールだが、僕も今回の旅行の観光地はサプライズ多めで、今日の行き先を知らされていなかったから、


(どこに行くんだろうね?(・・?))


 と、首を傾げるしかなかった・・・



 ・・・この時、アトリーは気づいていなかったが、あのボルテの王弟殿下は無理矢理にでも女装した自分に婚約を迫ろうとしていたことに・・・



 父:アイオラト 視点


(全くもってふざけている!一度会っただけの者にボルテの“求婚行為“をするなんてっ!)


 *“求婚行為“とは、ボルテ王国の風習で自分の身分をばらし名乗った上で、異性の相手の身分と名前を聞き、花を好きかと問うて、さらに恋愛や求婚の意味が多い花言葉を持つ“薔薇“を好きかと聞くと言うことは、その相手に婚約の打診を匂わせると言う意味だ。この行為のことを“求婚行為“といい、そこで相手がその問いに答えたのなら、その求婚に同意したとみなされ、その後はとんとん拍子で婚約、または婚姻が決まるのだ。これは重婚が認められていて、自由奔放で恋愛は自由なお国柄のボルテ王国では、定番のプロポーズそのものである。奇しくも、アトリーが思った“(口説いてんの??)“と言う言葉は正しかったりする・・・


(それにアトリーは未成年だぞ!?そんな配慮すらする気はないとはっ!本当にふざけているとしか思えない!!)


 この“求婚行為“、ボルテ王国内での場合、通常は互いの年齢が釣り合っており、互いに結婚の意思があったのなら、形式上の“求婚行為“をした後に普通に役所に見届け人を連れて、二人で婚姻証明書を書きにくると言うもの。

 この説明の中で“求婚行為“と言うものを間に挟まなければ、他国でも良くある恋愛の末の結婚の役所手続きだが、それとは別にごく稀なケースで、身分や年齢があまりにも離れていたり、相手が未成年だった場合、両方のその両親や後継人、保護者などの合意が必要とされ、関係者全てに聞き取りをし本人の意思をしっかり確認までする国の審査が入るのだ。

 でも、それが王族の“求婚行為“となると、その審査の基準が緩くなる傾向にあり、身分や年の差、未成年であっても、これも他国ではたまにある事だが、“高位貴族の養子になってから“とか、“相手が成人してから結婚する“と言った手順や条件をつけることで、“国内“であれば身分関係なく強引に婚約を結べる。

 だが、求婚する相手が“他国籍“である場合は少々勝手が違ってくる。


 もちろん、相手は他国の人間という事もあり強引に婚約などはできない、そこで他国の貴族や王族で国家間の婚姻をする時に、政略結婚と言う方法もある、それは国家間の利益や友好を示すためにと言う、政治的意味を含めた理由で求婚することはできるが、今回の場合、そんな利害関係もなく、政略的意図もない相手に、王弟は“求婚行為“をしようとしたのが問題だった・・・


 その事で何故こうも、アイオラトが怒っているかと言うと、王弟が求婚しようとした相手、この時は女装したアトリーだったが、設定としては下位貴族の令嬢としてその場にいたのが問題だった、身分が高い高位貴族の令嬢であればその求婚に利益がないとして、その縁談話を蹴ることができたが、身分が低い下位貴族の令嬢の場合、その縁談自体が光栄な事とされ、多少なりと王弟が有益な便宜を図ってもらえる事で、利益がでる事になるので問題なしとなり、そこに未成年などと言う問題は無視され、身分が低い故に、その本人の意思すらもほぼ無いものとして強制的に婚約を結ばれるのだ、それを知っていて“ボルテの求婚行為“を王弟が平気でしようとしていた、アイオラトは自分がこの場におらず断る権力もなかったら、確実にアトリーは無理やり王弟と婚約を結ばされていたと、理解しているから憤慨しているのだ。


 また、王族が何も利益の政治的意図も無い下位貴族の令嬢に普通は求婚などしないのだが、ごく稀に他国間の身分違いの結婚話の事例はあった、あったにはあったのだが、それは時間をかけて交流をした後に互いの合意を得てから、婚約または婚姻するのが大半で、今回のようにほぼ初対面、言葉を交わすこともなく王弟の一方的な一目惚れ、それに王弟は今まで自分が気にいる女性がいないと言って、婚約をことごとく蹴ってきた事で今は20代後半だとか、対してアトリーは13歳の未成年、その上、この“求婚行為“の意味など全く知らないアトリーを嵌めるようなやり方でと言うのは、流石に非常識としか言えない。

 しかも、それを分かっていて未練がましくもう一度名前を聞こうとした、そんな王弟の行動は異常だ、なのでアイオラトは不敬だと言われても仕方ないほど頑なに、女装したアトリーの身分も名前も何も教えず、アトリーに答えさせる事もせずに強引にあの場を去ったのだった・・・


 そう言った事もあり、かなりご立腹のアイオラトは本当なら今日はこの町で少し観光をしてから一泊して、翌日に次の街へと移動するつもりであったのだが、その予定を早めて、早急にこの街から出て、次の街へと移動する事にしたのだ・・・・


・・・・その後、この話を聞いたアトリーが物凄く嫌そうな表情のまま固まって、心の中で“(10以上も離れた相手、更に未成年に求婚するなんて、完全にロリコンやないかーいっ!!)“と、叫んでいたのはジュール達しか知らないお話だった・・・・














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― 新着の感想 ―
他国の人間に自国の常識を押し付けるような求婚を押し付ける行為は間違ってるけど個人的に年齢が理由になるのは老年になった今でも分からん、人間は愛を語るのにやたら年齢と立場を気にするよね理由もあやふやでよ…
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