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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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102話 お仕事


 はい!どうも!僕です!現在、お仕事中です!・・・多分・・・


 ニモスおじ様の合図で地上にゆっくり降り立った後、前公爵と会話してみたが空から降りてきた僕が、自分達が狙っていた人物だとはわからなかったみたい。


「ん?何者って、・・・自分達が欲しがっている相手に向かって“何者だっ“て言うとか・・・まさか、貴方、僕の詳細な姿をよく知らない、とか?・・・」


(・・・いやいや、流石にターゲットの詳細な情報ぐらいは頭に入れとくよね?( ̄▽ ̄))


天華『多分、事前に聞いていた情報より、アトリーの姿が変わっているから気づかなかっただけじゃないですか?』


(そっかなぁ?髪とか瞳の色は変わってないよ?(・・?))


天華『・・・確かに・・・』


 天華とそう話していると向こうが僕の素性を確認してきたので、元気よく「正解!」と答えた。すると、いきなり僕を捕まえようと思ったのか、手を伸ばしながら走る体制に入ったと思ったら、急に前公爵にピンポイントで“神気“の威圧が高まり、前公爵はその場で押しつぶされるように地面に叩きつけられていた。


(あれ?潰れちゃった・・・でも、今ちゃんと僕のことが分かったのかな?)


夜月『・・・もしかしたらアトリーがこんなところまで出張ってきてるとは思わなかったんじゃなか?」


(あー、そうか、その方があり得そうな感じかな?いないと思っていた人が目の前に現れたから信じられなかった?って感じかな?)


夜月『まぁ、そんなところじゃないか?』


天華『・・・私はどちらともって感じがしますね。だって今、この人“デューキス公爵家の三男“ってわざわざ言ってますし・・・』


(…えっ!?もしかして僕の性別勘違いしてた?( ゜д゜))


夜月『それもあり得るな・・・』


(マジか・・・あぁ、空が青くて天気がいいなぁ、もふもふもいっぱいいるし・・・あれ?)


聖獣達&精霊達『『『『『アトリー』』』様』』


 さっきの話の続きでをしていると、夜月が別のことが原因じゃないかと言うので、僕もそれは確かにあり得るなと思っていると、天華がさっきの前公爵の言葉で、もう一つ理由があると分かったようだ。その理由が僕の格好のせいで性別を疑われている可能性があると、遠回しに言ってるような説明だった。その事に僕は密かにショックを受けていると、ダメ押しで夜月まで同意してきたので、現実逃避してしまった。


「・・・それにしても、“神力“出し過ぎちゃった?殆どの人と狼達が気を失っちゃってる、ニモスおじ様は平気そうなのに・・・」


ソル「それはしょうがないかと、アトリー様の“神気“を初めて感じている人にはかなりキツイでしょう。プロニモス様は一度アトリー様の“神気“を感じたことがお有りですし、今回は威圧対象からも外していらっしゃるからそんなに影響がなかったんだと思いますよ。それに、プロニモス様はアトリー様に害意が無いですから」


 現実逃避、いや、向こうの状況が気になり周囲を見渡してみると、今回の作戦の目的である“レッサーフェンリル“達が、怯え切った目で僕のことを見ている事に気づき、他にも帝国側の人達が気絶してたり泣いて座り込んでいる人たちもいた。

 その状況を見て演出のために開放した“神力“が強過ぎたのかと思ったが、ニモスおじ様とその後ろにいる騎士団長とその副官らしき2人はちゃんと意識を持って立っているので、その違いはなんだろう?と思っていると、ソルが自分の見解を簡潔に答えてくれた。


(ふむ、確かにニモスおじ様は結婚式の後に一度僕の“神力開放“を見たことあるな、それにおじ様は身内だからか僕のこと可愛がってくれてるし、害意がないもんね、だから無意識に威圧対象の範囲から除外してたみたい・・・)


「あ、そう言うことか、身内でも僕の“神力“を見たことある人じゃないと最初は辛いもんね。それに僕の“加護の結界“の機能と同調して、僕に悪意がある人には威圧が強めにいってる感じがするよ。あぁ、だから、この人はもう立つ事もできなくなっちゃったんだね・・・」


(神々が僕に対しての悪意や害意を感知しちゃったって事か・・・まぁ、今、会って気づいた瞬間に僕を捕まえようとしたんだからそうなっても仕方ないよね。こう言う人達のことを本物の“俗物“って言うんだろうなぁ・・・)


 と、軽蔑の眼差しで見ていると、その人達の周囲にいる“レッサーフェンリル“達が耳をぺたんと下げて怯えて、さらに震え出してしまった。


「あ、さらに怖がらせてしまっちゃった?ごめんね?僕は君達を怖がらせるつもりは無かったんだ。だから、ほら落ち着いて・・・」


 ふわっ


 そう言って帝国側全体にかけていた威圧から“レッサーフェンリル“と狼達だけを外した。


「どう?もう苦しくない?まだちょっと怖いかな?」ニコッ


 これ以上怯えさせないように、いつも魅了効果のあると言われている笑顔を向けた。すると・・・・


「「「「「くぃーん・・・」」」」」


 と、“レッサーフェンリル“は図体に似合わない情けない鳴き声を出しながら、恐る恐るコチラを伺い出した、でも周囲にいる普通の狼達がまだ凄く怯えていて、普通の狼達のリーダーらしき“レッサーフェンリル“達のそばから離れようとはしなかった、僕が気にはなるけど近づいてこなかった感じだ。

 それに周囲に倒れている仲間の狼達を気遣う様子を見せていたので、それを見た僕は僕の威圧に耐えきれず気絶してしまった狼達を遠隔で治療することにした。


(あらら、まだ怖がってるな、それに結構な数の狼が倒れているな、仲間意識が強いのかその狼達を心配してるみたいだから、治療したらちょっとは落ち着くかな?)


「お友達にも悪い事をしちゃったね。“マルチターゲット・ヒール“」


 ぽわぁ~・・・


「はい、これで大丈夫・・・」


 気絶している狼達だけをターゲットに入れて、一気に治療魔法をかけると数秒で意識を取り戻し始めた狼達は、元気になった仲間を見て尻尾を振りながら喜び会っている、その様子を見ている僕は、


(わぁ、もふもふ達が可愛く喜びあってるぅー!(о´∀`о)可愛すぎる!!あの可愛いもふもふ達を思う存分モフモフしたい!(・Д・))


 と、目の前のモフモフに心奪われてしまっていた。すると・・・


ソル「アトリー様、お仕事忘れてますよ。ほら、今の内に狼達ごと“レッサーフェンリル“達を連れて行かないと・・・」こそっ


「はっ!っ、またもやお仕事のことを忘れてた!よし、お仕事を遂行して、その後にモフモフさせてもらおう!」こそっ


ソル「アトリー様、欲望が出てますよ・・・」


 ソルは僕が本来の目的を忘れかけていることに気づき、再び本来のお仕事の事を耳打ちしてきた、なので自分のモフモフ欲を満たすためにも仕事を終わらせなければ!と意気込んだのだが、つい、その欲望が言葉に出てしまってソルにツッコミをされてしまった。


「ん?なん事のかな?お仕事のどさくさに紛れてモフモフできたらいいなとか全然思ってないよ?」


ソル「いや、本音がポロポロ出てますって、“現人神“の威厳も何もあったもんじゃないですよ!?」


「いやいや、僕に元々そんな威厳とかないから、モフモフしたいって欲求しかないって!・・・ん?」


 自分はアイツらみたいに俗物では無いが、欲深いのは認めている僕は、こんな感じでいつものようにソルとコソコソ漫才を繰り広げていると、気絶から起きた狼達との喜びあいが終わった“レッサーフェンリル“達が、僕の事をジッと見ている事に気づいた・・・


「うーん?何か言いたげ?・・・僕にお礼がしたい?「こくっ」・・・そっか、君達は律儀だね、でも、お友達達を気絶させちゃったのは僕だから、お礼なんて良いのに・・・

 「くぅんっ」・・・ふむ、威圧に耐えきれなかった仲間は、弱かったのだから殺されても仕方ないと思っていたけど、僕は殺さずに助けてくれた。だから感謝のお礼がしたい?

 「わふっ!」・・・そっか、君達は実力主義ではあるけど仲間意識は強いんだね?仲間が助かって嬉しかったんだ、だからお礼がしたいと?

 「わんっ!」・・・うーん、分かったよ。でもいいの?君達、仲間の前で人にお礼するなんて、群れの長としての威厳的なものは・・・

 「くぅ、わんっ!」・・・ふーん、実力主義だから、この場で1番強い僕にちゃんと挨拶するのは当たり前って事?

 「わふわふっ!」・・・え、僕が君達の群れの長でも良いって・・・いや、流石にそれは無理だよ・・・でも、僕の言う事を一つだけ聞いてくれるかな?

 「わんっ!!」・・・ふふっ、そう、ありがとう♪じゃあ、皆んなこっちにおいで♫」


「「「「「わふっ!!」」」」」 「「「「「えっ!?」」」」」


 なんとなく、向こうの言いたいことがわかったので、会話を試みた結果、“レッサーフェンリル“と狼達と和解?して、お願いを一つ聞いてくれる事になったので全員に集まってもらうことになった、僕が“おいで“と呼ぶと全員が一斉に嬉しそうに尻尾を振って僕の元に走り寄ってきた。


 そして、1番近くにいて、最初に僕の前に辿り着いた“レッサーフェンリル“が僕の2、3メートル手前で急停止し、おすわりの状態になった。それに習うように他の“レッサーフェンリル“達も横一列に並び、そのさらに後ろに他の狼や狼種の魔物達が綺麗に整列し、尻尾を振りながら良い子でお座りしていた。


「わふっ!」ペコりっ「「「「わふっ!」」」」ペコりっ


 目の前の1頭がひと吠えしてお辞儀をすると、後に続いて他の4頭も同じようにひと吠えしてお辞儀した。最後に後ろに整列した狼達は無言で深く頭を下げてきた。


「わぁ、ふふっ、コチラこそよろしく、じゃあ、早速、僕のお願いなんだけど、まずはこの場所ではお話できないから、場所を変えさせてもらうね。先に移動してもらうけど、すぐに後で会えるから、移動した場所で待っててくれるかな?」


「「「「「わふ?」」」」」


「うん、あぁ、そんなに大変じゃないよ、魔法で一瞬だから大丈夫、移動する場所は君達がよく知ってる場所だからね、しばらくその場から動かないでくれたら良いから」


「「「「「わふっ!」」」」」


「ふふっ、じゃあ、送るね、“テレポート“」シュンッ!


 僕のお仕事のためにまずは彼らにこの場から離れてもらう為、話し合いの場に移動すると伝えると、今から走って移動するのか?と問われたので、移動は瞬間移動で僕が送るので全く大変じゃない事と、移動した先は彼らの見知った場所だとを伝えると、移動する事に納得してくれたので、すぐに彼らを魔法で話し合いの場所、“聖獣フェンリル“の棲家前まで送った。


「「「「「えぇ~~~っ!!!???」」」」」


 そして、消えていった彼らを目撃した意識のある帝国側の人達の驚愕の声が周囲に響きわたった、そんな中、僕はその大声で耳が痛くなる前にすぐに国境の境目に遮音と防御の効果を付与した結界を展開し、ニモスおじ様のところまで歩き、作戦完了を報告し、撤収の許可をサクサクっと貰って、約束通り僕の迎えを待っている母様を迎えに行って、そのままサクサクっと“聖獣フェンリル“の棲家前に“テレポート“してきた。


「ふぅ、これでひと段落、まぁ、今、向こうは大混乱中だろうけど、あとはニモスおじ様達にお任せして良いんですよね?」


母様「えぇ、あとの事は大人に任せて大丈夫ですよ。それより今は、この状況をどうしましょうか?」


「うーん、これは完全に叱られてる最中って感じですもんねぇ、邪魔したらダメだと思うので、僕達は一旦、テントでも張ってお説教が終わるのを待ちますか?」


母様「それもそうね・・・」


 移動してきて、体をひと伸びさせ、後の事を完全に丸投げしてしまった事をちょっと心配していると、母様が伸びている背中を撫でながら丸投げに太鼓判を押してくれた。それよりも、チラッと伺った視線の先の状況はどうしたものか、と聞いてきたので、僕も視線を同じ場所に向けると、今は先に送った“レッサーフェンリル“や狼達が“聖獣フェンリル“に盛大に吠えられ、もとい、叱られているところだった、でも、僕はよその様の教育方針に首を突っ込むのは面倒、いや、いけないと思い、放置、お説教が終わるまで待とうと提案すると、母様もそれに賛成してくれたので、以前の討伐依頼で使用したテントを取り出し、今の僕の格好などについて、まったりお茶しながら話す事にしたのだった・・・


「はぁ、お仕事、完了・・・」



















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